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第53話 また増えちゃったんだがぁ?
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「三っ! 【ポジションチェンジ】!」
一瞬だけ視界が暗転して、神獣と魔道具を持った僕の位置が入れ替わる。
膨大な魔力の動く気配……!
魔道具は、ちゃんと規定の位置に収まってるように見える。
転移完了の瞬間だけ微妙にずれた?
それとも元の装置は魔道具には反応しないような作りになっていた?
いや、それは確認したから違うはず。
魔力溜まりが収縮と膨張を繰り返しながら明滅してる。
最大値は、さっきより大きい。
これは、僕の気がつかなかった何かがある?
くっ、せめてフィアたちが逃げる時間だけでも……いや、違う。
この反応は……。
「なぁんだ、成功じゃあないか……」
そうかぁ、まだ魔道具に動力源をセットしてないから、いったん魔道具側に魔力溜まりの魔力を引き込んで術式を起動させてから、再度送り出すって挙動をしてるんだねぇ。
膨張の最大値が神獣が制御していたときより大きいのは、魔道具に魔力が送られる直前に一瞬暴走しかけてるからかぁ。
そしてそれを、魔道具が制御して収縮している、と。
「どうやら、ちゃんと制御できてるみたいだねぇ。魔力全てが一気に解き放たれて暴発するなんてことは、もうなさそうだよ」
「にゃぁ……」
「んにゃ!」
「ははは、ありがとうコペン」
まっすぐ褒められると、おじさん照れちゃうねぇ。もう何年そんな褒められ方してないか分からないからなぁ……。
「しばらくはあの魔力溜まりが動力源になりそうだねぇ。あとは、誤作動してる制御用の回路を迂回させて、部品じたいを破壊すればいいかなぁ?」
「ワフゥ……」
犬の神獣君も安堵してるみたいだねぇ。
ここに立ち入る人間に敵意を向けてただけってことかなぁ?
人間じたいを恨んでるわけじゃなくて良かったよ。それじゃあ、聖に属する神獣が魔に落ちたってことだからねぇ、ますます世界の均衡が崩れて、崩壊に近づいてしまうよ。
「フィア、多少は治療もできたよねぇ? 僕はこれが安定してる内に残りの処理をしちゃうから、その神獣の応急処置をしておいてくれるかい?」
「にゃぁ」
「うん、頼んだよ」
それじゃあ僕は僕の仕事をしますかぁ。
えっと、この導線の素材は、ミスリルと金の合金かぁ。
金、あったかなぁ?
下位の素材の方が逆に持ってないんだよねぇ。
ゲームあるあるだと思うんだけど。
んー、ああ、あったあった。
比率は、これくらいかなぁ?
魔導錬成を発動して、合金にして、さらに引き延ばした上で束ねてっと。
先に繋いでからじゃないとこの場に魔力が放出されちゃうか。
それじゃあもう一回魔導錬成を発動して、上から順に繋げて、壊れた回路に繋がってる方を切断。
最後に、最上位竜の魔石を三つほどセットしてっと。
よし、これでいいねぇ。
「フィア、そっちはどんな感じだい?」
「にゃ」
止血は終わったけど、毛や爪の再生は無理だったと。
まぁ、ラインカッツェは攻撃力に振り切ってるところあるからなぁ。
昔、バフ無しだったとは言え、タンクがガードの上から溶かされた時は笑うしかなかったよ。
「あとは僕がやるよ。【健やかな泉の奇跡】」
「ワフゥ……」
これでよし。
欠損の完全再生魔法だから、毛をむしられた肌も爪も全部元通りになってるはず。
不思議そうに見てるのは、人間が単独で超級の魔法を使ったからかねぇ?
住人だと基本、儀式的なことをするか複数人で行使する魔法らしいし。
おっふ。体が大きいと舌も大きいねぇ。
急に舐められて顔がべちょべちょだよ。
とりあえず水を出して、洗っておこうか。
「わふ」
うん? 何か言いたげだねぇ?
「にゃぁ」
「え、友誼を結びたいの? 君も?」
「ウォン!」
いやまぁ、たしかに命は助けたけど、女神に頼まれてやったことだしねぇ。
それに神獣ってそんな簡単に人間と友誼を結んでいいのかねぇ?
