168 / 385
◇8-9章 幕間:番外編・小話
◆エピソード―カイル:星空のカーテン(前)
しおりを挟む
「カイルさん、少し聞きたいのですけど」
「ん?」
ある日の昼下がり、砦の厨房にて。
いちご酒を漬けているとベルナデッタが話しかけてきた。
ちなみに兄もいる。細かいことは置いといて、ベルナデッタと恋人になったらしい。
レイチェルがいない平日に時折やってきて一緒に料理の仕込みを手伝ってくれている。
「あのですね、あたしが捕まった時に、ア……先輩、が、気になることを言っていたんです」
「あの女が? なんだろう」
「カイルさんは"聖女の加護"を得ている、と」
「え?」
「聖女の加護ぉ? それってアレだろ、王族クラスが受けられるスゲーやつだろ? あらゆる災いを弾き返すとかって」
「……」
「そうよ。だから術が効かなかったって、あの人が言っていたの」
「カイルが? 聖女の加護を?」
「ええ」
「はは、そんな――」
「……マジかよ、オマエ」
「……は?」
「オマエ実は王子だったのかよ、知らなかったわ。今まで無礼な口聞いてスイマセンでした」
「あのなー……」
兄は俺にガバっと90度の礼をした。それを見たベルナデッタは口に手を当てて吹き出す。
「……俺がそんな大層なもの受けられるわけないでしょ」
「全くだぜ。オレら生まれもっての小市民だもんなぁ」
「そう、ですわよね……」
「そうそう。……あの女プライド高そうだったし、悔し紛れに言っただけじゃないのかなあ。先祖代々のド平民だよ俺」
「いちごが好きなかわいい民草だよな」
「……いちご好きをいじってくるなよ腹の立つ」
「まあ、いちごが好きなんですの? 今度いちごのスイーツでも作りましょうか」
「え? あー……」
「おー、作ってやってくれよ、3段くらいのいちごケーキ。コイツもうすぐ誕生日なんだよ」
「あら」
「や――め――ろ――」
俺が唸ると、兄はケタケタ笑いながら逃げ去った。
それを見てベルナデッタもクスクスと笑う。細かいことは置いといて、幸せそうだ。
「聖女様の加護なら呪いを受けないのも分かるんですけれど」
「あいにくそんなものはないよ」
「そうですの……それか、お会いになったことが……?」
「ないない」
「……そうですか」
彼女はまだ何か聞きたい風だったが、「部屋に取りに行くものがある」と適当に話を切り上げた。
――部屋に向かう途中、廊下でルカと出会った。小さな袋を両方の手で握っている。
「……やあ」
「……」
諸事情あり、彼女にはうっすらと一線引かれている。
経緯はどうあれ、ひっぱたいたりしたのだから仕方がない。……誕生日を邪魔したという前科もあるし。
「手に持ってるのは? 何かの種?」
「そう」
「植えるの?」
「そう」
「そっか」
この砦はあと2ヶ月で契約が終わる。花が咲くのに間に合わないがグレンはどうするつもりだろうか?
「……知ってる?」
「えっ? ……ああ、ごめん、聞いてなかった」
ぼんやりと考えているとルカが俺に何か話しかけてきていた。
ボーッとしていると同時にまさか話しかけられるとは思っていなくて驚いてしまう。
「この花、知ってる?」
そう言ってルカが種の入った袋を見せてくる。袋には小さくて青い花の絵が描いてあった。
懐かしく、見覚えのある花だった。
「ああ、これは――」
◇
「リタ様。クライブと遊ぶのはよろしいですが、二人きりはいけません。誰か一人でもお付きの者を――」
「いやよ。リタは、クライブと二人がいいの」
「いけません! リタ様とクライブは身分が違うのです。本来ならこのような者がそばにいることすら」
「もうっ! マイヤーはうるさいわ!」
時間と国を超えて数ヶ月。
侯爵令嬢のリタに何故か気に入られた俺は、小間使いのようなことをしつつ月に一度くらいの頻度で遊び相手をすることになっていた。
しかしお嬢様に近づく下賤の者として侍女長のマイヤー殿には毛虫のごとく嫌われていた。
今となってはそれも理解できるが、当時はこのオババが大嫌いだった。
「リタはクライブと、"ごくひのかいぎ"をするの!」
「ご、極秘っ……!?」
「そうよ。だから"ぶがいしゃ"はあっちに行ってるのよ! えいっ!」
「リ、リタ様~~っ」
魔法使いであるリタが手をかざすと、マイヤー女史はドアに吸い込まれるように飛んでいって廊下へと出される。そしてドアが勢いよく閉まり鍵がかかった。
「すごいなぁ……」
「うふふ、そうでしょ」
リタが鈴のようにコロコロと笑う。
