妖の木漏れ日カフェ

みー

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終わらない冬

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 夜、寝る前に短刀を確認したけれど、色は変わっていない。ただ、なんとなくこの前よりもピンクがかっているような……。

 あの玉の渦巻く物体を思い出すと、人間が動物たちにしたであろう残虐なことが頭に浮かんできて、胸が締め付けられる。

 人間を恨みたくなるのも、嫌いになってしまうのも無理はない。

 私だって…………嫌だった。皆、私の前からいなくなってしまえばいいって、そう思う時があった。

 小学生の頃に、虐められていたから。

 あの時の苦しみは今もなお心の中に残っていて、時々私の心を蝕む。

 学校なんか行きたくなくて、お母さんに体調不良と嘘を付いて休んで、そんな時飼っていた猫のダリアがいつも隣にいてくれた。

 にゃーって、まるで私のことを全て分かってくれているかのように、温もりをくれたんだ。

 ぎゅっとダリアを抱き締めると鼓動が伝わってきて、目の奥が熱くなって、涙と共に苦しみや悲しみが一緒に流れていってくれた。

 今は、幸運なことにいつも隣にいてくれる友達がいて、ダリアはもういなくなってしまったけれど、心穏やかな時間を過ごせている。    

 ダリア……この世界にいるのかな?  

 もしいるなら会って、ありがとうって言いたい。







 今日もカフェに立つ。

「はあ、最近食欲がなくて……。何かこういう時に良いハーブティーってない?」

「それなら、パジュベリーという実を潰して飲むものがあるんですが、どうでしょう?」

 ハーブティーって、茶葉じゃないものもあるんだ。

「じゃあ、それお願い」

 ブルーベリーのような黒色に近い青紫色の実を潰してお湯を入れて蒸らす。

 今までのものとは違って、お父さんが飲んでいるお酒のような匂い。

 植物、という感じじゃない。

「これはな、解毒作用もあるんだ。それに体を温めてくれる」

「なるほど……」

 また1つ、カイさんから知識を授かる。

 ハーブティーって、本当に奥が深くて今自分が頭の中に入っている知識はきっとほんの一部なんだろうなと思うと、楽しくなってくる。

 勉強自体はそんなに好きじゃないけど、ハーブのことを教わるのは苦じゃない。

 だいたい5分ほど蒸らしてからお客様に提供する。

「ううん、いい匂いね」

 お客様が飲む前にまずは香りを楽しむ姿、実はその姿を見るのが好きで、この香りを楽しむのがまずは醍醐味だと思うから。

 今回は初めての実のハーブティーだったからカイさんが淹れたけど、私もいろいろなものを淹れられるようになりたい。

 十数分後「ありがとう、今度は料理を食べに来たいわ」と満面の笑みを浮かべお客様は帰って行った。

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