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気付いたら転生してました。
19.書庫の2人
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「シャロン、何かいいことあったの?」
「別に。」
目の前のシャロンは大変ご機嫌が良い様子。
もう鼻歌歌い出しそうな勢いで、ニッコニコだ。
今日はレイモンドは別メニューのため、久しぶりにシャロンと2人だけだ。
レイモンドのお父様のような立派な文官宣言は、本気だったようで、毎日お勉強に励んでいる。
以前と違い、追い詰められた感も無く、意欲的な姿はとても微笑ましい。
3人で遊ぶ前、シャロンと2人だと、本を読んでばかりだった。
遊びに来ていると言うより、本を読みに来ているようなものなのに、今日のシャロンはご機嫌で、本を手に取ることは無い。
ずっとご機嫌で、私を見ている。
私はニコニコ無言の圧力に負けて、話をすることにした。
「そういえば、この前、私も魔法使えることがわかったのよ。白玉に浮けっていったら浮いたの!」
「白玉?」
「白い石よ!このくらい浮いたの」
テーブルから50㎝ほど手を浮かして教えてあげる。
「ああ、魔力量測るやつね。僕もやったよ。」
「そうなの!?どれくらい浮いたの??」
「さぁ?」
「さぁって。どういうこと?」
「浮けって唱えたら、飛び上がって、最終的に見えなくなっちゃったから。」
「…あら、そうなの…。」
そういえば、シャロンさん将来は国一の魔導師でしたね。幼少時エピソードも半端ない。
私がシャロンの魔力量にドン引きしていると、
急に、シャロンが私の手をとり、黒い瞳が私を捕える。
「魔法は得意。僕は大切なモノを守ることができる。」
「…はぁ、確かに。」
確かに、シャロンルートには、エメラルドちゃんが魔獣に襲われそうになる中、
シャロンの魔法で危険から救われるイベントがありました。
そういえば、エメラルドちゃんに意地悪をするどこぞの公爵令嬢を、魔法で瀕死状態にすることもありましたね…。
「ねぇ、シャロン?もしもだけど、あなたの大切な者に意地悪されたら…、どうする?」
キュッと握られた手に力がこもり、シャロンの目がスッと細くなった。
あれれ?書庫の温度がグッと下がった気がするのは気のせいですか?
寒いよ…。
「許さない。そんなモノは、排除してあげる。」
(排除って、殺る気満々じゃん!?怖いよ…。)
私は握られた手に、もう片方の手を重ねて力をこめる。
「は、排除はやめましょ?もっと平和的解決な方法で対処しましょ?」
「メリー…。」
「わ、私は意地悪なんてしないわ!?」
ブンブンと頭を横に振って否定の意を表明した。
「メリー??」
「そ、そういえば、シャロンの属性は何だったの?」
「…。」
握らた手からシャロンの力が抜けた。
「魔力量を測ったなら、属性も調べたんでしょ?私は土だったのよ。」
「…み。」
「へ?ごめん聞こえなかった。」
「だから、闇!」
「へ~、そうだったの…。」
(ゲームの設定にありましたから、知ってましたし。あ、闇属性って、すっごい珍しいんだっけ?)
「あっと、シャロンすごいじゃない!!闇属性だなんて!!」
「…メリーは、僕のこと嫌いにならない?」
「はい??」
「…だって、悪者はみんな黒色だ。ジャックが倒したのも闇の魔獣だった…。」
「ジャックって、この前話してた、童話のジャックの冒険のジャック?」
シャロンは、瞳を泳がせながらも、うなずいた。
興味なさそうにしていたのに、あれからジャックの冒険を読んだそうだ。
たしかに、ジャックの冒険では、闇の魔獣を倒して、お姫様を救う話があった。
「あれは、作り話よ。シャロンは悪者?」
バッと顔上げたシャロンと正面から目が合う。
「悪者じゃない!」
「そう、シャロンは闇属性だけど、悪者じゃない。黒ければ、闇属性だから悪者ってわけじゃないでしょ。」
「僕のこと嫌いになったりしない?」
「えぇ、闇属性だからって嫌いになったりしないわ。」
頬に朱がさし、ふわっとシャロンの顔がほころんだ。
「メリー…。だいす…」
「何やってるの?」
シャロンを遮ったのは、ジト目のレイモンドだった。
「レイモンド様、いいところだったのに!手と手を取り合って、語りあうだなんて…。」
生暖かい笑みをたたえたレミも一緒だ。
「あら、レイモンド。お勉強の時間は終わったのね」
「はい。お姉様、シャロン。一緒にお茶でもどうですか?」
「そうね!お茶にしましょ!」
