Shine Apple

あるちゃいる

文字の大きさ
46 / 88

四十六話

しおりを挟む


 「王宮のお料理は如何でしたか? タクミ様 お口にあいまして?」

 精霊との契約を済ませて王城に帰ってきて休んでいると夕御飯を共に如何かと言われて断る事も出来ず、王族ご一家と一緒の机で食べる事になった。

 王宮の料理など食べた事は無かったし、日本に居た頃もテーブルマナーなど知らなかった為に高級店からは足が遠のいていた事もあって、初体験のフルコース料理を食べる事に……。

 フランス料理のイタリア料理の様な感じで、前菜から順番に出されたのだが兎に角量が多かった。
 味やなんかは巷の料理とは別格ではあったが、メインの肉なんて厚さが五センチはあった。

 メリヌは喜んで食ってたが、俺はそこ迄大食漢では無かった為に残してしまった。

 それを見て夫人が口に合わなかったのかと心配してる様だった。

 「はい、大変美味しかったのですが量が多くて……申し訳ありません。残してしまいました……」
 「まぁ、そうでしたのね! 今度からは少なくする様に伝えておきますわ!」
 「ははは……今度から……ですか?」
 「ええそうよ! 此れから学園へ通うのですもの!」
 「え? 学園? 通う??」
 思わず聞き返した。
 (そんな話は全く聞いてないし、俺は冒険者家業をこれからも続ける予定だし……はて?)

 そう困惑していると三番目の王子がいう

 「実は連名で山裾の街から願書が届いていてね? 君にこの国や世界の歴史と常識を学ばせてくれとお願いされているんだよ」

 そう言って俺に羊皮紙を渡してきた。
 それをクルクルと開いて見てみれば……

 商業ギルドマスター、サブマスター、狩猟ギルドマスター、冒険者ギルドマスター、公爵の名前も署名されてあり、宜しくお願いしますと書いてあった。

 俺宛の手紙も付いていて読んでみると

 『常識を学んで来るまで帰ってくんな プリムローザより
 魔導師様の跡を継いだのだからそれ相応の知識を学べ レギンスより
 3年間頑張ったら報酬を払いますよ ダイナス・クロスロードより』

 俺がそんな手紙に頭を抱えていると執事さんが何かの書類を抱えてやってきた。

 「おお、タクミ様此処におりましたか!探しましたぞ!」

 と、何やら額に汗を流している。
 何事かと思って学園の事で思考を停止させていた俺は即座に反応した。

 「如何しました⁉ まさか魔獣でも……」
 スタンピードでもまた起きて、俺が出張でばらないとイケなくなったとか?っと、思わず喜んでしまった。

 「実は嘆願書がたくさん届いておりまして! どーしても店を王都で開いてくれと多くの民や商人や貴族に至るまで届け出がありまして!」

 そう言うとドサッと俺の前に置いた。

 その一部を読んでみると

 「門の前で売っていたケバブを王都で店を出して貰える様に頼んでください! 私はアレを食べないと死んじゃう病に掛かってます!」

 とか、他にも似たような文が書かれていた。

 その一部を王族一家にも見られ

 「ケバブ……とはどんな食べ物なのかしら? 出来れば私も食べてみたいわ」

 っと、先程たらふく食った筈の夫人が騒ぎ始め、王子達も私も食べてみたかったんだ!と、言い始めた。

 どうやら兵士や貴族の方々が食べていて人気だったらしく、気になって買いに行ったらしいのだが、既に畳んだ後だったらしい。

 もしかしたら店を出せば学園に通わなくても良くなるかも!っと、思ったので

 部屋に居た夫人と三人の王子に頼まれたし、仕方ない素振りを残しつつ、ウキウキしながら厨房で作って持ってった。

 (さっきたらふく食べたのに何処に消えてるの?)ってくらい食べていた。

 「まぁまぁ! なんて美味しいのかしら! 幾つでも食べられるわ!」
 と、夫人に大絶賛されるし

 「これは凄いですね! 是非お店を出してほしいですよ!」
 と、第二王子に言われ

 「そうですね! 良い土地を抑えておきます!」
 と、執事もやる気満々で出ていった。
 商業ギルドに行ったみたいだ。
 やった!これで学校に行かなくて済むと浮かれていたのだが

 「店は学園の近くにしますか! それなら通いで行けますからね! あ、馬車でもいーですね!」
 と、第三王子に言われて落ち込んだ。
 どうやら学園へ行くことは覆られないようだ……。

 皆さん大賛成だったし……多分その線で決まりそうな雰囲気だった。

 次の朝になると、執事が俺を連れて商業ギルドへと赴き、どの土地が良いか決めてほしいと言ってきた。

 住む場所は大木の家を使うので土地だけしかない場所を探したが、流石王都というだけあって、だいたい家付きだった。

 探しに探しても見付からず、日が暮れようとした時、たまたま出会った学園長の計らいで使ってないグランドがあるからそこでどーだろうと言ってくれた。

 その場所はメイン通りが真横を走っていて、馬車でも買いに来れる様な場所だった為にそこになった。

 門の外で売った時にドライブスルー方式を取り入れてたのがウケてとても便利だったから似たような作りにしてくれと嘆願書にあったらしい。

 この学園長も実はケバブのファンだったのだそうだ。

 このまま学園に通う事になったのだが、ここで問題があると言って学園回避のワンチャンを狙ってみた。

 「ここで店を出しますと人手が足りなくなりますし、僕の料理は僕とメリヌしか作れません。なので、店を出すなら学園には通えなくなりますけど……」

 「私も住むぞ?」

 と、俺の背中側から何処から出てきたのか黒兎が現れてよく分からないことを言い始めた……。

 「ラメル? 住むとは? は?一緒に?」

 いくら契約精霊とはいえ流石に部屋は無い。俺とメリヌで二階部分に寝るのだから一部屋しかないし、一階はすべて店になってるし……屋上は風呂場である。

 「私はタクミの影に入れるから寝床は作らんでいーのよ。今までも正一やヨネの影に居たからな。 問題ないぞ?」

 「それじゃ決まりですね♪手続きしてきます!」

 そう言って執事は商業ギルドへと走って消えた。
 止める間もなく消えた。
 忍者かと思う程早かった。

 多分執事はみんな忍者なんだな……

 しかし、それでも二人で回せるか考えていたが、そこは何とかするよーと有り難い(?)言葉をラメルが言っていた。

 取り敢えず、草刈りから始めなくてはいけなかったので次の日からグランドへ行きメリヌと黒兎と一緒に草刈りをした。

 といっても風魔法でサクッと終わらせ、刈った草の処理などは、全てラメルがやっていたのでメイン通りから引き入れる道と大木の家を置く為の地ならしをするだけで俺の仕事は終わった。

 これも土魔法で終わらせたので早かった。
 魔法様々である。
 
 

 

 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

今更……助けてくれと……言われても……

#Daki-Makura
ファンタジー
出奔した息子から手紙が届いた…… 今更……助けてくれと……言われても……

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

飯屋の娘は魔法を使いたくない?

秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。 魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。 それを見ていた貴族の青年が…。 異世界転生の話です。 のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。 ※ 表紙は星影さんの作品です。 ※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。

転生先はパラレルワールドだった

こぶたファクトリー
ファンタジー
病に倒れた孤独なアラフィフ男。 転生先は元の世界の面影を残しつつも明らかに違う、異形の存在に侵略されつつある並行世界だった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...