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【ep.15】私たちは親友を超えて行く
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「……マリア? 危ないよっ」
「エマ、わたくしはもう令嬢ではありません。だから、守っていただく必要はございませんの」
強気なマリアの視線は少し震えていて、でもその言葉は本心なんだとすぐに解かった。だけどマリアは強い敵と戦える力は持っていない。どう答えていいのか迷ってしまって、その迷いが私に隙を作ってしまった。
みんなは各々の位置でドラゴンと戦っていて、ドラゴンの攻撃で岩が飛んでいく。その一部が私に飛んで来たと気付くのが遅くなって視界に映った景色に私は目を見開いた。
「わたくしは、あなたと共に戦いたいのですわ」
マリアが私を庇う様にして飛んできた岩を槍で弾いていた。マリアの背中はとても大きく見えて、私はマリアが本音を隠していた事に気付いた。
ずっと守られてばかりなのは、嫌だったんだって。
私はマリアの隣に並んで長剣を構える。
驚いた様な視線を少し感じた後、同じ様にドラゴン向けた視線と共に私たちは駆けて行く。
「エマの背中はわたくしにまかせてくださいな!」
「うん! 背中は預けるよ!」
私たちはお互いに背中を預けながら、ドラゴンが正気に戻るまで戦い続ける。
「姉様っ!」
「ありがとう助かったよ。今度は僕が君を守る!」
ドラゴンの攻撃がノアに当たりそうになって、レアは双剣で攻撃を弾いてノアと共に距離を取る。
レアを守る様に弓を構えてノアは攻撃を再開する。弓に守られながらレアは双剣を振りかざして行った。
「ママ、いたい?」
「いいえ。シャルルの防御壁で守られていますから。貴方は私から落ちない様にしっかり掴まっていて下さいね」
「うん」
ソフィアの背中に乗っているシャルルの防御壁に守られながら、ソフィアは拳を打ち続ける。
シャルルはソフィアの肩をしっかりと掴んでソフィアを守っていた。
全員で攻撃をし続けていればドラゴンは弱って動きを止めた。
みんなが一呼吸整えている内に私は歩いてドラゴンの前に行くとドラゴンを見つめて問いかける。
「私はエマ。きみと契約をしに来たの」
『……エマ様、お待ちしていました。あなたがこのダンジョンに入って来てからあなたの力をずっと感じておりました。やはりあなたはお強いです』
「ありがとう。きみの事も傷つけてしまってごめんなさい」
『お顔を上げてください。我々はあなたに力があるのか確認する為の存在でもあります。あなたは全力で我々に向かって下さった。それが何よりの力です』
傷つくのは嫌だし痛い。それはドラゴンだって同じのはず。本当は戦いたくはないんだけど、私の力を感じるとドラゴンたちは正気を失ってしまうから、話が出来る状態にする必要がある。それが契約するために立ちふさがる壁なんだと思う。
『エマ様、あなたはみなさまの力を引き出すことができるでしょう。それは魔法でも神様の力でもない。エマ様のお力です』
「……はいっ」
『そのお力が備わっているからこそ、あなたはここに来ることができました。我の力も存分にお使いください』
私の頭をドラゴンの指が撫でると、身体の中に水が流れる感覚がした。力を授かる時の感覚は言葉にできない位に心地が良い。
『こちらの坂に水をお流しください。出口まで繋がっています。あなたたちの旅に幸多からん事を』
「ありがとう!」
私は走ってドラゴンの傍にある坂に念じる。地面から水が流れて行ってその前に私は立つとみんなが寄って来るのが見えた。私はみんなと視線を合わせて微笑んだ後、水に乗る様にして坂を下って行く。流れが速くて一瞬の内に草原へ着地した。暗いダンジョンから明るい草原へ来ると気分も明るくなると思いながら草原を見渡す。
「エマっ、どいてください!」
「へ?」
出口は一つしかなくて、着地してすぐにマリアが降りてきて私の上に落ちて来た。マリアは慌てて私からどいて手を差し伸べてくれた。優しい微笑みに見惚れてしまって数秒反応が遅れてマリアの手を握ろうと倒れながら手を上げた。
