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気付いたら転生してました。
1.月が綺麗でした。
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「あぁ~!なんて可愛いの!!エメラルドちゃんっ!!」
思わず口に出してしまった私は、24歳のOLです。
ただ今、仕事の帰宅途中にスマホゲームを嗜んでおります。缶ビール片手に。
スマホの画面にはサラサラであろう銀の髪に、同じく銀の瞳の男性と、
肩ほどのピンクのフワッフワ(触ったことはないが、絶対にフワッフワだ!)の髪!、
澄み切ったエメラルドグリーンにキラキラと輝く円らな瞳!
白い肌に、ほっぺはほんのり赤く(触ったらスッベスベだわ!絶対!)!
あぁ、我が愛しのエメラルドちゃん!!
彼女こそ、かの乙女ゲームのヒロインちゃんですよ!!
今、まさに、最後のキャラ、銀髪青年を遂に攻略!私は乙女ゲーム4巡目にて、
エメラルドちゃんの全ての幸せを見届けることに成功しております。あぁ、感動!エメラルドちゃん最高!
お気付きかと存じますが、
私の推しキャラは、ヒロインのエメラルドちゃんです!!
よく考えてくださいよ!?
ハンサムでイケメン(これ死語?)な王子様や魔導師やら騎士、文官達がこぞって惚れちゃうヒロインよ??
そりゃもう、可愛いわ!健気だわ!惚れるわさっ!!
生まれた頃から実家の道場で武道に励んできた私。男勝りな性格な私。
ゲームの中で微笑むエメラルドちゃんとは正反対。
別に今の私に不満はないが、こんな天使みたいな娘…。惚れちゃうわよ!!
そんなことを夢中で考えている私は気づけなかった。後ろに迫る車に。
気付いた時には、宙を舞っていた。
(あ、月…)
スローモーションの様に流れる景色に、月が輝いているのが目に入る。
遅れて、地面に叩きつけられる衝撃が襲う。
受け身を取り損ない、強かに打ち付けられた。
(やばい…、これ、死ぬ?私、死ぬの?)
痛みもすごいが、とにかく熱かった。
体が動かない。
徐々に視界が暗く、狭くなっていく。
(せっかく、全部のスチル空いたのに…、明日はエメラルドちゃん…みて、過ごす…のに…)
完全に目の前が真っ暗になった。
(…やだ、死にたくない…)
***
暗闇に光が射した。
それとともに、体がふわりと浮遊した気がした。
いつの間にか閉じていた瞼を上げると、
白地に淡いピンクの花が散りばめられた天井が目に入った。
(…ここ、は?)
「ッ!」
身体を起こそうとしたが、
鈍い痛みに動くことができない。
すると足元方から急に声があがった。
「奥様!!お嬢様が目を覚まされましたっ!!」
ドタバタと音がしたと思ったら、女性が覗き込んできた。ウェーブのかかった髪を揺らして、少しつり目がちな目には涙が浮かんでいる。
「あぁ!!メリー!!」
そう言うと、優しく私の頰を撫でた。
(メ、メリー…??)
困惑する私をそのままに、周囲は騒がしい。
涙を流す女性はそのままに、今度は急に手を握られた。少し視線を下にズラすと、明るい茶色の髪の男性が笑顔をこぼしている。
(どなた様??)
「メリー、痛むところはないかい?」
「…めりー?って、だれ?」
私から漏れた言葉に、そこにいた誰もが驚愕した。私を含め、「誰もが」だ。
間違いなく、私の口から出た言葉のはずが、それは、聞いたことない、幼い声…。
目の前の2人も、目を大きく開け、息を呑んだ。
男性は私の手を握ったまま、女性を抱き寄せた。
「…メリー、目が覚めたばかりで混乱してるんだよ…。もう少し眠るといい。おやすみ。メリー。」
少し焦ってはいたが、とても優しい声で男性が言う。その声にホッとして瞼が重くなるのを感じた。
(メリーといえば、エメラルドちゃんの宿敵もメリーだわ…)
私はそのまま眠ってしまった。
思わず口に出してしまった私は、24歳のOLです。
ただ今、仕事の帰宅途中にスマホゲームを嗜んでおります。缶ビール片手に。
スマホの画面にはサラサラであろう銀の髪に、同じく銀の瞳の男性と、
肩ほどのピンクのフワッフワ(触ったことはないが、絶対にフワッフワだ!)の髪!、
澄み切ったエメラルドグリーンにキラキラと輝く円らな瞳!
