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終わらない冬
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「真由ちゃん、待って!」
「真由さんっ」
皆の私を呼ぶ声が聞こえるけど、早くシドウさんのところに行くのがなによりも優先しなければならないこと。
急ぎ過ぎているせいで、脚が絡まって途中で転びそうになる。
せっかく痛みの治った背中がまた疼きだす。
それでも行かないと。
負の連鎖をこれ以上繋げてはいけないから。
「背中に乗って」
キキョウさんがいつの間にか目の前にいて、大きな背中を私に向けている。
その背中に触れると、温もりが伝わってくる。
体重を、キキョウさんに預けた。
「しっかり捕まっててね」
「はいっ」
門の前に着くと、中が騒がしいのが分かる。
どうしよう、間に合ってなかったら……。
背負われたまま敷地の中に入ると、すぐにシドウさんの姿が見えた。
「シドウさんっ」
「真由さん……ごめんね、僕の一族が。今、お仕置きをしようとしていたところだよ」
シドウさんの目の前にいる方が多分、私を指した人で怯えた目でこっちを見てくる。
「止めて、ください。私は大丈夫です」
「でも」
シドウさんの手を悪で染めてしまうようなことを望むはずがない。
「人間のことを恨む気持ち、分かります。きっととても苦しかったんだなって」
「でもね、僕は言ったんだ。真由さんには手出しをするなと。僕だって全てを許したわけじゃないさ。でも……」
「シドウさんがそう言ってくれるだけで私、十分です」
シドウさんの目から力が抜ける。
「真由さん……分かったよ。お前、今すぐ目の前から消えろ」
その人は私の顔を一度も見ずに何処かへともの凄いスピードで走って行ってしまった。
よかった、ほっとするのも束の間、ミコトさんの声が聞こえてくる。
「あーあ。なあに? 偽善? 私たちの信頼を得られないと玉が壊せないから?」
「ミコトさん」
蛇のような視線、そこからひしひしと伝わってくる憎悪。
その視線に耐えきれなくて、私は目を逸らす。
「そんなんじゃ」
「人間なんて、自分たちのことしか考えないじゃない。あなたは死にたくないだけ。私たちのことなんて本当は考えてない」
「ミコト、止めなさい」
「シドウさんは洗脳されてるだけよ。人間よ? 動物だった頃のこと忘れたの?」
パシンっ。
シドウさんの手が、ミコトさんの頬を叩いた。
ミコトさんは、叩かれた頬を押さえて涙目でシドウさんの姿を見ている。
「なんで……なんでっ」
「ミコトだって分かってるだろう? 真由さんが災いを終息させてくれたことを。あの種は、本当にこの世界を思う人間にじゃなければ見つけることはできない。そう、言われているのをミコトも知っているはずだ」
「それでも憎い。痛い、いつも蹴られて、投げられて、痛かった。ずうっと、痛かった。人間から受けた痛みは今も覚えてる!」
「だからこそっ! 私はその痛みを皆から消したいんですっ、あの玉を壊せば消える。皆の心が楽になる。それに、分かるから……憎む気持ち、私にも分かるから」
ミコトさんの手を握ると冷たくて、震えていた。
ミコトさんの言葉から受ける壮絶な痛み、想像するだけでずきんずきんとあちこちが疼く。
「本当に出来るの? あれを壊す時、あなたは」
ミコトさんの言葉を最後まで聞く前に、私の意識は消えた。
「真由さんっ」
皆の私を呼ぶ声が聞こえるけど、早くシドウさんのところに行くのがなによりも優先しなければならないこと。
急ぎ過ぎているせいで、脚が絡まって途中で転びそうになる。
せっかく痛みの治った背中がまた疼きだす。
それでも行かないと。
負の連鎖をこれ以上繋げてはいけないから。
「背中に乗って」
キキョウさんがいつの間にか目の前にいて、大きな背中を私に向けている。
その背中に触れると、温もりが伝わってくる。
体重を、キキョウさんに預けた。
「しっかり捕まっててね」
「はいっ」
門の前に着くと、中が騒がしいのが分かる。
どうしよう、間に合ってなかったら……。
背負われたまま敷地の中に入ると、すぐにシドウさんの姿が見えた。
「シドウさんっ」
「真由さん……ごめんね、僕の一族が。今、お仕置きをしようとしていたところだよ」
シドウさんの目の前にいる方が多分、私を指した人で怯えた目でこっちを見てくる。
「止めて、ください。私は大丈夫です」
「でも」
シドウさんの手を悪で染めてしまうようなことを望むはずがない。
「人間のことを恨む気持ち、分かります。きっととても苦しかったんだなって」
「でもね、僕は言ったんだ。真由さんには手出しをするなと。僕だって全てを許したわけじゃないさ。でも……」
「シドウさんがそう言ってくれるだけで私、十分です」
シドウさんの目から力が抜ける。
「真由さん……分かったよ。お前、今すぐ目の前から消えろ」
その人は私の顔を一度も見ずに何処かへともの凄いスピードで走って行ってしまった。
よかった、ほっとするのも束の間、ミコトさんの声が聞こえてくる。
「あーあ。なあに? 偽善? 私たちの信頼を得られないと玉が壊せないから?」
「ミコトさん」
蛇のような視線、そこからひしひしと伝わってくる憎悪。
その視線に耐えきれなくて、私は目を逸らす。
「そんなんじゃ」
「人間なんて、自分たちのことしか考えないじゃない。あなたは死にたくないだけ。私たちのことなんて本当は考えてない」
「ミコト、止めなさい」
「シドウさんは洗脳されてるだけよ。人間よ? 動物だった頃のこと忘れたの?」
パシンっ。
シドウさんの手が、ミコトさんの頬を叩いた。
ミコトさんは、叩かれた頬を押さえて涙目でシドウさんの姿を見ている。
「なんで……なんでっ」
「ミコトだって分かってるだろう? 真由さんが災いを終息させてくれたことを。あの種は、本当にこの世界を思う人間にじゃなければ見つけることはできない。そう、言われているのをミコトも知っているはずだ」
「それでも憎い。痛い、いつも蹴られて、投げられて、痛かった。ずうっと、痛かった。人間から受けた痛みは今も覚えてる!」
「だからこそっ! 私はその痛みを皆から消したいんですっ、あの玉を壊せば消える。皆の心が楽になる。それに、分かるから……憎む気持ち、私にも分かるから」
ミコトさんの手を握ると冷たくて、震えていた。
ミコトさんの言葉から受ける壮絶な痛み、想像するだけでずきんずきんとあちこちが疼く。
「本当に出来るの? あれを壊す時、あなたは」
ミコトさんの言葉を最後まで聞く前に、私の意識は消えた。
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