137 / 159
第一章
新婚さんは糖分高めです。
しおりを挟む
朝、太陽の光がカーテンの隙間から輝き、眩しさで目が覚める。
フィリアは小さく、悲鳴を上げた。
目の負けに、グリードの美しい顔がありドキドキと心臓が鳴る。
ゆっくりとその頬に触れると、温かくてフィリアはほっと息を吐いた。
そして、誰も見ていないからいいかと、もぞもぞと動くとグリードの胸に顔を埋めてぐりぐりとしてからグリードの匂いを吸った。
なんと幸せなのだろうか。
フィリアはグリードの顔を見上げてにんまりとすると、その唇にゆっくりと自らの唇を重ねた。
「おはよう。大好き。」
次の瞬間、グリードの瞳がカッと見開き、そしてフィリアは言葉を述べる前に噛み付くようなキスを受けた。
角度を何度も変えては、フィリアを味わうように何度も何度も執拗にキスをされ、息は絶え絶えである。
やっと離してもらえたと思った瞬間、フィリアはグリードの瞳を見て息を呑んだ。
その瞳は情欲の色を灯し、フィリアを見つめており次の瞬間にはフィリアの上に跨るようにしてグリードはまたキスを始めた。
フィリアは顔を真っ赤にしながら、逃げようとするがもう遅い。
「フィリア愛してる。」
それからベッドが出るまでにかなりの時間を要することになったのは仕方のないことであろう。
グリードは、ベッドから起き上がれなくなったフィリアの額にキスをすると、仕事に出かけていった。
グリードは、聖なる龍としてフィーリタ王国を守護する事になり、城の仕事を手伝うようになっていた。
フィリアは、それから一時間の後にやっとベッドから起き上がると、よたよたと着替え、ルーナの元へとお茶会へ出かけた。
王城の庭に可愛らしくお茶の準備がされており、フィリアはルーナと共にお茶を楽しんでいた。
「フィリアはグリードと新婚生活楽しんでいるの?」
ルーナの言葉に、お茶を吹き出しそうになったフィリアであったが、顔を真っ赤にしてうつむいた。
「えっと、、、いや、、そう、、ね。」
「ふふ。その様子だとラブラブね。」
「いや、、、ルーナ様。私、時々殺されるかと思うのですが、、、皆様、こんなものなのでしょうか。」
ルーナはその言葉の意味を悟ると、お腹を抱えて笑いだした。
「フィリア、それはぶっちゃけすぎよ。ふふ。まぁ女同士ですからいいわ。でも、フィリア、しょうがないわ。」
「え?」
「だって、ずっと、ずっとグリード様はマテをしていたのでしょう?なら、しょうがないわ。愛を受け止めなさいな。」
「愛が重いわ!」
「あら、フィリアの愛も相当だと思うけれど?」
その言葉に、フィリアは、う、と言葉に詰まった。
その時、お茶会をしている所からグリードとハロルドが仕事の話をしながら歩いていくのが見えた。
そして、その先にいた若い令嬢方に捕まったのもよく見えた。
「最近の令嬢方は積極的ね。騎士の稽古の見学ついでに聖なる龍様に会おうとやっきになっているらしいわよ。」
ルーナがそう言った時には、フィリアの姿はなく、グリードの元へ、まるで今やってきましたとばかりの雰囲気で、妖精のように舞い降りている。
「グリード。」
「フィリア!あぁ、ルーナ様とのお茶会か。」
「ええ。貴方が見えたから。来てしまったわ。お邪魔だったかしら?」
「そんな事あるわけ無いだろう?」
一瞬にして周りが砂糖を吐きそうなほど甘い雰囲気を醸し出す。令嬢達は顔を真っ赤にしてそそくさと立ち去っていった。
フィリアはにこりと笑うと、ハロルドに目を向けた。
「見学のためだと言って令嬢が入りすぎるのはどうかしら?」
ハロルドはその言葉に苦笑を浮かべた。
「そんな牽制しなくても、君の愛しのグリードは君しか見えていないよ。」
その言葉にフィリアは顔を赤らめるとぱっとグリードから離れると言った。
「お、、お仕事頑張ってね。それじゃ、また後で。」
そう言ってフィリアはそそくさとルーナとのお茶会へと戻っていく。
グリードはその様子を見ながら手をわきわきと動かした。
「可愛すぎないか?」
「はい。砂糖を吐きそうだから黙って。」
こうして、砂糖を吐きそうな犠牲者は増えていく。
フィリアは小さく、悲鳴を上げた。
目の負けに、グリードの美しい顔がありドキドキと心臓が鳴る。
ゆっくりとその頬に触れると、温かくてフィリアはほっと息を吐いた。
そして、誰も見ていないからいいかと、もぞもぞと動くとグリードの胸に顔を埋めてぐりぐりとしてからグリードの匂いを吸った。
なんと幸せなのだろうか。
フィリアはグリードの顔を見上げてにんまりとすると、その唇にゆっくりと自らの唇を重ねた。
