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スカウトの内容ーーー。
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女「やぁ、君たち。初めまして。
私の名前は【末原 咲[すえはら さき]】
貴方達をスカウトしに来たわ。」
衣玖「す、すかうと……?」
咲「えぇ、そう。スカウトに来たの。貴方に6人にね。」
【末原 咲】という女はそう言うなり、バラバラに散らばった椅子の上にゆっくりと座った。
そして、さも自分の家を案内するかのように「さ、座って。」と言う。
俺たちは顔を見合わせ、席に着く。
不審者なのでは?とも思ったが、不審者が俺たちの目の前で、あの化け物を殺せるとも思えない。
俺たちが席に着くのを見届け、末原さんはゆっくりと口を開く。
咲「さて、何処から話そうかしら。
とりあえず、私が何者かってところからかしら。ーーーーーーーーー」
末原さんは、この世界には善良な幽霊と、人に影響を及ぼす【悪霊】が潜んでいて、
俺たちが遭遇したあの化け物も悪霊だったらしいが、悪霊の中でもまだ易しい方だそうだ。
そして近年、悪霊の出現が頻繁に目撃されていて、
その悪霊によって人が死傷する事件も増えているといった。
そのため、政府は
【対悪霊討伐組織《X》】
略して《X》という悪霊の討伐に特化した組織を立ち上げた。
その組織の幹部が末原さんだという。
咲「さ、私についてはこれくらいにして。
本題に入るわね。
さっきも話したけど、Xの組織に入って欲しいの。」
中瀬「何故俺たちなんですか?……そもそも、俺たちに霊感があることをどうやって知ったんですか?」
俺が戸惑いながら質問をすると
末原さんはその質問を待っていたかのように
口の両端をつり上げニコッと笑うと
こう答えた。
咲「まぁ、そのことに関しては簡単ね。
さっき倒した悪霊は元々私の管轄下でね、丁度始末しようと現地に赴いたら貴方達4人を見かけたの。」
そう言うと末原さんは俺と夏希以外の皆に目線を送り、またニコリと笑った。
咲「それで、一般の人には見える筈のない悪霊を凝視して、足早に去っていく姿を見てね、確信したの。
《この子達にはあいつが見える》って。
だから、今回Xにスカウトしにきたのよ。」
なるほど。それならば合点がいく。
そいつを凝視していれば、ミエる者からしたら、そいつもミエているに違いないと思うだろう。
納得する俺の隣に座っていた千尋が口を開く。
千尋「も、もし。そのX…?とかなんとかに入ったとして、
俺らは何をすれば良いの?
さっきのあんたみたいに悪霊を倒せって言うわけ?」
千尋は、先程の恐怖がまだ抜けきっていないのか、少し手が震えているような気がした。
いつものチャラチャラした千尋からはあまり想像出来ない程の真面目な声色だった。
千尋の質問に対し、末原さんは少し考え込んだ後、
答えた。
咲「そうね。
まぁ、簡単に言えばそういうことになるわ。
あなた達にはさっきの悪霊のような奴らを始末して欲しいの。
でも、安心して。
あなた達の安全は保障する。
私達政府側の技術はとても進んでいて、表立って公表は出来ないけれど、
今の時点で組織の中の人間でまだ亡くなった人は居ない。
その技術の内容については極秘だから話せないけれど……。」
末原さんは先程のように笑みは浮かべず、真剣な表情で俺らに向き直る。
だが、俺はふと気がつく。
《俺たちがその組織に入るメリットは何だ》と。
先程の悪霊が易しい方であれば、そいつよりもっと上の、ヤバイ奴が居ることになる。
末原さんは《まだ》亡くなっている人間は居ないといった。
だが、それがもし。
組織が始末してきた悪霊より、強い奴が居たら…?