俺が住んでいたカルムの街にだって魔法使いはいるが、あんなに自然に魔法を出してコントロールできるよう者はいなかった。
王侯貴族の始まりは魔法使いだっていうし、やはり平民とは格がちがうんだろうか。
「やっと二人になれたわ。ようこそ、カイル!」
「うん」
正直言って7歳の女の子、それも貴族令嬢の遊び相手なんて何をどうすればいいか分からないし楽しいとは言えなかった。
下手なことして怪我でもさせたらあのオババに痛い目に遭わされそうだし。
でもこの子だけが唯一俺の"カイル"という名前を呼んでくれる。
本当の自分を思い出させてくれるこの時間は俺にとって貴重だった。
「今日は何するの?」
「えっとね、絵本をよんで、それから"ししゅう"をします!」
「刺繍」
「そうよ。おしゃべりしながら、おかしも食べるわ。ティーパーティーなの」
「やだなあ。そんなの男がすることじゃないよ」
思わず不満を漏らしてしまった。
野山を駆け回って虫取りに釣り、湖で泳いだりなどしていた自分は、リタの遊びに全く魅力を感じない。
スカーフに自分の名前縫い付けたりはしたけど、刺繍なんて何が楽しいやら……途中で寝そうだ。
「まあ、だめよカイルったら、そんなこと言っちゃ」
「だってさ」
「男だからししゅうしないなんて、ナンセンスだわ。"じだいおくれ"よ!」
「じ、時代遅れ」
(未来から来たのに時代遅れって言われた……)
――年下の子なのに口で勝てる気がしない。
仕方なく俺は彼女の提案通りに一緒に絵本を読んで刺繍を始めた。
チクチクと初歩のステッチなんかをしながら、リタのお喋りを聞く。
リタは手慣れたもので、何かの絵柄を器用に縫い上げている。
「ね、カイル。リタの髪って、きれいでしょう」
「え? うん」
「もうっ、ちゃんと聞いている?」
「聞いてるよー」
「レディの話はちゃんと聞かなきゃ、もてないのよ!」
「ああ……うん」
「だめね。てきとうに、あいづちをうっているわ!」
「うぇえ……」
レディのリタの前で適当は許されなかった。
「髪キレイでしょ」に対して「うん」以外に何を言えばいいんだよ。
「うん。えっと……髪キレイだね。青いけど、おれの青い髪とちがって、ちょっと銀色でキラキラしてて……」
そう言うとリタはぱあっと顔を明るくして笑って、髪を一房手に取った。
「ふふふ、そうでしょう? あのね、この髪は、お母さまとおそろいなの」
「へえ……」
適当な相槌のようになってしまった――でもこの子の母親は亡くなっていると聞いていたからどう答えればいいか分からなかった。
「それでね、あのね、お母さまはいつも『リタの髪は特別キレイね、星空みたい』って言ってくれてたの!」
「……星空かあ」
「お母さまはお空にいっちゃったけど、星空を見て、この髪を見て、そうしたらお母さまがいっしょにいてくれてるような気がする、の……?」
――気づいたらリタの頭を撫でていた。一応、髪を乱さないようにそっと。
ガキだった俺には気の利いた言葉も言えないから、そうするのがいいと思ったんだ。
意味もわからず自分の生きる時代からはじき出された自分。
本来の時代に戻るまで、家族に会えるまで制約を守りながら10数年待たないといけない。
でもこの子は、約束をどれだけ守っても何年待っても会えない。そう考えると子供ながらに胸が締め付けられた。
「カイル……? どうしたの?」
「リタはえらいなあ」
「えらいの?」
「うん。リタは頑張り屋だ」
「がんばりや」
次に何言えばいいのかなぁ。
自分が言われたことがある言葉を引っ張り出す……が。
『よくやった。褒めてつかわす』
(う……)
兄がよく言ってきた褒め言葉が頭をよぎる。
(ちがうちがう、これじゃない!)
「えっと……リタはすごい。とにかくすごいよ! 頑張ってる!! えらい!!」
(なーにが『褒めてつかわす』だ。あいつ絶対許さないからな!)
頭の中の兄に毒づきながら鼻息荒く語彙の死んだ言葉を吐き出すと、目を丸くしていたリタがにっこりと笑った。
「うふふ」
「んっ?」
「うれしい。あのね、リタのあたまをなでてくれるのはね、お父さまだけなの」
「え、あっ!」
そこでようやく「えらいことをしてしまった」と気づいた。
この子は小さい、だけどお姫様だ。気軽に触っていい存在じゃなかった。
血の気が引く……バレたらヤバい、特にあのマイヤーのばばあには。「不敬だ!」とか叫んで卒倒するかもしれない。
ムチとかで打たれたらどうしよう!?
