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王太子のつがい※
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後日、二人の司祭を魔法自白機にかけて得た供述から、徐々に事件の概要が明らかになった。
違法魔法薬はもともと司祭たちが痛み止めとして持ち込んだもので、ある人物が魔法を付与しマインドコントロールを行う麻薬に改変したという。アラン司祭はこの魔法薬を使い、誘拐したルクレツィアを聖女に仕立てあげるつもりだったという。
魔法付与を行いマインドコントロールの薬を作り上げた人物は、スカルピ侯爵家当主アレッサンドロだった。一国の宰相が捕縛され、ルクレツィア誘拐はさらに国を揺るがす大事件となった。
「実に惜しい人物です。この魔法薬、簡単に作れるものではありませんよ。この才能を有益に活かしたいものですね」
ユリウスはスカルピの才能を惜しんでいるが、スカルピのしたことは国の未来を変えかねない大事件である。というのも、5番区の孤児院出身者殺害事件はスカルピが起こしたものだったのだ。
アレッサンドロ・スカルピは、21年前魔力を持たずに生まれてきた娘をこの孤児院に送った。
しかし、忌子が高魔力保持者のつがいで、つがいに出会えば手首に家紋が浮かび上がるという事実を知り、侯爵家が忌子を輩出した事実を隠蔽すべく殺害を企てたのである。それに利用されたのが、先に捕縛されたルキアスだった。
魔法自白機で得たスカルピ侯爵の供述書は王族を震撼させた。殺害された女性は王太子ウリエルのつがいだったかもしれないのだ。次代の国母となるべき女性がすでに亡くなっているとしたら、王位継承にも影響しかねない。
ラファエロは王位を望んだことはない。政治の舵取りをするよりも、軍人として生きる方が自分には合っている。その上、複数の男児を産むことが望まれる王妃という立場は、ルクレツィアを苦しめる可能性が高い。
ラファエロは魔法騎士団に5番区の孤児院を再調査させた。
その結果、この条件に該当する女性がもう一人いることが判明した。エレナという名で、5歳の時に裕福な商家の養女になっている。
子どもに恵まれなかった夫妻はエレナを養女に迎えた直後から立て続けに実の娘と息子を得て、病弱なエレナは持て余される存在となっていた。
「今すぐエレナのところに案内してくれ」
ラファエロから報告を聞き、ウリエルは即座にエレナに会いに行くことを決めた。
「俺が王宮に連れ帰る。兄上は待っていればいい」
王太子であるウリエルが平民街の商家を訪れるなど、平素では考えられないことだ。しかし、ウリエルは待つことができなかった。
「おまえほど私の気持ちをわかる者は他にいないはずだ。そうだろう?」
自分と同じ漆黒の瞳を見つめると、ラファエロは仕方がないというように首を振った。
魔法騎士団の制服を身に着け、騎士たちに紛れて件の商家に向かう間、ウリエルは期待に胸を躍らせながらも失望に対する心の準備を整えていた。
エレナが祝福の子だったとしても、自分のつがいとは限らない。その時は、一歩引いて彼女の幸せを見守ろう。
ルクレツィアに対して犯した過ちを繰り返すつもりはない。思えばあの頃はただ人肌が恋しかった。心を許せる相手と触れ合えるなら誰でもよかった。そんな気持ちのままルクレツィアに手を伸ばしてしまったことを今は悔いている。つがいを持つ女性が無理強いされれば死んでしまうこともあるという。
ルクレツィアが意識不明に陥り、ウリエルはルクレツィアの命を危険に晒したのだと、父王から激しい叱責を受けた。
ラファエロとルクレツィアを見れば、父の言ったことは本当なのかもしれないと今は思う。それほどにつがいという関係は特別なのだ。
