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十話 魔力の測定
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真新しい学園の制服は、白いフリルのついたシャツの上から紺色のジャケットを羽織るもので、ジャケットの胸元のポケットには金糸で美しく薔薇が刺繍されている。スカートはクルリとまわるとふわりと広がる作りとなっており、裾につけられているレースが可愛さを引き立てていた。
鏡に映った自分を見つめ、私はにっこりとほほ笑みを浮かべる。
セオの一件からしばらく経ち、最初の頃はセオに何か言われるのではないかとびくびくしていたが、あれ以来の接触はなく、安堵した。ただ、あの日の晩、妖精達のところに遊びに行くと、しばらく遊んでいなかった反動か、妖精達にさんざん付き合わされて、一睡もすることなく次の日を迎えた時は授業が始まって初日だと言うのに居眠りをしてしまい、授業が全く記憶にない。
もうすぐ魔法の授業が始まるらしく、今日は魔力の測定があるとのことであった。
前世は魔力は無尽蔵といわれるくらい大量にあった私だが、今世はどうなのだろうかと疑問に思っている。前世と同じならば、測定の時に調節しなければ大事になりそうで気をつけなければと内心気が気ではない。
傷一つないカバンを持ち、時間はまだ早いが、教室へと向かって歩き始めた。
寮を出て中庭を歩いていくと、空は青く澄んでいて、鳥が数羽で楽しそうに飛んでいくのが見えた。
春の風はとても心地良く、微かに花の香りがした。
青空を見上げると、アベルの事を思い出す。結局、未だにあの少年の事についてなにも分かっていない。ポケットに入れていた少年の落としたハンカチを取り出して小さくため息をついた。
「アベル・・・会いたいな・・・」
あの少年がアベルだとは限らない。それは分かっているのに、それでも期待してしまう。生まれ変わったのはアベルに会うためだと、そう自分が勝手に思いたいだけなのかもしれないが。
教室につき、気持ちを切り替えようと教師の話に集中をする。
クラスの中にはすでにいくつかのグループが出来ており、その一番の勢力としては公爵令嬢のカトリーヌ嬢を中心としたグループである。カトリーヌ嬢の取り巻きは日に日に増えていっているようだ。
金色の髪を色とりどりのリボンで飾っているカトリーヌは、クラスで一番美しく高貴な存在であるとばかりにかなり威張っている姿が見られた。
私は友達をどうやって作ればいいのか未だによくわからず、一人ぼっちである。
教壇の上に魔力の測定用の水晶玉が置かれ、担任の教師が来ると一人一人魔力が測定されていく。
測定方法は水晶を両手に持つだけ。そうすると、水晶が体内の魔力量を視覚化し、どのくらいの魔力を有しているか、体を包む魔力によって分かるのだ。
「おーほっほっほ。わたくしの魔力が多いのは当たり前ですわ。」
カトリーヌ嬢の魔力が測定されると、少しばかりクラスがざわついた。今の所クラスでは一番魔力量が多いのは彼女のようだ。
しかしその次に測定をしたハンスの魔力量に、クラスの中はさらにざわついた。
魔力はハンスの体を円形状に大きく囲み、かなりの量を有しているであろうことが一目でわかる。
「くっ!さすがですわね。」
カトリーヌは悔しそうに顔を歪めながらそう言うと、つんとすました様子で言葉を続けた。
「隣国とはいえ、王族が魔力が強いのは当たり前ですわ。」
ハンスはその言葉に苦笑を浮かべると席に戻った。
学園内では基本的に王族や貴族などの爵位は関係ないとされており、爵位によって優劣が決められてはいけないと学園に通っている間は平等が謳われている。だからこそ、名前で呼び合う事が許され、そして軽口をたたくことも問題とされない。
ただ、少しばかり言い過ぎではないかなと、公爵令嬢っていうのはそんなに偉いのだろうかと私は思ってしまう。
そして、いよいよ私の順番が来た。
大丈夫である。クラスの平均辺りを狙って魔力を調整すればいいのだと自分に言い聞かせ、水晶に持った。
強くなりすぎないように、強くなりすぎないようにと念じていると、魔力をどうしたらいいのかがわからずに頭がこんがらがってくる。
どうすればいい?
調整って、どうすればいい?
混乱している間に水晶か点滅を始め、そして、結果を見て担任のアスター先生は困ったように笑顔を作った。
「フィーガンくん。その、残念なのだが、君の魔力はとても少ないようだ。けれど、魔力ばかりが大切なのではないから、気を落とさないように。」
「え?」
「よし、ではこれで魔力の測定を終わります。こここからはペアを作っていくから、一度皆さん席に戻って。」
「え?」
まさかクラスで一番魔力が少なくなるとは思ってもみなかった。
いや、そもそも私の魔力は少なかったのだろうか?それとも調整のミス?