「うあ……オバ……マイヤーさんには、言わないでね」
「うん! また二人のヒミツがふえたわ!」
「あはは」
二人だけの秘密というのがやたらと嬉しいらしいリタ。
レディの喜ぶことというのは、よく分からない……。
「ん?」
ある日の昼下がり、砦の厨房にて。
いちご酒を漬けているとベルナデッタが話しかけてきた。
ちなみに兄もいる。細かいことは置いといて、ベルナデッタと恋人になったらしい。
レイチェルがいない平日に時折やってきて一緒に料理の仕込みを手伝ってくれている。
「あのですね、あたしが捕まった時に、ア……先輩、が、気になることを言っていたんです」
「あの女が? なんだろう」
「カイルさんは"聖女の加護"を得ている、と」
「え?」
「聖女の加護ぉ? それってアレだろ、王族クラスが受けられるスゲーやつだろ? あらゆる災いを弾き返すとかって」
「……」
「そうよ。だから術が効かなかったって、あの人が言っていたの」
「カイルが? 聖女の加護を?」
「ええ」
「はは、そんな――」
「……マジかよ、オマエ」
「……は?」
「オマエ実は王子だったのかよ、知らなかったわ。今まで無礼な口聞いてスイマセンでした」
「あのなー……」
兄は俺にガバっと90度の礼をした。それを見たベルナデッタは口に手を当てて吹き出す。
「……俺がそんな大層なもの受けられるわけないでしょ」
「全くだぜ。オレら生まれもっての小市民だもんなぁ」
「そう、ですわよね……」
「そうそう。……あの女プライド高そうだったし、悔し紛れに言っただけじゃないのかなあ。先祖代々のド平民だよ俺」
「いちごが好きなかわいい民草だよな」
「……いちご好きをいじってくるなよ腹の立つ」
「まあ、いちごが好きなんですの? 今度いちごのスイーツでも作りましょうか」
「え? あー……」
「おー、作ってやってくれよ、3段くらいのいちごケーキ。コイツもうすぐ誕生日なんだよ」
「あら」
「や――め――ろ――」
俺が唸ると、兄はケタケタ笑いながら逃げ去った。
それを見てベルナデッタもクスクスと笑う。細かいことは置いといて、幸せそうだ。
「聖女様の加護なら呪いを受けないのも分かるんですけれど」
「あいにくそんなものはないよ」
「そうですの……それか、お会いになったことが……?」
「ないない」
「……そうですか」
彼女はまだ何か聞きたい風だったが、「部屋に取りに行くものがある」と適当に話を切り上げた。
――部屋に向かう途中、廊下でルカと出会った。小さな袋を両方の手で握っている。
「……やあ」
「……」
諸事情あり、彼女にはうっすらと一線引かれている。
経緯はどうあれ、ひっぱたいたりしたのだから仕方がない。……誕生日を邪魔したという前科もあるし。
「手に持ってるのは? 何かの種?」
「そう」
「植えるの?」
「そう」
「そっか」
この砦はあと2ヶ月で契約が終わる。花が咲くのに間に合わないがグレンはどうするつもりだろうか?
「……知ってる?」
「えっ? ……ああ、ごめん、聞いてなかった」
ぼんやりと考えているとルカが俺に何か話しかけてきていた。
ボーッとしていると同時にまさか話しかけられるとは思っていなくて驚いてしまう。
「この花、知ってる?」
そう言ってルカが種の入った袋を見せてくる。袋には小さくて青い花の絵が描いてあった。
懐かしく、見覚えのある花だった。
「ああ、これは――」
◇
「リタ様。クライブと遊ぶのはよろしいですが、二人きりはいけません。誰か一人でもお付きの者を――」
「いやよ。リタは、クライブと二人がいいの」
「いけません! リタ様とクライブは身分が違うのです。本来ならこのような者がそばにいることすら」
「もうっ! マイヤーはうるさいわ!」
時間と国を超えて数ヶ月。
侯爵令嬢のリタに何故か気に入られた俺は、小間使いのようなことをしつつ月に一度くらいの頻度で遊び相手をすることになっていた。
しかしお嬢様に近づく下賤の者として侍女長のマイヤー殿には毛虫のごとく嫌われていた。
今となってはそれも理解できるが、当時はこのオババが大嫌いだった。
「リタはクライブと、"ごくひのかいぎ"をするの!」
「ご、極秘っ……!?」
「そうよ。だから"ぶがいしゃ"はあっちに行ってるのよ! えいっ!」
「リ、リタ様~~っ」
魔法使いであるリタが手をかざすと、マイヤー女史はドアに吸い込まれるように飛んでいって廊下へと出される。そしてドアが勢いよく閉まり鍵がかかった。
「すごいなぁ……」
「うふふ、そうでしょ」
リタが鈴のようにコロコロと笑う。
俺が住んでいたカルムの街にだって魔法使いはいるが、あんなに自然に魔法を出してコントロールできるよう者はいなかった。
