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始まりの夏
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「おう、兄さん。……その子は?」
街中を歩いていると、男の子が話しかけて来た。兄さん、ということはハトリさんの弟さん?
「偶然だね。この子は、カイの親戚の子だよ。今預かってるんだ」
「へえ、そうなのか。初めまして、ハトリの弟のヤクモです」
「初めまして、真由です」
私と同じくらいの年に見えるヤクモさんは、ハトリさんの弟と聞いて納得いくほどに顔が整っている。
だけどハトリさんとは雰囲気が違って、ハトリさんは色で言うと紫、ヤクモさんはオレンジという感じがした。
静と動、と対称的な印象を受ける。
「同じくらいの年だよな? 仲良くしようぜ」
「あ、はいっ」
目の前に手が差し伸べられ、それを握るとヤクモさんは太陽みたいな笑顔を浮かべてぎゅっとその手を握った。
「じゃあ、またな」
「じゃあ、また」
ヤクモさんは走ってどこかへ行ってしまった。
「俺の弟、うるさいでしょ? まあ、悪い奴じゃないからさ。……カイの親戚ってことにしちゃったけど、とりあえずそういう設定でいこうか」
「はい、分かりました」
雑貨屋に行く途中の道で、ふと横を見ると今まで気が付かなかったお屋敷のようなものが遠くの方に見えた。
ものすごく広い敷地で建物がいくつも見えて、とんでもない偉い人が住んでいるとか、お金持ちが住んでいるとか、そういうところかな?
「ハトリさん、あちらは」
「ああ……あそこはまあ……なんていうか、少し神経質な人たちが住んでいるんだ。地主だよ。ある一族が住んでいるところさ」
「そうなんですね」
どんな方たちが住んでいるのか、いつか会う機会があるのかな、なんて考えているとハトリさんは歩くのをやめた。
「雑貨屋、ついたよ」
中に入ると、様々な雑貨が売っている。
店内を見渡すと、お目当ての時計もあっていろいろな種類がありどれがいいか目移りしてしまう。
デジタル型、アナログ型、デザインが可愛いもの、機能性の高そうなもの、高級感漂うもの…………。
いろいろと迷った挙句、無難に青色のデジタルの時計を選んだ。
「時計のほかには何か欲しいのある?」
「今のところは大丈夫です」
お会計をしてお店から出ると、タイミング悪く空からぽつぽつと雫が落ちて来た。
まさか降るとは思っていなくて、傘ももちろんなく、そういえば雑貨屋の隅に傘が売ってあったことを思い出す。
「あの、傘も、買いたいです」
「うん、そうだね。雨、結構降るし必要だね」
もう一度お店に戻り、レモン柄の可愛らしい傘を購入して再び外に出た。
雨のせいで暗くなったところに、傘の柄のレモンがぱっと気分を明るくさせる。うん、これにしてよかった。
「じゃあ、カイのところまで送るよ」
「ありがとうございますっ」
街中を歩いていると、男の子が話しかけて来た。兄さん、ということはハトリさんの弟さん?
「偶然だね。この子は、カイの親戚の子だよ。今預かってるんだ」
「へえ、そうなのか。初めまして、ハトリの弟のヤクモです」
「初めまして、真由です」
私と同じくらいの年に見えるヤクモさんは、ハトリさんの弟と聞いて納得いくほどに顔が整っている。
だけどハトリさんとは雰囲気が違って、ハトリさんは色で言うと紫、ヤクモさんはオレンジという感じがした。
静と動、と対称的な印象を受ける。
「同じくらいの年だよな? 仲良くしようぜ」
「あ、はいっ」
目の前に手が差し伸べられ、それを握るとヤクモさんは太陽みたいな笑顔を浮かべてぎゅっとその手を握った。
「じゃあ、またな」
「じゃあ、また」
ヤクモさんは走ってどこかへ行ってしまった。
「俺の弟、うるさいでしょ? まあ、悪い奴じゃないからさ。……カイの親戚ってことにしちゃったけど、とりあえずそういう設定でいこうか」
「はい、分かりました」
雑貨屋に行く途中の道で、ふと横を見ると今まで気が付かなかったお屋敷のようなものが遠くの方に見えた。
ものすごく広い敷地で建物がいくつも見えて、とんでもない偉い人が住んでいるとか、お金持ちが住んでいるとか、そういうところかな?
「ハトリさん、あちらは」
「ああ……あそこはまあ……なんていうか、少し神経質な人たちが住んでいるんだ。地主だよ。ある一族が住んでいるところさ」
「そうなんですね」
どんな方たちが住んでいるのか、いつか会う機会があるのかな、なんて考えているとハトリさんは歩くのをやめた。
「雑貨屋、ついたよ」
中に入ると、様々な雑貨が売っている。
店内を見渡すと、お目当ての時計もあっていろいろな種類がありどれがいいか目移りしてしまう。
デジタル型、アナログ型、デザインが可愛いもの、機能性の高そうなもの、高級感漂うもの…………。
いろいろと迷った挙句、無難に青色のデジタルの時計を選んだ。
「時計のほかには何か欲しいのある?」
「今のところは大丈夫です」
お会計をしてお店から出ると、タイミング悪く空からぽつぽつと雫が落ちて来た。
まさか降るとは思っていなくて、傘ももちろんなく、そういえば雑貨屋の隅に傘が売ってあったことを思い出す。
「あの、傘も、買いたいです」
「うん、そうだね。雨、結構降るし必要だね」
もう一度お店に戻り、レモン柄の可愛らしい傘を購入して再び外に出た。
雨のせいで暗くなったところに、傘の柄のレモンがぱっと気分を明るくさせる。うん、これにしてよかった。
「じゃあ、カイのところまで送るよ」
「ありがとうございますっ」
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