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11章 色と名前のない世界
18話 夜明け
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――全てが終わった。
「意識の闇の世界」に飛んで兄の使い魔ウィルは魔力が尽きてしまったため、ルカの転移魔法で全員砦に帰った。
久々の転移魔法、それも6人運んで彼女も疲れきったようで、帰ってすぐに眠ってしまった。
レイチェルはベルナデッタが背負って部屋まで運んで、彼女が身体を拭いて寝間着に着替えさせてくれた。
貴族令嬢にそんなことをさせて申し訳ないが、まさか俺達がするわけにもいかないし仕方がない。
彼女が倒れるのも無理がないだろう。
訳の分からない連中がやってきて恋人を連れ去って殺して、その恋人が不死者なんかに変貌するのを目の前で見て、さらに意識の闇の世界とやらに飛んで……そもそも彼女は日中"狂気"とかいう呪いを受けて、そこでも倒れたという話だ。
規格外のことばかり起こりすぎて、さぞかし疲れただろう。
グレンが様子を気にしていたが、お前はそれよりも自分の身を優先しろと言って部屋へ戻らせた。
時刻は深夜2時――奴らがやってきて、グレンの火の術による爆発音がしたのは確か1時頃だった。
あれがたった1時間の間の出来事なんて正直信じられない。
正直言ってまだやることはあるが、俺も疲れたから眠りたい……。
◇
――翌朝。
「おはよう、シーザー」
砦の屋上に行き、ロゴスの術によって眠らされていたシーザーの頭を撫でると「キュゥ」と鳴いてあいさつを返してくれる。
時刻は午前7時。
気持ちの良い青空だ。積もっていた雪はもうほとんど解けてしまっている。
ここ数日の不安が払拭されたようで晴れやかな気分だ。
屋上のとある箇所に、大きな血だまりができていた。グレンのものだ。
大量の血は数時間経った今も乾ききっていない部分もあり、凄惨な光景であったことが想像できる。
「さて……やるか」
布を口元に巻いて、床に湯をかけながら持ってきたデッキブラシで血を擦り落とす。
――あのロゴスとかいう宗教サイコ野郎、よくもやってくれたもんだ。
グレンとは何か因縁があるようだが、正直どうでもいい。行方を捜して何かしら制裁を加えてやりたい。
まあ、明らかにあちらさんの方が強いだろうが……。
◇
掃除が終わったあと厨房に行くと、兄が朝飯を作っていた。時刻は8時。
鍋で何かコトコトと煮ているようだ――いい匂いがする。
「おはよう」
「おー、早えな、オマエにしては」
「うるさいよ」
そう返すと兄がニッと笑う。
食堂ではルカが真っ赤な顔で兄が作ったらしいパンケーキをむぐむぐと頬張っている。
……平和だ。こうじゃなくちゃいけない。
「オマエも何か食うか?」
「そうだな。一仕事終えたあとだし」
「ん。軽いのとガッツリ系どっちがいい?」
「軽いのかな」
「ほーい」
兄が作ったハムとチーズのホットサンドを美味しくいただいた。
単純な料理なのに、なんだか今日は特別にうまく感じる。
◇
「……グレン? 入るぞ」
朝食を食べたあと片付けをして、俺と兄と、それからベルナデッタでグレンの部屋にやってきた。
時刻は9時。
ドアを開けて部屋に入ると、ベッドで上体を起こしたグレンがカーテンを全開にして窓から外をボーッと眺めていた。
東の窓からは、低い位置に出た冬の太陽の光が部屋の奥深くまでたっぷり入り込んでくる。
「…………」
――長い夜が明けた。それをあいつ自身が一番感じているだろう。
グレンは俺達に気づくと、目を伏せて少し笑った。
兄の肩にいる使い魔がパタパタと飛んでいくと、グレンは手を出して指にウィルを止まらせ、また笑う。
「おはよう。……具合はどうだ?」
「そうだな……はっきり言って、悪い。身体の節々が痛いし、身体の中も色々痛い」
「……寝てろよ。文字通り、死んでたんだから」
「傷はねえみてえだけど、やっぱりダメージはあるんだな」
「一瞬でも死んでいたのだから、内臓や身体の機能は全部停止していたはず……すぐに魂が戻ったとはいえ、損傷が激しいのでしょう。回復魔法も施しますけれど、やはり自然治癒を待つことになると思いますわ」