王侯貴族の始まりは魔法使いだっていうし、やはり平民とは格がちがうんだろうか。
「やっと二人になれたわ。ようこそ、カイル!」
「うん」
正直言って7歳の女の子、それも貴族令嬢の遊び相手なんて何をどうすればいいか分からないし楽しいとは言えなかった。
下手なことして怪我でもさせたらあのオババに痛い目に遭わされそうだし。
でもこの子だけが唯一俺の"カイル"という名前を呼んでくれる。
本当の自分を思い出させてくれるこの時間は俺にとって貴重だった。
「今日は何するの?」
「えっとね、絵本をよんで、それから"ししゅう"をします!」
「刺繍」
「そうよ。おしゃべりしながら、おかしも食べるわ。ティーパーティーなの」
「やだなあ。そんなの男がすることじゃないよ」
思わず不満を漏らしてしまった。
野山を駆け回って虫取りに釣り、湖で泳いだりなどしていた自分は、リタの遊びに全く魅力を感じない。
スカーフに自分の名前縫い付けたりはしたけど、刺繍なんて何が楽しいやら……途中で寝そうだ。
「まあ、だめよカイルったら、そんなこと言っちゃ」
「だってさ」
「男だからししゅうしないなんて、ナンセンスだわ。"じだいおくれ"よ!」
「じ、時代遅れ」
(未来から来たのに時代遅れって言われた……)
――年下の子なのに口で勝てる気がしない。
仕方なく俺は彼女の提案通りに一緒に絵本を読んで刺繍を始めた。
チクチクと初歩のステッチなんかをしながら、リタのお喋りを聞く。
リタは手慣れたもので、何かの絵柄を器用に縫い上げている。
「ね、カイル。リタの髪って、きれいでしょう」
「え? うん」
「もうっ、ちゃんと聞いている?」
「聞いてるよー」
「レディの話はちゃんと聞かなきゃ、もてないのよ!」
「ああ……うん」
「だめね。てきとうに、あいづちをうっているわ!」
「うぇえ……」
レディのリタの前で適当は許されなかった。
「髪キレイでしょ」に対して「うん」以外に何を言えばいいんだよ。
「うん。えっと……髪キレイだね。青いけど、おれの青い髪とちがって、ちょっと銀色でキラキラしてて……」
そう言うとリタはぱあっと顔を明るくして笑って、髪を一房手に取った。
「ふふふ、そうでしょう? あのね、この髪は、お母さまとおそろいなの」
「へえ……」
適当な相槌のようになってしまった――でもこの子の母親は亡くなっていると聞いていたからどう答えればいいか分からなかった。
「それでね、あのね、お母さまはいつも『リタの髪は特別キレイね、星空みたい』って言ってくれてたの!」
「……星空かあ」
「お母さまはお空にいっちゃったけど、星空を見て、この髪を見て、そうしたらお母さまがいっしょにいてくれてるような気がする、の……?」
――気づいたらリタの頭を撫でていた。一応、髪を乱さないようにそっと。
ガキだった俺には気の利いた言葉も言えないから、そうするのがいいと思ったんだ。
意味もわからず自分の生きる時代からはじき出された自分。
本来の時代に戻るまで、家族に会えるまで制約を守りながら10数年待たないといけない。
でもこの子は、約束をどれだけ守っても何年待っても会えない。そう考えると子供ながらに胸が締め付けられた。
「カイル……? どうしたの?」
「リタはえらいなあ」
「えらいの?」
「うん。リタは頑張り屋だ」
「がんばりや」
次に何言えばいいのかなぁ。
自分が言われたことがある言葉を引っ張り出す……が。
『よくやった。褒めてつかわす』
(う……)
兄がよく言ってきた褒め言葉が頭をよぎる。
(ちがうちがう、これじゃない!)
「えっと……リタはすごい。とにかくすごいよ! 頑張ってる!! えらい!!」
(なーにが『褒めてつかわす』だ。あいつ絶対許さないからな!)
頭の中の兄に毒づきながら鼻息荒く語彙の死んだ言葉を吐き出すと、目を丸くしていたリタがにっこりと笑った。
「うふふ」
「んっ?」
「うれしい。あのね、リタのあたまをなでてくれるのはね、お父さまだけなの」
「え、あっ!」
そこでようやく「えらいことをしてしまった」と気づいた。
この子は小さい、だけどお姫様だ。気軽に触っていい存在じゃなかった。
血の気が引く……バレたらヤバい、特にあのマイヤーのばばあには。「不敬だ!」とか叫んで卒倒するかもしれない。
ムチとかで打たれたらどうしよう!?
「うあ……オバ……マイヤーさんには、言わないでね」
「うん! また二人のヒミツがふえたわ!」
「あはは」
二人だけの秘密というのがやたらと嬉しいらしいリタ。
レディの喜ぶことというのは、よく分からない……。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる