異世界団地

あるちゃいる

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34話

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「すまない、アーニャ連れて俺は元の街に戻る事にする」

そう朝から告げた幹太に、驚く双子とアーニャ

「何言ってんだよオヤジ?突然だな」

「そうニャ、突然過ぎるニャ」

「パパ……どうして?」

「何で幹太?」

「この前商業ギルドへ行った時に、今まで通った街から支店を出してくれという依頼があった」

「それで、弟子が各都市からうちに向けて勝手に来てるらしいんだ……流石にほっとけ無くてなぁ」

「で、お前達二人でも旅が出来るならそれでもいっかと思う様になったからってのもあるな。いつの間にか大人になってたんだなぁ」

「でも一人だけで帰るのは嫌なのでアーニャは連れて帰る。猫は置いておく」

「ニャンでニャー⁉一番に連れてけにゃー!」と駄々をこねる猫は

「二人を守ってやってくれ」

ってたら、パクパクして何も言わなくなった

「そ、それなら僕達もかえ『それは駄目だろ?』……え?」

『水をさしたなら謝るけど何か目的があって旅に出たんならちゃんとやり遂げなさい!』

(うわー……嘘付いて適当な事言ったツケを早くも回収する事にー……)

一樹は頭を捻ったが、ここで帰るという選択肢は悪手でしかなかった

「アーニャもすまないが従ってくれないか?」

「え。いやでも……楓さん達とも少し仲良く慣れたのに離れるのは……」と、助け舟


「だよね!やっ『駄目だろ?アーニャ、それは我儘ってもんだ。それにな?』


向き直って手を握り「これが永遠の別れでは無いのだから、俺達が待ってて上げるべきだろう?」と

(何も知らない彼は)微笑んだ

(((駄目だったー!)))


てな事が、夜にありまして……

その街で2手に別れる事に成りました

狩りをしながら遠くのロシア人を尋ねる組の

双子と猫

馬車に乗って少しでも早く元の街に、戻る組の

俺とアーニャ(ソフィア)

一樹に猫用の日本酒やその他酒類を沢山渡したら快く「儂に二人は任せておけニャ」と力強く言われた。

これで安心だ。

(猫の背中に双子のジト目が……)

「ではな!達者でな!」軽い感じで出発した

別れはどうも苦手なんだよ。それにまた会えるしな

こんなもんだろ?



「……軽い言葉で行っちゃったな……オヤジ」

「~~~ッ」楓は落ち込んだ……後先考えなかった自分を呪った


猫は猫で(酒を飲み終わったらテレポで目的の場所へ行くニャ!酒は全てワシのモンニャ!)

何かを決意して、固く握った肉球はプルプル震えていたそうな


それを見た双子は何故そんなにやる気に??

と、困惑したとかしないとか



その頃馬車では

「だ、大丈夫かなぁ……猫も酒で釣ったし、やる事はやったし……」とブツブツと眉尻を下げて心配しまくってる幹太と

「大丈夫ですよ!二人共もう大人になったのでしょう?貴方がおっしゃった事じゃないですか!」

っと、励ましていた



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