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三十話
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日は流れるように過ぎて、あっという間に迎えた【NWF】の当日。
俺達「トリニティ」は智顕の遅刻対策に、前日から近場のビジネスホテルに泊まっていた。
地方からの遠征勢も泊まっているようで、廊下から俺達の話が聞こえて来た時は心臓が跳ね上がった。
練習に明け暮れる日々だったが、小さな事に気付きを得た。
きっかけは「トラフィック*ライト」のヒョーマとジュンの、物真似動画だった。
なんでか知らないが、ヒョーマがソレソレの物真似をしてジュンがヒロユキの物真似をして【もしソレソレが、ヒロユキをコラボで呼んだら?】って言うタイトルの動画を上げたのだ。
しかも二人の手描きだと思われるソレソレの顔と、ヒロユキの顔のお面までつけて。
『え~。それではですね! 今日は、ビッグなゲストに来て頂きますよ。凄すぎて、みんなびっくりしちゃうんじゃないかな? ヒロユキさんです! どうぞ~』
本人そっくりな独特のイントネーションで、ソレソレ役のヒョーマが喋る。
するとヒロユキ役のジュンが、頭を右手で抑えながら「あ、どもっす~。ヒロユキですー」と言うのだ。
うわ、物真似も出来るのかよ。ってまず一番に思ったことを、はっきりと覚えている。
ソレソレヒョーマと向かい合うように座っている、ヒロユキジュンが口を開く。
『あの~。疑問なんスけど、暴露系配信者って意味あるんスか?』
その言葉にソレソレヒョーマは、身体を揺らしながら慌てふためくのだ。
『いきなり、辛口だな! 意味なら、ありますよ! 再生数、多いですからね!』
『いやぁ、僕思うんですけどぉ。ネットの炎上系ってわざわざ配信者の動画見なくても、Xとかエンスタとか追ってたら分かるじゃないスかぁ。どのニーズに向けての動画なのかなぁ? って』
『いや、だから、文字だけじゃ分かりにくいところもあるじゃないですか! それを、僕らみたいなね? 暴露系配信者が解説することで、分かる人らも居るんでね!』
段々とソレソレヒョーマの語気が強くなり早口になっているのに対して、ヒロユキジュンのペースは崩れていない。
『あっ、文字を読めない層ってことかぁ~。そもそもの話、嘘を嘘と見抜けない人はネットしちゃ駄目だと思うんですよお。ソレソレさんってぇ過去に嘘情報を拡散して、炎上してましたよねぇ?』
コイツら、勇者かよ……! 暴露系配信者と、匿名掲示板の創設者って言うある種の特級呪物だろ!! その特級呪物の物真似動画を、この内容で上げるとかどんだけメンタル強いんだよ!!
って、肝が冷えた。
ソレソレは自身のtmitterアカウントで
『リスナーの皆様、心配かけてすみません。僕は全く気にしてないです!笑 むしろ真似して貰って、嬉しいです!笑』
なんて、笑っている絵文字で投稿していた。
めちゃくちゃ効いてんじゃねーかよ。とコナン君みたいな半笑いが浮かぶと同時に、俺も同じ穴に居る存在なのだと気が付いたのだ。
そうだよな。反応するだけ、相手の思うツボだよな。
【NWF】では、コウ君の仮面を被り切ってみせる。
*
当日朝のリハーサルも終わり、俺達は舞台袖に待機している。
何回も練習で立ったステージなのに、身体がいつもより固い気がする。
お客さんの視線、呼吸、体温、血液の流れが一体となってステージに集まっているような感覚を覚えているからだろう。
「トリニティ」の出番は、二部の真ん中よりちょっと後ろ。
大トリと言う訳でもなく、前半のみんなが集中して見ている訳でもない絶妙な位置。
ヒョーマが雑談配信で言っていた言葉を、思い出す。
「わしゃあ、高校ん時演劇部じゃったんよ。夏の大会で、わしらの前の学校がぶち強豪校じゃったんよ。他所の学校の親御さんとかも、せっかくじゃけんあの学校見ようみたいなもんじゃったんよ。あそこの学校の芝居が終わったら、客席ガラガラでやったけん。自分らなんか見に来とらんって分かって、あれは堪えたわあ」
満席近かった客席が、半分以下になったけん!! って笑い飛ばしていたが、俺が同じ状況ならかなり凹むと思う。
楽屋で見ていた客席の様子を見るに、極端に客足は遠のいてない。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。
やれる!