「……そうか」
そう言うとグレンはまた窓から外を見つめる。
こいつは昔からこうやって、空やら雲やらを見つめてボーッとしていることが多かった。
こういう時、いつも何を考えてるんだろうか。
それを尋ねても毎回『別に何も考えていない』と返ってくるのが常だったが……。
「……カイル、ジャミル、ベルナデッタ」
「!」
長い間のあと、グレンはこちらを見て柔らかく笑った。
「……ありがとう」
「……グレン」
「3人の言葉、ちゃんと聞こえていた……ああいう風に言ってくれて、俺は救われた。……ありがとう」
そこまで言って、グレンは目を伏せて笑う。
……俺達のやったことは、無駄じゃなかった。涙が出そうになる。
「……ジャミル君は、魔物も斬りたくないというくらいなのに、神父をぶった切るなんて……」
「おっ……? いやいや、へへ」
「……意外と、熱いんだな。驚いた」
「いやいや、いやいや……は、恥ずかしいから、やめてくれよ……ハハ」
「ベルナデッタも……ありがとう」
「えっ!? いえいえ、あたしはあの、た、隊長が以前言っていたことをパク……そ、そのまま言っただけですから。ホホホ」
手をパタパタさせながら兄が照れくさそうに笑うと、ウィルがグレンの周りを2周くらい飛び回ってピピピと嬉しそうに鳴いて、同じく気恥ずかしそうに口元を隠して笑うベルナデッタの頭にちょこんと止まる。
「…………カイル」
「!」
「……ありがとう。すまなかっ……」
「謝るなよ。……生きてて、良かった」
「…………ああ。世話になった……これからも、頼む」
そう言ってグレンは右手を俺の前に差し出した。
「……任せろ」
その手を握って短く返事を返すと、奴も手を握りニッと笑う。
――良かった。
これで本当に、一件落着……。
「ん……?」
静かな部屋に、「ぐごごご」というすさまじい音が響き渡る。
「…………腹が、減った、……かもしれない」
「ああ……」
グレンの腹の音だった。
「……けっこう長いこと何も食べてないんじゃないか? どれくらいだ」
「20日弱、くらいだろうか」
「ヤベーじゃん。よく生きてるよ……つーかアレだよ、言いにくかったけど、なんか頬がこけてんだよな。なんか食えよ」
「そうだな……」
「レイチェルの手料理がいいだろうけどアイツまだフラフラでさあ、アンタが目覚めたらなんか食わせてやってくれって言われてんだ」
「そうか。……じゃあ、頼む」
「料理は任せてもらっていいか?」
「ああ」
◇
「……ほい、お待たせ」
「…………」
しばらくあと、兄が持ってきた料理を見てグレンは言葉を失う。
柔らかく煮込んだ野菜の入った白色のクリームスープと、丸いパン。
スープは朝から兄が仕込んでいたものだ。パンは市販の物を焼いただけで、2つとも別段変わった料理ではない。だが、これは……。
「…………っ」
グレンの目から、涙がこぼれる。
「……っ、ありがとう、あり……」
それから先グレンは言葉を続けられず、涙を流すばかりになってしまった。
「……じゃあ、俺達はここで」
「……だな。おかわりいっぱいあるから言ってくれよな。……あれだぞ、残したっていいんだぞ」
そう言い残して、俺達はグレンの部屋をあとにした。
「……さすが、兄貴は食の神だな」
「何だよ。褒めたって何も出ねえからな」
「ははは……」
食堂に戻る道すがら、そんな話をした。
階段に取り付けられた小窓から太陽の光がさしこんでくる。
眩しいからそうしたかのように必要以上に目を細めて、俺は泣きそうになっているのをごまかした。
――兄がグレンに出した料理は、あいつの回想で見たもの。
災害の後に運び込まれた避難所で出されたパンとスープ――限りなく見た目をそれに近づけたものだった。
パンは銀髪の貴族に奪われ、スープは大人同士の争いでもみ合いになった際にひっくり返された。
自分が関わりのないことで大人がケンカを始めて、それを怯えながら見るしかできなかった子供。
大人の暴虐で奪われた料理を前に、力なく立ち尽くすしかできず、ずっと腹を空かせていたあの子供。
あの日の、あの子供は……少しは報われただろうか――?
