【完結】ヒロインは暗黒龍と共に、悪役令嬢の恋を応援します!

かのん

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第一章

 お家でのんびり16

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 お茶会からフィリアはグリードと共に屋敷へと帰った。

 ロードは一緒に暮らそうと言ったが、フィリアにとっての家は、精霊達の待つ、小さな屋敷だ。

 父には申し訳ないが、断った。

 残念そうな顔をしてはいたが、無理強いしないところが父らしく思った。



 屋敷に帰ると、フィリアは服をワンピースに着替え、精霊達のいる庭へといった。



「ただいまぁー!」



 精霊達は次々に姿を現し、フィリアにすり寄っていく。



 精霊達の側はとても居心地がいい。



「フィリア。こっちにおいで。」



 振り返って見れば、グリードがお茶の準備をしていた。



 フィリアがたたたっとかけよると、グリードは当たり前のようにフィリアを抱き上げ、膝の上にのせた。



「グリード、、、あのなんで膝の上?」



 グリードは当たり前のように後ろからフィリアの首筋に顔を押し当て、ぐりぐりとする。



「フィリアが足りなかった。はぁ、満たされる。」



 いや、私何かの怪しい薬ではないですからね?



「くすぐったい。」



 思わずクスクス笑いながらそういうと、グリードは心配げな声をあげた。



「フィリアはあぶなっかしいのだ。もし、あの時フィリアの事が王家に伝わっていたら、きっと王子のどちらかと婚約させられていた。」



「あー、、、本当にグリードありがとう。」



「時間と記憶を操る魔法は危ない。だから出来るだけ使わせないでくれ。」



 大きく息をはくグリードに、フィリアは申し訳なさそうに頷いた。



「フィリアが、誰かと婚約するなど、耐えられない。」



 その言葉に、フィリアはドキリとした。



 これでは愛の告白のようである。

 以前から気になる発言は多いが、気を引き締めないと勘違いしそうだなとフィリアは思った。



「どうした?」



 間近で首をかしげて見つめてくるグリードの破壊力は凄まじく、顔が真っ赤になってしまう。



 美しすぎるのは罪だなと思うフィリアであった。
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