白い肌に、ほっぺはほんのり赤く(触ったらスッベスベだわ!絶対!)!
あぁ、我が愛しのエメラルドちゃん!!
彼女こそ、かの乙女ゲームのヒロインちゃんですよ!!
今、まさに、最後のキャラ、銀髪青年を遂に攻略!私は乙女ゲーム4巡目にて、
エメラルドちゃんの全ての幸せを見届けることに成功しております。あぁ、感動!エメラルドちゃん最高!
お気付きかと存じますが、
私の推しキャラは、ヒロインのエメラルドちゃんです!!
よく考えてくださいよ!?
ハンサムでイケメン(これ死語?)な王子様や魔導師やら騎士、文官達がこぞって惚れちゃうヒロインよ??
そりゃもう、可愛いわ!健気だわ!惚れるわさっ!!
生まれた頃から実家の道場で武道に励んできた私。男勝りな性格な私。
ゲームの中で微笑むエメラルドちゃんとは正反対。
別に今の私に不満はないが、こんな天使みたいな娘…。惚れちゃうわよ!!
そんなことを夢中で考えている私は気づけなかった。後ろに迫る車に。
気付いた時には、宙を舞っていた。
(あ、月…)
スローモーションの様に流れる景色に、月が輝いているのが目に入る。
遅れて、地面に叩きつけられる衝撃が襲う。
受け身を取り損ない、強かに打ち付けられた。
(やばい…、これ、死ぬ?私、死ぬの?)
痛みもすごいが、とにかく熱かった。
体が動かない。
徐々に視界が暗く、狭くなっていく。
(せっかく、全部のスチル空いたのに…、明日はエメラルドちゃん…みて、過ごす…のに…)
完全に目の前が真っ暗になった。
(…やだ、死にたくない…)
***
暗闇に光が射した。
それとともに、体がふわりと浮遊した気がした。
いつの間にか閉じていた瞼を上げると、
白地に淡いピンクの花が散りばめられた天井が目に入った。
(…ここ、は?)
「ッ!」
身体を起こそうとしたが、
鈍い痛みに動くことができない。
すると足元方から急に声があがった。
「奥様!!お嬢様が目を覚まされましたっ!!」
ドタバタと音がしたと思ったら、女性が覗き込んできた。ウェーブのかかった髪を揺らして、少しつり目がちな目には涙が浮かんでいる。
「あぁ!!メリー!!」
そう言うと、優しく私の頰を撫でた。
(メ、メリー…??)
困惑する私をそのままに、周囲は騒がしい。
涙を流す女性はそのままに、今度は急に手を握られた。少し視線を下にズラすと、明るい茶色の髪の男性が笑顔をこぼしている。
(どなた様??)
「メリー、痛むところはないかい?」
「…めりー?って、だれ?」
私から漏れた言葉に、そこにいた誰もが驚愕した。私を含め、「誰もが」だ。
間違いなく、私の口から出た言葉のはずが、それは、聞いたことない、幼い声…。
目の前の2人も、目を大きく開け、息を呑んだ。
男性は私の手を握ったまま、女性を抱き寄せた。
「…メリー、目が覚めたばかりで混乱してるんだよ…。もう少し眠るといい。おやすみ。メリー。」
少し焦ってはいたが、とても優しい声で男性が言う。その声にホッとして瞼が重くなるのを感じた。
(メリーといえば、エメラルドちゃんの宿敵もメリーだわ…)
私はそのまま眠ってしまった。
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