消滅集落見付けて住んでたら異世界に行けた件

あるちゃいる

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6話

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 税金を払わなければならなくたった!
保留されてた市民税の通知がさっき届いた

 譲渡された土地建物に税金が掛かるらしい、とはいえ、払える金はない!
 収入も無いし、畑の作物も売るほど無いし、唯一売れたのは異世界産兎の肉だけである!

 兎の名前は【アル○ラージ】というらしく魔獣らしい、頭に刺さってた棒は刺さってたのでは無く
 生えていた!が、正解だったようで
つまりあれは角だったらしい
そしてその角は!!異世界の街で売れるんだそうな…

 何個か頭埋めたけど何処へ埋めたのかは分からない…知らぬは損の始まりという事か
取り敢えず置いといて!

 税金を払わなければなりません!
このままでは差し押さえもあり得ると書いてあります!
 ショバ代回収のヤクザより酷いです!
ではどーするか!!

 現代で仕入れた塩や砂糖や胡椒等を売り払い、黄金と交換するか買って
こっちで現金化!それで払えないか考えています

 ただ問題が…小説などでは別世界な異世界が定番です、俺の場合ほぼ感覚的に隣町と同じです…

 その場合…売れるのかすっごく不安…
同じ様な生活様式なら鼻で笑われて終わるからです

 とりあえず軽トラに味塩胡椒を箱で買って積んでいます、これを籠に入れて
 剣鉈をベルトに吊るし
お弁当と水筒に川の水を入れて
シノ(狼)獣人バージョンで
いま!まさに霧の森の手前まで来ています!

 シノさんは欠伸をするほど余裕の表情です!霧の中を進むにはコツがいるそうで、そのコツを掴めば余裕だそうです

 前からヨロヨロと歩く兎を見ましたが
あれは霧の森へとはいり迷子に成り 
血の匂いに誘われた腹ぺこ兎だったみたいです

 ゴブリン(似非河童)も腹ぺこだったみたいです、ただあの河童モドキはマスクをガッチリしてたので、どの道、飯も水も口には入らなかったと思います…研究者馬鹿過ぎます

 取り敢えず!霧の森です。
今まさに!入るところでシノに掴まれました!

 「コウジ!手を繋がないと迷子なるよ!!」
【13話にして始めて分かった俺の名前
田辺 浩二(47)】

 「入って直ぐに迷子になるほど危険なのか?」少しビビりながら答える俺

「一応だよ!事前に防いでこその守りなんでしょ?」

 「…なるほどね」恋人繋ぎではない普通の繋ぎ方で手を握っておっかなびっくり霧の中へと入っていく

「うわー本当に何も見えない」
「そ~言った!」

 周りを見るも辛うじて繋いでる手が見える程度で、足元もほぼ見えない
段差とかあったら転げ落ちれる自信ある!

 シノはというと…
全く動じてない!自信満々に歩いてる
これはシノ無しでは家にも戻れないな…
 そう確信し、怒らせない様にしないとなーっと気を引き締めた

 暫く歩くと視界が徐々に戻って来て
森から出れたようだ、

スポッと霧から出た様な感覚で霧が晴れ
一面草原が広がっていた

 後ろを振り返ると森の入り口から霧が立ち込めていて、木のない所からが平原になっていた

 「よし!着いたよー」と軽そうにいうシノを尻目に、俺は目の前の水色の生き物…といって良いのか分からないが、丸っこい物体に目を奪われていた

 「なぁなぁシノ!これ何?」と丸っこい何かを指差しながら聴くと

 「スライムですよー無害な生き物でよく水辺に住んでます!水質を綺麗に保ったり、汚れやゴミを食べてくれるとってもエコな生き物です」

 へーっとじっくり見る
水色で拳より一回り小さい
此れなら家のトイレに入れとけば匂いもしなくなるんじゃなかろうか…
 帰りにでもスカウトしてみよう…
そう誓って取り敢えず一番近い町か村に急いだ

 「えっ!3日!?」

 森から町まで歩いて3日掛かるそうだ
全ッ然準備は足りなかった

 飯なんて晩飯分も無いぞ…
「先に言ってくれたら良いのに…」
そう呟くのも仕方ないと思う

 「む~ごめんなさい…」
…可愛いから許すけど
はぁ…仕方無いスライムスカウトして帰るか…そう呟くと
 「?売り物あったんじゃないんですか?」
「いや、だから3日掛かるんだろ?町まで…」

