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次の朝早くに俺は市場へと車を走らせていた、
勿論仕入れの為だ、異世界で寿司屋が受けるか分からないが、また店を出せると思うと嬉しかった
助手席には楓が乗っている。朝早く気付かれない様に出掛けたつもりだったが、跡をつけて来たらしい。
「なっ!お前学校があるだろ!?」と言ったら
今日は土曜日だよ?と言われた。
余りにも浮かれていた様で日にちなど、頭から抜けていたらしい
「仕事見つかって良かった」
そう言われたが、果して見付かった事になるのだろうか?異世界という曖昧な世界で寿司屋を始めようとしている俺には判断がつかなかった。
「違ったの? 」そう首を傾げていう息子に、「帰ったら話す」そういって市場へと入っていった
「分かった」そういって息子は黙ったが、何故か嬉しそうだった。何か良い事あったのか?と聴くと
「パパが嬉しそうだから」
最近の俺は塞ぎがちで無理矢理笑っているのが痛々しかったらしい。「一樹は分かってないから大丈夫だよ」ともいわれた
コイツには隠し事は出来ない事は分かったので、帰ったら全てぶちまけようと思う。
市場では中々良さげな、マダイ、メバル、ニシン、カツオ、サヨリ、ニジマス、カンパチ、ハモ、アイナメ、イサキ、等色々あったが
今日は真鯛とサヨリ、カンパチと鮪と買って帰った。その後直ぐに捌こうとしたが、先に言っておこうと、対面で座ってる楓に声を掛けた。
一樹にも言おうとしたが、既に部活に入っているようで、本人とラケットは無くなっていた。
実はな……と、話し掛けようとしたが、見た方が早いかと思い俺の部屋へと連れて行った。
何故か頬を赤らめて付いてくる息子に何も言わず押し入れを開けて、中を見せた。
「何……これ……え? カウンター? は? 」
うんうん。そーなるよな、わかってた……
俺も店の中へ入り、振り返ると「ここで店をやろうと思ってるんだ」そうしか言えなかった。
唖然と固まる楓の背中を押して、カウンター扉から店内へと入り、外を見せた。
そこには、大八車に荷物を載せて歩く人や剣や盾を装備した人などが歩いていた。
実際見るのは俺も初めてだったが、見た目的には西洋人が多そうだった。生魚はもしかしたら受け入れてくれないかもと思ったが、少し炙って出せば食えるだろうと思うことにした。
楓は外を見ては唖然としていたが、店内を見て回りながら「掃除ちゃんとしないとね! 」そういってバケツはあったっけ?と、探しに部屋へと戻っていった
俺も部屋へと戻ると、足跡が付いていた。自分の足の裏も見て、サンダルが必要だなぁっと笑った
その後楓とホームセンターへ行き、雑巾数枚、バケツにモップブラシとお揃いのサンダルを3つ買って帰り、店内の掃除を始めた。
意外と汚れは少なくアッと言う間に終わったので、楓を連れて商人ギルドへと向かった
見る物全てが新鮮でアタマをキョロキョロ動かしては見物しながら歩いたもので、随分時間が掛かってしまい、商人ギルドへ着いた頃には夕方に成っていた。
顔だけでも出そうかと扉を開けると、先日の寝住さんが丁度上から階段で降りてくる所だった
「寝住さん! 」
そう声をかけると帽子を取り
「やぁまた会いましたな! 今日は登録しに? 」
と言われたので
「はい、ですがもう夕刻なので、顔だけ出して帰ろうかと」
そう言うと
「ははは、構いませんよ? 商業ギルドは24時間何時でもやってますからね! 私は夕御飯を食べに降りてきただけですので、大丈夫です」
そういうので、「ではお願いします」とご厚意に甘えて登録することにした。
登録の仕方は至って簡単に終わった
俺の指に針を刺してプレートに付けるだけで登録が完了した。
なんて素晴らしい技術だろうと唖然としていたら
それではと夕御飯を食べに行こうとする寝住さんに
「折角なのでご馳走します」と言って寿司を食べて貰おうと誘ってみた
「私寿司ははじめです! 」そういって喜んで付いてきてくれた。
寝住さんは、他の職員さんも連れて来てくれて
総勢5人でカウンター席に座った
皆さんの種族は獣人というらしく、猫耳のミナさん(♀)虎耳のカルロス君(♂)狐耳の円さん(♀)熊耳の吾郎さん(♂)と、いうらしい。ワイワイガヤガヤと話していたが俺が仕事着に着替えてカウンターに立つと静かになった。
何を注文して良いか分からなそうだったので適当に作っていった。
そして今、目の前に並んでる寿司をマジマジと見回してチラッとミナさんが顔を上げたので食べ方をレクチャーした。
恐恐と寝住さんが先に食べ始めた。その様子を皆がジーっと見守り反応を見る
「ふぉおおっ! これは美味い! 」
そう寝住さんが言うと、皆さん一斉に食べ始めた
思いの他、好感触でおかわりをする人も多く、始終店内は大賑わいだった
お腹いっぱい食べた皆さんは
「また来るよー! 」
と、言って帰っていった
久し振りの仕事で喜ばせる事が出来て思わず泣いてしまった俺を見て、楓も涙ぐみながら