「あわっ!?」
「姉様……恥ずかしいっ」
「レア怪我はない? ……あ、エマごめん大丈夫かい?」
「う、うん大丈ぶうぅ!!」
「あら? ごめんなさいね」
「エマくん、いたいのいたいの、とんでけ」
ノアはレアをお姫様抱っこしながら降りてきて、着地点にいた私の上に乗ってしまう。慌ててどいたけどすぐに降りて来たソフィアとソフィアの膝の上に乗ったシャルルも私の上に落ちてきて、変な声が出てしまった。ソフィアたちもすぐにどいてくれたけど、仲間全員を連続で受け止めるのは流石にきつかったな。
身体に着いた草を落としているとマリアが心配そうに駆けて来た。
「エマ怪我はありませんか?」
「大丈夫だよマリア。ドラゴンの力のおかげか痛くは無かったんだ。ビックリはしたけど」
「よかったですわ。エマに何かあったらわたくしは……」
「心配しないで、マリアを置いてどこかへいかないよ。だって私はきみの相棒だからね!」
満面の笑みをマリアに見せると、マリアは驚いた様な顔で私を見つめていた。瞳が揺れていて涙が零れそうなのを必死に耐えている様に見えた。
マリアは私の手を両手で包むと嬉しそうに笑った。初めて見るその笑顔は女神の様に美しい。
「わたくしもずっとあなたと一緒にいますわ。相棒ですもの」
改めてマリアの口から告げられると照れてしまう。自分で言った事なんだけど、でもマリアが望んでいる関係はこれが一番だと思ったの。
違う意味が込められている事はマリアには内緒だけど。
照れ隠しの様にマリアの手を離してみんなに視線を向ける。
「みんなの傷を治すためにも、街でゆっくり休もう。街までもう少し頑張ろうね」
私はみんなの騎士でありたい。だけどお互いに守り合える関係性である事がこのパーティーの強みなのかもしれないと思った。
モンスターに気を付けながらお互いに気を配って草原を歩いて行く。それが自然にできる事が私は嬉しい。街までは歩いて数時間だから日が暮れるまでには着けるはず。
街に着いたらみんなで美味しいものを食べよう。
私たちは親友と呼べる位に信頼し合っている、大切な仲間だから。
「エマ、わたくしはもう令嬢ではありません。だから、守っていただく必要はございませんの」
強気なマリアの視線は少し震えていて、でもその言葉は本心なんだとすぐに解かった。だけどマリアは強い敵と戦える力は持っていない。どう答えていいのか迷ってしまって、その迷いが私に隙を作ってしまった。
みんなは各々の位置でドラゴンと戦っていて、ドラゴンの攻撃で岩が飛んでいく。その一部が私に飛んで来たと気付くのが遅くなって視界に映った景色に私は目を見開いた。
「わたくしは、あなたと共に戦いたいのですわ」
マリアが私を庇う様にして飛んできた岩を槍で弾いていた。マリアの背中はとても大きく見えて、私はマリアが本音を隠していた事に気付いた。
ずっと守られてばかりなのは、嫌だったんだって。
私はマリアの隣に並んで長剣を構える。
驚いた様な視線を少し感じた後、同じ様にドラゴン向けた視線と共に私たちは駆けて行く。
「エマの背中はわたくしにまかせてくださいな!」
「うん! 背中は預けるよ!」
私たちはお互いに背中を預けながら、ドラゴンが正気に戻るまで戦い続ける。
「姉様っ!」
「ありがとう助かったよ。今度は僕が君を守る!」
ドラゴンの攻撃がノアに当たりそうになって、レアは双剣で攻撃を弾いてノアと共に距離を取る。
レアを守る様に弓を構えてノアは攻撃を再開する。弓に守られながらレアは双剣を振りかざして行った。
「ママ、いたい?」
「いいえ。シャルルの防御壁で守られていますから。貴方は私から落ちない様にしっかり掴まっていて下さいね」
「うん」
ソフィアの背中に乗っているシャルルの防御壁に守られながら、ソフィアは拳を打ち続ける。
シャルルはソフィアの肩をしっかりと掴んでソフィアを守っていた。
全員で攻撃をし続けていればドラゴンは弱って動きを止めた。
みんなが一呼吸整えている内に私は歩いてドラゴンの前に行くとドラゴンを見つめて問いかける。