そう考えた俺は、末原さんに質問をしようと下げていた顔を上げると、ばちっと末原さんと目が合った。
すると末原さんは俺の目を見て、
コクリ。
と頷いた。
まるで、俺の考えている事が分かったかのような素振りに
俺は動揺したーーーーーーーーー。
私の名前は【末原 咲[すえはら さき]】
貴方達をスカウトしに来たわ。」
衣玖「す、すかうと……?」
咲「えぇ、そう。スカウトに来たの。貴方に6人にね。」
【末原 咲】という女はそう言うなり、バラバラに散らばった椅子の上にゆっくりと座った。
そして、さも自分の家を案内するかのように「さ、座って。」と言う。
俺たちは顔を見合わせ、席に着く。
不審者なのでは?とも思ったが、不審者が俺たちの目の前で、あの化け物を殺せるとも思えない。
俺たちが席に着くのを見届け、末原さんはゆっくりと口を開く。
咲「さて、何処から話そうかしら。
とりあえず、私が何者かってところからかしら。ーーーーーーーーー」
末原さんは、この世界には善良な幽霊と、人に影響を及ぼす【悪霊】が潜んでいて、
俺たちが遭遇したあの化け物も悪霊だったらしいが、悪霊の中でもまだ易しい方だそうだ。
そして近年、悪霊の出現が頻繁に目撃されていて、
その悪霊によって人が死傷する事件も増えているといった。
そのため、政府は
【対悪霊討伐組織《X》】
略して《X》という悪霊の討伐に特化した組織を立ち上げた。
その組織の幹部が末原さんだという。
咲「さ、私についてはこれくらいにして。
本題に入るわね。
さっきも話したけど、Xの組織に入って欲しいの。」
中瀬「何故俺たちなんですか?……そもそも、俺たちに霊感があることをどうやって知ったんですか?」
俺が戸惑いながら質問をすると
末原さんはその質問を待っていたかのように
口の両端をつり上げニコッと笑うと
こう答えた。
咲「まぁ、そのことに関しては簡単ね。
さっき倒した悪霊は元々私の管轄下でね、丁度始末しようと現地に赴いたら貴方達4人を見かけたの。」
そう言うと末原さんは俺と夏希以外の皆に目線を送り、またニコリと笑った。
咲「それで、一般の人には見える筈のない悪霊を凝視して、足早に去っていく姿を見てね、確信したの。
《この子達にはあいつが見える》って。
だから、今回Xにスカウトしにきたのよ。」
なるほど。それならば合点がいく。
そいつを凝視していれば、ミエる者からしたら、そいつもミエているに違いないと思うだろう。
納得する俺の隣に座っていた千尋が口を開く。
千尋「も、もし。そのX…?とかなんとかに入ったとして、
俺らは何をすれば良いの?
さっきのあんたみたいに悪霊を倒せって言うわけ?」
千尋は、先程の恐怖がまだ抜けきっていないのか、少し手が震えているような気がした。
いつものチャラチャラした千尋からはあまり想像出来ない程の真面目な声色だった。
千尋の質問に対し、末原さんは少し考え込んだ後、
答えた。
咲「そうね。
まぁ、簡単に言えばそういうことになるわ。
あなた達にはさっきの悪霊のような奴らを始末して欲しいの。
でも、安心して。
あなた達の安全は保障する。
私達政府側の技術はとても進んでいて、表立って公表は出来ないけれど、
今の時点で組織の中の人間でまだ亡くなった人は居ない。
その技術の内容については極秘だから話せないけれど……。」
末原さんは先程のように笑みは浮かべず、真剣な表情で俺らに向き直る。
だが、俺はふと気がつく。
《俺たちがその組織に入るメリットは何だ》と。
先程の悪霊が易しい方であれば、そいつよりもっと上の、ヤバイ奴が居ることになる。
末原さんは《まだ》亡くなっている人間は居ないといった。
だが、それがもし。
組織が始末してきた悪霊より、強い奴が居たら…?
そう考えた俺は、末原さんに質問をしようと下げていた顔を上げると、ばちっと末原さんと目が合った。
すると末原さんは俺の目を見て、
コクリ。
と頷いた。
まるで、俺の考えている事が分かったかのような素振りに
俺は動揺したーーーーーーーーー。
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