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四十八話
しおりを挟む茶色のウサギに【マロン】と名付け
水色のウサギに【ソラ】と名付けた
「だーかーらー!何で一言言わないのよ! 多重契約する人なんて普通居ないのよ⁉」
などと朝からラメルに苦言を言われたが、今更だし特に魔力に違和感は無かったのでそのままにした。
マロンは土の精霊で契約すると土魔法が強くなるらしい。
ソラは水の精霊で契約すると水魔法が強くなるそうだ。
こうなりゃ全部の精霊と契約結んだら良いのではないかと思い始めている。
やはり風の妖精は緑だったりするのだろうか……。
そうこうしていたらパンズがそろそろ来る時間になっていた。
「おはよーござーい!トリーユパン屋でぇす!」と、言って入って来た者を見ると
緑色のウサギだった。
「お、黒ウサ久し振り~」と、緑色のウサギが俺の店にいる黒ウサギを見て言う。
「風の精霊まで来ちゃったよ……なんなの? 移住でもしに来たの?」
と、ラメルが文句を言うと横にいたブラウンが
「楽しそうな事してるみたいだったから来たんだよ」と言うと他のウサギも頷いていた。
「私のはただの昔からの腐れ縁でしょ!仕事みたいなものじゃない!」
「それでも黒ウサになる事は無かった、ずっと人型だった」
と、レッド
「人前に現れる事も無かった」
と、マロン
「黒ウサの姿で店を手伝うなんて事もしてなかった」
と、ソラ
「ほら!楽しそうな事してたじゃん?」
と、風の精霊も言う。
「あ、俺の事はこれからは【ペロン】と呼んでくれ、旦那さんと契約したんで」
「何でペロン?」と思わず聞いてしまった俺の方を見て
「皆が集まってたから来たけど、うっかり美味しそうな薫りに釣られて家を間違えてしまってね?で、目の前にあった焼き立てパンを半分程食っちまったのさ。
で、お詫びも兼ねて風の力を強くしてやるからと言ったが、ちょっと怒らせてしまったようで『ペロンと半分も食っちまったのか!この馬鹿野郎!』と、怒られたんだけど、その時飛んだツバが僕の体に付着してね?……で、そのまま契約成立さぁ」
ちょっと意味が分からなかったので契約の仕方を改めて聞いてみた。
「契約者の唾液や血液それか汗でも良いけど、それを精霊の体に付けて匂いを付ければ良いだけだよ? え? キス? そんな事しなくて大丈夫だよ、だって同性とはしたくない人も精霊も居るからね!」
っと、暴露。
それを聞いていたメリヌはチラリとラメルを見たら既にその場に居なかった。
まぁこれで人数的にも回せる事になり、俺とメリヌの手が開くことになってしまった。
このうさぎ共は腐っても精霊だった。
兎に角一度覚えた仕事はキッチリやるのでケバブもハンバーガーも作れる様になるし、普通に接客も客とのコミュニケーションも取れて、俺達が居なくても回る様になった。
そして更に一週間が経つ頃になると、入園に当たって教室を決めるからと試験を受ける事になった日の朝には、店で働く従業員はウサギだけになった。
黒、白(赤目、茶目)茶、水色の六匹が調理、受け子、販売と別れて働く姿というのは何とも言えない感じだった。
「えっと……じゃ皆、宜しくな!」
そう言って店を後にした。
店と言っても建っているのはグラウンドで学園も目と鼻の先なので、何かあっても駆け付けられるから不安はない。
ついでにメリヌは俺の従者として学園にも付いてくるのだとか……試験は受けても受けなくても良いらしい。
まぁ普通に受けても落ちるかもしれんが……。
この学園一貫校といえば良いだろうか、日本の様に小学校というのは無いらしい。
年齢によって分かれている訳ではなく、完全な実力別でクラスを分ける学校らしい。
飛び級という概念はなく、頭が廻れば先にいける仕組み。
なので、半年に一度全校生徒が受ける試験があって、それに受かると進級なんだそうな。
試験内容は
体力
魔力
座学(算術、語学、歴史)
とあり、3つのうちの一つが基準値を超えていれば進級出切るが、他の試験はそのままのランクで授業を受ける。
3つのうちのどれか一つでも普通に飛び抜けていれば試験初日で卒業出来る奴もいるそうだ。
と言う訳で、店はウサギに任せて試験を受けに学園へとやって来た。
【平民、貴族に関わらず、当学園に通う者は年齢、種族、性別、身分と如何なる差別も許さない】
この言葉を試験会場の部屋に入る前に言わされ誓いを立てる。
この誓いを破った者は厳罰に処されるのだそうだ。
その厳罰と言うのが本物の厳罰で最悪の場合だと死刑も普通にあるらしい。
特に人を意味もなく虐げた者や、差別から苛めをした者は重い罪になる。
学業を教える先生も生徒も関係無く裁かれるので、誰も苛める者はいなかった。
まぁ、年齢もバラバラ過ぎて同級生っていう感覚がない。
クラスメイトという枠が無く、昨日入学した後輩が半年後に先輩になってるなんて事もあるので、偉そうにする事ができないのだ。
結論から言うと俺はほぼ卒業した感じになった。
まず、体力は人並みで1年生
次に、魔力は卒業&王宮魔道士への推薦状を貰った。
最後に、座学は語学は全言語理解で妖精語以外なら読めるし書ける、算術は四則演算出来れば良いらしいのでクリアしたし商業ギルドへの紹介状もくれた、もし学業中に働きたいなら、その手紙を見せろとの事だった。(バイト紹介付きとは素晴らしいシステムだ)
まぁ結果は歴史で引っ掛かって1年生からになったが、授業は体力を上げるための訓練と世界史等を学ぶだけなので、拘束時間は少ないようで安心した。
因みに従者であるメリヌは体力だけがずば抜けており、卒業&王宮近衛騎士の推薦状を貰っていた。が、そのまま俺の護衛兼従者兼〇〇として、側にいるそうだ。
〇〇の部分は詳しく教えてくれなかったが、夢がどうたら言っていた。
まぁとにかく、明日から俺は学園に通うのだ……
『あ~だるっ……』
久々に出た口癖に苦笑いした
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