【完結】玩具の青い鳥

かのん

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新八話

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 二人の兄弟がいた。

 兄は背が高く痩せこけた、クラット=フライ。

 弟は背が低く太っている。アラット=フライ。

 この兄弟、外見は地味だが夢は壮大であり、大空に憧れていた。

 空を飛びたい。けれど空は王と獣の領域。飛ぶ事は許されない。

 けれど、兄弟は飛びたかった。

 それが彼らの願いだった。

 空を飛びたいのかい。

 そこへ黒き仮面の者から声がかかったのだ。

 飛びたいんだ。

 なら翼を持つものを捉えなくてはいけないよ。

 翼を持つもの?

 そうさ。その名はフェイナ。彼女を捕らえてごらん。

 そしたら空を飛べるのかい?

 そうさ。きっと飛べる術が手にはいるであろうよ。

 兄弟は、バカだった。

 ただ、頭はよかった。

 兄弟は立ち上がり、そして計画を立て始めた。
 
 これが、この兄弟の間違いの始まり。けれど、バカな兄弟は気付かない。
 
 ただただ空に憧れるのみであった。
 
 そして、彼らはすぐにフェイナを見つけた。

「こんばんはお嬢さん。」

 厳重な警備も、この二人には通用しない。バカなのに頭はいい二人である。いとも簡単にエデンへの侵入経路を見つけ、そしてフェイナの寝室に忍び込んだのである。

 フェイナは驚いたが、それ以上に気になった。

「どうやってここへ?」

「古代の地下迷宮を通ってまいりました。」

 そこへ迷い込んだら一生出てこられないというところを、通ってきたのならばなんというものたちであろうか。

「本当に?どうして迷わなかったの?」

「これは僕らが発見した鉱石です。これを上手く使えば、迷ったりはしません。」

「どうやって使うの?」

「フリュンゲル国の水にはこの鉱石を水面に浮かせる力があります。そして水に浮いた鉱石は必ず細く尖ったほうがエデンの中心を指し示します。その他にもこまごまと僕たちが考えた装置が備え付けられているんですがね。」

「へぇ・・・」

 器用に作られた羅針盤状のその装置を、フェイナは手に取ると、この兄弟へ言った。

「これ欲しいわ。」

 二人は笑顔で言った。

「いいですよ。けれど僕らもお願いがあるんです。一緒に来てもらえますか?」

「どこへ?」

「え?」

 兄弟は顔を見合わせた。

 捕らえたらいいといわれたが、どこへ捕らえればいいのであろうか。

 とにかく、二人は思った。
「一緒に来てもらえればいいんです。」

 フェイナは頷いた。けれど、すぐに立ち上がると、小さな鞄にいろいろなものを詰め込み始め、そして二人に向って言った。

「ちょっと着替えるから後ろを向いていてくださらないかしら?」

 兄弟はバカだった。だから後ろを向いていた。

 けれどいつまでたってもフェイナから声がかからない。おかしいと思い、振り返るとそこにはもう誰もいなかった。

 兄弟は頭がよかった。だが、バカだった。

 フェイナが羅針盤状の装置を持ち、一人地下迷宮を行ったなど思いもしなかったのであった。

 二人はとりあえず、フェイナが出てくるまで、明るくなってもその場で待ち続け、そして次の日の朝、やっとフェイナが一人で行ってしまったのではないかと思い始めたのであった。
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