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蜘蛛猫になった
蜘蛛猫、都市に潜入します。
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「猫さん、重いよー」
「ピ、ピ?」
私がいつの間にかうつ伏せの少女の上に乗ってしまっていたようだ。
はい、はい、どきますよ。これ以上乗ってたら死んじゃいそうだしね。
「死ぬかと思った~」
「ピニャ」
ごめんね。っと、蜘蛛の手で頭を撫でる。
うん、直に触るとサラサラで綺麗な金色の髪。ほのかにかおるお花とミルクの香り。
お花は服から香ってるのね。ミルクは子供特有の体臭という奴でしょうか。
ん?なんか耳が赤くなってる。私のせいか。
「そろそろ嗅ぐのやめて下さい。恥ずかしい、です」
「ピニャ」
うん。この娘かわいい。もっと構っていたいけど、日も暮れかけてるし、そろそろこの娘を送らないといけないな。
でも、私あの中に入れないよな。どうするべきか?
この娘って力強かったりしないかな。強ければ中に入るまで、背をってもらえばいいし。体ぐるぐる巻きにしてね。
そうすれば猫を蜘蛛から救出した少女って絵面だからね。
私を背をってと、動きで表してみるが、少女はきょとんと首を傾げる。
うーん。わからないか。では、強硬手段で行かしてもらいましょう。
そのまま座っている少女の背に乗って見る。
「?おんぶ?」
こくこくと首を動かす。今度は通じたようで私の事を持ち上げようと立ち上がった。
いや、やっぱり無理だよねえ?!
「よいしょ」
この娘持ち上げたよ!!普通持てないと思うよ。どうなってるのこの世界の女の子の力!?
「で、これからどうしたらいいの?」
私は壁を指差す。
「あ、都市に戻ればいいの。でも、猫さん身体蜘蛛だし大丈夫?門番さんに絶対聞かれるよ」
「ピニャニャ」
くくく、そこはこの糸でこうして私自身を巻けばいいのよ。
これで少女に助けられた猫型魔物という構図になるわ。
「なるほどね。じゃあ急がないと、門閉めちゃうから」
少女は私を担いで歩きだす。いや、これは走ってるな。本当にこの娘は、最初こそ腰抜かしてたけど、こんなに力とスピードがあるなら、私が庇は無くても逃げれたのではなかろうか。
「そういえばシャロは、シャロっていうの。よろしくね」
シャロちゃんか。定番といえば定番だね。金髪美少女のシャーロット略してシャロ。多分この略しで間違いないと思う。
「ピニャ」
通じたと表現したかったので、取り敢えず返事だけしといた。
通じたか分からないけど、シャロちゃんが笑っていたので良しとしよう。
それからものの数分で門の目の前まで来ていた。
遠くから見た時も凄く大きいとは思っていたけど、近くで見ると圧巻だね。天まで届くのではと思ってしまうほでにその壁は大きかった。よくもまあこんな大きな壁を作り上げたものだ。
「シャーロットちゃん大丈夫だったかい?」
「うん。シャロは大丈夫だったよ」
シャロちゃんは貴族かなんかと思っていたから、門番の態度があまりにも普通だから驚いた。
二人を交互に見てるとふと、門番さんと目が合う。
「それでシャーロットちゃん。その背中に背負っているのは魔物かい?」
「うん!」
「うんって、シャーロットちゃんも分かっているとは思うけど、魔物は基本的に連れて入れないんだよ。テイムされている魔物か、それか全責任が取れる人じゃ無いとダメなんだよ。まぁーそんだけ懐いているようだったら大丈夫か、それにシャーロットちゃんのお家にはあのかたも居るしね。良し、そのまま連れてって良いよ」
「わーい!ありがとう!ばいばーい!!」
「気をつけてな~」
門番さんや君は本当にそれでいいのかね。
ま、別に私に害は無いしいっか。
その少し後、門に不機嫌な顔であの男が帰ってきた。
くそ!!何故見つからないのだ!く、どうしたものか?明日は別の所を探すか?捜索範囲を広げるか?だがそれに避ける人員が足りないな。
くそ!手詰まりか、仕方ない何か他の手を、うんん?この夕焼けが反射している灰色の糸は?!まさか?!
あの魔物はこの都市にいるのか!!
