28 / 74
始まりの夏
27
しおりを挟む
皆の花火の色が、お庭に色を添える。
花火が終わったら夏は終わり秋が来る。そんな当たり前のことに、何故だか胸がじいんとして涙が出てきそうになる。
「奇麗ですね、花火」
「そうだねえ。真由ちゃんはなんの季節が好き?」
「ええと…………秋です。美味しいものもたくさんあるし、紅葉も奇麗だし。でも、夏も好きだし冬も好き。春も桜が奇麗で」
「ふふっ。1年中好きなんだね。そういえば、ここの土地にも紅葉の美しいところがあるんだよ。連れて行ってあげるね」
花火でハトリさんの顔が光る。
とても優しい顔をしていて、その顔を見ると胸が痛んだ。
ああ、早くどうにかして事実を突き止めないとって。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「今日はありがとうな」
「また、皆で集まりたいわ。紅葉狩り、なんてどうかしら、秋は楽しみが多いわよね」
「はいっ、ぜひ行きましょう」
夏の余韻を残す夜。
皆の笑顔が夜の空間に浮かんで、その顔を見ると心が豊かになる。
ここに来た時はどうしようかと思って不安に押しつぶされそうだったけど、今は全然違う。その正反対の気持ちで今こうして生活することが出来るのは、目の前にいる人たちの優しい表情のおかげ。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
カイさんと共に3人を見送ってから私たちも家の中に入った。
しいんと、静寂の音が聞こえる。
さっきまで賑やかだった空間からいきなり音が消えたから、一瞬もの淋しく感じるも、すぐに日常に戻ることが出来た。
「明日は遅くまで寝ててもいいぞ。今日疲れただろ?」
「でも……」
「まあ、ゆっくり休め」
「ありがとうございますっ」
カイさんは欠伸をしながら「先にシャワー浴びな」と言ってくれた。
その言葉に甘えて、すぐに用意をしてお風呂場に行く。
お湯に浸かると、全身がお湯に包まれてその温かさでほっと一息つく。
「花火、奇麗だったなあ」
さっきの色とりどりの花火を思い出しながら、お風呂場から見える星空を眺めるこの瞬間が何よりも幸せな時間に感じる。
明日からまたカフェのお仕事も頑張ろうと思えるこの夜に、感謝しないと。
私は目を瞑りながら至福のお風呂タイムを過ごした。
花火が終わったら夏は終わり秋が来る。そんな当たり前のことに、何故だか胸がじいんとして涙が出てきそうになる。
「奇麗ですね、花火」
「そうだねえ。真由ちゃんはなんの季節が好き?」
「ええと…………秋です。美味しいものもたくさんあるし、紅葉も奇麗だし。でも、夏も好きだし冬も好き。春も桜が奇麗で」
「ふふっ。1年中好きなんだね。そういえば、ここの土地にも紅葉の美しいところがあるんだよ。連れて行ってあげるね」
花火でハトリさんの顔が光る。
とても優しい顔をしていて、その顔を見ると胸が痛んだ。
ああ、早くどうにかして事実を突き止めないとって。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「今日はありがとうな」
「また、皆で集まりたいわ。紅葉狩り、なんてどうかしら、秋は楽しみが多いわよね」
「はいっ、ぜひ行きましょう」
夏の余韻を残す夜。
皆の笑顔が夜の空間に浮かんで、その顔を見ると心が豊かになる。
ここに来た時はどうしようかと思って不安に押しつぶされそうだったけど、今は全然違う。その正反対の気持ちで今こうして生活することが出来るのは、目の前にいる人たちの優しい表情のおかげ。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
カイさんと共に3人を見送ってから私たちも家の中に入った。
しいんと、静寂の音が聞こえる。
さっきまで賑やかだった空間からいきなり音が消えたから、一瞬もの淋しく感じるも、すぐに日常に戻ることが出来た。
「明日は遅くまで寝ててもいいぞ。今日疲れただろ?」
「でも……」
「まあ、ゆっくり休め」
「ありがとうございますっ」
カイさんは欠伸をしながら「先にシャワー浴びな」と言ってくれた。
その言葉に甘えて、すぐに用意をしてお風呂場に行く。
お湯に浸かると、全身がお湯に包まれてその温かさでほっと一息つく。
「花火、奇麗だったなあ」
さっきの色とりどりの花火を思い出しながら、お風呂場から見える星空を眺めるこの瞬間が何よりも幸せな時間に感じる。
明日からまたカフェのお仕事も頑張ろうと思えるこの夜に、感謝しないと。
私は目を瞑りながら至福のお風呂タイムを過ごした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる