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ACT 1
しおりを挟むつい今し方、それが私に起きた出来事である。
冷静になって考える事10分。
いくら冷静になっても変わらない現実は、
私の部屋で起こっている。
でもなんで?大体霊とかは幼い子や犬などが見えるのであって、16の私が見えるはずもない。
イレギュラーな事が起きない限り。
まぁ、そのイレギュラーな事は「真実の魔女」こと
エリアス様なんだけど
私と同じ名前だからちょっとだけ抵抗あるけど、
私の事をエリとあだ名で呼ぶものだから
仕方ないよね。
「エリアス様」「なあに?」
ふわふわと飛んでいる彼女はまさしく、エリアス様の姿で
生前の姿と変わらないぬばたまの黒髪は
今もこうして輝きを失っていない。
こう、幽霊って薄くて存在感が伝わってこないんじゃなかったの!?
って!今は
どうしてそんなに生前と変わらない姿なのか、だとか
どうして私が後継者なのかという疑問は今のところ置いておくしかない。
気になるけど!
気になるけど!今は私の疑問よりもする事は
「そのエリアス様の力と言っても何処をどう探せば良いのか検討もつかなくて」
「それもそうよねー」
と呑気にふわふわと漂っている。
コンコン。とノックが聞こえたと思ったら
「1人で騒いで頭がおかしくなりましたか?」
と冷めた目で入ってくる侍女がいた。
「夕食です」そう言って置いて出て行く侍女の姿に
「貴女も大変ね」
とエリアス様がため息をついていた。
そうなのだ、「エリアス」と言う名前は忌むべき名前として
この国では当たり前の話しとして広がっている。
何を思ったのか、その事を知らないはずもない両親は私を「エリアス」と名付けた。
王宮にも教会にも「エリアス」と言う名前の許可が降りていて出生も受理されていた。
ただそのせいで「トチ狂った伯爵」「エリアスの呪い」だとも噂をされている。
両親が名付けたのに何故か私のせいにされていたのだ。
それでも伯爵である爵位持ちの両親には表向き、「トチ狂った」
などと呼べず、令嬢である私の責任にしてしまえばいい
などと言う暴論がまかり通っていた。
そちらのほうが私にとって「トチ狂っている」んだけどね。
だから例に漏れず、我が家の使用人も「優しくしたら呪われる」など言う謎の暴論から
私のご飯はいつも1人だし、最低限の冷めた黒パンと冷めた味の薄いスープしかなかった。
私はこれをいつもの事だと片付けた。
ふう。「いただきます」
静かに口に運ぶ様子を見て「え、あたたかい?」と
口を滑った私の目線の先にいたエリアス様がにこり。と微笑んでいて。
味はいつもと同じなのに、黒パンとスープはほんのり温かくて
「エリアス様、ありがとう」
「ふふ、どういたしまして」
見上げると笑顔のエリアスがしてくれたんだと、
私は確信していた。
だからほんのちょぴり私は嬉しくなった。
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