Shine Apple

あるちゃいる

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七十六話

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 俺達はラメルの魔力を更に増やす為にふた手に別れて行動することにした。

 白ウサのレッドとブラウンにソラとペロンで魔森の奥にある【shine Apple】を採取するチームと、帝国へと向かうチームで別れた。
 ソフィーリアは山国の王城へと預ける事になった。

 嫌だ、付いていくんだと少し騒がれたが、山国の王都へと向かっていたナトリさん達、元公爵家の使用人達が乗っていた馬車が居たので引取ってもらった。

 帝国はこの大陸の真裏にあるらしく、アシュに頼んで飛んでもらうが、3日はかかるのだと言うので、一度大木の家へと立ち寄り、店の品物を補充してから向かうことにした。

 大木の家へと入ると直ぐに用意しますと言うナタリーさん達と共にケバブにハンバーガーと大量に作って貰って、メリヌの腰バッグに次々と押し込めていった。

 序に地下にあるチーズ専用と化してる固定召喚陣のメンテナンスを行って、その日の内に旅立った。

 その場に居たペロン達も隣のパン屋に立ち寄って大量のパンをメリヌの腰バッグに押し込めると、そのバッグをレッドに渡した。

 道中俺の魔力供給が行えない為、魔力を練り混んだケバブなどで補ってもらうためだ。

 メリヌはすっかり自分が貰えたものだと勘違いしていた為に、出発するまでごねていた。

 帝国までは俺が作るからと言うと、機嫌は徐々に良くなってくれたのでホッとした。

 飛行中、採取チームと途中で別れてそれぞれの目的地へと向かう。

 アシュにはペロンの風属性も入っているためナビもお手の物で、最短の道を選んで飛んでくれるそうだ。

 途中冬の山と言われている北極圏を横切ったが、寒さからも守られているのか、特に寒くはなかった。

 眼下に広がる雪の大地には、人影はおろか獣も居なかった。
 この地は水の属性と風の属性が強く、吐く息ですら瞬時に凍ってしまうため生物は生きられないのだそうだ。

 呼吸をしてる間に肺が凍るのだとか……恐ろしい場所だった。

 だが、この地のどこかに精霊の住まう国があるらしく、マロンやラメルは昔話に花を咲かせていた。

 チェリーは火の属性の為寒すぎるこの地には、踏み入れたことがないらしい。

 まぁ生まれた場所も火山地帯だと言うし、最もな話だろう。

 精霊の住まう国は世界中の数カ所にあり、その気候にあった属性達が住んでいるのだそうだ。

 因みにラメルは魔森なのだそうだ。
 闇属性は本来人から忌み嫌われていて、人里とはあまり関わらないのだそうな。

 見付かると封印されちゃうから。
 肉体を持つ闇属性の生き物も少なく、主に居るのはゴースト系ゾンビ系、等のモンスターと言われる者達が眷属なのだという。

 「本当にヤギンで大丈夫なのか?」
 と、尋ねると。
 『んー、ヤギンが何処から来てるのかイマイチ謎なのだけど、兎に角闇の濃い場所で生きていたと思うのよね』

 そうラメルはいう。

 もし日本とか地球からだった場合。
 闇が濃いのだろうか……
 魔力は満ちていないのに、闇属性が多いというのはどういう事なのだろう。

 今から行く場所に不安を感じながらケバブを作る。

 何にしても、行ってみないと何とも言えないので、取り敢えずさっきから話しそっちのけでヨダレを垂れ流すメリヌに手が止まっていると指摘されて、料理に集中する事にした。









 王都を出てから三日目の朝、俺達は上空から帝国の街を眺めていた。

 「……なぁ、ここで合ってる?」
 『うーん……私も帝国には何度か来てたけど……』
 ラメルも困惑していた。
 なぜかと言うと、帝国上空から下を見るも建物らしき建物はあるのだが、廃墟になっていたからだった。

 何かが爆発したのか、一か所が酷くえぐれていて、其処が爆心地だと分かるくらいで、跡は吹き飛ばされた感じになっていた。

 『私のマップでは間違いなくこの場所が帝国だ』

 そうアシュは言う。

 「取り敢えず降りてみたら?」
 メリヌの言葉に一同頷いてアシュに頼むと、街の中心らしき場所に降りた。

 カラカラと根無し草が転がり、まるで西部劇に出てくる様な荒れ地を見渡す。

 砂埃が酷く、外には出なかった。
 「これは野良犬さえ居なさそうだな」
 『爆心地っぽい場所に行ったら何か分かるかも知れませんよ?』

 マロンが地質を見れば何があったか分かるかもと言うので、アシュに頼む。

 地下20mはえぐれている様な場所に降りると、えぐれている分風は吹いていなかったので外に出てみた。

 「何か地面焦げてない?」
 メリヌが鼻を地面に付けて嗅いでみていう。
 何かが爆発したのは分かっている……火薬なのか魔法なのかは分からなかった。

 『んー溶け方が魔森の草原に似てる気がするんですけど……』

 溶けてガラス化した地面を触りながらチェリーは呟く。

 『でも、結晶化はしてないみたいね、ただのガラスよこれ』

 ラメルは地面を少し砕いて欠片を触りながら言う。

 『タクミ様! ここ! この穴! 多分井戸ですよ!』

 マロンが地面を調べる間に抉れた穴の中心に空いていた穴を指差しながら手を振る。

 皆でそこに向かうと、底が見えない程深い穴が空いていた。

 メリヌが瓦礫を掴んで落としてみるも、底に当たった音すらしなかった。

 「うわ……落ちたら洒落になんねーな」
 タクミはそう言うと、一歩下がった。

 ラメルは怖くないのか上半身を穴に入れながら何かを調べているようだった。

 『んー……多分だけど、確信はないんだけど……』
 何か言いにくそうにラメルが首を傾げながら這い出て来ていう。
 「なんだよ……何かわかったのか?」

 恐る恐る聞いてみると

 『ここ多分次元トンネルよ』
 「……何それ」
 『ちょっと何処に繋がってるか分からなくなってるけど、帝国魔道士が入ったっていう井戸よこれ』

 タクミが山の一軒家を買ってその裏の洞窟を渡って来た場所も、次元トンネルではあったが、結晶化してた上に聖域になっている為、固定された洞窟だった。が、このトンネルは違うという。

 『多分何かが爆発した事によって次元が変わったのかも? ちょっといじってみるよ』

 そう言うとマロンは穴の中へと入っていった。

 暫くすると這い出て来たマロンはいう。
 『一応壊れてた中の壁を少し修復してみたけど、向こう側に出て見ないと分かんない』

 一度入ってみてと事もなさ気に言うもんだから戻れなくなったら如何するのか聞いてみたら。

 『不安定な場所だけど多分戻れるわよ? 次元トンネルってそういう物だから』

 そう言って俺の背中を押すラメル

 「あ!馬鹿押すな!あっ……」

 っと叫んだ跡、足を滑らしてタクミは落ちて行った、背中を押していたラメルも序に落ちていき、残ったメリヌとマロンにチェリーは呆気に取られて見ている事しか出来なかった。
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