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進みゆく秋
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「そういえば最近、街の様子がおかしいような気がするんだ。どうやら紛れ込んではいけない人物がこの街にいるようだ……。カイさん、何か知らないかい?」
その声色、口調、全てが私を挑発しているように聞こえるのは気のせい……?
心臓が、今までにないほどに早く脈打って、その心音が相手にまで届いてしまいそうだった。
「さあ、何のことでしょうか? …………オータムランチ、出来上がりましたよ」
カイさんがタイミングよくランチをその人の目の前に置くと、その会話に終止符が打たれる。
「うーん、見た目にも美しい。さて、早速いただこうじゃないか」
音を立てずに上品に小さめの一口で食べていくその姿には気品がある。
でも、だからこその不気味さを感じる。
「この栗の甘露煮……砂糖の甘さが控えめで栗の本来の味が口の中に広まる。これは美味しい。それに……」
その人は店内を見渡した。
「店の雰囲気も落ち着きがあって食事をするのに相応しい場所だ。カイさんは、センスがある」
「ありがとうございます」
「今度、十五夜の宴があるんだが、ぜひその時の料理を作ってもらえないかな? キッチンはうちのを使うといい」
「……はい」
「君もぜひ」
「あ、はい」
まさか、こんな形であの屋敷の中に入ることになるなんて、想像もしていなかった。でも、本当に大丈夫なのか、不安が過ぎる。
なんだかことが上手に運びすぎていると言うか……、考えすぎかな?
その後その人は料理を堪能して帰って行った。
「さっきの方って」
「さっきの人はあの屋敷の息子。……地主よりも厄介だがな。実質あの屋敷に関してはあいつに全ての決定権があるらしい」
「そう、なんですね」
とういうことは、私が信頼を得なければならないのはあの人に、ということで……。
一見そんなに癖のない人に見えたけれど、さっきのたった数十分という三時間時間でさえふとした瞬間の目や声に深くて暗いものを感じた。
あの人に信頼を得るって……本当に出来るの?
「私のこと、人間だって分かってるんですかね?」
「そうとも言えるし、そうでないとも言える。さっきの態度からはちゃんと判断できないな。……まあ、そんなに深く考え込むな。それより、お前のさっきの志、胸に響いたぞ」
「あ、はい……」
そういえばと、あの言葉を思い出すと今更ながら顔が熱くなってきてそれを隠すように目の前にある野菜に集中する。
でも本当にあれは本心で、今までなんとなくふわっと生きてきた人生に、ここに来て軸になる柱を立てることが出来た。
妖とか、人間とか、そういうのは関係なくて、全ての人が美味しいと思える料理を、ハーブティーを提供したい。
この思いがあの人にも届けばと、窓から見える水色の秋空を見て願う。
その声色、口調、全てが私を挑発しているように聞こえるのは気のせい……?
心臓が、今までにないほどに早く脈打って、その心音が相手にまで届いてしまいそうだった。
「さあ、何のことでしょうか? …………オータムランチ、出来上がりましたよ」
カイさんがタイミングよくランチをその人の目の前に置くと、その会話に終止符が打たれる。
「うーん、見た目にも美しい。さて、早速いただこうじゃないか」
音を立てずに上品に小さめの一口で食べていくその姿には気品がある。
でも、だからこその不気味さを感じる。
「この栗の甘露煮……砂糖の甘さが控えめで栗の本来の味が口の中に広まる。これは美味しい。それに……」
その人は店内を見渡した。
「店の雰囲気も落ち着きがあって食事をするのに相応しい場所だ。カイさんは、センスがある」
「ありがとうございます」
「今度、十五夜の宴があるんだが、ぜひその時の料理を作ってもらえないかな? キッチンはうちのを使うといい」
「……はい」
「君もぜひ」
「あ、はい」
まさか、こんな形であの屋敷の中に入ることになるなんて、想像もしていなかった。でも、本当に大丈夫なのか、不安が過ぎる。
なんだかことが上手に運びすぎていると言うか……、考えすぎかな?
その後その人は料理を堪能して帰って行った。
「さっきの方って」
「さっきの人はあの屋敷の息子。……地主よりも厄介だがな。実質あの屋敷に関してはあいつに全ての決定権があるらしい」
「そう、なんですね」
とういうことは、私が信頼を得なければならないのはあの人に、ということで……。
一見そんなに癖のない人に見えたけれど、さっきのたった数十分という三時間時間でさえふとした瞬間の目や声に深くて暗いものを感じた。
あの人に信頼を得るって……本当に出来るの?
「私のこと、人間だって分かってるんですかね?」
「そうとも言えるし、そうでないとも言える。さっきの態度からはちゃんと判断できないな。……まあ、そんなに深く考え込むな。それより、お前のさっきの志、胸に響いたぞ」
「あ、はい……」
そういえばと、あの言葉を思い出すと今更ながら顔が熱くなってきてそれを隠すように目の前にある野菜に集中する。
でも本当にあれは本心で、今までなんとなくふわっと生きてきた人生に、ここに来て軸になる柱を立てることが出来た。
妖とか、人間とか、そういうのは関係なくて、全ての人が美味しいと思える料理を、ハーブティーを提供したい。
この思いがあの人にも届けばと、窓から見える水色の秋空を見て願う。
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