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疑惑
しおりを挟む僕は今王様の前に直立不動で立っている。
目の前には王様、王女殿下、宰相、文献の賢者が座っていて、皆様険しい表情で僕を睨んでいる。
王様「で?何故使えなくなったのじゃ」
王女殿下「嘘偽りなく答えるのですよ」
宰相「サッサと申してみよ」
賢者「発音は間違って無いか確認したんじゃろうな」
皆さん一斉同時に喋るもんだから何言ってるか理解出来なかった。
宰相「理由を言えと言っているのだ」と今度は一人で喋ったので
「一斉に喋られては何を言っているのか理解出来ません」と答えると
宰相が「言い訳するなっ!」と怒鳴った
(えっーーーー…)ってなりドヨーンとしてると
王女「本当に何があったのです?」
「実は今朝辺境伯領のカーティス家から小さなメイドと名乗る人が来まして、僕のスキルを憶えさせる為に料理長を派遣させると言うんですね?それが来てしまっても何も教える事は出来ないし、毎日ネチネチ言われるのも嫌だなぁっと思っていたら全く使えなく成りました」と言ったが
「人のせいにするのですか?」となぜか怒られ
「本当の事をおっしゃいなさい」と怒鳴る
「本当は嫌に成って居るのだろう?」と王様が言う。
「やはりそうか!」と宰相
(いや、僕何も言ってませんけども!?)
っと声にならない程驚き過ぎて何も言えなかった
それがいけなかったのか黙ったのが肯定と受け取られ、暫く牢屋で反省しろと打ち込まれた
「なぁぁんででぇぇすかぁぁあっ!」と叫んだが無駄だった
この国の法律で働かざるもの極刑に値す。
って諺があるくらいなので、魔法をワザと使えないと言う僕の話は法律違反と取られたのだ
牢獄の中で兵士さんの話を聞いてみれば、辺境伯領には小さいメイドと云うのは居らず、お嬢様は確かに小さいが一人でそんな所に居る筈無いし、ましてや仕様人の服なんて着ないって言うのが王族の見解らしい。
つまりは詰んだ事に……
僕はどうにか抜け出せないか考えたが、うまい案は出て来なかった。
兵士をお菓子で釣ろうにもそのお菓子が出ないのだ、ウンウンと頭を捻っても何も出ずに、そのまま、夜が明けて次の日になった。
その日の朝に料理長を乗せた辺境伯の家紋の付いた馬車が僕の店の前で止まり、メイド服姿のお嬢様が一緒に降りてきた。
その一部始終を店を見張ってた兵士が見ていた、その話を王城へ伝えたら、宰相が確認の為に見せに行き、遂に発覚!お嬢様がお菓子欲しさに考えた謀であった。僕がした話も本当でお嬢様の証言もあり、晴れて無罪放免だったのだが、納得行かない僕はこの国を出る事に決めた。
だが、国を出ようとしても出れない事は分かっていたので、一芝居打つことにした。
まず、牢屋に閉じ込められたショックで全く使えなくなってしまったと必要以上に落ち込んで見せて
自殺未遂を謀る(勿論死ぬ気はない)
そこで、海外と貿易をしていて、領地に港がある
辺境伯領へ滋養に行きたいと伝える
当然辺境伯も自分の娘が仕出かした事なので首を横には振れまい、そうして何とか辺境伯領へ行けたら、港を散歩コースに入れて繋が取れそうな商船を探す。
商船を見付けたら、何とか商会の頭か何かと話を付ける(お菓子を配る)
それを賄賂にして、変装して脱出だ!
よし!取り敢えずどうやって自殺未遂をするかだな……
「駄目だーーなぁぁんも思いつかーーーん」
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