「意識の闇の世界」に飛んで兄の使い魔ウィルは魔力が尽きてしまったため、ルカの転移魔法で全員砦に帰った。
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訳の分からない連中がやってきて恋人を連れ去って殺して、その恋人が不死者なんかに変貌するのを目の前で見て、さらに意識の闇の世界とやらに飛んで……そもそも彼女は日中"狂気"とかいう呪いを受けて、そこでも倒れたという話だ。
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時刻は深夜2時――奴らがやってきて、グレンの火の術による爆発音がしたのは確か1時頃だった。
あれがたった1時間の間の出来事なんて正直信じられない。
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――翌朝。
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砦の屋上に行き、ロゴスの術によって眠らされていたシーザーの頭を撫でると「キュゥ」と鳴いてあいさつを返してくれる。
時刻は午前7時。
気持ちの良い青空だ。積もっていた雪はもうほとんど解けてしまっている。
ここ数日の不安が払拭されたようで晴れやかな気分だ。
屋上のとある箇所に、大きな血だまりができていた。グレンのものだ。
大量の血は数時間経った今も乾ききっていない部分もあり、凄惨な光景であったことが想像できる。
「さて……やるか」
布を口元に巻いて、床に湯をかけながら持ってきたデッキブラシで血を擦り落とす。
――あのロゴスとかいう宗教サイコ野郎、よくもやってくれたもんだ。
グレンとは何か因縁があるようだが、正直どうでもいい。行方を捜して何かしら制裁を加えてやりたい。
まあ、明らかにあちらさんの方が強いだろうが……。
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掃除が終わったあと厨房に行くと、兄が朝飯を作っていた。時刻は8時。
鍋で何かコトコトと煮ているようだ――いい匂いがする。
「おはよう」
「おー、早えな、オマエにしては」
「うるさいよ」
そう返すと兄がニッと笑う。
食堂ではルカが真っ赤な顔で兄が作ったらしいパンケーキをむぐむぐと頬張っている。
……平和だ。こうじゃなくちゃいけない。
「オマエも何か食うか?」
「そうだな。一仕事終えたあとだし」
「ん。軽いのとガッツリ系どっちがいい?」
「軽いのかな」
「ほーい」
兄が作ったハムとチーズのホットサンドを美味しくいただいた。
単純な料理なのに、なんだか今日は特別にうまく感じる。
◇
「……グレン? 入るぞ」
朝食を食べたあと片付けをして、俺と兄と、それからベルナデッタでグレンの部屋にやってきた。
時刻は9時。
ドアを開けて部屋に入ると、ベッドで上体を起こしたグレンがカーテンを全開にして窓から外をボーッと眺めていた。
東の窓からは、低い位置に出た冬の太陽の光が部屋の奥深くまでたっぷり入り込んでくる。
「…………」
――長い夜が明けた。それをあいつ自身が一番感じているだろう。
グレンは俺達に気づくと、目を伏せて少し笑った。
兄の肩にいる使い魔がパタパタと飛んでいくと、グレンは手を出して指にウィルを止まらせ、また笑う。
「おはよう。……具合はどうだ?」
「そうだな……はっきり言って、悪い。身体の節々が痛いし、身体の中も色々痛い」
「……寝てろよ。文字通り、死んでたんだから」
「傷はねえみてえだけど、やっぱりダメージはあるんだな」
「一瞬でも死んでいたのだから、内臓や身体の機能は全部停止していたはず……すぐに魂が戻ったとはいえ、損傷が激しいのでしょう。回復魔法も施しますけれど、やはり自然治癒を待つことになると思いますわ」
「……そうか」
そう言うとグレンはまた窓から外を見つめる。
