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七話
しおりを挟む私は今盛大に戸惑っている。
夕食を済ませたところまでは良かったのだ。だが、それからが問題である。
薄っぺらい、ナイトドレスなるものを侍女さんに着せられた。可愛いからいいか。いや、よくない。可愛らしいワンピースのようなものなのだが、胸元が大きく開いているし、ひらひらしている。これでは恐らく布団に入ったらスカートが捲れるだろう。私の寝相は最悪だ。
そして、私のベッドにはにこやかに四人が腰掛けている。
恐らくこれは、貞操の危機とやらだろう。
二十九歳三十路一歩手前の私は、イケメン四人をあしらえるような技術は持っていないので取りあえず、四人に言った。
「その、まだ出会ったばかりなので、その・・そういう事はできましぇん!」
盛大に舌を噛んだ。思わず痛みで目が潤む。
するとイケメン四人が両手を顔に当てて何か悶えている。何だかよく分からないが、イケメンは悶えても絵になるのかと、そんな事を考えてしまう。
「あの・・・」
私がおずおずと言った様子で小首をかしげると、カインが言った。
「大丈夫だ。ルカの気持ちがちゃんと決まってから、その、そういう閨の事はしようと四人で決めた。だから、一緒にただベッドで寝るだけだ。」
えぇー。ちょっと待って。なら別々で寝ましょうよ。私達初めて会った同士だし、ベッドだってそんなに広くは・・ってめちゃくちゃ広いなベッド。そうか、一妻多夫制だから広めなのかな。
それとも部屋がないんだろうか。
私がどうしようかと悩んでいると、エバンが立ち上がって私の手を引きベッドへと促す。
「ルカ、さっき俺の尻尾さわりたそうにしてたでしょ?触っていいよ?だからベッドで一緒に寝よう?」
「え!?本当に!?寝る寝る!」
思わず勢いでそう答えてしまい、はっとなる。
カインにライにクレストは見事な笑顔で私をベッドへといざなってくる。
えぇい!女は度胸だ。私はベッドに横になると横にいるカインの尻尾を優しく撫でた。ふわっふわとしていてとても心地良く、撫でていると何だか幸せな気持ちになる。
すると、私の頭をカインやライ、クレストが撫ではじめ、私は戸惑って固まった。
接触が過多すぎる。頬や腰のラインも撫でられると何だかぞくぞくしたものが走るし、恥ずかしくてどきどきとしてしまう。
だめだ。
しかもイケメン達の顔がイケメン過ぎて辛い。
「お、おさわり禁止です!」
思わずそう声を上げると、四人はきょとんとした後に笑い声を上げて頷いた。
「あぁ。すまんすまん。余りに可愛くってな。」
「僕達、奥さんが出来た事に浮かれているんだ。ごめんね。」
「ルカが嫌がる事は絶対にしませんから。安心して下さい。」
「俺も。あ、でも俺の事はいつでも触っていいからな。」
私はそう言われて思わず唇をとがらせてしまう。
私ばっかりが振り回されて酷いとしか思えない。だが、ベッドに横になってからすぐに睡魔が襲ってくるのを感じた。
そりゃあそうだろう。突然異世界に飛ばされて、森の中歩いて、神殿に来て、体は疲れているのだ。瞼がだんだんと重たくなり、私はすぐに意識を失った。
夢の中でもイケメン達に頭を撫でられて、ついにやけそうになった事は内緒だ。
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