 「はい!町までは3日掛かりますけど、売る場所だけなら徒歩1時間くらいですよ?」

「…はぁ?」

 流石に意味が分からなかったので詳しく聞くと、霧の森攻略部隊なる者達がこの辺で常にキャンプをしていて
食料とかを現地民から買っているらしい

 なんだよ…それも早く言ってよ
てか、少しシノに頼り過ぎていた様だ
…反省しなければ…

 「すまないが案内頼めるか?」

「もちのロンだよぉ!」と胸を叩くシノ
(シッカリしてる様で実はシノはまだ五歳)

 まぁ犬の五歳なら大人に近い気もするけど、獣人はどーなんだろ…生態がよくわからんな、今度聞いてみよう

 なんて事を考えている間に辿り着いたキャンプ地。そこには柵は軽く作ってある程度で、門番等も居らず
勝手に入って勝手に出て行ってOKな雰囲気だった

 一応見廻りの兵士は居るようだが
「いちいち身分確認なんてしないよぅ?面倒臭くなるでしょう?」とシノは言う

 まぁ確かにと納得してしまった
キャンプ地の中を歩き、まわりを見回す
 どことなく遊牧民の家みたいな形の建物が、真ん中の広場を中心にして
円を描く様に数十軒並んでいた

 広場には屋台が並び
食料品から服や雑貨なんて物まで売っているようだった

 市は特に時間制限もショバ代も無いけど
中央広場だけでしか屋台は出しちゃ駄目なんだよぅ、っと説明してくれた

 適当な場所に座った俺達は、
1畳くらいのブルーシートを出して
 其処に持ってきた味塩コショウを並べる
1つだけ開封し小皿に少し盛る
 サンプルを置き、味見出来る様に5、6枚の皿に盛っていく

 シートの端っこに並べて置いて何処からでも試せる様に置いておく

 自分側には七輪を置き
兎肉を串に刺した焼き兎を作って持って来ていた
 それに味塩コショウを付けて
これも客に食べさせて
味塩コショウの宣伝に使う

 七輪に炭火を少しいれて、火を付ける
鉄網に串肉を数本並べて行く
 ジックリユックリ焼く為に敢えて炎が掛からないように焼く

 暫くすると肉の脂が溶けて滴り落ち
炭火に直接ポタポタと落ちる
 その落ちた脂が瞬時に気化し
辺り一帯に肉の焼ける、芳ばしい香りが拡がっていく

 その匂いは中々腹に響く香りをしていて
焼いてる横で涎を垂らしてる犬が1匹
 視線を全く逸らさないでズーッと見てる
団扇でパタパタ香りと煙を飛ばしていると
 一人の白い服を肩にかけた男性が歩いてきた

「やぁ!よい香りがするねぇ!ここは何の店だい?」
 髭面に眼鏡をかけたこの男性は鼻をひくひくさせて俺が焼く肉を観ていた

 味塩胡椒ですよー旦那!

 「アジ…シ…オ?胡椒は分かる!珍しい物を売ってるね!ちょっと観て良いかと聴かれたので

 「良かったら味も見て言ってくださいねー」
そう言って小皿に乗った物を差しだす

 味塩胡椒のプラケースをじっくり見ていた男性は、すまんねーと言いながら、1摘み
ぺろりと舐めてから

「‼美味いねこれ!!幾らだい⁉」っと叫んだ

 金貨1枚ですっと試しに言ってみたら
安いね!3つ買うよ‼っと金貨3枚を手渡した

 余りにも喜んで買ってくれたので
串肉を1本プレゼント、

「っ!!!!んまっ!!!何これぅんまっ!!!」と
喜んで叫んでくれた

 其れが宣伝に成りドンドン売れて50個有った味塩胡椒は直ぐに完売となった

 手許には金貨50枚がズッシリとあり
これの金の割合が気になったので

 隣のパン屋さんに聴いてみた
「割合ってのが何か分かんねっけどな?金貨はゴールドで出来てるらしいぞ?」

 …分かりやすい言葉をありがとうっと言って、味塩胡椒を盛った皿を1枚手渡しお礼ですーっと、渡して去った

 もう少し頭の良さそうな人に聴いてみるかと、探していると、白い服を着た若そうなお姉さんが居た

 「こんにちは!少し宜しいですか?」
っと声をかけると

「………コクリ」と頷いた

 動作を口に出して言う某吉田くんみたいな人に出会った
金貨のゴールドの割合は幾つですか?っと聴くと、「金貨だからゴールドでしょ?」
っと、その人の肩に止まっていた鳥が答えた

 …シノが言うには鳥人らしい
まぁいーや!異世界凄えって事で流す事にした

(っていうか、パン屋ゴメン!馬鹿にしてゴメン!)

 先程のパン屋に心の中で謝った
もう金貨はゴールドに変えないで持ち帰って、買い取り業者に丸投げしよう!

 じゃ、帰ろっかーとシノと手を繋いで森へと向かった









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