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「ごちそうさまでした」と食器を片付ければ。
「エリ、私の生家に行ってみましょう」
と片付けが終わるタイミングで声をかけられた。
食器の片付けに食堂の横の調理場まで来ている。
「どうしてですか?」と小声で問いかける。
キョロキョロと辺りを見回して、コソコソ喋る姿など見せたら
それこそ不審者そのものだ。
私自身、品位が下がるような行為をした覚えもないのに
根もない噂ばかりが先に立ち
今更だ、と思う反面
これ以上、不審者と噂が重ねれば、自分で自分の首を絞めたくはない。。
「それは、お風呂に入ってからにしましょう」
「そうですね」
ってえぇーー?
「煩いわ」とぽつり呟くエリアス。
口に出して叫んだわけじゃない事は褒めて欲しい。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
私がお風呂の準備をしている間、どこから持ってきたのか
バラのオイルとシャンプーにトリートメント。
ボディソープまである。
ふよふよと浮いてるとこを見ると口から飛び出そうになった。
「これ!」
とっさに口を抑え、キョロキョロと見回す。
良かった…誰もいない。
「これ、どうしたんですか?お母様の……」
「貴女、そんなの見たら分かるわよ
艶がなくなったパサパサの髪、16だと言うのに手入れされてないカサカサの潤いを無くした身体!許せないわ!」
「でも……」
「貴女、自分を下げるのはやめなさいな」
そう言われてドキリとする。
「だってこれが『私の当たり前』なんて思ってんじゃないわよね?」
「どうして……」
「当たり前じゃないからよ」
「え?」
ガンッと頭を殴られたような
ドキドキと心臓が嫌な音を立てる。
「いい事?温かい食事も綺麗にする事も
エリ!貴女の当然の権利だからよ!」
「その日常が当たり前なんだって、誰にも奪われる事のない権利なんだって自覚しなさいな!
……分かったら遠慮なく使いなさい」
フン!と腕を組んで、怒っているエリアス様。
「ありがとう」「いいのよ」
ちょぴりエリアス様の声が優しく聞こえたのは
私がそう思いたいから。
私が、お湯に浸かって綺麗にするなんて
優しい乳母が居なくなって
10年越しに入れる事実が堪らなく嬉しい。
冷めたご飯も、仕方なく冷たい水で顔や身体を洗うことも
今に始まった事じゃないから。
私はこの現実をただ享受して反抗しない事が
当たり前だと、どこかで諦めていた。
それが私の日常で当たり前だったの。
ーーーーー誰かが自分の為に怒ることなんてなかったから。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
身体が、つま先から頭までほかほかになった事で
ものすごく眠気がやってきていた。
「エリ!明日は私の生家に行くのよ!」
聞いていて?エリ!
「ちゃんと髪の毛乾かして寝るならちゃんとベッドの中に」
って、はぁ…………。
むにゃむにゃと寝言を言いながら、幸せそうな顔をして
眠りこけているエリ。
「仕方ない子ね、おやすみなさい」
その柔らかな声が微睡んでいるエリに届かないと知っていても、おやすみと言う事はエリアスにとって普通の事だった。
「エリ、私の生家に行ってみましょう」
と片付けが終わるタイミングで声をかけられた。
食器の片付けに食堂の横の調理場まで来ている。
「どうしてですか?」と小声で問いかける。
キョロキョロと辺りを見回して、コソコソ喋る姿など見せたら
それこそ不審者そのものだ。
私自身、品位が下がるような行為をした覚えもないのに
根もない噂ばかりが先に立ち
今更だ、と思う反面
これ以上、不審者と噂が重ねれば、自分で自分の首を絞めたくはない。。
「それは、お風呂に入ってからにしましょう」
「そうですね」
ってえぇーー?
「煩いわ」とぽつり呟くエリアス。
口に出して叫んだわけじゃない事は褒めて欲しい。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
私がお風呂の準備をしている間、どこから持ってきたのか
バラのオイルとシャンプーにトリートメント。
ボディソープまである。
ふよふよと浮いてるとこを見ると口から飛び出そうになった。
「これ!」
とっさに口を抑え、キョロキョロと見回す。
良かった…誰もいない。
「これ、どうしたんですか?お母様の……」
「貴女、そんなの見たら分かるわよ
艶がなくなったパサパサの髪、16だと言うのに手入れされてないカサカサの潤いを無くした身体!許せないわ!」
「でも……」
「貴女、自分を下げるのはやめなさいな」
そう言われてドキリとする。
「だってこれが『私の当たり前』なんて思ってんじゃないわよね?」
「どうして……」
「当たり前じゃないからよ」
「え?」
ガンッと頭を殴られたような
ドキドキと心臓が嫌な音を立てる。
「いい事?温かい食事も綺麗にする事も
エリ!貴女の当然の権利だからよ!」
「その日常が当たり前なんだって、誰にも奪われる事のない権利なんだって自覚しなさいな!
……分かったら遠慮なく使いなさい」
フン!と腕を組んで、怒っているエリアス様。
「ありがとう」「いいのよ」
ちょぴりエリアス様の声が優しく聞こえたのは
私がそう思いたいから。
私が、お湯に浸かって綺麗にするなんて
優しい乳母が居なくなって
10年越しに入れる事実が堪らなく嬉しい。
冷めたご飯も、仕方なく冷たい水で顔や身体を洗うことも
今に始まった事じゃないから。
私はこの現実をただ享受して反抗しない事が
当たり前だと、どこかで諦めていた。
それが私の日常で当たり前だったの。
ーーーーー誰かが自分の為に怒ることなんてなかったから。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
身体が、つま先から頭までほかほかになった事で
ものすごく眠気がやってきていた。
「エリ!明日は私の生家に行くのよ!」
聞いていて?エリ!
「ちゃんと髪の毛乾かして寝るならちゃんとベッドの中に」
って、はぁ…………。
むにゃむにゃと寝言を言いながら、幸せそうな顔をして
眠りこけているエリ。
「仕方ない子ね、おやすみなさい」
その柔らかな声が微睡んでいるエリに届かないと知っていても、おやすみと言う事はエリアスにとって普通の事だった。
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