こいつは昔からこうやって、空やら雲やらを見つめてボーッとしていることが多かった。
こういう時、いつも何を考えてるんだろうか。
それを尋ねても毎回『別に何も考えていない』と返ってくるのが常だったが……。
「……カイル、ジャミル、ベルナデッタ」
「!」
長い間のあと、グレンはこちらを見て柔らかく笑った。
「……ありがとう」
「……グレン」
「3人の言葉、ちゃんと聞こえていた……ああいう風に言ってくれて、俺は救われた。……ありがとう」
そこまで言って、グレンは目を伏せて笑う。
……俺達のやったことは、無駄じゃなかった。涙が出そうになる。
「……ジャミル君は、魔物も斬りたくないというくらいなのに、神父をぶった切るなんて……」
「おっ……? いやいや、へへ」
「……意外と、熱いんだな。驚いた」
「いやいや、いやいや……は、恥ずかしいから、やめてくれよ……ハハ」
「ベルナデッタも……ありがとう」
「えっ!? いえいえ、あたしはあの、た、隊長が以前言っていたことをパク……そ、そのまま言っただけですから。ホホホ」
手をパタパタさせながら兄が照れくさそうに笑うと、ウィルがグレンの周りを2周くらい飛び回ってピピピと嬉しそうに鳴いて、同じく気恥ずかしそうに口元を隠して笑うベルナデッタの頭にちょこんと止まる。
「…………カイル」
「!」
「……ありがとう。すまなかっ……」
「謝るなよ。……生きてて、良かった」
「…………ああ。世話になった……これからも、頼む」
そう言ってグレンは右手を俺の前に差し出した。
「……任せろ」
その手を握って短く返事を返すと、奴も手を握りニッと笑う。
――良かった。
これで本当に、一件落着……。
「ん……?」
静かな部屋に、「ぐごごご」というすさまじい音が響き渡る。
「…………腹が、減った、……かもしれない」
「ああ……」
グレンの腹の音だった。
「……けっこう長いこと何も食べてないんじゃないか? どれくらいだ」
「20日弱、くらいだろうか」
「ヤベーじゃん。よく生きてるよ……つーかアレだよ、言いにくかったけど、なんか頬がこけてんだよな。なんか食えよ」
「そうだな……」
「レイチェルの手料理がいいだろうけどアイツまだフラフラでさあ、アンタが目覚めたらなんか食わせてやってくれって言われてんだ」
「そうか。……じゃあ、頼む」
「料理は任せてもらっていいか?」
「ああ」
◇
「……ほい、お待たせ」
「…………」
しばらくあと、兄が持ってきた料理を見てグレンは言葉を失う。
柔らかく煮込んだ野菜の入った白色のクリームスープと、丸いパン。
スープは朝から兄が仕込んでいたものだ。パンは市販の物を焼いただけで、2つとも別段変わった料理ではない。だが、これは……。
「…………っ」
グレンの目から、涙がこぼれる。
「……っ、ありがとう、あり……」
それから先グレンは言葉を続けられず、涙を流すばかりになってしまった。
「……じゃあ、俺達はここで」
「……だな。おかわりいっぱいあるから言ってくれよな。……あれだぞ、残したっていいんだぞ」
そう言い残して、俺達はグレンの部屋をあとにした。
「……さすが、兄貴は食の神だな」
「何だよ。褒めたって何も出ねえからな」
「ははは……」
食堂に戻る道すがら、そんな話をした。
階段に取り付けられた小窓から太陽の光がさしこんでくる。
眩しいからそうしたかのように必要以上に目を細めて、俺は泣きそうになっているのをごまかした。
――兄がグレンに出した料理は、あいつの回想で見たもの。
災害の後に運び込まれた避難所で出されたパンとスープ――限りなく見た目をそれに近づけたものだった。
パンは銀髪の貴族に奪われ、スープは大人同士の争いでもみ合いになった際にひっくり返された。
自分が関わりのないことで大人がケンカを始めて、それを怯えながら見るしかできなかった子供。
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