「私はエマ。きみと契約をしに来たの」
『……エマ様、お待ちしていました。あなたがこのダンジョンに入って来てからあなたの力をずっと感じておりました。やはりあなたはお強いです』
「ありがとう。きみの事も傷つけてしまってごめんなさい」
『お顔を上げてください。我々はあなたに力があるのか確認する為の存在でもあります。あなたは全力で我々に向かって下さった。それが何よりの力です』
傷つくのは嫌だし痛い。それはドラゴンだって同じのはず。本当は戦いたくはないんだけど、私の力を感じるとドラゴンたちは正気を失ってしまうから、話が出来る状態にする必要がある。それが契約するために立ちふさがる壁なんだと思う。
『エマ様、あなたはみなさまの力を引き出すことができるでしょう。それは魔法でも神様の力でもない。エマ様のお力です』
「……はいっ」
『そのお力が備わっているからこそ、あなたはここに来ることができました。我の力も存分にお使いください』
私の頭をドラゴンの指が撫でると、身体の中に水が流れる感覚がした。力を授かる時の感覚は言葉にできない位に心地が良い。
『こちらの坂に水をお流しください。出口まで繋がっています。あなたたちの旅に幸多からん事を』
「ありがとう!」
私は走ってドラゴンの傍にある坂に念じる。地面から水が流れて行ってその前に私は立つとみんなが寄って来るのが見えた。私はみんなと視線を合わせて微笑んだ後、水に乗る様にして坂を下って行く。流れが速くて一瞬の内に草原へ着地した。暗いダンジョンから明るい草原へ来ると気分も明るくなると思いながら草原を見渡す。
「エマっ、どいてください!」
「へ?」
出口は一つしかなくて、着地してすぐにマリアが降りてきて私の上に落ちて来た。マリアは慌てて私からどいて手を差し伸べてくれた。優しい微笑みに見惚れてしまって数秒反応が遅れてマリアの手を握ろうと倒れながら手を上げた。
「あわっ!?」
「姉様……恥ずかしいっ」
「レア怪我はない? ……あ、エマごめん大丈夫かい?」
「う、うん大丈ぶうぅ!!」
「あら? ごめんなさいね」
「エマくん、いたいのいたいの、とんでけ」
ノアはレアをお姫様抱っこしながら降りてきて、着地点にいた私の上に乗ってしまう。慌ててどいたけどすぐに降りて来たソフィアとソフィアの膝の上に乗ったシャルルも私の上に落ちてきて、変な声が出てしまった。ソフィアたちもすぐにどいてくれたけど、仲間全員を連続で受け止めるのは流石にきつかったな。
身体に着いた草を落としているとマリアが心配そうに駆けて来た。
「エマ怪我はありませんか?」
「大丈夫だよマリア。ドラゴンの力のおかげか痛くは無かったんだ。ビックリはしたけど」
「よかったですわ。エマに何かあったらわたくしは……」
「心配しないで、マリアを置いてどこかへいかないよ。だって私はきみの相棒だからね!」
満面の笑みをマリアに見せると、マリアは驚いた様な顔で私を見つめていた。瞳が揺れていて涙が零れそうなのを必死に耐えている様に見えた。
マリアは私の手を両手で包むと嬉しそうに笑った。初めて見るその笑顔は女神の様に美しい。
「わたくしもずっとあなたと一緒にいますわ。相棒ですもの」
改めてマリアの口から告げられると照れてしまう。自分で言った事なんだけど、でもマリアが望んでいる関係はこれが一番だと思ったの。
違う意味が込められている事はマリアには内緒だけど。
照れ隠しの様にマリアの手を離してみんなに視線を向ける。
「みんなの傷を治すためにも、街でゆっくり休もう。街までもう少し頑張ろうね」
私はみんなの騎士でありたい。だけどお互いに守り合える関係性である事がこのパーティーの強みなのかもしれないと思った。
モンスターに気を付けながらお互いに気を配って草原を歩いて行く。それが自然にできる事が私は嬉しい。街までは歩いて数時間だから日が暮れるまでには着けるはず。
街に着いたらみんなで美味しいものを食べよう。
私たちは親友と呼べる位に信頼し合っている、大切な仲間だから。
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