1 / 24
気付いたら転生してました。
1.月が綺麗でした。
しおりを挟む
「あぁ~!なんて可愛いの!!エメラルドちゃんっ!!」
思わず口に出してしまった私は、24歳のOLです。
ただ今、仕事の帰宅途中にスマホゲームを嗜んでおります。缶ビール片手に。
スマホの画面にはサラサラであろう銀の髪に、同じく銀の瞳の男性と、
肩ほどのピンクのフワッフワ(触ったことはないが、絶対にフワッフワだ!)の髪!、
澄み切ったエメラルドグリーンにキラキラと輝く円らな瞳!
白い肌に、ほっぺはほんのり赤く(触ったらスッベスベだわ!絶対!)!
あぁ、我が愛しのエメラルドちゃん!!
彼女こそ、かの乙女ゲームのヒロインちゃんですよ!!
今、まさに、最後のキャラ、銀髪青年を遂に攻略!私は乙女ゲーム4巡目にて、
エメラルドちゃんの全ての幸せを見届けることに成功しております。あぁ、感動!エメラルドちゃん最高!
お気付きかと存じますが、
私の推しキャラは、ヒロインのエメラルドちゃんです!!
よく考えてくださいよ!?
ハンサムでイケメン(これ死語?)な王子様や魔導師やら騎士、文官達がこぞって惚れちゃうヒロインよ??
そりゃもう、可愛いわ!健気だわ!惚れるわさっ!!
生まれた頃から実家の道場で武道に励んできた私。男勝りな性格な私。
ゲームの中で微笑むエメラルドちゃんとは正反対。
別に今の私に不満はないが、こんな天使みたいな娘…。惚れちゃうわよ!!
そんなことを夢中で考えている私は気づけなかった。後ろに迫る車に。
気付いた時には、宙を舞っていた。
(あ、月…)
スローモーションの様に流れる景色に、月が輝いているのが目に入る。
遅れて、地面に叩きつけられる衝撃が襲う。
受け身を取り損ない、強かに打ち付けられた。
(やばい…、これ、死ぬ?私、死ぬの?)
痛みもすごいが、とにかく熱かった。
体が動かない。
徐々に視界が暗く、狭くなっていく。
(せっかく、全部のスチル空いたのに…、明日はエメラルドちゃん…みて、過ごす…のに…)
完全に目の前が真っ暗になった。
(…やだ、死にたくない…)
***
暗闇に光が射した。
それとともに、体がふわりと浮遊した気がした。
いつの間にか閉じていた瞼を上げると、
白地に淡いピンクの花が散りばめられた天井が目に入った。
(…ここ、は?)
「ッ!」
身体を起こそうとしたが、
鈍い痛みに動くことができない。
すると足元方から急に声があがった。
「奥様!!お嬢様が目を覚まされましたっ!!」
ドタバタと音がしたと思ったら、女性が覗き込んできた。ウェーブのかかった髪を揺らして、少しつり目がちな目には涙が浮かんでいる。
「あぁ!!メリー!!」
そう言うと、優しく私の頰を撫でた。
(メ、メリー…??)
困惑する私をそのままに、周囲は騒がしい。
涙を流す女性はそのままに、今度は急に手を握られた。少し視線を下にズラすと、明るい茶色の髪の男性が笑顔をこぼしている。
(どなた様??)
「メリー、痛むところはないかい?」
「…めりー?って、だれ?」
私から漏れた言葉に、そこにいた誰もが驚愕した。私を含め、「誰もが」だ。
間違いなく、私の口から出た言葉のはずが、それは、聞いたことない、幼い声…。
目の前の2人も、目を大きく開け、息を呑んだ。
男性は私の手を握ったまま、女性を抱き寄せた。
「…メリー、目が覚めたばかりで混乱してるんだよ…。もう少し眠るといい。おやすみ。メリー。」
少し焦ってはいたが、とても優しい声で男性が言う。その声にホッとして瞼が重くなるのを感じた。
(メリーといえば、エメラルドちゃんの宿敵もメリーだわ…)
私はそのまま眠ってしまった。
思わず口に出してしまった私は、24歳のOLです。
ただ今、仕事の帰宅途中にスマホゲームを嗜んでおります。缶ビール片手に。
スマホの画面にはサラサラであろう銀の髪に、同じく銀の瞳の男性と、
肩ほどのピンクのフワッフワ(触ったことはないが、絶対にフワッフワだ!)の髪!、
澄み切ったエメラルドグリーンにキラキラと輝く円らな瞳!
白い肌に、ほっぺはほんのり赤く(触ったらスッベスベだわ!絶対!)!
あぁ、我が愛しのエメラルドちゃん!!
彼女こそ、かの乙女ゲームのヒロインちゃんですよ!!
今、まさに、最後のキャラ、銀髪青年を遂に攻略!私は乙女ゲーム4巡目にて、
エメラルドちゃんの全ての幸せを見届けることに成功しております。あぁ、感動!エメラルドちゃん最高!
お気付きかと存じますが、
私の推しキャラは、ヒロインのエメラルドちゃんです!!
よく考えてくださいよ!?
ハンサムでイケメン(これ死語?)な王子様や魔導師やら騎士、文官達がこぞって惚れちゃうヒロインよ??
そりゃもう、可愛いわ!健気だわ!惚れるわさっ!!
生まれた頃から実家の道場で武道に励んできた私。男勝りな性格な私。
ゲームの中で微笑むエメラルドちゃんとは正反対。
別に今の私に不満はないが、こんな天使みたいな娘…。惚れちゃうわよ!!
