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22話
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「くそ!くそっ!!」
気持ちが落ち着かずにただ地面に拳を叩きつける
俺がシャーロットを手にすると思っていた………
だが、あいつ…ウィリアムの気迫に心の底から恐怖して
怯えて、引いてしまったんだ
そして、ウィリアムと連れ歩くシャーロットの姿は心の底から幸せな笑みを浮かべていた
腹立たしい、イライラする…俺が負けたんだ
受け入れがたい現実に抑えられない気持ち
こんなの初めてだ
「くそ!!」
再度、地面に拳を叩き付けると痛みが走る
その痛みのおかげで少し冷静になれた
「そうだ、何を俺はシャーロット1人に囚われていたんだ?…俺を愛する女など、腐るほどいるじゃないか」
そうだ、気持ちを変えて考えてみろ
ウィリアムはあの女1人だけだ、俺には…無数にいるじゃないか
落ち込む必要なんてない、潔くあんな女忘れてしまえばいい話だ
「よし」
気持ちを切り替えて
俺の誕生を祝う会場へ向かう
すでにシャーロット達は帰ってしまっていたが、まだ貴族達は残っていて話し込んでいた
俺は会場に入って近くにいた令嬢に声をかける
「おい、今日は俺の相手を許可してやる…こい」
そう言って令嬢の腕を引くが、そいつは俺の腕を振りほどき
どこか嫌悪感をみせるような表情で見つめてきた
「すいません、私は無理です」と言って
なんだ。この女…まぁいい
こんな奴は置いて次の女へ声をかける
また断られた
次だ
また
次も
その次も
令嬢達は俺から逃げるように会場から出ていく
何が起こっている?みんな俺を見て抱いてほしいと懇願していたはずだ
意味もわからず立ち尽くしていると
鼻に刺さる香水の匂いが俺に届く
振り返ると、果実水を吞むベネットが俺を見つめていた
この際だ、この女でいい
「おい、お前、俺に抱かれる許可を」
「お断りします」
は?
先程まであれだけ俺になびいいていたはずのコイツでさえ?
困惑していると、ベネットは少し呆れた笑みを見せた
「一応、気づいてないみたいなんで忠告しておきますね、私を含めてあなたに抱かれる事がステータスだと感じていました、それが幸せになると思っていました」
「その通りじゃないか、皆俺に抱かれにきていたはずだ」
「いいえ、気付いたんですよ…自分を愛してくれる人がいて、その人を愛する事が幸せなのだと、シャーロット達を見て…私も心の底から羨ましく思った」
「な…何を言っている?」
「自分しか愛していないあなたには分からないかもしれませんね……私もシャーロットが言っていた意味がようやくわかりました…もうレオナード様に魅力を感じません…それでは」
ベネットはそう言って、冷たい表情で去っていった
俺の誕生日を祝う会のはずだった
だが、いつしか会場に立っているのは俺1人だけだ
「ちっ…そんなわけない、俺に抱かれたいはずだ…そのはずなんだ」
呟くように俺は会場を後にしようと歩きだすと
腕に誰かが抱きつく
「レオナード様!!」
「っ!?誰だ?」
見知らぬ女だった
俺の言葉に彼女は頬を膨らまして
小さな怒りを見える
「もう、忘れてしまったのですか!何度か一緒に夜を過ごしましたのに」
「…………覚えていないが、ちょうどいい、俺に抱かれにきたのだろう」
「はい!レオナード様との夜を私はずっと待っていたんです」
「そうか、そうか…………では来い」
やはり、俺の下には女が来るじゃないか
あいつらは馬鹿だ
俺の魅力を忘れてわざわざ抱かれる好機を逃したのだから
俺の部屋に女と共に入る
よく見れば
コイツの胸は大きいし顔も悪くないな
大きくなる愚息
俺は部屋に入ったと同時に服を脱いで寝台に座る
「早く来い」と言って
女は笑いながら話す
「初めて来たけど大きな部屋ですね」
俺が女を抱くときに使う部屋
ここなら誰も文句を言わない、だから女は絶対ここでしか抱かないと決めている
女は笑いながら
ガチャリと
扉の鍵をかけた
その時の表情は何故か人形を見ているような
不気味な雰囲気を感じた
気持ちが落ち着かずにただ地面に拳を叩きつける
俺がシャーロットを手にすると思っていた………
だが、あいつ…ウィリアムの気迫に心の底から恐怖して
怯えて、引いてしまったんだ
そして、ウィリアムと連れ歩くシャーロットの姿は心の底から幸せな笑みを浮かべていた
腹立たしい、イライラする…俺が負けたんだ
受け入れがたい現実に抑えられない気持ち
こんなの初めてだ
「くそ!!」
再度、地面に拳を叩き付けると痛みが走る
その痛みのおかげで少し冷静になれた
「そうだ、何を俺はシャーロット1人に囚われていたんだ?…俺を愛する女など、腐るほどいるじゃないか」
そうだ、気持ちを変えて考えてみろ
ウィリアムはあの女1人だけだ、俺には…無数にいるじゃないか
落ち込む必要なんてない、潔くあんな女忘れてしまえばいい話だ
「よし」
気持ちを切り替えて
俺の誕生を祝う会場へ向かう
すでにシャーロット達は帰ってしまっていたが、まだ貴族達は残っていて話し込んでいた
俺は会場に入って近くにいた令嬢に声をかける
「おい、今日は俺の相手を許可してやる…こい」
そう言って令嬢の腕を引くが、そいつは俺の腕を振りほどき
どこか嫌悪感をみせるような表情で見つめてきた
「すいません、私は無理です」と言って
なんだ。この女…まぁいい
こんな奴は置いて次の女へ声をかける
また断られた
次だ
また
次も
その次も
令嬢達は俺から逃げるように会場から出ていく
何が起こっている?みんな俺を見て抱いてほしいと懇願していたはずだ
意味もわからず立ち尽くしていると
鼻に刺さる香水の匂いが俺に届く
振り返ると、果実水を吞むベネットが俺を見つめていた
この際だ、この女でいい
「おい、お前、俺に抱かれる許可を」
「お断りします」
は?
先程まであれだけ俺になびいいていたはずのコイツでさえ?
困惑していると、ベネットは少し呆れた笑みを見せた
「一応、気づいてないみたいなんで忠告しておきますね、私を含めてあなたに抱かれる事がステータスだと感じていました、それが幸せになると思っていました」
「その通りじゃないか、皆俺に抱かれにきていたはずだ」
「いいえ、気付いたんですよ…自分を愛してくれる人がいて、その人を愛する事が幸せなのだと、シャーロット達を見て…私も心の底から羨ましく思った」
「な…何を言っている?」
「自分しか愛していないあなたには分からないかもしれませんね……私もシャーロットが言っていた意味がようやくわかりました…もうレオナード様に魅力を感じません…それでは」
ベネットはそう言って、冷たい表情で去っていった
俺の誕生日を祝う会のはずだった
だが、いつしか会場に立っているのは俺1人だけだ
「ちっ…そんなわけない、俺に抱かれたいはずだ…そのはずなんだ」
呟くように俺は会場を後にしようと歩きだすと
腕に誰かが抱きつく
「レオナード様!!」
「っ!?誰だ?」
見知らぬ女だった
俺の言葉に彼女は頬を膨らまして
小さな怒りを見える
「もう、忘れてしまったのですか!何度か一緒に夜を過ごしましたのに」
「…………覚えていないが、ちょうどいい、俺に抱かれにきたのだろう」
「はい!レオナード様との夜を私はずっと待っていたんです」
「そうか、そうか…………では来い」
やはり、俺の下には女が来るじゃないか
あいつらは馬鹿だ
俺の魅力を忘れてわざわざ抱かれる好機を逃したのだから
俺の部屋に女と共に入る
よく見れば
コイツの胸は大きいし顔も悪くないな
大きくなる愚息
俺は部屋に入ったと同時に服を脱いで寝台に座る
「早く来い」と言って
女は笑いながら話す
「初めて来たけど大きな部屋ですね」
俺が女を抱くときに使う部屋
ここなら誰も文句を言わない、だから女は絶対ここでしか抱かないと決めている
女は笑いながら
ガチャリと
扉の鍵をかけた
その時の表情は何故か人形を見ているような
不気味な雰囲気を感じた
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