獣魔契約になるテイムよりはましなんだろうけど。
ていうか、神獣をそんなに引き連れて、女神は何か言ってこないかねぇ?
今の時点で何もないから、言ってこないんだろうねぇ?
うーん、目立っちゃうなぁ……。
正直少し面倒くさい。あと胃も痛い。
けど、犬は可愛い。僕より大きいけど、それでも可愛い。
……まぁ、どうせ基本的には、外の秘密基地に引きこもってるからなぁ。
そんなに目立たなくて済むかぁ。
よし。
「分かった。友誼を結ぼうか」
「わふ!」
くっ、可愛い……。
あ、システムメッセージも来たねぇ。ちゃんと断わってから送ってきたあたり、フィアより気がつかえる子かもしれないねぇ。
「にゃ?」
「うん? どうしたんだい、フィア」
ふぅ、危ない危ない。勘のいいにゃんこだぜ。
でも僕ぁ勘の良いにゃんこも嫌いじゃない。
それじゃあ友誼を結ぶ契約魔法を交わそうか。
「へぇ、フィアたちの時とは魔法陣の色が違うんだねぇ」
彼女たちの時は赤紫色だったけど、今回は水色に近い青色だ。
目の色、なのかねぇ?
たまたまかもしれないけど。
「ウォン!」
「うん、よろしくねぇ。そうだ、君の名前も考えないとねぇ」
艶のある灰色、というか銀って言っていいのかねぇ?
それに青い瞳かぁ。
大きいのもあるけど、やっぱり狼っぽいねぇ。
顔は、イケメンなんだけど、美人でもある。一応オスみたいだけども。
うーん、そうだなぁ……。
「エイト、でどうだい?」
「わふ!」
まぁ、また車の名前からなんだけどねぇ。
「うん、それじゃぁよろしくねぇ、エイト」
「にゃん」
「んにゃ!」
「ウォン」
さて、と。
なんだかめでたしめでたしって雰囲気がしてるけど、まだやることが残ってるんだよねぇ。
「……うん、やっぱり上に続いてそうだねぇ」
じゃあ、行こうか。
全ての元凶に会いに。
「三っ! 【ポジションチェンジ】!」
一瞬だけ視界が暗転して、神獣と魔道具を持った僕の位置が入れ替わる。
膨大な魔力の動く気配……!
魔道具は、ちゃんと規定の位置に収まってるように見える。
転移完了の瞬間だけ微妙にずれた?
それとも元の装置は魔道具には反応しないような作りになっていた?
いや、それは確認したから違うはず。
魔力溜まりが収縮と膨張を繰り返しながら明滅してる。
最大値は、さっきより大きい。
これは、僕の気がつかなかった何かがある?
くっ、せめてフィアたちが逃げる時間だけでも……いや、違う。
この反応は……。
「なぁんだ、成功じゃあないか……」
そうかぁ、まだ魔道具に動力源をセットしてないから、いったん魔道具側に魔力溜まりの魔力を引き込んで術式を起動させてから、再度送り出すって挙動をしてるんだねぇ。
膨張の最大値が神獣が制御していたときより大きいのは、魔道具に魔力が送られる直前に一瞬暴走しかけてるからかぁ。
そしてそれを、魔道具が制御して収縮している、と。
「どうやら、ちゃんと制御できてるみたいだねぇ。魔力全てが一気に解き放たれて暴発するなんてことは、もうなさそうだよ」
「にゃぁ……」
「んにゃ!」
「ははは、ありがとうコペン」
まっすぐ褒められると、おじさん照れちゃうねぇ。もう何年そんな褒められ方してないか分からないからなぁ……。
「しばらくはあの魔力溜まりが動力源になりそうだねぇ。あとは、誤作動してる制御用の回路を迂回させて、部品じたいを破壊すればいいかなぁ?」
「ワフゥ……」
犬の神獣君も安堵してるみたいだねぇ。
ここに立ち入る人間に敵意を向けてただけってことかなぁ?
人間じたいを恨んでるわけじゃなくて良かったよ。それじゃあ、聖に属する神獣が魔に落ちたってことだからねぇ、ますます世界の均衡が崩れて、崩壊に近づいてしまうよ。
「フィア、多少は治療もできたよねぇ? 僕はこれが安定してる内に残りの処理をしちゃうから、その神獣の応急処置をしておいてくれるかい?」
「にゃぁ」
「うん、頼んだよ」
それじゃあ僕は僕の仕事をしますかぁ。
えっと、この導線の素材は、ミスリルと金の合金かぁ。
金、あったかなぁ?
下位の素材の方が逆に持ってないんだよねぇ。
ゲームあるあるだと思うんだけど。
んー、ああ、あったあった。
比率は、これくらいかなぁ?
魔導錬成を発動して、合金にして、さらに引き延ばした上で束ねてっと。
先に繋いでからじゃないとこの場に魔力が放出されちゃうか。
それじゃあもう一回魔導錬成を発動して、上から順に繋げて、壊れた回路に繋がってる方を切断。
最後に、最上位竜の魔石を三つほどセットしてっと。
よし、これでいいねぇ。
「フィア、そっちはどんな感じだい?」
「にゃ」
止血は終わったけど、毛や爪の再生は無理だったと。
まぁ、ラインカッツェは攻撃力に振り切ってるところあるからなぁ。
昔、バフ無しだったとは言え、タンクがガードの上から溶かされた時は笑うしかなかったよ。
「あとは僕がやるよ。【健やかな泉の奇跡】」
「ワフゥ……」
これでよし。
欠損の完全再生魔法だから、毛をむしられた肌も爪も全部元通りになってるはず。
不思議そうに見てるのは、人間が単独で超級の魔法を使ったからかねぇ?
住人だと基本、儀式的なことをするか複数人で行使する魔法らしいし。
おっふ。体が大きいと舌も大きいねぇ。
急に舐められて顔がべちょべちょだよ。
とりあえず水を出して、洗っておこうか。
「わふ」
うん? 何か言いたげだねぇ?
「にゃぁ」
「え、友誼を結びたいの? 君も?」
「ウォン!」
いやまぁ、たしかに命は助けたけど、女神に頼まれてやったことだしねぇ。
それに神獣ってそんな簡単に人間と友誼を結んでいいのかねぇ?
獣魔契約になるテイムよりはましなんだろうけど。
ていうか、神獣をそんなに引き連れて、女神は何か言ってこないかねぇ?
今の時点で何もないから、言ってこないんだろうねぇ?
うーん、目立っちゃうなぁ……。
正直少し面倒くさい。あと胃も痛い。
けど、犬は可愛い。僕より大きいけど、それでも可愛い。
……まぁ、どうせ基本的には、外の秘密基地に引きこもってるからなぁ。
そんなに目立たなくて済むかぁ。
よし。
「分かった。友誼を結ぼうか」
「わふ!」
くっ、可愛い……。
あ、システムメッセージも来たねぇ。ちゃんと断わってから送ってきたあたり、フィアより気がつかえる子かもしれないねぇ。
「にゃ?」
「うん? どうしたんだい、フィア」
ふぅ、危ない危ない。勘のいいにゃんこだぜ。
でも僕ぁ勘の良いにゃんこも嫌いじゃない。
それじゃあ友誼を結ぶ契約魔法を交わそうか。
「へぇ、フィアたちの時とは魔法陣の色が違うんだねぇ」
彼女たちの時は赤紫色だったけど、今回は水色に近い青色だ。
目の色、なのかねぇ?
たまたまかもしれないけど。
「ウォン!」
「うん、よろしくねぇ。そうだ、君の名前も考えないとねぇ」
艶のある灰色、というか銀って言っていいのかねぇ?
それに青い瞳かぁ。
大きいのもあるけど、やっぱり狼っぽいねぇ。
顔は、イケメンなんだけど、美人でもある。一応オスみたいだけども。
うーん、そうだなぁ……。
「エイト、でどうだい?」
「わふ!」
まぁ、また車の名前からなんだけどねぇ。
「うん、それじゃぁよろしくねぇ、エイト」
「にゃん」
「んにゃ!」
「ウォン」
さて、と。
なんだかめでたしめでたしって雰囲気がしてるけど、まだやることが残ってるんだよねぇ。
「……うん、やっぱり上に続いてそうだねぇ」
じゃあ、行こうか。
全ての元凶に会いに。
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