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第二章
第十九話
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二フエルの話によると、フィリアは宝物殿の整理を手伝っている最中に誤って呪われた宝珠に触れてしまった。
するとフィリアの魔力に反応し、宝珠から呪いが溢れるとフィリアの体を蝕んでいった。
宝珠は過去に戻り、自分の対となるものを探し、一緒にいさせてほしいと願った。
二フエルもグリードもまさか宝珠に対となる何かがあるとは知らなかった為、手がかりはほとんどなかったのだと言う。
最初はグリードも一緒に行きたいと言ったのだが、過去の自分に出会って何かが起こらないという保証はなく、しかたなくフィリアが一人で過去へと飛ばされることとなった。
フィリアの記憶がなくなったのは、おそらく過去へと時を渡った弊害であろうと二フエルは言っていた。
グリードはフィリアをぎゅっと抱きしめると大きく息を吐いた。
「良かった。フィリアが無事帰ってきて。」
「ふふ。小さな時のグリードも可愛かったわ。ねぇ、覚えていないの?」
フィリアがそう尋ねると、グリードは少し悔しげに言った。
「残念ながら、覚えていないよ。記憶が消えるように魔法を掛けたからね。もし記憶があって何かおかしなことが起こらないとも限らないかから、仕方がない。」
そう少し残念気にグリードが言うと、フィリアはにっこりと笑って言った。
「小さな時のグリードの唇も、今と同じで柔らかかったわ。」
その言葉に、グリードの眼が細まる。
「なん、、だって?」
「ふふふ。小さなグリードは今よりも幼くって可愛らしくって、どきどきしたわ。」
楽しそうにフィリアがそう言うと、グリードはフィリアを抱き寄せて言った。
「ほう?一体、昔の俺と何をしたんだ?全部はいてもらおうか?」
その言葉にフィリアは大爆笑した。
「何言っているの?まるで浮気調査みたい!だって相手はグリードよ?」
グリードはその言葉に唇を尖らせると拗ねたように言った。
「たとえ自分であろうと、過去の自分にフィリアを取られたようで嫌だ。」
「焼きもちやきさんね。ふふ。でも、私はグリードが大好きよ!大きくっても小さくってもね。」
その言葉にグリードは満足げに笑うと言った。
「ならいいんだけどね。でもやっぱり一番は今の俺にしてくれ。」
「はいはい。貴方が世界で一番好きよ。」
「俺もだフィリア。」
二人が甘い雰囲気を吐き出し始めたのに二フエルは苦笑を浮かべると言った。
「後で宝物庫の管理をしている令嬢を紹介するから。あ、来たようだよ。」
フィリアはその姿を見て目を丸くした。
「ヴィオレッタ?!」
ヴィオレッタの瞳を覆うように大きな瓶底眼鏡がついている。そして、フィリアを見ると勢いよく抱き着いてきたのである。
「フィリア様!」
あれからかなりの年月がたっているのに、何故だとフィリアが驚いていると二フエルが爆弾を落とした。
「宝珠とイヤリングを付け続けた事が原因か、ヴィオレッタは死なない。そして、私の妻でもある。」
「はあぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ?!」
獣人は好まないようなことを言ったのはどこのどいつだったかと、問いただしてやりたくなったフィリアであった。
するとフィリアの魔力に反応し、宝珠から呪いが溢れるとフィリアの体を蝕んでいった。
宝珠は過去に戻り、自分の対となるものを探し、一緒にいさせてほしいと願った。
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「ほう?一体、昔の俺と何をしたんだ?全部はいてもらおうか?」
その言葉にフィリアは大爆笑した。
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「たとえ自分であろうと、過去の自分にフィリアを取られたようで嫌だ。」
「焼きもちやきさんね。ふふ。でも、私はグリードが大好きよ!大きくっても小さくってもね。」
その言葉にグリードは満足げに笑うと言った。
「ならいいんだけどね。でもやっぱり一番は今の俺にしてくれ。」
「はいはい。貴方が世界で一番好きよ。」
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二人が甘い雰囲気を吐き出し始めたのに二フエルは苦笑を浮かべると言った。
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「宝珠とイヤリングを付け続けた事が原因か、ヴィオレッタは死なない。そして、私の妻でもある。」
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