「おはよう。大好き。」
次の瞬間、グリードの瞳がカッと見開き、そしてフィリアは言葉を述べる前に噛み付くようなキスを受けた。
角度を何度も変えては、フィリアを味わうように何度も何度も執拗にキスをされ、息は絶え絶えである。
やっと離してもらえたと思った瞬間、フィリアはグリードの瞳を見て息を呑んだ。
その瞳は情欲の色を灯し、フィリアを見つめており次の瞬間にはフィリアの上に跨るようにしてグリードはまたキスを始めた。
フィリアは顔を真っ赤にしながら、逃げようとするがもう遅い。
「フィリア愛してる。」
それからベッドが出るまでにかなりの時間を要することになったのは仕方のないことであろう。
グリードは、ベッドから起き上がれなくなったフィリアの額にキスをすると、仕事に出かけていった。
グリードは、聖なる龍としてフィーリタ王国を守護する事になり、城の仕事を手伝うようになっていた。
フィリアは、それから一時間の後にやっとベッドから起き上がると、よたよたと着替え、ルーナの元へとお茶会へ出かけた。
王城の庭に可愛らしくお茶の準備がされており、フィリアはルーナと共にお茶を楽しんでいた。
「フィリアはグリードと新婚生活楽しんでいるの?」
ルーナの言葉に、お茶を吹き出しそうになったフィリアであったが、顔を真っ赤にしてうつむいた。
「えっと、、、いや、、そう、、ね。」
「ふふ。その様子だとラブラブね。」
「いや、、、ルーナ様。私、時々殺されるかと思うのですが、、、皆様、こんなものなのでしょうか。」
ルーナはその言葉の意味を悟ると、お腹を抱えて笑いだした。
「フィリア、それはぶっちゃけすぎよ。ふふ。まぁ女同士ですからいいわ。でも、フィリア、しょうがないわ。」
「え?」
「だって、ずっと、ずっとグリード様はマテをしていたのでしょう?なら、しょうがないわ。愛を受け止めなさいな。」
「愛が重いわ!」
「あら、フィリアの愛も相当だと思うけれど?」
その言葉に、フィリアは、う、と言葉に詰まった。
その時、お茶会をしている所からグリードとハロルドが仕事の話をしながら歩いていくのが見えた。
そして、その先にいた若い令嬢方に捕まったのもよく見えた。
「最近の令嬢方は積極的ね。騎士の稽古の見学ついでに聖なる龍様に会おうとやっきになっているらしいわよ。」
ルーナがそう言った時には、フィリアの姿はなく、グリードの元へ、まるで今やってきましたとばかりの雰囲気で、妖精のように舞い降りている。
「グリード。」
「フィリア!あぁ、ルーナ様とのお茶会か。」
「ええ。貴方が見えたから。来てしまったわ。お邪魔だったかしら?」
「そんな事あるわけ無いだろう?」
一瞬にして周りが砂糖を吐きそうなほど甘い雰囲気を醸し出す。令嬢達は顔を真っ赤にしてそそくさと立ち去っていった。
フィリアはにこりと笑うと、ハロルドに目を向けた。
「見学のためだと言って令嬢が入りすぎるのはどうかしら?」
ハロルドはその言葉に苦笑を浮かべた。
「そんな牽制しなくても、君の愛しのグリードは君しか見えていないよ。」
その言葉にフィリアは顔を赤らめるとぱっとグリードから離れると言った。
「お、、お仕事頑張ってね。それじゃ、また後で。」
そう言ってフィリアはそそくさとルーナとのお茶会へと戻っていく。
グリードはその様子を見ながら手をわきわきと動かした。
「可愛すぎないか?」
「はい。砂糖を吐きそうだから黙って。」
こうして、砂糖を吐きそうな犠牲者は増えていく。
20
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
異世界転生した私は甘味のものがないことを知り前世の記憶をフル活用したら、甘味長者になっていた~悪役令嬢なんて知りません(嘘)~
詩河とんぼ
恋愛
とあるゲームの病弱悪役令嬢に異世界転生した甘味大好きな私。しかし、転生した世界には甘味のものないことを知る―――ないなら、作ろう!と考え、この世界の人に食べてもらうと大好評で――気づけば甘味長者になっていた!?
小説家になろう様でも投稿させていただいております
8月29日 HOT女性向けランキングで10位、恋愛で49位、全体で74位
8月30日 HOT女性向けランキングで6位、恋愛で24位、全体で26位
8月31日 HOT女性向けランキングで4位、恋愛で20位、全体で23位
に……凄すぎてびっくりしてます!ありがとうございますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる