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黒豚令息と訳あり令嬢の学園生活〜怒涛の進学編〜
ショーン伯爵領
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賑わう街中には所狭しと店が並び、商人や職人なども集まり、あちこちから呼び声が飛び交っている。
「せっかくですから、何かお土産でも買って帰りませんか?」
「それな。急ぎで来ちまったから気の利いた物なんも用意出来なかったし…子爵の好きそうな物とか…なんだろうな!?」
「お酒とか?」
「却下!」
庶民の店から高級店までごちゃごちゃとしているが、それが逆に来る者の目を楽しませ、財布の紐を緩めてくる。
流石は魔物産業の街と言うだけあり、中でも魔道具や武器防具、ポーションなどの店の数が桁違いだ。
「色々ありますね!でも先になんか食べませんか?お腹すいちゃった。」
「お前はそればっかりだな…」
屋台の並ぶ所は何処も活気づいている。
しかもここは体力資本の冒険者の街、料理も豪快なものが多い。
一人前が顔程あるミートパイに、大きな肉塊の串焼き、大鍋いっぱいの肉団子のスープ、パンに挟んだ太いソーセージ、薄焼き生地に包まれた様々な肉に、脂の滴る厚切りベーコン。
「わぁ!どれもおいしそう!なのに、なんかいつも食べてる感がすごい!!」
「逆にこれ真似してんのが俺だからな?」
なら珍しい物に挑戦しようと、エリックは普段見慣れない料理の店を探して回った。
「見て下さい!トカゲの丸揚げ!!」
「地トカゲの幼体だな。ササミみたいな味で美味いぞ?」
「なにコレ!マンドラゴラチップス!?」
「芋にマンドラゴラから採れるデンプンを加えて成形してんだよ。独特の食感で割と人気だな。」
「謎肉饅頭ってなんでしょうね!?」
「魔物から畜肉から屑肉全部集めて練った肉使ってんだよ。意外とイケるぞ?」
「スライム麺ってなんですか?!」
「野生のスライムの内臓を干物にして食べる地域があってな。そこで作ってる細切りスライムだ。」
「見て下さい!とぐろ巻いたワームのおせんべいなんてありますよ!?」
「割と子供みたいなはしゃぎ方するんだなお前…」
デイビッドはあれこれ試しては楽しむエリックを好きにさせながら、大鍋から蒸気が吹き出している店を見つけ、いくつか肉を買っていた。
「なんれふか、ほれ?」
「超高圧の大釜で加熱した肉だよ。骨まで柔らかくなって食えるようになってるらしい。前から一度試してみようと思ってたんだ。」
「わぁーぷるんぷるんのお肉!僕も欲しーい!」
食べていたギーブルの軟骨揚げから手を離し、エリックもモチモチとした肉を買うとデイビッドの背中の鞄に突っ込んだ。
「…さっきから歩く度に重くなってんだけどよ…?」
「そりゃ色々入れてますからね。」
「人を荷物持ちにすんな!」
いい加減しないとエリックが調子に乗って来たので、この辺りで買い物も切り上げ、そろそろ街を後にすることにした。
ネストへ戻ると、主人の気配に嘶くファルコの声が聞こえて来た。
狼や豹のような見た目の魔物などの従魔が並ぶ中、ファルコは静かに待っていたそうだ。
従魔や騎獣を連れた冒険者はよく見るが、中でもファルコはよく目立つ。
本来ヒポグリフは個人で所有し乗り回せる存在ではない。
ファルコは、小さな子供が寄ってきても大人しくしており、聞き分けも良くていつもよりずっと賢く見えた。
「見られて成長するタイプですね。」
「このまま人の頭は食わないよう躾けられねぇかな…」
エルピスの大門は出口の方が狭いが、出る際には身分証は必要ない。
門を潜り、跳ね橋を抜けると草地をしばらく行った所で、2人はまたファルコに乗ってローベル領へ戻った。
山を越えると、直ぐにリンゴの花咲くローベルの領地が見えて来る。
険しい自然に囲まれながら、なんとも穏やかで平和な空気に包まれたローベル領。
