異世界団地

あるちゃいる

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43話

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馬を放牧した数日後の朝早く、朝靄の中幹太は槍の素振りをしていた。

ヒュボッ!ボッボボッ!ヒュヒュンボボボッ!

少○寺の映画に出てくる練習音の様な音を響かせながら槍は見えない速度で振り回され朝霧を巻き込みながら軽快な動きで舞う様に素振りをしていた。

一頻り素振りを終えると、槍を抱えながら馬車へと戻り、シャワーを浴びに空間の部屋へと消える

首にタオルを掛けパン一で冷蔵庫を開けると牛乳瓶を取り出し鍋に入れて暖めていく、紅茶の葉を沸騰寸前の牛乳に入れて暫くグツグツ煮込み、頃合いかってところで、2つのカップに注いで砂糖を良く混ぜて、一杯を持ってベッドルームで横になってる彼女の元へ急ぐ。

 まだ眠っているのか、動きは無い。
ロイヤルミルクティーを机に置くと、彼女の頭を一撫でしてから服を着て戻り、自分の分の紅茶を持って馬車へと戻り、外に出してオープンカフェみたいにした椅子に座って飲み出した。

朝靄は消えて朝の爽やかな空気を吸い込み、少し冷える体を紅茶で暖める。
 草原の辺りに止めた馬車の周りでは、気持ち良さげに角ウサギが餌のゴブリンを咀嚼していたり、楽しそうに餌の奪い合いをしてる角ウサギ達が見えた。
 その横で角ウサギ達を狙う近所の冒険者達が徒党を組み、虎視眈々と睨んでいるのが見える。

 今日も異世界の朝は平和だなぁ……と、紅茶を啜り脚を組んで空を見上げると空の高い所でドラゴンが飛んでいた。

 冒険者達がウサギに襲いかかった頃に紅茶を飲み終わり、馬車へと戻り外の竈に火を入れる
そこに薪を放り込みながら鍋を置き、水を入れて暖めていく、その間に野菜などを一口大に切り揃え、煮立った鍋に入れて煮込みはじめる、だいぶ煮込んだ頃に香辛料を入れたり結晶の塩をナイフでコリコリ削りながら入れて味を整えて味見を始める頃になると、兎を狩りとった冒険者達がやって来た。

「おいちゃん!4人ね!」
「あいよー!」

と、スープとパンとをお盆に載せてドンドン運ぶと、その場で採算銀貨4枚を受け取り、ごゆるりと~~っと、告げて下がっていった。

俺は腰を動かせないアーニャを只見守るのも暇だと考え、偶々目の前の草原が角兎の狩場だった事もあり、朝食サービスをする事にしたのだ。

 パンとスープしか無いが、温かい料理は貴重らしく、始めた当初は戸惑っていたが、今は普通に接してくれている。

「ご馳走様でしたー!」という、声に手を振って応え、次の冒険者に目を向ける

その冒険者たちは傷を負ったのか一人を抱えながら座席に座ると朝飯3人前を頼み、もう一人にはスペシャルコースを注文した

お盆に3人前の料理を載せて素早く配膳するが
3人の青年達は暗い顔で仲間を見ていた
そこへ俺がさっそうと現れ
スペシャルコースの傷薬フルコンボを行っていく

先ず清潔な水で傷を洗い、キュアポーションで毒やばい菌を除去したあと回復ポーションを小、中、大の順番で掛けていく
小で治らなかったら、中を使い中でも治らなかったら大を使うというだけだったのだが。
中々これがウけた。
なので、今じゃスッカリ有名になってしまった。
その場で精算宜しくと金貨一枚と銀貨三枚を受け取り、追加で一食分の注文を貰い、下がっていくと

背中越しに傷を治された少年と仲間達との会話が明るい笑い声になって聴こえてきた

口角を上げながらもう一食分を運び、快気祝いと称して無料提供したら、喜ばれた

その後も、ひっきりなしに食事へとやってくる冒険者達を捌き、夕方を迎える頃には静かになって店を閉めた。

馬車へと戻ると、何とか立ち上がらるまでに回復したアーニャが馬車の椅子に腰掛けてこちらを見ながら微笑んで

「楽しそうね!」っと1言
「うん、楽しいね!」とこちらも1言

もう暫くここで店をやって行く事が決まった瞬間だった


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