歩夢が落ち着いた声で「大丈夫か?」って確認を取って来たのに対して、智顕は「大丈夫でしょ。緑のサイリウムが一本でもあれば、晄は踊れるよ」と涼しげな顔で言ったのだ。
新曲に、新しい衣装、今まで立ったことがないようなステージ。
今までkポ寄りな露出の多い衣装を着ていたが、今回はアイドル寄りな黒地メインの生地に金色のスパンコールを散りばめた衣装にした。
デザイナーさんにデザインを依頼して、縫製工場で縫って貰ったのだ。
自分らで弄ったものとは出来栄えが違いすぎて、メンバー全員が感嘆の息を漏らした程だ。
それぞれのメンカラのシースルー生地の肩マントは、エアコンの風で蝶々のようにひらひらと舞っている。
前の演者の発表が終わり、客席から歓声が上がった。
演者達は笑顔で手を振りながら、俺達とは逆側の舞台袖の中へ入っていく。
歓声が落ち着いた頃に、水を打ったようにステージの照明が消えた。
スタッフさんに呼ばれたので、俺達はステージの初期位置に立つ。
司会役の女性アナウンサーが「トリニティ」のこと、メンバーを一人ずつ紹介し始めた。
ステージ上から垂れ下がっている、巨大なスクリーンに俺達の顔と名前が映し出されている筈だ。
俺達の代表曲とも言える曲のアレンジが聞こえて、色々なことを思い出す。
最初は、見向きもされなかったこと。智顕と喧嘩ばかりしていたこと。思いもよらない動画で、バズったこと。歩夢がお化けが苦手で、遊園地のお化け屋敷で女子よりデカい悲鳴を上げていたこと。たくさん練習したダンス動画より、三人の雑談配信の方が伸びたこと。他にも、たくさんある。
俺達の紹介が終わるなり、疾走感溢れるイントロが流れ出した。
分かってはいたけど、サイリウム赤と紫ばっかだな……。
緑のサイリウムは「トリニティ」箱推しと思われる、サイリウム三本構えの人しか見つけられない。
それでも、良いんだ。誰かの一番に、なれなくたって。
俺がタップダンスを始めたのは、下らない理由だったから。
数字、名声、力なんて要らないんだ。
終わらない踊りを、踊ろう。クソッタレなセカイのために。
*
たった四分なのかされど四分なのかは分からないが、俺達のステージは終わった。
舞台袖を抜けて、楽屋へ向かう途中でスタッフさんに呼び止められた。
振り返ると、室内なのにサングラスをかけ首に柄物のスカーフを巻きつけたいかにも業界人って感じの人が居た。
年齢は、アラフィフくらいだと思う。
なんでポロシャツ着てんのに、首にスカーフ巻いてんだよ……。
コンクリートの廊下に同化せず、圧倒的な存在感がある。
「やあ、こんにちは。君が『トリニティ』のコウ君?」
「え、あ、はい」
「僕、こういう者なんだけどね」
そう言って差し出された名刺は、映画監督者の肩書きが入っていた。
もしかして、映画に出演の依頼!? 俺が全国の映画館のスクリーンに、映る!?
「君ステージ上では、クールでセクシーだったのに実物全然だねぇ! 子供が石鹸で洗ったドブネズミみたいだ!」
え、何、コイツ? しばいて良い?
映画監督は歯を見せて笑いながら「まあ、頑張りなさいよ」と言って、去って行った。
歩夢は「多分、あの人なりに褒めてんだよ。ステージで、化けてるって」ってフォローを入れたのに対して智顕は「本当に晄を褒めてるならば、仕事の話に持って行くと思うよ」と言った。
分かんねえ世界すぎる……。
*
【NWF】が終わり、俺は帰りの電車でエゴサーチをしていた。
車窓から差し込む夕陽が、眩しい。
全てやり切った達成感を今更ながら感じて、脚が重たくなってきた。
帰宅ラッシュの時間だけど、運良く座れて良かった……。
目に付く俺への投稿が炎上じゃなくって、ステージ上での俺に塗り替えられている。
空気が、洗浄された気がする。
『コウ君かっこよかった~。新衣装、似合ってた』
うんうん。そうだろう。だって、デザイナーさんに依頼したもん。
『思ってたより、ちゃんと踊れてて安心した。担当だけど、心配してたんだよね笑』
さては反転アンチだな、おめー。
『新しいトリニティを見た気がする。コウのパフォーマンスが上がったのはもちろんだけど、RuKIのパフォーマンスも上がってた。ぼんチ。は相変わらず上手い』
お前は、批評家かよ。
『色々考えたけど、コウのこと推してて良かったよ』
ありがとう、俺を素直に評価してくれて。俺を、見てくれて。
就活しながらだけど、頑張りたいな。
tmitterを閉じてエンスタのアプリを開くと、予想以上に通知が来ていた。