目的地が近づくにつれウリエルの全身に不思議な熱が宿り、特に左腕が熱を持っている気がした。期待のあまり錯覚しているだけなのかもしれない。自分を諫めながら馬を進める。
商人の自宅に着くと、門の前で夫妻と小柄な女性が待っていた。先触れにより、エレナが高位貴族の娘かもしれないことが伝わっているのだろう。
ラファエロとユリウスの二人が話を進めるといわれ、ウリエルは騎士の一人に扮して様子を見ることになっていた。
しかし、我慢できなかった。
これは錯覚ではない。実際ウリエルの左腕は尋常でない熱を持っている。ラファエロの背の向こうから、つがいが自分を呼んでいる。ウリエルを守るように周りを固めている騎士をたちを押しのけ、ウリエルはエレナの前に進み出た。
くすんだ金髪にやせ細った身体。初めて出会った頃のルクレツィアよりは幾分大きいかもしれないが、成人女性の平均よりははるかに小柄だ。
伏し目がちだったエレナが、パッと顔をあげウリエルを見つめた。目が合った瞬間、左腕に籠っていた熱が手首に集約した。見なくてもわかる。つがい紋が顕現したのだ。
「エレナ。君は私のつがいだ」
鳶色の瞳が大きく見開かれた。
魔力枯渇状態で過ごした21年間はどれほどつらかったことか。もう二度と苦しい思いはさせない。ウリエルは包み込むようにエレナを抱きしめた。
「まるでおとぎ話のようですわ」
今日の出来事を語って聞かせると、ルクレツィアはほんのり頬を染め夢見るような瞳でため息をついた。
ルクレツィアこそおとぎ話の姫君として世間を沸かせていることを本人は知らないのだろう。
市井で育ったことを考えれば、この先エレナには苦労の絶えない生活が待っているかもしれない。それでもウリエルはエレナを支え守り続けるに違いない。
「孤児院のことだが、1番区は国が経営を引き継ぎ、他は騎士団内に管轄課を設けて適正な管理を行うことになった」
もう一つの報告をすると、ルクレツィアは一瞬言葉を失い、それからラファエロにぎゅっと抱き着いた。
「ありがとう存じます」
肩口に頬を寄せたルクレツィアの腰を抱き、銀糸の髪を撫でる。
「ずっと思っていたのです。わたくしもあの中の一人だったかもしれないと」
「……」
フローレンツ公爵がスカルピ同様古い価値観を捨てられない人間だったなら、ルクレツィアは孤児院で娼館に売られる恐怖と隣り合わせの生活を強いられていたかもしれない。いや、この髪色では最初から国外に売り飛ばされていた可能性すらある。ラファエロはルクレツィアを強く抱きしめた。
愛しいつがいにそんな苦しみを味わわせることなくこの腕の中に迎えられたことを神に感謝せずにはいられなかった。
柔らかな髪に顔を埋めると、ルクレツィアの甘く優しい香りが鼻腔をくすぐる。夕食前だというのに欲望が頭をもたげ始めた。
自室のソファーで二人きり。多少味わうくらいなら許されるだろう。ラファエロはルクレツィアを膝の上に抱き上げた。
柔らかな唇を食みながら、ドレスの裾をまくって華奢な内腿を撫でまわす。下着の上から割れ目を指でなぞると、ジワリと布が湿り、やがてラファエロの指先をも濡らした。
ルクレツィアは両足を閉じイヤイヤと首を振る。
「だめ、ドレスが、汚れてしまいます、んぁあっ」
布越しに敏感な突起を押しつぶすと、ルクレツィアは瞳を潤ませ可愛らしい声をあげた。
「おまえが多くの快楽を享受することで子宮が成長し子種を求めるようになる。ユリウスが言っていただろう」
羞恥に頬を染めるルクレツィアの濡れた下着のクロッチ部分の薄い生地を端に寄せ、しとどに濡れた蜜口に指を埋め込む。
「あっ、あっ、まって、だめっ」
明るい居室で求めると、羞恥心を抑えられずルクレツィアは「待って」と「駄目」を連発する。何度身体を重ねても初心な反応を示す妻がラファエロは愛おしくてならない。
誘拐事件を機に開戦の危機すらある今、決して問題は少なくない。しかし、ラファエロは愛しいつがいのためならばどんなことでも成し遂げてみせる。
「あっ、あっ、だめっ……ンっ」
快楽に抗えず愛らしい声を漏らし始めたルクレツィアの耳朶を食むように唇を寄せ、ラファエロは囁いた。
「愛している、ルクレツィア」
違法魔法薬はもともと司祭たちが痛み止めとして持ち込んだもので、ある人物が魔法を付与しマインドコントロールを行う麻薬に改変したという。アラン司祭はこの魔法薬を使い、誘拐したルクレツィアを聖女に仕立てあげるつもりだったという。
魔法付与を行いマインドコントロールの薬を作り上げた人物は、スカルピ侯爵家当主アレッサンドロだった。一国の宰相が捕縛され、ルクレツィア誘拐はさらに国を揺るがす大事件となった。
「実に惜しい人物です。この魔法薬、簡単に作れるものではありませんよ。この才能を有益に活かしたいものですね」
ユリウスはスカルピの才能を惜しんでいるが、スカルピのしたことは国の未来を変えかねない大事件である。というのも、5番区の孤児院出身者殺害事件はスカルピが起こしたものだったのだ。
アレッサンドロ・スカルピは、21年前魔力を持たずに生まれてきた娘をこの孤児院に送った。
しかし、忌子が高魔力保持者のつがいで、つがいに出会えば手首に家紋が浮かび上がるという事実を知り、侯爵家が忌子を輩出した事実を隠蔽すべく殺害を企てたのである。それに利用されたのが、先に捕縛されたルキアスだった。
魔法自白機で得たスカルピ侯爵の供述書は王族を震撼させた。殺害された女性は王太子ウリエルのつがいだったかもしれないのだ。次代の国母となるべき女性がすでに亡くなっているとしたら、王位継承にも影響しかねない。
ラファエロは王位を望んだことはない。政治の舵取りをするよりも、軍人として生きる方が自分には合っている。その上、複数の男児を産むことが望まれる王妃という立場は、ルクレツィアを苦しめる可能性が高い。
ラファエロは魔法騎士団に5番区の孤児院を再調査させた。
その結果、この条件に該当する女性がもう一人いることが判明した。エレナという名で、5歳の時に裕福な商家の養女になっている。
子どもに恵まれなかった夫妻はエレナを養女に迎えた直後から立て続けに実の娘と息子を得て、病弱なエレナは持て余される存在となっていた。
「今すぐエレナのところに案内してくれ」
ラファエロから報告を聞き、ウリエルは即座にエレナに会いに行くことを決めた。
「俺が王宮に連れ帰る。兄上は待っていればいい」
王太子であるウリエルが平民街の商家を訪れるなど、平素では考えられないことだ。しかし、ウリエルは待つことができなかった。
「おまえほど私の気持ちをわかる者は他にいないはずだ。そうだろう?」
自分と同じ漆黒の瞳を見つめると、ラファエロは仕方がないというように首を振った。
魔法騎士団の制服を身に着け、騎士たちに紛れて件の商家に向かう間、ウリエルは期待に胸を躍らせながらも失望に対する心の準備を整えていた。
エレナが祝福の子だったとしても、自分のつがいとは限らない。その時は、一歩引いて彼女の幸せを見守ろう。
ルクレツィアに対して犯した過ちを繰り返すつもりはない。思えばあの頃はただ人肌が恋しかった。心を許せる相手と触れ合えるなら誰でもよかった。そんな気持ちのままルクレツィアに手を伸ばしてしまったことを今は悔いている。つがいを持つ女性が無理強いされれば死んでしまうこともあるという。
ルクレツィアが意識不明に陥り、ウリエルはルクレツィアの命を危険に晒したのだと、父王から激しい叱責を受けた。
ラファエロとルクレツィアを見れば、父の言ったことは本当なのかもしれないと今は思う。それほどにつがいという関係は特別なのだ。
目的地が近づくにつれウリエルの全身に不思議な熱が宿り、特に左腕が熱を持っている気がした。期待のあまり錯覚しているだけなのかもしれない。自分を諫めながら馬を進める。
商人の自宅に着くと、門の前で夫妻と小柄な女性が待っていた。先触れにより、エレナが高位貴族の娘かもしれないことが伝わっているのだろう。
ラファエロとユリウスの二人が話を進めるといわれ、ウリエルは騎士の一人に扮して様子を見ることになっていた。
しかし、我慢できなかった。
これは錯覚ではない。実際ウリエルの左腕は尋常でない熱を持っている。ラファエロの背の向こうから、つがいが自分を呼んでいる。ウリエルを守るように周りを固めている騎士をたちを押しのけ、ウリエルはエレナの前に進み出た。
くすんだ金髪にやせ細った身体。初めて出会った頃のルクレツィアよりは幾分大きいかもしれないが、成人女性の平均よりははるかに小柄だ。
伏し目がちだったエレナが、パッと顔をあげウリエルを見つめた。目が合った瞬間、左腕に籠っていた熱が手首に集約した。見なくてもわかる。つがい紋が顕現したのだ。
「エレナ。君は私のつがいだ」
鳶色の瞳が大きく見開かれた。
魔力枯渇状態で過ごした21年間はどれほどつらかったことか。もう二度と苦しい思いはさせない。ウリエルは包み込むようにエレナを抱きしめた。
「まるでおとぎ話のようですわ」
今日の出来事を語って聞かせると、ルクレツィアはほんのり頬を染め夢見るような瞳でため息をついた。
ルクレツィアこそおとぎ話の姫君として世間を沸かせていることを本人は知らないのだろう。
市井で育ったことを考えれば、この先エレナには苦労の絶えない生活が待っているかもしれない。それでもウリエルはエレナを支え守り続けるに違いない。
「孤児院のことだが、1番区は国が経営を引き継ぎ、他は騎士団内に管轄課を設けて適正な管理を行うことになった」
もう一つの報告をすると、ルクレツィアは一瞬言葉を失い、それからラファエロにぎゅっと抱き着いた。
「ありがとう存じます」
肩口に頬を寄せたルクレツィアの腰を抱き、銀糸の髪を撫でる。
「ずっと思っていたのです。わたくしもあの中の一人だったかもしれないと」
「……」
フローレンツ公爵がスカルピ同様古い価値観を捨てられない人間だったなら、ルクレツィアは孤児院で娼館に売られる恐怖と隣り合わせの生活を強いられていたかもしれない。いや、この髪色では最初から国外に売り飛ばされていた可能性すらある。ラファエロはルクレツィアを強く抱きしめた。
愛しいつがいにそんな苦しみを味わわせることなくこの腕の中に迎えられたことを神に感謝せずにはいられなかった。
柔らかな髪に顔を埋めると、ルクレツィアの甘く優しい香りが鼻腔をくすぐる。夕食前だというのに欲望が頭をもたげ始めた。
自室のソファーで二人きり。多少味わうくらいなら許されるだろう。ラファエロはルクレツィアを膝の上に抱き上げた。
柔らかな唇を食みながら、ドレスの裾をまくって華奢な内腿を撫でまわす。下着の上から割れ目を指でなぞると、ジワリと布が湿り、やがてラファエロの指先をも濡らした。
ルクレツィアは両足を閉じイヤイヤと首を振る。
「だめ、ドレスが、汚れてしまいます、んぁあっ」
布越しに敏感な突起を押しつぶすと、ルクレツィアは瞳を潤ませ可愛らしい声をあげた。
「おまえが多くの快楽を享受することで子宮が成長し子種を求めるようになる。ユリウスが言っていただろう」
羞恥に頬を染めるルクレツィアの濡れた下着のクロッチ部分の薄い生地を端に寄せ、しとどに濡れた蜜口に指を埋め込む。
「あっ、あっ、まって、だめっ」
明るい居室で求めると、羞恥心を抑えられずルクレツィアは「待って」と「駄目」を連発する。何度身体を重ねても初心な反応を示す妻がラファエロは愛おしくてならない。
誘拐事件を機に開戦の危機すらある今、決して問題は少なくない。しかし、ラファエロは愛しいつがいのためならばどんなことでも成し遂げてみせる。
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