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第1章:死の死、死の転生デス
今まさに、冥府はその役割を失い、地下世界から消え去ろうとしていた。
天上の軍勢はその雷光で亡者達を薙ぎ、焼き、消し去り、地獄すら灰燼に帰していた。
我輩には、その様を玉座で見続けることしかできなかった。
ビシャアアアアン…!!!!
冥府の各地で稲妻が走る中、一際大きな雷が轟く。
「…兄上。
これは一体どういうことか。」
我輩の目の前には、かつて巨神王である父・クロノスの胃臓より我輩を救い、巨神族との大戦・ティタノマキアにて、その力を奮い終結をもたらした全知全能の神・ゼウスが立っていた。
「弟よ…私はゼウスだ。そこから降りて跪け。」
「…!!」
ゼウスの言葉に抗えず、我輩の体は勝手に動き、玉座からその腰を下ろして床に片膝をつく。
「…主神ゼウスよ……我が冥府に何故…我輩が何をしたと言うのだ…!!」
「ハデス…冥府の神…我が弟…
…死の支配者…ふん!!」
スヒンッ!!
ゼウスの手には突如現れた千変の鎌・アダマスが握られていた。
我輩の頭が胴体から切り離されてから初めて気づけた。
「な…ぜだ…ゼウス……」
我輩の体からは今まで刈り取った、もしくは冥府に落ちてきた全ての魂が溢れて逃げて行く。
その中には、蛇姫・メデューサの魂や、巨獣・テュポーン、そして忌々しき父・クロノスの魂まで…様々な災いが解放されていく。
「我が弟よ。オリュンポスの永久なる栄華のために散れ。」
それが、我輩が聞いた最後の言葉だった。
そして我輩の魂は雷霆に貫かれ、死の神たるハデスは死んだのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ググググ…フザケルナ!!!
ワガナハハデス!!!
死スラ死セル冥府ノ神!!!
ソノワガハイガナゼ死ナネバナラナイ!!!
ゼウス!!!』
ドス黒い渦、亡き者の残滓。
これが冥府より更に下にあると言われているタルタロスの領域…
だが、そんなことは関係無い…!!!
『ワガハイガコノママチルトオモウナヨ…
カナラズヤキサマニモ死ヲモタラソウ…
ワガオトウトヨ…神殺シノ愚神ヨ!!!』
我輩ノ魂ハ…クロイ渦ニ呑み込マれ、遂ニハ我輩の自我モ声も、ソノ存在を証明すルことは出来なくなってイッタ…___。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…フオギャア!!オギャア!オギャア!!オギャア!!!」
ぶはぁ!!何処だここは!?
奈落の底か?!それとも冥府より外、我輩も知らぬ死の領地か?!
「あらまぁ!あなた!ねぇあなた!!
この子が泣いたわ!!ねぇ!ジョー!
来て!!」
我輩を、巨大な手が包み力を込めて来る。
我輩を押し潰すつもりか!?
我輩はタイタン族に捕まったのか!?
すると、ドタバタと下品な足音が聞こえる。
「本当かマリアン!!
ああ…なんと言う事だ……神よ、感謝します。
我が子を救ってくださり、感謝のしようもございません…!!」
神とは我輩だ!!天になど手を合わせるな!!
地下を崇めよ!!
しかし、そう叫びたかった我輩の言葉は、言葉にはならなかった。
「オギャア!オギャア!オギャア!オギャア!」
「あらあらまぁ!!ジョー、この子ったら、早速お腹が空いてるみたい!」
「なんて元気だ…あんなに衰弱しきっていたのに…!!
奇跡だ!…そうだ!奇跡の英雄・エウブレウス様から名を頂こう!!
この子はエウレス!!ノバーン・エウレスだ!!」
違う!!我輩は死の神・ハデス!!
英雄などと言うチンケな者では無い!!
エウレスなどと言う下らない名前では無い!!
そして何故この女タイタンは剥き出しの乳房を我輩の顔に押し付けてくるのだ!!?
止めろ汚らわしい!!
我輩にはペルセポネと言う妻がいる!!
「まぁ…いい名前…きっと英雄様のように勇敢で優しい人になるわ…
ねぇ。ジョー。」
「ああ。マリアン…」
そして、2人のタイタンは我輩の頭上で唇を交わした。
巫山戯るなあ!!盛るならばよそでやれ!!
神たる我輩の頭上で事に及ぼうとするな!!魂を弄り、半人半馬の怪物にしてやろうか!?
我輩は女タイタンの乳首に思い切り噛み付き、手で乳房を抑えると、噛みちぎろうと引っ張った。
その途端、口の中に液体が流れ込んで来た。
毒の体液か!?
「ごふっ!!オギャア!
オギャア!!」
「あらまぁ!!
ダメよエウレスちゃん!!慌てて飲んだら溺れてしまうわ!
ほら、おっぱいは何処にも逃げないから、ゆっくり飲みなさい。」
女タイタンは我輩の背中をトントンと叩き、体液を吐き出させるとそれを拭い、再び我輩の口に乳首を入れる。
ゆっくりと。
「オグゥ…」
体液は甘かった。
毒だとしても、飲むことを止めるなど到底不可能だった。
それは冥府のザクロよりも、ペルセポネの口付けよりも甘く、懐かしい味…
なんだろうか…眠く……なってきた……
そうか…死の神すら……眠らせる……睡眠………毒……か…
「あらまぁ、満足したのね。
ゆっくりお休みなさい。
エウレスちゃん…」
額に唇の感触を感じると同時に、我輩の意識は落ちていった。
天上の軍勢はその雷光で亡者達を薙ぎ、焼き、消し去り、地獄すら灰燼に帰していた。
我輩には、その様を玉座で見続けることしかできなかった。
ビシャアアアアン…!!!!
冥府の各地で稲妻が走る中、一際大きな雷が轟く。
「…兄上。
これは一体どういうことか。」
我輩の目の前には、かつて巨神王である父・クロノスの胃臓より我輩を救い、巨神族との大戦・ティタノマキアにて、その力を奮い終結をもたらした全知全能の神・ゼウスが立っていた。
「弟よ…私はゼウスだ。そこから降りて跪け。」
「…!!」
ゼウスの言葉に抗えず、我輩の体は勝手に動き、玉座からその腰を下ろして床に片膝をつく。
「…主神ゼウスよ……我が冥府に何故…我輩が何をしたと言うのだ…!!」
「ハデス…冥府の神…我が弟…
…死の支配者…ふん!!」
スヒンッ!!
ゼウスの手には突如現れた千変の鎌・アダマスが握られていた。
我輩の頭が胴体から切り離されてから初めて気づけた。
「な…ぜだ…ゼウス……」
我輩の体からは今まで刈り取った、もしくは冥府に落ちてきた全ての魂が溢れて逃げて行く。
その中には、蛇姫・メデューサの魂や、巨獣・テュポーン、そして忌々しき父・クロノスの魂まで…様々な災いが解放されていく。
「我が弟よ。オリュンポスの永久なる栄華のために散れ。」
それが、我輩が聞いた最後の言葉だった。
そして我輩の魂は雷霆に貫かれ、死の神たるハデスは死んだのだった。
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『ググググ…フザケルナ!!!
ワガナハハデス!!!
死スラ死セル冥府ノ神!!!
ソノワガハイガナゼ死ナネバナラナイ!!!
ゼウス!!!』
ドス黒い渦、亡き者の残滓。
これが冥府より更に下にあると言われているタルタロスの領域…
だが、そんなことは関係無い…!!!
『ワガハイガコノママチルトオモウナヨ…
カナラズヤキサマニモ死ヲモタラソウ…
ワガオトウトヨ…神殺シノ愚神ヨ!!!』
我輩ノ魂ハ…クロイ渦ニ呑み込マれ、遂ニハ我輩の自我モ声も、ソノ存在を証明すルことは出来なくなってイッタ…___。
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「…フオギャア!!オギャア!オギャア!!オギャア!!!」
ぶはぁ!!何処だここは!?
奈落の底か?!それとも冥府より外、我輩も知らぬ死の領地か?!
「あらまぁ!あなた!ねぇあなた!!
この子が泣いたわ!!ねぇ!ジョー!
来て!!」
我輩を、巨大な手が包み力を込めて来る。
我輩を押し潰すつもりか!?
我輩はタイタン族に捕まったのか!?
すると、ドタバタと下品な足音が聞こえる。
「本当かマリアン!!
ああ…なんと言う事だ……神よ、感謝します。
我が子を救ってくださり、感謝のしようもございません…!!」
神とは我輩だ!!天になど手を合わせるな!!
地下を崇めよ!!
しかし、そう叫びたかった我輩の言葉は、言葉にはならなかった。
「オギャア!オギャア!オギャア!オギャア!」
「あらあらまぁ!!ジョー、この子ったら、早速お腹が空いてるみたい!」
「なんて元気だ…あんなに衰弱しきっていたのに…!!
奇跡だ!…そうだ!奇跡の英雄・エウブレウス様から名を頂こう!!
この子はエウレス!!ノバーン・エウレスだ!!」
違う!!我輩は死の神・ハデス!!
英雄などと言うチンケな者では無い!!
エウレスなどと言う下らない名前では無い!!
そして何故この女タイタンは剥き出しの乳房を我輩の顔に押し付けてくるのだ!!?
止めろ汚らわしい!!
我輩にはペルセポネと言う妻がいる!!
「まぁ…いい名前…きっと英雄様のように勇敢で優しい人になるわ…
ねぇ。ジョー。」
「ああ。マリアン…」
そして、2人のタイタンは我輩の頭上で唇を交わした。
巫山戯るなあ!!盛るならばよそでやれ!!
神たる我輩の頭上で事に及ぼうとするな!!魂を弄り、半人半馬の怪物にしてやろうか!?
我輩は女タイタンの乳首に思い切り噛み付き、手で乳房を抑えると、噛みちぎろうと引っ張った。
その途端、口の中に液体が流れ込んで来た。
毒の体液か!?
「ごふっ!!オギャア!
オギャア!!」
「あらまぁ!!
ダメよエウレスちゃん!!慌てて飲んだら溺れてしまうわ!
ほら、おっぱいは何処にも逃げないから、ゆっくり飲みなさい。」
女タイタンは我輩の背中をトントンと叩き、体液を吐き出させるとそれを拭い、再び我輩の口に乳首を入れる。
ゆっくりと。
「オグゥ…」
体液は甘かった。
毒だとしても、飲むことを止めるなど到底不可能だった。
それは冥府のザクロよりも、ペルセポネの口付けよりも甘く、懐かしい味…
なんだろうか…眠く……なってきた……
そうか…死の神すら……眠らせる……睡眠………毒……か…
「あらまぁ、満足したのね。
ゆっくりお休みなさい。
エウレスちゃん…」
額に唇の感触を感じると同時に、我輩の意識は落ちていった。
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