「良かったね! 」と笑ってくれた
勿論仕入れの為だ、異世界で寿司屋が受けるか分からないが、また店を出せると思うと嬉しかった
助手席には楓が乗っている。朝早く気付かれない様に出掛けたつもりだったが、跡をつけて来たらしい。
「なっ!お前学校があるだろ!?」と言ったら
今日は土曜日だよ?と言われた。
余りにも浮かれていた様で日にちなど、頭から抜けていたらしい
「仕事見つかって良かった」
そう言われたが、果して見付かった事になるのだろうか?異世界という曖昧な世界で寿司屋を始めようとしている俺には判断がつかなかった。
「違ったの? 」そう首を傾げていう息子に、「帰ったら話す」そういって市場へと入っていった
「分かった」そういって息子は黙ったが、何故か嬉しそうだった。何か良い事あったのか?と聴くと
「パパが嬉しそうだから」
最近の俺は塞ぎがちで無理矢理笑っているのが痛々しかったらしい。「一樹は分かってないから大丈夫だよ」ともいわれた
コイツには隠し事は出来ない事は分かったので、帰ったら全てぶちまけようと思う。
市場では中々良さげな、マダイ、メバル、ニシン、カツオ、サヨリ、ニジマス、カンパチ、ハモ、アイナメ、イサキ、等色々あったが
今日は真鯛とサヨリ、カンパチと鮪と買って帰った。その後直ぐに捌こうとしたが、先に言っておこうと、対面で座ってる楓に声を掛けた。
一樹にも言おうとしたが、既に部活に入っているようで、本人とラケットは無くなっていた。
実はな……と、話し掛けようとしたが、見た方が早いかと思い俺の部屋へと連れて行った。
何故か頬を赤らめて付いてくる息子に何も言わず押し入れを開けて、中を見せた。
「何……これ……え? カウンター? は? 」
うんうん。そーなるよな、わかってた……
俺も店の中へ入り、振り返ると「ここで店をやろうと思ってるんだ」そうしか言えなかった。
唖然と固まる楓の背中を押して、カウンター扉から店内へと入り、外を見せた。
そこには、大八車に荷物を載せて歩く人や剣や盾を装備した人などが歩いていた。
実際見るのは俺も初めてだったが、見た目的には西洋人が多そうだった。生魚はもしかしたら受け入れてくれないかもと思ったが、少し炙って出せば食えるだろうと思うことにした。
楓は外を見ては唖然としていたが、店内を見て回りながら「掃除ちゃんとしないとね! 」そういってバケツはあったっけ?と、探しに部屋へと戻っていった
俺も部屋へと戻ると、足跡が付いていた。自分の足の裏も見て、サンダルが必要だなぁっと笑った
その後楓とホームセンターへ行き、雑巾数枚、バケツにモップブラシとお揃いのサンダルを3つ買って帰り、店内の掃除を始めた。
意外と汚れは少なくアッと言う間に終わったので、楓を連れて商人ギルドへと向かった
見る物全てが新鮮でアタマをキョロキョロ動かしては見物しながら歩いたもので、随分時間が掛かってしまい、商人ギルドへ着いた頃には夕方に成っていた。
顔だけでも出そうかと扉を開けると、先日の寝住さんが丁度上から階段で降りてくる所だった
「寝住さん! 」
そう声をかけると帽子を取り
「やぁまた会いましたな! 今日は登録しに? 」
と言われたので
「はい、ですがもう夕刻なので、顔だけ出して帰ろうかと」
そう言うと
「ははは、構いませんよ? 商業ギルドは24時間何時でもやってますからね! 私は夕御飯を食べに降りてきただけですので、大丈夫です」
そういうので、「ではお願いします」とご厚意に甘えて登録することにした。
登録の仕方は至って簡単に終わった
俺の指に針を刺してプレートに付けるだけで登録が完了した。
なんて素晴らしい技術だろうと唖然としていたら
それではと夕御飯を食べに行こうとする寝住さんに
「折角なのでご馳走します」と言って寿司を食べて貰おうと誘ってみた
「私寿司ははじめです! 」そういって喜んで付いてきてくれた。
寝住さんは、他の職員さんも連れて来てくれて
総勢5人でカウンター席に座った
皆さんの種族は獣人というらしく、猫耳のミナさん(♀)虎耳のカルロス君(♂)狐耳の円さん(♀)熊耳の吾郎さん(♂)と、いうらしい。ワイワイガヤガヤと話していたが俺が仕事着に着替えてカウンターに立つと静かになった。
何を注文して良いか分からなそうだったので適当に作っていった。
そして今、目の前に並んでる寿司をマジマジと見回してチラッとミナさんが顔を上げたので食べ方をレクチャーした。
恐恐と寝住さんが先に食べ始めた。その様子を皆がジーっと見守り反応を見る
「ふぉおおっ! これは美味い! 」
そう寝住さんが言うと、皆さん一斉に食べ始めた
思いの他、好感触でおかわりをする人も多く、始終店内は大賑わいだった
お腹いっぱい食べた皆さんは
「また来るよー! 」
と、言って帰っていった
久し振りの仕事で喜ばせる事が出来て思わず泣いてしまった俺を見て、楓も涙ぐみながら
「良かったね! 」と笑ってくれた
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