ショーン領へ行き来する商人が立ち寄る事も多く、手前の宿場街にはいつも何かしらの店が出ていて、領民達も助かっているそうだ。
青い屋根の邸の中では、ヴィオラがリンゴのコンポートでパイを焼いていた。
「まぁ、こんなにお料理が上手になって!孫の手料理が食べられるなんて、こんな幸せなことはないわ!」
「私も、こんなに上手く出来るようになったなんて、今でも信じられないんですよ、お祖母様。」
アフタヌーンティーの時間になる頃、戻って来たデイビッドとエリックをエプロン姿のヴィオラが迎えた。
「おかえりなさい!大丈夫でしたか?魔物はどうなりました?」
「ああ、片付いたよ。熊の魔物は魔素地の方へ戻って行ったし、もう来ないだろう。ついでに隣の領地のギルドにも原因の対処について話してきたから、安心していいぞ。」
「良かったぁ!」
デイビッドは子爵の部屋へ行くと、預かった手紙と小包を渡すと、事の経緯を説明し後の事を頼んだ。
「なんと…魔物を倒さず山へ帰すとは…」
「子熊さえ戻ればもうここへも来ませんよ。ショーン領のギルドにも報告はしましたし、もう心配は要らないと思いますよ。」
「本当に何から何まで世話になってしまったな…」
「構いません。子爵のために動くのは当然ですから。」
そこへヴィオラが焼きたてのパイを持って部屋へやって来た。
「お父様、お茶にしませんか?リンゴのパイが焼けましたよ!」
「おお!ヴィオラ、ありがとう。丁度小腹が空いたところだよ!」
「私が焼いたんです。お父様、味を見て下さい。」
「なんと…まるで売り物のようではないか!?こんなに上達するとは、頑張ったんだなぁ…」
娘の作ったパイを見て、子爵はまたしみじみホロリとしてしまう。
「どうですかなデイビッド殿!?ヴィオラは料理も出来るようになりました!」
「ええ、毎日良く頑張っていると思います。」
「毎日!それはそれは、ヴィオラは花嫁修業にも力を入れているのか。デイビッド殿と一緒になる頃には料理人などいらなくなってしまうかも知れませんなぁ!ハッハッハッ!!」
「まぁ…はい、そうですね…」
「もうっ!お父様ってば!!」
ヴィオラが何か言う前に子爵の部屋から連れ出し、今度はさっきから姿の見えないシェルリアーナを探す。
「そういやシェルはどこ行ったんだ?」
「パーゴラでお祖母様のお薬を調合して下さっているんです!」
「へぇ、アイツも役に立ってんのか。」
裏庭へ降りるひさしの先のパーゴラに出ると、薬草の香りに包まれ、すり鉢を抱えたシェルリアーナが、煮え立つ小鍋から出来た薬を瓶に詰めていた。
「シェル先輩!ありがとうございます!」
「あらヴィオラ、丁度出来たところよ。こちらは膝の痛みに効く湿布用。まだ熱いから気をつけて。こちらは手荒れや肌の痒みを抑える塗り薬。で、これが頭痛薬なんだけど…丁度いいところに来たわね。はいコレ、中が全部粉になるまで擦っといて。」
「え?あ?俺が?…あ、はい…」
有無を言わせないシェルリアーナの笑顔に圧されて、デイビッドはすり鉢を受け取り、中身をひたすら転がした。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ……
その間に、シェルリアーナとヴィオラはテラスでお茶の支度を始める。
「お祖母様、こちらへどうぞ。このお茶はとても体に良いんですよ!私も毎日飲んでるの。デイビッド様がお土産にって持って来てくれたんです!」
「いい香りねぇ、それにとても美味しいわ。」
「お夕飯には大砂鳥の卵を使ってオムレツも作ります!」
「まぁ大砂鳥ですって?高級品じゃないの!」
「木箱にたくさん詰めて来たので、遠慮せず召し上がって下さい。滋養も高くてすごく美味しいんですよ!?」
慣れた様子で給仕するエリックと、優雅にティータイムを楽しむシェルリアーナ、そしてなのより祖母との会話を心から楽しむヴィオラを見つめながら、デイビッドはつくづくここへ来て良かったと思った。
「そうだわヴィオラ、私からも是非渡したいものがあるの。ドルトンに言って私の部屋のシェルフから古い緑色の箱を持って来て頂戴。」
「わかりましたお祖母様。」
それを見たシェルリアーナとエリックは、互いに目配せするとスッと席を立ち、デイビッドからすり鉢を取り上げた。
「せっかくですから、何かお土産でも買って帰りませんか?」
「それな。急ぎで来ちまったから気の利いた物なんも用意出来なかったし…子爵の好きそうな物とか…なんだろうな!?」
「お酒とか?」
「却下!」
庶民の店から高級店までごちゃごちゃとしているが、それが逆に来る者の目を楽しませ、財布の紐を緩めてくる。
流石は魔物産業の街と言うだけあり、中でも魔道具や武器防具、ポーションなどの店の数が桁違いだ。
「色々ありますね!でも先になんか食べませんか?お腹すいちゃった。」
「お前はそればっかりだな…」
屋台の並ぶ所は何処も活気づいている。
しかもここは体力資本の冒険者の街、料理も豪快なものが多い。
一人前が顔程あるミートパイに、大きな肉塊の串焼き、大鍋いっぱいの肉団子のスープ、パンに挟んだ太いソーセージ、薄焼き生地に包まれた様々な肉に、脂の滴る厚切りベーコン。
「わぁ!どれもおいしそう!なのに、なんかいつも食べてる感がすごい!!」
「逆にこれ真似してんのが俺だからな?」
なら珍しい物に挑戦しようと、エリックは普段見慣れない料理の店を探して回った。
「見て下さい!トカゲの丸揚げ!!」
「地トカゲの幼体だな。ササミみたいな味で美味いぞ?」
「なにコレ!マンドラゴラチップス!?」
「芋にマンドラゴラから採れるデンプンを加えて成形してんだよ。独特の食感で割と人気だな。」
「謎肉饅頭ってなんでしょうね!?」
「魔物から畜肉から屑肉全部集めて練った肉使ってんだよ。意外とイケるぞ?」
「スライム麺ってなんですか?!」
「野生のスライムの内臓を干物にして食べる地域があってな。そこで作ってる細切りスライムだ。」
「見て下さい!とぐろ巻いたワームのおせんべいなんてありますよ!?」
「割と子供みたいなはしゃぎ方するんだなお前…」
デイビッドはあれこれ試しては楽しむエリックを好きにさせながら、大鍋から蒸気が吹き出している店を見つけ、いくつか肉を買っていた。
「なんれふか、ほれ?」
「超高圧の大釜で加熱した肉だよ。骨まで柔らかくなって食えるようになってるらしい。前から一度試してみようと思ってたんだ。」
「わぁーぷるんぷるんのお肉!僕も欲しーい!」
食べていたギーブルの軟骨揚げから手を離し、エリックもモチモチとした肉を買うとデイビッドの背中の鞄に突っ込んだ。
「…さっきから歩く度に重くなってんだけどよ…?」
「そりゃ色々入れてますからね。」
「人を荷物持ちにすんな!」
いい加減しないとエリックが調子に乗って来たので、この辺りで買い物も切り上げ、そろそろ街を後にすることにした。
ネストへ戻ると、主人の気配に嘶くファルコの声が聞こえて来た。
狼や豹のような見た目の魔物などの従魔が並ぶ中、ファルコは静かに待っていたそうだ。
従魔や騎獣を連れた冒険者はよく見るが、中でもファルコはよく目立つ。
本来ヒポグリフは個人で所有し乗り回せる存在ではない。
ファルコは、小さな子供が寄ってきても大人しくしており、聞き分けも良くていつもよりずっと賢く見えた。
「見られて成長するタイプですね。」
「このまま人の頭は食わないよう躾けられねぇかな…」
エルピスの大門は出口の方が狭いが、出る際には身分証は必要ない。
門を潜り、跳ね橋を抜けると草地をしばらく行った所で、2人はまたファルコに乗ってローベル領へ戻った。
山を越えると、直ぐにリンゴの花咲くローベルの領地が見えて来る。
険しい自然に囲まれながら、なんとも穏やかで平和な空気に包まれたローベル領。
ショーン領へ行き来する商人が立ち寄る事も多く、手前の宿場街にはいつも何かしらの店が出ていて、領民達も助かっているそうだ。
青い屋根の邸の中では、ヴィオラがリンゴのコンポートでパイを焼いていた。
「まぁ、こんなにお料理が上手になって!孫の手料理が食べられるなんて、こんな幸せなことはないわ!」
「私も、こんなに上手く出来るようになったなんて、今でも信じられないんですよ、お祖母様。」
アフタヌーンティーの時間になる頃、戻って来たデイビッドとエリックをエプロン姿のヴィオラが迎えた。
「おかえりなさい!大丈夫でしたか?魔物はどうなりました?」
「ああ、片付いたよ。熊の魔物は魔素地の方へ戻って行ったし、もう来ないだろう。ついでに隣の領地のギルドにも原因の対処について話してきたから、安心していいぞ。」
「良かったぁ!」
デイビッドは子爵の部屋へ行くと、預かった手紙と小包を渡すと、事の経緯を説明し後の事を頼んだ。
「なんと…魔物を倒さず山へ帰すとは…」
「子熊さえ戻ればもうここへも来ませんよ。ショーン領のギルドにも報告はしましたし、もう心配は要らないと思いますよ。」
「本当に何から何まで世話になってしまったな…」
「構いません。子爵のために動くのは当然ですから。」
そこへヴィオラが焼きたてのパイを持って部屋へやって来た。
「お父様、お茶にしませんか?リンゴのパイが焼けましたよ!」
「おお!ヴィオラ、ありがとう。丁度小腹が空いたところだよ!」
「私が焼いたんです。お父様、味を見て下さい。」
「なんと…まるで売り物のようではないか!?こんなに上達するとは、頑張ったんだなぁ…」
娘の作ったパイを見て、子爵はまたしみじみホロリとしてしまう。
「どうですかなデイビッド殿!?ヴィオラは料理も出来るようになりました!」
「ええ、毎日良く頑張っていると思います。」
「毎日!それはそれは、ヴィオラは花嫁修業にも力を入れているのか。デイビッド殿と一緒になる頃には料理人などいらなくなってしまうかも知れませんなぁ!ハッハッハッ!!」
「まぁ…はい、そうですね…」
「もうっ!お父様ってば!!」
ヴィオラが何か言う前に子爵の部屋から連れ出し、今度はさっきから姿の見えないシェルリアーナを探す。
「そういやシェルはどこ行ったんだ?」
「パーゴラでお祖母様のお薬を調合して下さっているんです!」
「へぇ、アイツも役に立ってんのか。」
裏庭へ降りるひさしの先のパーゴラに出ると、薬草の香りに包まれ、すり鉢を抱えたシェルリアーナが、煮え立つ小鍋から出来た薬を瓶に詰めていた。
「シェル先輩!ありがとうございます!」
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「え?あ?俺が?…あ、はい…」
有無を言わせないシェルリアーナの笑顔に圧されて、デイビッドはすり鉢を受け取り、中身をひたすら転がした。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ……
その間に、シェルリアーナとヴィオラはテラスでお茶の支度を始める。
「お祖母様、こちらへどうぞ。このお茶はとても体に良いんですよ!私も毎日飲んでるの。デイビッド様がお土産にって持って来てくれたんです!」
「いい香りねぇ、それにとても美味しいわ。」
「お夕飯には大砂鳥の卵を使ってオムレツも作ります!」
「まぁ大砂鳥ですって?高級品じゃないの!」
「木箱にたくさん詰めて来たので、遠慮せず召し上がって下さい。滋養も高くてすごく美味しいんですよ!?」
慣れた様子で給仕するエリックと、優雅にティータイムを楽しむシェルリアーナ、そしてなのより祖母との会話を心から楽しむヴィオラを見つめながら、デイビッドはつくづくここへ来て良かったと思った。
「そうだわヴィオラ、私からも是非渡したいものがあるの。ドルトンに言って私の部屋のシェルフから古い緑色の箱を持って来て頂戴。」
「わかりましたお祖母様。」
それを見たシェルリアーナとエリックは、互いに目配せするとスッと席を立ち、デイビッドからすり鉢を取り上げた。
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