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第一章
その心の感情の名は17
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年々、自分の心が五月蝿くなるのを感じる。
出会った時は小さな幼女で、愛らしく、守ってやらねばと思っていた。
それが年々、心の中がざわつくようになってきた。
攻略キャラと呼ばれる男の子に会いに行ってくると言ったときには、息が苦しくなった。
もし、フィリアが好きになってしまったら?そしたら、もう自分は必要なくなるのだろうか。
考えただけで、心がざわついた。
無事に帰り、好きになっていないと確かめた時にやっと呼吸ができた気がした。
次は王城での一件だ。
国王に目をつけられるわけにはいかないと、本来なら緊急時にしか使わない魔法を使った。魔力の消費が凄まじく、フィリアには言わなかったがその日は立ち上がるのも億劫だった。
だが、使わないわけにはいかなかった。
もし、王族の婚約者など押し付けられたら、自分はたぶんフィリアを無理矢理にでも国外に連れて行っていただろう。
フィリアを抱きしめるとほっとする。
そう思っていた。
けれど年々なんだか心が五月蝿くなっていく。
身長が伸び、仕草が大人びていく。
今までは気軽に抱き上げられていたのに、躊躇いと、触れたいという欲求の間で揺らめくようになる。
「グリード!」
そう、名を呼ばれるだけで幸福に包まれる。
この感情はなんだ?
笑顔を見れば嬉しい。
怒った顔はついからかいたくなる。
心配そうな顔はさせたくない。
悲しい顔は抱きしめ支えてやりたくなる。
心が叫ぶ。
その感情の名に気付けと。
でも、まだ。
今はまだ彼女を見ながら、心が五月蝿いくらいに叫ぶ感情の名を探している。
出会った時は小さな幼女で、愛らしく、守ってやらねばと思っていた。
それが年々、心の中がざわつくようになってきた。
攻略キャラと呼ばれる男の子に会いに行ってくると言ったときには、息が苦しくなった。
もし、フィリアが好きになってしまったら?そしたら、もう自分は必要なくなるのだろうか。
考えただけで、心がざわついた。
無事に帰り、好きになっていないと確かめた時にやっと呼吸ができた気がした。
次は王城での一件だ。
国王に目をつけられるわけにはいかないと、本来なら緊急時にしか使わない魔法を使った。魔力の消費が凄まじく、フィリアには言わなかったがその日は立ち上がるのも億劫だった。
だが、使わないわけにはいかなかった。
もし、王族の婚約者など押し付けられたら、自分はたぶんフィリアを無理矢理にでも国外に連れて行っていただろう。
フィリアを抱きしめるとほっとする。
そう思っていた。
けれど年々なんだか心が五月蝿くなっていく。
身長が伸び、仕草が大人びていく。
今までは気軽に抱き上げられていたのに、躊躇いと、触れたいという欲求の間で揺らめくようになる。
「グリード!」
そう、名を呼ばれるだけで幸福に包まれる。
この感情はなんだ?
笑顔を見れば嬉しい。
怒った顔はついからかいたくなる。
心配そうな顔はさせたくない。
悲しい顔は抱きしめ支えてやりたくなる。
心が叫ぶ。
その感情の名に気付けと。
でも、まだ。
今はまだ彼女を見ながら、心が五月蝿いくらいに叫ぶ感情の名を探している。
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