スキルがBourbonだった件

あるちゃいる

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 「殿下!殿下!大変で御座います!でんかーーーっ!」ドンドンドン!

 扉を叩くのはこの国の宰相で、名をパル・ド・ライバという

 「殿下!起きてください!で「喧しいわっ今行く」……はっ!」

 やっと起きてくれた事にホッとしたパル宰相は扉から1歩下がり頭を少し下げて待った、そしてギギギと扉が開いてこの国の王が出てきた。

 酷く眠そうだが仕方ないと顔面を自分で殴ったようで、少し頬が腫れていた。

 「どーしたんじゃ?何かあったのか?申してみよパル宰相」

 威厳もクソも乱れた服のお陰で台無しに成ってる王様が聴く、すると奥からサササッと従者とメイドがやって来てテキパキと服を着せていった。

 「うんんっ!」

と、咳払いをして胸を張り直した王様へ告げた

 「新しいスキルが現れました」
「なんじゃと?その者を王城へ連れてまいれ」
「早くせねば寝られぬぞ」
「はっ!」

 教会からの使いへ伝えに行った宰相の背中を見送り、すぐ様メイド達へ部屋の準備と各部門の役職を呼べと支持を出した。

 その時の王様はとても威厳のあるお姿だったとその場にいたメイドは語ったそうな。

 そして文献を調べている数人の賢者達へカラス便を飛ばす様に支持を出した。

 この国で最速から2番目に速い通達方法であった、一番速いのは翅妖精の使い魔であったが、朝早いと起きて来ないばかりか、無理矢理起こすと寝起きがとても悪くて怪我人が出てしまうので、この時間には使えなかった。

 やがて、呼び出されたサーチネルが王城へと運び込まれ用意された部屋へと案内された。

 「そなたの名は何と言う?」
「はっ!サーチネルと申します」
「早速で悪いがその新スキルとやらの文字を書いて
はくれまいか?」
「はっ!では早速」

 と言うが早いか書き出していった、【Bourbon】この字を調べられそうな文献の賢者がカラスに現れた。

 「やぁやぁおはよーさん元気してるかね?」

 窓のカラスから降りると同時に挨拶を交わし
サーチネルの書いた文字を調べ始めた。

 「フムフム…この文字は確かこのメモに…ウンウンそーじゃそーじゃ確かここを…うむ、分かったぞ少年」

 そう呼ぶ声で目が覚めたサーチは、ジィっと賢者の顔を見てから、自分が何処にいるか気付き

 「おはよーございます」
「はいおはよーさん、で?」
「ブ、ブルボン?」
「吃らないでもう一回!」
「ブルボン!」
「どーじゃ?」
「…どう…とは?」
「むぅ?その反応だと何も無しか…だが、読みは良い筈じゃ…」
「よし、次は此方の発音を試すのじゃ」
「は、はぁ…?」
「キビキビ行くのじゃ!」
「ははい」

  暫く色んな発音のブルボンを唱えていると

 「あっ……」
「む、何が出た?」
「いや、あの……新しい文字です」
「なに……読めぬのか?」
「あ!大丈夫です発音も出て来ました」

 周りを見ると全員船を漕いで座りながら寝ている
それを見た文献の賢者は資料ノートをクルクルと丸めると。口に持ってメガホン代わりに叫んだ

 「こりゃっ!起きんかーい!発動するぞ?」
「んぐ…む?で、出来たのか?」
「起きてすぐ反応出来るとは流石です!王様!」

 起きたと同時に褒めに来るメイド

 「では、まぁ周りは起きてませんが始めちゃいますねー眠いので……」
「行きますっ!」
「ブルボン!ルマンド!」

 そう叫ぶと掌から光が現れて数秒後消えた、掌には1本の枝みたいな物が残されていて

 「……何を待っておるのじゃ?何やら甘い匂いがするんじゃが……?」

 殿下は鼻をヒクヒクし始めた。まるで、豚の様にクンカクンカし始めた。

 サーチネルは手に持つ何かを顔に近づけ……徐に囓ってみた「カリッ……サックサックサック」

 これは美味い、残りもサックサックサックと小気味よい音を奏でながら食べ続けた

 「ブルボン!ルマンド!」
サックサックサックサックモグモグゴクンっ
「ブルボン!ルマンド!」
サクサクサクサク
「ブルボ…」と言いかけて、倒れてしまった 魔力を限界まで使ったせいだろう。

 それをジーッと見ていた王様や宰相や文献の賢者は溜息を吐き出し「寝るかの…」といって、検証は起きてからにしようって事になり、僕もそのまま眠る事になった。

 結論的に【Bourbon】はお菓子を1つ魔力で吐き出す魔法であったが、何処にも売ってる場所がなくまた誰にも真似て作れない程精密な作りをしていた。

 後に神々の食卓という、ある種の天才達の宴でしか食べられない幻のお菓子として、世の中の美食家を唸らせる一品へと進化する

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