妖の木漏れ日カフェ

みー

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進みゆく秋

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「あら、ハトリ」 
 
 スミレさんがタイミングよく戻ってくる。

「なんだ、スミレもいたのか」

「今日はガールズトークしてたの、ね、真由ちゃん?」

「えっと、その……はい」

「ガールズトーク? なんだか楽しそうだね」

「そうね、すごく楽しかったわ」

 そうだ、私カイさんのこと……。思い出すとまた顔が火照ってきて、必死にその熱を下げようと両手で自分の顔を仰いだ。

 どうしよう、この調子じゃカイさんの顔を見られない。

 絶対によそよそしい態度になってしまって、カイさんに不審がられてしまう。

「それじゃあ、真由ちゃん、土曜日迎えに行くよ」

「はい、よろしくお願いします」








 家に戻ると、なにやらテーブルの上には豪華な秋の食材を使った料理が並べられていた。

「ただいま」

「おう、真由。お帰り」

 真由、といつも呼ばれている名前なのにそれにさえ心臓が大きく脈打つ。鎮まれ。私の心臓。

「ど、どうしたんですか?」

「ああ、これな。宴に出す料理を考えてて。それより、今度の土曜日ハトリと屋敷に行くんだってな?」

「あ、はい」

 もうすでに情報はカイさんのところまで届いていた。

「まあ、キキョウなら多分大丈夫だろう。この前のあいつには気を付けろよ? まあ、会わないとは思うが……」

「はい」

 カイさんは難しい顔をして料理と睨めっこしている。

 そっか、大事な宴で絶対に失敗は出来ない。だからこそ、いつもよりも慎重に、より美味しくより美しい料理を考える必要があるんだ。

 カイさんの眉をひそめるその表情、ここから見える横顔、それでさえ美しいと感じてしまうのはきっと恋心のせいだ。

「真由だったら、月を見ながらどんな料理が食べたい?」

「えっと……そうですね……………お吸い物にゴマ豆腐、かぼちゃのきんとんとかに栗ご飯、そんな和食御膳が食べたいです」

 前に一度だけ食べたことのある、料亭で食べた御膳を思い出す。

 少しずつ、いろいろな種類の料理がまるで宝石が並べられるかの如くに飾られてあり、食べるのが勿体無いと感じていた。

「なるほどな……御膳、いいな」

「えっと、あくまで私だったら、ですけど」

「いいんだ、真由の意見で」

 カイさんがこちらを向く。視線がぶつかる。反らしてしまう。

 急だったから。

「真由?」

「あ、えっと、私お風呂入ってきますね」

「おう、分かった」

 もっと自然に接しないと、空気を吸うように自然に、ナチュラルに。
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