「…。」
シャロンと2人の時間は終わり、シャロンとレイモンドと私、いつもの3人でお茶を楽しんだ。
「別に。」
目の前のシャロンは大変ご機嫌が良い様子。
もう鼻歌歌い出しそうな勢いで、ニッコニコだ。
今日はレイモンドは別メニューのため、久しぶりにシャロンと2人だけだ。
レイモンドのお父様のような立派な文官宣言は、本気だったようで、毎日お勉強に励んでいる。
以前と違い、追い詰められた感も無く、意欲的な姿はとても微笑ましい。
3人で遊ぶ前、シャロンと2人だと、本を読んでばかりだった。
遊びに来ていると言うより、本を読みに来ているようなものなのに、今日のシャロンはご機嫌で、本を手に取ることは無い。
ずっとご機嫌で、私を見ている。
私はニコニコ無言の圧力に負けて、話をすることにした。
「そういえば、この前、私も魔法使えることがわかったのよ。白玉に浮けっていったら浮いたの!」
「白玉?」
「白い石よ!このくらい浮いたの」
テーブルから50㎝ほど手を浮かして教えてあげる。
「ああ、魔力量測るやつね。僕もやったよ。」
「そうなの!?どれくらい浮いたの??」
「さぁ?」
「さぁって。どういうこと?」
「浮けって唱えたら、飛び上がって、最終的に見えなくなっちゃったから。」
「…あら、そうなの…。」
そういえば、シャロンさん将来は国一の魔導師でしたね。幼少時エピソードも半端ない。
私がシャロンの魔力量にドン引きしていると、
急に、シャロンが私の手をとり、黒い瞳が私を捕える。
「魔法は得意。僕は大切なモノを守ることができる。」
「…はぁ、確かに。」
確かに、シャロンルートには、エメラルドちゃんが魔獣に襲われそうになる中、
シャロンの魔法で危険から救われるイベントがありました。
そういえば、エメラルドちゃんに意地悪をするどこぞの公爵令嬢を、魔法で瀕死状態にすることもありましたね…。
「ねぇ、シャロン?もしもだけど、あなたの大切な者に意地悪されたら…、どうする?」
キュッと握られた手に力がこもり、シャロンの目がスッと細くなった。
あれれ?書庫の温度がグッと下がった気がするのは気のせいですか?
寒いよ…。
「許さない。そんなモノは、排除してあげる。」
(排除って、殺る気満々じゃん!?怖いよ…。)
私は握られた手に、もう片方の手を重ねて力をこめる。
「は、排除はやめましょ?もっと平和的解決な方法で対処しましょ?」
「メリー…。」
「わ、私は意地悪なんてしないわ!?」
ブンブンと頭を横に振って否定の意を表明した。
「メリー??」
「そ、そういえば、シャロンの属性は何だったの?」
「…。」
握らた手からシャロンの力が抜けた。
「魔力量を測ったなら、属性も調べたんでしょ?私は土だったのよ。」
「…み。」
「へ?ごめん聞こえなかった。」
「だから、闇!」
「へ~、そうだったの…。」
(ゲームの設定にありましたから、知ってましたし。あ、闇属性って、すっごい珍しいんだっけ?)
「あっと、シャロンすごいじゃない!!闇属性だなんて!!」
「…メリーは、僕のこと嫌いにならない?」
「はい??」
「…だって、悪者はみんな黒色だ。ジャックが倒したのも闇の魔獣だった…。」
「ジャックって、この前話してた、童話のジャックの冒険のジャック?」
シャロンは、瞳を泳がせながらも、うなずいた。
興味なさそうにしていたのに、あれからジャックの冒険を読んだそうだ。
たしかに、ジャックの冒険では、闇の魔獣を倒して、お姫様を救う話があった。
「あれは、作り話よ。シャロンは悪者?」
バッと顔上げたシャロンと正面から目が合う。
「悪者じゃない!」
「そう、シャロンは闇属性だけど、悪者じゃない。黒ければ、闇属性だから悪者ってわけじゃないでしょ。」
「僕のこと嫌いになったりしない?」
「えぇ、闇属性だからって嫌いになったりしないわ。」
頬に朱がさし、ふわっとシャロンの顔がほころんだ。
「メリー…。だいす…」
「何やってるの?」
シャロンを遮ったのは、ジト目のレイモンドだった。
「レイモンド様、いいところだったのに!手と手を取り合って、語りあうだなんて…。」
生暖かい笑みをたたえたレミも一緒だ。
「あら、レイモンド。お勉強の時間は終わったのね」
「はい。お姉様、シャロン。一緒にお茶でもどうですか?」
「そうね!お茶にしましょ!」
「…。」
シャロンと2人の時間は終わり、シャロンとレイモンドと私、いつもの3人でお茶を楽しんだ。
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