そんなことを夢中で考えている私は気づけなかった。後ろに迫る車に。
気付いた時には、宙を舞っていた。
(あ、月…)
スローモーションの様に流れる景色に、月が輝いているのが目に入る。
遅れて、地面に叩きつけられる衝撃が襲う。
受け身を取り損ない、強かに打ち付けられた。
(やばい…、これ、死ぬ?私、死ぬの?)
痛みもすごいが、とにかく熱かった。
体が動かない。
徐々に視界が暗く、狭くなっていく。
(せっかく、全部のスチル空いたのに…、明日はエメラルドちゃん…みて、過ごす…のに…)
完全に目の前が真っ暗になった。
(…やだ、死にたくない…)
***
暗闇に光が射した。
それとともに、体がふわりと浮遊した気がした。
いつの間にか閉じていた瞼を上げると、
白地に淡いピンクの花が散りばめられた天井が目に入った。
(…ここ、は?)
「ッ!」
身体を起こそうとしたが、
鈍い痛みに動くことができない。
すると足元方から急に声があがった。
「奥様!!お嬢様が目を覚まされましたっ!!」
ドタバタと音がしたと思ったら、女性が覗き込んできた。ウェーブのかかった髪を揺らして、少しつり目がちな目には涙が浮かんでいる。
「あぁ!!メリー!!」
そう言うと、優しく私の頰を撫でた。
(メ、メリー…??)
困惑する私をそのままに、周囲は騒がしい。
涙を流す女性はそのままに、今度は急に手を握られた。少し視線を下にズラすと、明るい茶色の髪の男性が笑顔をこぼしている。
(どなた様??)
「メリー、痛むところはないかい?」
「…めりー?って、だれ?」
私から漏れた言葉に、そこにいた誰もが驚愕した。私を含め、「誰もが」だ。
間違いなく、私の口から出た言葉のはずが、それは、聞いたことない、幼い声…。
目の前の2人も、目を大きく開け、息を呑んだ。
男性は私の手を握ったまま、女性を抱き寄せた。
「…メリー、目が覚めたばかりで混乱してるんだよ…。もう少し眠るといい。おやすみ。メリー。」
少し焦ってはいたが、とても優しい声で男性が言う。その声にホッとして瞼が重くなるのを感じた。
(メリーといえば、エメラルドちゃんの宿敵もメリーだわ…)
私はそのまま眠ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
解散直後のお笑い芸人が異世界転生、悪役令嬢を真正悪女にプロデュース
たぬきち25番
恋愛
お笑いコンビを解散した桂馬涼は、異世界に転生した。
するとそこにはツッコミどころ満載の悪役令嬢が存在した。
しかも悪役令嬢は、婚約者の王子を伯爵令嬢に取られそうになっていた。
悪役令嬢よ、真正悪女に変われ!!
※他サイト様にも掲載始めました!
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
その破滅エンド、ボツにします!~転生ヒロインはやり直し令嬢をハッピーエンドにしたい~
福留しゅん
恋愛
自分がシナリオを書いた乙女ゲームの世界に転生したメインヒロインはゲーム開始直後に前世を思い出す。一方の悪役令嬢は何度も断罪と破滅を繰り返しては人生をやり直していた。そうして創造主の知識を持つヒロインと強くてニューゲームな悪役令嬢の奇妙な交友が始まる――。
※小説家になろう様にも投稿しています。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。
aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。
ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・
4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。
それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、
生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり
どんどんヤンデレ男になっていき・・・・
ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡
何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。
【完結】成り上がり令嬢暴走日記!
笹乃笹世
恋愛
異世界転生キタコレー!
と、テンションアゲアゲのリアーヌだったが、なんとその世界は乙女ゲームの舞台となった世界だった⁉︎
えっあの『ギフト』⁉︎
えっ物語のスタートは来年⁉︎
……ってことはつまり、攻略対象たちと同じ学園ライフを送れる……⁉︎
これも全て、ある日突然、貴族になってくれた両親のおかげねっ!
ーー……でもあのゲームに『リアーヌ・ボスハウト』なんてキャラが出てた記憶ないから……きっとキャラデザも無いようなモブ令嬢なんだろうな……
これは、ある日突然、貴族の仲間入りを果たしてしまった元日本人が、大好きなゲームの世界で元日本人かつ庶民ムーブをぶちかまし、知らず知らずのうちに周りの人間も巻き込んで騒動を起こしていく物語であるーー
果たしてリアーヌはこの世界で幸せになれるのか?
周りの人間たちは無事でいられるのかーー⁉︎
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】ゲーム序盤に殺されるモブに転生したのに、黒幕と契約結婚することになりました〜ここまで愛が重いのは聞いていない〜
紅城えりす☆VTuber
恋愛
激甘、重すぎる溺愛ストーリー!
主人公は推理ゲームの序盤に殺される悪徳令嬢シータに転生してしまうが――。
「黒幕の侯爵は悪徳貴族しか狙わないじゃない。つまり、清く正しく生きていれば殺されないでしょ!」
本人は全く気にしていなかった。
そのままシータは、前世知識を駆使しながら令嬢ライフをエンジョイすることを決意。
しかし、主人公を待っていたのは、シータを政略結婚の道具としか考えていない両親と暮らす地獄と呼ぶべき生活だった。
ある日シータは舞踏会にて、黒幕であるセシル侯爵と遭遇。
「一つゲームをしましょう。もし、貴方が勝てばご褒美をあげます」
さらに、その『ご褒美』とは彼と『契約結婚』をすることで――。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
もし「続きが読みたい!」「スカッとした」「面白い!」と思って頂けたエピソードがありましたら、♥コメントで反応していただけると嬉しいです。
読者様から頂いた反応は、今後の執筆活動にて参考にさせていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる