光彩濁りて愛となる

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七話

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※全体的にお下品なので、苦手な方は閲覧をご遠慮下さい。

 ゆっくりと肌から流れ落ちていくボディソープにすら、抱かれている感覚になる。
 酒のせいか静弥の触り方に法則性がなく、俺が予想してないところを不意に触られまくる。まるで、触手かなんかに犯されている気分だ。
 酔っ払いパワーで浴室の鏡の前まで連行された俺は、されるがままにされていた。
 あ。これは、いつも通りか。
「やっ、あっ、ああっ……」
 俺の喘ぎ声が、大きく長く浴室内に響く。
 こんなに声が響くならば、俺の鼓動も静弥に聞こえてるんじゃないだろうか。
 そう思った瞬間に羞恥心の波に呑まれて、やめたくなって来た。
「せ、静弥……やっぱり」
「な、ナスがまま、しゃ、しゃれるがパパ」
 あ。良かった。絶対、気付いてない。ありがとう、アルコール。
 首、肩、脇腹、と静弥の手でボディーソープをなすりつけられたから、いつもなら男性器を触られているのに触って来ない。
 俺の耳のふちを吸い上げられたり、髪の毛の先が口に入ろうがお構いなしに口の中へ含んでいる。
 も、もどかしい……! 早く挿れろって……!
 俺は肘で静弥の薄っぺらい胸板を軽く押して、距離を取る。
 前屈みの姿勢を取り、そのまま自分の両手を尻の曲線に沿わせて曲線の形を変えるかのように拡げて見せた。
「ご、ご主人様ァ……。オナペットひかるのケツマンコに、ご主人様の大きくて太いチンコ挿れて、ぐちゃぐちゃにしてください」
 一体何を、言っているんでしょうか。親が聞いたら、泣いて喜ぶでしょうね。
 シラフでこんなエロ漫画みたいなことを言うなんて、俺は淫乱なんでしょうか。
 酔っ払いは空気感染するって、聞いた気がする。空気感染したって、ことにしておこう。
「ひかるきゅん、淫乱で、きゃわいい」
「お前に、仕込まれたからな」
「やばいかも、興奮してきた」
「いつも、興奮してんだろ!」
 自分の腰の後ろに当たったソレで、興奮の真偽は見抜けた。
 ヤバい。ガチガチの本気じゃん。
「ご主人様のおちんちん、見て」
 言われた通りに振り返って、静弥の男性器を見る。
 すげえ。何回も見てる筈なのに、未だに慣れない。
 太く猛々しくそびえ立っている、静弥の男性器。
 今から、これがナカに挿るんだ。俺だけのチンコ……。
「ご主人様の本気チンコ、格好いいです……」
 え、なに、このイモハイみたいなセリフ!! 自分で言ったのに、恥ずかしさで死にたい。
 ここ十年で、一番の黒歴史かもしれない!! 言った数秒後に、黒歴史になるセリフis何?
 命令される前に膝をついて、静弥の男性器を口に含む。
 まずは先っぽを舌で転がして、徐々に口に含む面積を増やしていく。
 知ってはいたけど、デカ……。
 口の中、静弥のチンコで埋め尽くされてんじゃねえの……。
「ひ、ひきゃるきゅん、ごめんねっ……!」
 何が、ごめんなんだ? フェラさせてるから? お前も、してるじゃん。なんて、思ったのも束の間。
 静弥は両手で俺の頭を鷲掴み、自身の股座に俺の頭を押し込んだ。
「ンぐっ……!?」
 一気に喉奥にまで静弥の男性器が届き、喉を男性器で貫かれたかのような衝撃が走る。
 前から薄々気付いていたけど、俺は痛くされるのが好きらしい。 
 今の、かなりイイかも。
 モノ扱いされてる気がして、篠塚 晄でもコウでもなく「静弥のオナペット」でしかないから。
「ご主人様のチンコ、おいしい……」
 こんな恥ずかしいセリフも、素で言えるくらいには俺はオナペットになり果てていた。
 竿全体を舌で転がしてから、絞り上げるように男性器を吸い上げる。
 静弥は顔を真っ赤にして、俺を見下ろしている。
 俺の頭を抑えつけていた手は、今は俺の後ろをいじっている。
 俺の肉壁は静弥の指を欲しがり、きゅうきゅうと吸い付いている。
「ひ、ひきゃるきゅん、もう、出ちゃう……」
 身をよじろぎながら、そう言う静弥。
 それは俺を誘っているようにも、拒否しているようにも見えた。
 離すもんかよ、俺のご主人様。俺だけのチンコ様なんだもん……。
「な、なぁ。イモハイの赤みたく、俺様っぽく命令してよ」
「え、いてぃごじゃむさしゃんみちゃいに……?」
 やっぱり、調べてんじゃねえか。汚れたインターネット生活を、送りやがってよ。
 静弥は数回咳払いをしてから、言う。
「ほ、欲しがりなオナペットぢゃな! おりゃあ! ぎょ、ご主しゃまのザーメン、飲ひ干へ!」
 うわああ! 終わってる滑舌が、すごくイモハイ味がある~!!
 それなのに春先のタケノコみたいにぐんぐんと大きくなる、俺のチンコはなんて正直者なんだ……。
「はひぃ。オナペットひかるに、ご主人様のザーメンくだしゃいぃ」
 まるで誓いを立てるように、静弥の男性器に口 付ける。
 それを合図に、静弥の男性器はフィニッシュを迎えた。
 俺はAV女優みたいに「おいしい」って言いながら、口を開けて舌の上に乗った精液を見せた。
 それからはイモハイの赤みたいな言葉責めを受けながら、俺のナカに静弥の男性器を挿れられた。
 俺のナカが収縮する度に静弥のチンコはガチガチに血管を太くして、ナカの形を変える勢いで貫くのだった。
 乳首も千切れる程に噛まれて、真っ赤になっている。
 トラーノベルのBL小説かよ、マジで……。
 汚れてるのは、インターネット生活じゃなかった。性生活だった……。
 最後の方は静弥に頭をよしよしと撫でられて、ふわふわと雲の上を漂っているような幸せな気分になった。
 俺だけの、ご主人様。俺のことを、一番理解してくれる人……。







 朝。目覚めると、知っている天井が視界に飛び込んで来た。
 それと同時に
「知らない首輪だーーーッ!!」
 なにコレ!? 俺が静弥を、監禁した時の首輪じゃない!!
 黒いがっしりした革に、俺のメンカラの蛍光グリーンのラインが入った首輪。
 格好は裸のままで、首輪がつけられているのだ。
 ド変態じゃねーか!!
 熱中症で倒れた方がお金がかかるので、家に居る間はエアコンをつけっぱにしている。
 エアコンの風が冷たくなっている身体から、更に体温を奪っていく気がした。
 細胞単位で、キンキンに冷やされている気がする!!
 寝てる間に、首輪をつけられたのか……。睡姦されてても、可笑しくねえぞ。
 俺は身体を見てみたが、可笑しなところは無かった。
 腰が痛いけど、あんだけヤりまくったら、痛くなっても不思議じゃないしな……。
 視界を部屋まで広げて、辺りの観察を開始する。
 大学の課題をやる用のノートパソコンに、漫画が敷き詰められた本棚に、やりかけのレポートの資料が転がってるローテーブルがあることから俺の部屋であることは間違いない。
 昨晩はとんでもないことを、口走ってしまった気がする。
 バイト先の店長が、言っていた。
「いいかー。お前ら酒の力を借りないと出来ないことは、しなくて良いことだぞ。酒を飲んで話す本音なんて、嘘っぱちだ」
 バイト先のメンバーは、店長格好いい~! なんて、からかっていた。
 店長。酒の力を借りなくても、やらなくていいことをした俺は一体なんなんでしょうか。
 スマホで時間を見ると、朝の八時を数分過ぎたところだった。
「おはよう。晄君」
 静弥はこの世の終わりみたいな顔をしながら、部屋に入って来た。
 ただでさえ白い肌が、真っ青になっている。
「え、な、何。その首輪……」
「知らねえよ。お前が、つけたんじゃねえの」
「買った記憶はあるけど、つけた記憶はないよ」
 なんで、こんなもん買ってんだよ!! ツッコミを入れる気力が、湧かない。
 つーか俺が裸なことは、疑問を抱かないのかよ。
 首輪をつけた記憶がないってことは、オナペット宣言や、AVみたいに口の中の精液を見せたことも、エロ同人みたいにケツ穴を拡げて見せたことも記憶がないって訳だ。
「ごめんね……。折角のお泊まり会なのに、僕の所為で無しになっちゃって」
「俺も焼肉会で吐いたから、お互い様だろ。もう大丈夫か?」
「うん。今日休みだし家のことしてる内に、アルコール抜けると思う」
「そっか。だけど、もうあんな飲み方すんなよ。急性アルコール中毒とか、怖いじゃん」
 タンスの引き出しを開けて、パンツと肌着を素肌に装着する。
「う、うん。九さんにも、謝っておくね」
 それは是非、そうしてくれ。あの兄ちゃん、なんか怖いもん。とは言えず「そうだなー」って、曖昧に頷いておく。
「お前さ。無理してたんなら、言えよ。これからは察せられるよう頑張るけど、俺バカだから多分分かってやれないこと多いぞ」
「ひ、晄君に比べたら、僕なんか全然……」
「キャパなんて、人によって違うじゃん。ただでさえ、慣れない新生活なのに……。心配なんだよ」
 そう言いながら、昨日静弥がしてくれたみたいに、頭を撫でてやる。
 静弥は気持ち良さそうに、俺にされるがままにされている。
 静弥が倒れたら、元も子も無いし。
 虎ばあさんに、合わせる顔も無い。
「うん。ちゃんと言うように、する」
 静弥は、しっかりと頷いた。よし、一先ずは安心だ。
「あ、あのね。九さんって京都の人で、すごく優しいんだよ」
 京都人。その言葉で、俺は全てを察した。
「マジで、丁重に謝ろう! な!? 山南村が近畿地方から、消される前に!!」
「京都人のことを、なんだと思っているの? 弟さんも、面白いんだよ」
 静弥は自身のスマホを、見せて来た。
 画面には見知らぬアカウントのエンスタのストーリーが、表示されている。
 どうやら店のトイレの個室の写真のようなのだが、政治家の名前と裏金金額が書かれたシールが貼られている。
 ご丁寧に『えらい素敵なシール、貼ってはるわ~。ええもん、見せてもろたわあ』と、コメントが打ってある。
 ぼんチ。との熱愛を匂わせた、Vチューバーの百倍怖い。
「ほぎゃー!! 京都人、怖いよぉ!! 山南村なんて、あの人らからしたら、土人みたいなもんだろ!!」
「晄君は九さんのこと、誤解してるよ。九さん『沼黒君、日本語上手やねえ』って、褒めてくれたよ」
「あぶぶぶぶ!!」
 怖い、怖すぎる。俺からも、エンスタのDMで謝っておこう……。
「え、てか、なんで、弟さんとまで、仲良いの?」
「好きな作家さんが一緒で、九さんが繋げてくれたんだ……」
 晄君が言った通りだったよ。すごく、楽しい。そう言って、静弥は無垢な笑顔を向けて来た。
 まるで新しい玩具を、誕生日プレゼントで貰った子供かのように。
 俺が知らないところで、静弥の交友関係が広がっている。
 前までは、俺しか要らない。って言う、感じだったのに……。
 顔を合わせられない日も多いけど、仲良くなった後で報告されるのって、なんか、心にクるな。
 良いことなのは、分かってる。
 俺が、そう言ったんだし……。
 針で刺されたように、心が痛い。
 こんなに、面倒臭い奴だったっけ? 俺……。
「晄君……?」
「なんだよー! 友達出来たなら、言えよ! 水くせえな!」
 静弥の背中を、オーバーなくらいにバシバシと叩く。
 静弥は不思議そうに「痛いよ……」と、不平を言いながら、俺を見つめている。
 なんで、こういうところは鈍いかねぇ。
「飯食ってシャワー浴びたら、智顕の家戻るわ。練習する予定だし」
「うん」
 頷きはするけど、声音が納得してないな。
 だからそう言う場合頷く前に、言って欲しいんだけど……。
 そう言えば、智顕が名乗る前に智顕の写真見て「この子の名前、梵くんだったりする?」なんて、静弥は聞いて来てたな……。
 まさか、繋がりあったりするのか?
 あのボンボン宇宙人と? 宇宙人サミットとかで、会ったりしたのか?
「あ、あのさ。智顕と、何かあった?」
「え」
「智顕の本名知ってたっぽいし、繋がりあったんかな。って……」
「あるけど、言いたく、ない」
「分かった。言いたくなったら、言って」
 昨日歩夢が言ってくれたように、なるべく優しい声で言う。
「うん……。あ、あの」
「うん。何?」
「練習の邪魔しないから、家のこと終わったら、僕も行って……いい?」
 静弥は俯きながら、そう言った。俺の反応を、見るのが怖いのかもしれない。
「気持ちは嬉しいんだけど、ゆっくりしてろ。こんだけ暑いんだし、酔っ払った状態で外歩いたら危ないだろ。また行ったら、良いじゃん」
 マジで倒れかねない、気温だしな……。
 だけど、静弥が智顕の家に行きたい! って言うようになってくれたのは、大きな進歩だ。
 静弥は「分かった」と、小さく頷く。
「あ、あのさ。晄君」
「ん、何?」
「な、何かあった……?」
 うーわ。ここは、なんでは、鋭いんだよ。
 他人に言っておいてアレだけど、好きな人間にあんな惨めなことは言えない。
 だって静弥には、格好いいところ見せたいし。
「なんもないって。考えすぎ」
「嘘……。だって、すごい魘されてたよ?」
「怖い系の夢見たんだろ。内容は、覚えてねえけど」
 そう言うことに、しておこう。
 昨晩はヤりまくった後に静弥をちゃんとお部屋のベッドで寝かせたから、コイツは勝手に俺の部屋に入って首輪をつけたことになる。
 酔っ払いパワー、怖い……。そのうち寝てる間に、ケツにバイブとか挿れられるんじゃねえの。
 あのアンケート、再回答出来ないかな……。今になって、コイツと住むことの意味が分かった気がする。
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