神はまだ希望を与えてくれたのか!!何と感謝をしたらいいか、良し暗くなる前に確保しなければな!!
ぶるっなんだろう今の悪寒は……
「ピ、ピ?」
私がいつの間にかうつ伏せの少女の上に乗ってしまっていたようだ。
はい、はい、どきますよ。これ以上乗ってたら死んじゃいそうだしね。
「死ぬかと思った~」
「ピニャ」
ごめんね。っと、蜘蛛の手で頭を撫でる。
うん、直に触るとサラサラで綺麗な金色の髪。ほのかにかおるお花とミルクの香り。
お花は服から香ってるのね。ミルクは子供特有の体臭という奴でしょうか。
ん?なんか耳が赤くなってる。私のせいか。
「そろそろ嗅ぐのやめて下さい。恥ずかしい、です」
「ピニャ」
うん。この娘かわいい。もっと構っていたいけど、日も暮れかけてるし、そろそろこの娘を送らないといけないな。
でも、私あの中に入れないよな。どうするべきか?
この娘って力強かったりしないかな。強ければ中に入るまで、背をってもらえばいいし。体ぐるぐる巻きにしてね。
そうすれば猫を蜘蛛から救出した少女って絵面だからね。
私を背をってと、動きで表してみるが、少女はきょとんと首を傾げる。
うーん。わからないか。では、強硬手段で行かしてもらいましょう。
そのまま座っている少女の背に乗って見る。
「?おんぶ?」
こくこくと首を動かす。今度は通じたようで私の事を持ち上げようと立ち上がった。
いや、やっぱり無理だよねえ?!
「よいしょ」
この娘持ち上げたよ!!普通持てないと思うよ。どうなってるのこの世界の女の子の力!?
「で、これからどうしたらいいの?」
私は壁を指差す。
「あ、都市に戻ればいいの。でも、猫さん身体蜘蛛だし大丈夫?門番さんに絶対聞かれるよ」
「ピニャニャ」
くくく、そこはこの糸でこうして私自身を巻けばいいのよ。
これで少女に助けられた猫型魔物という構図になるわ。
「なるほどね。じゃあ急がないと、門閉めちゃうから」
少女は私を担いで歩きだす。いや、これは走ってるな。本当にこの娘は、最初こそ腰抜かしてたけど、こんなに力とスピードがあるなら、私が庇は無くても逃げれたのではなかろうか。
「そういえばシャロは、シャロっていうの。よろしくね」
シャロちゃんか。定番といえば定番だね。金髪美少女のシャーロット略してシャロ。多分この略しで間違いないと思う。
「ピニャ」
通じたと表現したかったので、取り敢えず返事だけしといた。
通じたか分からないけど、シャロちゃんが笑っていたので良しとしよう。
それからものの数分で門の目の前まで来ていた。
遠くから見た時も凄く大きいとは思っていたけど、近くで見ると圧巻だね。天まで届くのではと思ってしまうほでにその壁は大きかった。よくもまあこんな大きな壁を作り上げたものだ。
「シャーロットちゃん大丈夫だったかい?」
「うん。シャロは大丈夫だったよ」
シャロちゃんは貴族かなんかと思っていたから、門番の態度があまりにも普通だから驚いた。
二人を交互に見てるとふと、門番さんと目が合う。
「それでシャーロットちゃん。その背中に背負っているのは魔物かい?」
「うん!」
「うんって、シャーロットちゃんも分かっているとは思うけど、魔物は基本的に連れて入れないんだよ。テイムされている魔物か、それか全責任が取れる人じゃ無いとダメなんだよ。まぁーそんだけ懐いているようだったら大丈夫か、それにシャーロットちゃんのお家にはあのかたも居るしね。良し、そのまま連れてって良いよ」
「わーい!ありがとう!ばいばーい!!」
「気をつけてな~」
門番さんや君は本当にそれでいいのかね。
ま、別に私に害は無いしいっか。
その少し後、門に不機嫌な顔であの男が帰ってきた。
くそ!!何故見つからないのだ!く、どうしたものか?明日は別の所を探すか?捜索範囲を広げるか?だがそれに避ける人員が足りないな。
くそ!手詰まりか、仕方ない何か他の手を、うんん?この夕焼けが反射している灰色の糸は?!まさか?!
あの魔物はこの都市にいるのか!!
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