どちらだろうかと思っている間に、話は進み、そして私の横にハンスが座った。
「これからペア同士よろしくね。」
「え?」
成績によってペアが組まれるらしく、一番魔力が多かったハンスと、一番魔力の少なかった私はペアになったらしい。
「えぇー。よろしくお願いします。」
とりあえず、差し出されたハンスの手を握り、握手を交わした。
鏡に映った自分を見つめ、私はにっこりとほほ笑みを浮かべる。
セオの一件からしばらく経ち、最初の頃はセオに何か言われるのではないかとびくびくしていたが、あれ以来の接触はなく、安堵した。ただ、あの日の晩、妖精達のところに遊びに行くと、しばらく遊んでいなかった反動か、妖精達にさんざん付き合わされて、一睡もすることなく次の日を迎えた時は授業が始まって初日だと言うのに居眠りをしてしまい、授業が全く記憶にない。
もうすぐ魔法の授業が始まるらしく、今日は魔力の測定があるとのことであった。
前世は魔力は無尽蔵といわれるくらい大量にあった私だが、今世はどうなのだろうかと疑問に思っている。前世と同じならば、測定の時に調節しなければ大事になりそうで気をつけなければと内心気が気ではない。
傷一つないカバンを持ち、時間はまだ早いが、教室へと向かって歩き始めた。
寮を出て中庭を歩いていくと、空は青く澄んでいて、鳥が数羽で楽しそうに飛んでいくのが見えた。
春の風はとても心地良く、微かに花の香りがした。
青空を見上げると、アベルの事を思い出す。結局、未だにあの少年の事についてなにも分かっていない。ポケットに入れていた少年の落としたハンカチを取り出して小さくため息をついた。
「アベル・・・会いたいな・・・」
あの少年がアベルだとは限らない。それは分かっているのに、それでも期待してしまう。生まれ変わったのはアベルに会うためだと、そう自分が勝手に思いたいだけなのかもしれないが。
教室につき、気持ちを切り替えようと教師の話に集中をする。
クラスの中にはすでにいくつかのグループが出来ており、その一番の勢力としては公爵令嬢のカトリーヌ嬢を中心としたグループである。カトリーヌ嬢の取り巻きは日に日に増えていっているようだ。
金色の髪を色とりどりのリボンで飾っているカトリーヌは、クラスで一番美しく高貴な存在であるとばかりにかなり威張っている姿が見られた。
私は友達をどうやって作ればいいのか未だによくわからず、一人ぼっちである。
教壇の上に魔力の測定用の水晶玉が置かれ、担任の教師が来ると一人一人魔力が測定されていく。
測定方法は水晶を両手に持つだけ。そうすると、水晶が体内の魔力量を視覚化し、どのくらいの魔力を有しているか、体を包む魔力によって分かるのだ。
「おーほっほっほ。わたくしの魔力が多いのは当たり前ですわ。」
カトリーヌ嬢の魔力が測定されると、少しばかりクラスがざわついた。今の所クラスでは一番魔力量が多いのは彼女のようだ。
しかしその次に測定をしたハンスの魔力量に、クラスの中はさらにざわついた。
魔力はハンスの体を円形状に大きく囲み、かなりの量を有しているであろうことが一目でわかる。
「くっ!さすがですわね。」
カトリーヌは悔しそうに顔を歪めながらそう言うと、つんとすました様子で言葉を続けた。
「隣国とはいえ、王族が魔力が強いのは当たり前ですわ。」
ハンスはその言葉に苦笑を浮かべると席に戻った。
学園内では基本的に王族や貴族などの爵位は関係ないとされており、爵位によって優劣が決められてはいけないと学園に通っている間は平等が謳われている。だからこそ、名前で呼び合う事が許され、そして軽口をたたくことも問題とされない。
ただ、少しばかり言い過ぎではないかなと、公爵令嬢っていうのはそんなに偉いのだろうかと私は思ってしまう。
そして、いよいよ私の順番が来た。
大丈夫である。クラスの平均辺りを狙って魔力を調整すればいいのだと自分に言い聞かせ、水晶に持った。
強くなりすぎないように、強くなりすぎないようにと念じていると、魔力をどうしたらいいのかがわからずに頭がこんがらがってくる。
どうすればいい?
調整って、どうすればいい?
混乱している間に水晶か点滅を始め、そして、結果を見て担任のアスター先生は困ったように笑顔を作った。
「フィーガンくん。その、残念なのだが、君の魔力はとても少ないようだ。けれど、魔力ばかりが大切なのではないから、気を落とさないように。」
「え?」
「よし、ではこれで魔力の測定を終わります。こここからはペアを作っていくから、一度皆さん席に戻って。」
「え?」
まさかクラスで一番魔力が少なくなるとは思ってもみなかった。
いや、そもそも私の魔力は少なかったのだろうか?それとも調整のミス?
どちらだろうかと思っている間に、話は進み、そして私の横にハンスが座った。
「これからペア同士よろしくね。」
「え?」
成績によってペアが組まれるらしく、一番魔力が多かったハンスと、一番魔力の少なかった私はペアになったらしい。
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