おそらく楽屋で撮影した、RuKI、ぼんチ。とのスリーショットや、新衣装の写真の反応だろう。
DMも、すごい数来てんな……。
普段からDMは来てるけど、今日はいつもの比じゃない。
「……え」
俺の元へ届いた、一通のDM。
それは地獄への片道切符か、天国への往復切符か。
この頃の俺は、知る由もないのだった。
俺達「トリニティ」は智顕の遅刻対策に、前日から近場のビジネスホテルに泊まっていた。
地方からの遠征勢も泊まっているようで、廊下から俺達の話が聞こえて来た時は心臓が跳ね上がった。
練習に明け暮れる日々だったが、小さな事に気付きを得た。
きっかけは「トラフィック*ライト」のヒョーマとジュンの、物真似動画だった。
なんでか知らないが、ヒョーマがソレソレの物真似をしてジュンがヒロユキの物真似をして【もしソレソレが、ヒロユキをコラボで呼んだら?】って言うタイトルの動画を上げたのだ。
しかも二人の手描きだと思われるソレソレの顔と、ヒロユキの顔のお面までつけて。
『え~。それではですね! 今日は、ビッグなゲストに来て頂きますよ。凄すぎて、みんなびっくりしちゃうんじゃないかな? ヒロユキさんです! どうぞ~』
本人そっくりな独特のイントネーションで、ソレソレ役のヒョーマが喋る。
するとヒロユキ役のジュンが、頭を右手で抑えながら「あ、どもっす~。ヒロユキですー」と言うのだ。
うわ、物真似も出来るのかよ。ってまず一番に思ったことを、はっきりと覚えている。
ソレソレヒョーマと向かい合うように座っている、ヒロユキジュンが口を開く。
『あの~。疑問なんスけど、暴露系配信者って意味あるんスか?』
その言葉にソレソレヒョーマは、身体を揺らしながら慌てふためくのだ。
『いきなり、辛口だな! 意味なら、ありますよ! 再生数、多いですからね!』
『いやぁ、僕思うんですけどぉ。ネットの炎上系ってわざわざ配信者の動画見なくても、Xとかエンスタとか追ってたら分かるじゃないスかぁ。どのニーズに向けての動画なのかなぁ? って』
『いや、だから、文字だけじゃ分かりにくいところもあるじゃないですか! それを、僕らみたいなね? 暴露系配信者が解説することで、分かる人らも居るんでね!』
段々とソレソレヒョーマの語気が強くなり早口になっているのに対して、ヒロユキジュンのペースは崩れていない。
『あっ、文字を読めない層ってことかぁ~。そもそもの話、嘘を嘘と見抜けない人はネットしちゃ駄目だと思うんですよお。ソレソレさんってぇ過去に嘘情報を拡散して、炎上してましたよねぇ?』
コイツら、勇者かよ……! 暴露系配信者と、匿名掲示板の創設者って言うある種の特級呪物だろ!! その特級呪物の物真似動画を、この内容で上げるとかどんだけメンタル強いんだよ!!
って、肝が冷えた。
ソレソレは自身のtmitterアカウントで
『リスナーの皆様、心配かけてすみません。僕は全く気にしてないです!笑 むしろ真似して貰って、嬉しいです!笑』
なんて、笑っている絵文字で投稿していた。
めちゃくちゃ効いてんじゃねーかよ。とコナン君みたいな半笑いが浮かぶと同時に、俺も同じ穴に居る存在なのだと気が付いたのだ。
そうだよな。反応するだけ、相手の思うツボだよな。
【NWF】では、コウ君の仮面を被り切ってみせる。
*
当日朝のリハーサルも終わり、俺達は舞台袖に待機している。
何回も練習で立ったステージなのに、身体がいつもより固い気がする。
お客さんの視線、呼吸、体温、血液の流れが一体となってステージに集まっているような感覚を覚えているからだろう。
「トリニティ」の出番は、二部の真ん中よりちょっと後ろ。
大トリと言う訳でもなく、前半のみんなが集中して見ている訳でもない絶妙な位置。
ヒョーマが雑談配信で言っていた言葉を、思い出す。
「わしゃあ、高校ん時演劇部じゃったんよ。夏の大会で、わしらの前の学校がぶち強豪校じゃったんよ。他所の学校の親御さんとかも、せっかくじゃけんあの学校見ようみたいなもんじゃったんよ。あそこの学校の芝居が終わったら、客席ガラガラでやったけん。自分らなんか見に来とらんって分かって、あれは堪えたわあ」
満席近かった客席が、半分以下になったけん!! って笑い飛ばしていたが、俺が同じ状況ならかなり凹むと思う。
楽屋で見ていた客席の様子を見るに、極端に客足は遠のいてない。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。
やれる!
