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第八話 魔力測定の儀
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魔力測定の儀が行われる当日。
マデリーンは学園側に許可をもらうとその場に控えさせてもらえる形となった。
王族とは元々魔力の多い者がほとんどだ。それ故に魔力測定を行う場合には熟練の魔法使いがその場に控えている。その中にマデリーンも入れさせてもらったのだ。
あれから事前に王子らに接触し、体内の魔力を測定できないかと思ったのだが、王族とは忙しいのか、マデリーンが会おうとしてもいつも姿が見えず、しかたなく当日を迎えることとなってしまった。
「マデリーンは王子に興味があるの?」
何故か一緒にいると言って頑なに譲らなかったエイデンにそう尋ねられ、マデリーンは首を傾げた。
「興味?」
「うん。最近・・・・王子に接触をしようとしていたでしょう?」
エイデンは何でもお見通しなんだなと思いながら苦笑を浮かべると頷いた。
「ええ。おそらくだけれど、貴方の呪いを解くためには、三人の王子の魔力が関係してくるの。」
「え?どういう意味?」
「ふふ。エイデンの呪いを解くには、三人の王子と一人の令嬢に大人しくしていてもらわないといけないってこと。」
マデリーンがそう言ったところで舞台の上に四人ずつあがり、魔力測定の儀が行われていく。一人、また一人と測定されていく。
そして最後の四人が舞台の上へと上がった。
ヒロインと王子三人である。
マデリーンはエイデンに危険が及ばないように彼の回りに魔法をかけると、自信は身構えて衝撃を待った。
よくもまぁ、ラストに魔力の多い四人が重なったものだなぁと、マデリーンは笑った。
そして、次の瞬間にそれは起こった。
魔力の強風と、目映い光が四人のからだの回りを飛び回る。
金色、赤色、青色、そして聖なる光。
マデリーンは苦笑を浮かべた。
物語を最初のオープニングでエンディングに持っていこうとしているのだ。
自分は何と言う悪者だろうか。
マデリーンはそんなことを思いながら、この日の為に準備してきた魔方陣を次々に空中へと展開させていく。
魔方陣が四人の体を包み込み、光がまるで妖精よのうに飛び回る。
その光景に、熟練の魔法使いらも、エイデンも、そして魔力の溢れた四人も目を丸くする。
魔方陣を展開させ、高度な魔法も同時に広げていくマデリーンのその姿は、まるで世界を創造する神のようで、見ていたもの達は皆息を飲んだ。
光が溢れる。
マデリーンはこの世界の理と、魔力の鎖を意図も容易く打ち砕く。
最後に光の柱があがり、魔法は弾けるようにして消え去った。
「ふぅ。一件落着。」
マデリーンの言葉に、皆がただ呆然とマデリーンを見つめた。
マデリーンは学園側に許可をもらうとその場に控えさせてもらえる形となった。
王族とは元々魔力の多い者がほとんどだ。それ故に魔力測定を行う場合には熟練の魔法使いがその場に控えている。その中にマデリーンも入れさせてもらったのだ。
あれから事前に王子らに接触し、体内の魔力を測定できないかと思ったのだが、王族とは忙しいのか、マデリーンが会おうとしてもいつも姿が見えず、しかたなく当日を迎えることとなってしまった。
「マデリーンは王子に興味があるの?」
何故か一緒にいると言って頑なに譲らなかったエイデンにそう尋ねられ、マデリーンは首を傾げた。
「興味?」
「うん。最近・・・・王子に接触をしようとしていたでしょう?」
エイデンは何でもお見通しなんだなと思いながら苦笑を浮かべると頷いた。
「ええ。おそらくだけれど、貴方の呪いを解くためには、三人の王子の魔力が関係してくるの。」
「え?どういう意味?」
「ふふ。エイデンの呪いを解くには、三人の王子と一人の令嬢に大人しくしていてもらわないといけないってこと。」
マデリーンがそう言ったところで舞台の上に四人ずつあがり、魔力測定の儀が行われていく。一人、また一人と測定されていく。
そして最後の四人が舞台の上へと上がった。
ヒロインと王子三人である。
マデリーンはエイデンに危険が及ばないように彼の回りに魔法をかけると、自信は身構えて衝撃を待った。
よくもまぁ、ラストに魔力の多い四人が重なったものだなぁと、マデリーンは笑った。
そして、次の瞬間にそれは起こった。
魔力の強風と、目映い光が四人のからだの回りを飛び回る。
金色、赤色、青色、そして聖なる光。
マデリーンは苦笑を浮かべた。
物語を最初のオープニングでエンディングに持っていこうとしているのだ。
自分は何と言う悪者だろうか。
マデリーンはそんなことを思いながら、この日の為に準備してきた魔方陣を次々に空中へと展開させていく。
魔方陣が四人の体を包み込み、光がまるで妖精よのうに飛び回る。
その光景に、熟練の魔法使いらも、エイデンも、そして魔力の溢れた四人も目を丸くする。
魔方陣を展開させ、高度な魔法も同時に広げていくマデリーンのその姿は、まるで世界を創造する神のようで、見ていたもの達は皆息を飲んだ。
光が溢れる。
マデリーンはこの世界の理と、魔力の鎖を意図も容易く打ち砕く。
最後に光の柱があがり、魔法は弾けるようにして消え去った。
「ふぅ。一件落着。」
マデリーンの言葉に、皆がただ呆然とマデリーンを見つめた。
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