歩夢が落ち着いた声で「大丈夫か?」って確認を取って来たのに対して、智顕は「大丈夫でしょ。緑のサイリウムが一本でもあれば、晄は踊れるよ」と涼しげな顔で言ったのだ。
新曲に、新しい衣装、今まで立ったことがないようなステージ。
今までkポ寄りな露出の多い衣装を着ていたが、今回はアイドル寄りな黒地メインの生地に金色のスパンコールを散りばめた衣装にした。
デザイナーさんにデザインを依頼して、縫製工場で縫って貰ったのだ。
自分らで弄ったものとは出来栄えが違いすぎて、メンバー全員が感嘆の息を漏らした程だ。
それぞれのメンカラのシースルー生地の肩マントは、エアコンの風で蝶々のようにひらひらと舞っている。
前の演者の発表が終わり、客席から歓声が上がった。
演者達は笑顔で手を振りながら、俺達とは逆側の舞台袖の中へ入っていく。
歓声が落ち着いた頃に、水を打ったようにステージの照明が消えた。
スタッフさんに呼ばれたので、俺達はステージの初期位置に立つ。
司会役の女性アナウンサーが「トリニティ」のこと、メンバーを一人ずつ紹介し始めた。
ステージ上から垂れ下がっている、巨大なスクリーンに俺達の顔と名前が映し出されている筈だ。
俺達の代表曲とも言える曲のアレンジが聞こえて、色々なことを思い出す。
最初は、見向きもされなかったこと。智顕と喧嘩ばかりしていたこと。思いもよらない動画で、バズったこと。歩夢がお化けが苦手で、遊園地のお化け屋敷で女子よりデカい悲鳴を上げていたこと。たくさん練習したダンス動画より、三人の雑談配信の方が伸びたこと。他にも、たくさんある。
俺達の紹介が終わるなり、疾走感溢れるイントロが流れ出した。
分かってはいたけど、サイリウム赤と紫ばっかだな……。
緑のサイリウムは「トリニティ」箱推しと思われる、サイリウム三本構えの人しか見つけられない。
それでも、良いんだ。誰かの一番に、なれなくたって。
俺がタップダンスを始めたのは、下らない理由だったから。
数字、名声、力なんて要らないんだ。
終わらない踊りを、踊ろう。クソッタレなセカイのために。
*
たった四分なのかされど四分なのかは分からないが、俺達のステージは終わった。
舞台袖を抜けて、楽屋へ向かう途中でスタッフさんに呼び止められた。
振り返ると、室内なのにサングラスをかけ首に柄物のスカーフを巻きつけたいかにも業界人って感じの人が居た。
年齢は、アラフィフくらいだと思う。
なんでポロシャツ着てんのに、首にスカーフ巻いてんだよ……。
コンクリートの廊下に同化せず、圧倒的な存在感がある。
「やあ、こんにちは。君が『トリニティ』のコウ君?」
「え、あ、はい」
「僕、こういう者なんだけどね」
そう言って差し出された名刺は、映画監督者の肩書きが入っていた。
もしかして、映画に出演の依頼!? 俺が全国の映画館のスクリーンに、映る!?
「君ステージ上では、クールでセクシーだったのに実物全然だねぇ! 子供が石鹸で洗ったドブネズミみたいだ!」
え、何、コイツ? しばいて良い?
映画監督は歯を見せて笑いながら「まあ、頑張りなさいよ」と言って、去って行った。
歩夢は「多分、あの人なりに褒めてんだよ。ステージで、化けてるって」ってフォローを入れたのに対して智顕は「本当に晄を褒めてるならば、仕事の話に持って行くと思うよ」と言った。
分かんねえ世界すぎる……。
*
【NWF】が終わり、俺は帰りの電車でエゴサーチをしていた。
車窓から差し込む夕陽が、眩しい。
全てやり切った達成感を今更ながら感じて、脚が重たくなってきた。
帰宅ラッシュの時間だけど、運良く座れて良かった……。
目に付く俺への投稿が炎上じゃなくって、ステージ上での俺に塗り替えられている。
空気が、洗浄された気がする。
『コウ君かっこよかった~。新衣装、似合ってた』
うんうん。そうだろう。だって、デザイナーさんに依頼したもん。
『思ってたより、ちゃんと踊れてて安心した。担当だけど、心配してたんだよね笑』
さては反転アンチだな、おめー。
『新しいトリニティを見た気がする。コウのパフォーマンスが上がったのはもちろんだけど、RuKIのパフォーマンスも上がってた。ぼんチ。は相変わらず上手い』
お前は、批評家かよ。
『色々考えたけど、コウのこと推してて良かったよ』
ありがとう、俺を素直に評価してくれて。俺を、見てくれて。
就活しながらだけど、頑張りたいな。
tmitterを閉じてエンスタのアプリを開くと、予想以上に通知が来ていた。
おそらく楽屋で撮影した、RuKI、ぼんチ。とのスリーショットや、新衣装の写真の反応だろう。
DMも、すごい数来てんな……。
普段からDMは来てるけど、今日はいつもの比じゃない。
「……え」
俺の元へ届いた、一通のDM。
それは地獄への片道切符か、天国への往復切符か。
この頃の俺は、知る由もないのだった。
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