くじ引きで決められた転生者　～スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?～

はなとすず

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心のつっかえ

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僕は『いつもと同じ時間』に目を覚ます。

「ふぁ～……今日は学校の期末テストだし早めに行って復習しようかな？」

僕は制服に着替えておじいちゃんとおばあちゃんがいるリビングに向かう。

「おはよう。…え？」

「あら、おはよう。朝ごはん出来てるわよ、悠真。」

「おっ！起きたか、悠真。おはよう。」

…何で『お父さん』と『お母さん』がいるの…？
あれ…？どうしてだろう？お父さんとお母さんがいるのは『いつものこと』なのに…

「悠真、どうかしたのかい？」

「あ…おばあちゃん。ううん、なんでもないよ。」

「そうかい。今日は悠真のことさ、早く朝ごはん食べて学校に行くんじゃないのかい？期末テストなんだろう？」

「あっ！そうだった！早くしないと！」

もう少しで遅れるところだった！いや、別に学校の授業には間に合うけどさ…テスト勉強の時間がなくなっちゃう！

「悠真は相変わらず真面目すぎるとおもうがなぁ…」

「おじいちゃん！おはよう。」

僕達は皆で席に着いた。

「「「「いただきます。」」」」

僕以外の人がそう言う。

…あれ？なんかモヤモヤするな…何か違う気がする…

「悠真？食べないの？」

「え？ううん。食べるよ？…いただきます。」

僕は朝ごはんを食べて学校に行く。

「行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

僕が玄関に出ると制服を着た優依がいた。

「おはよ！悠真。」

「おはよう、優依。珍しいね？朝早いのに。」

いつもより早く家を出たはずなんだけどね。

「えへへ。だって悠真は今日は期末テストだから早く行ってテスト勉強するんでしょ？私も一緒に行く！テスト勉強はしないけど！」

はは…テスト勉強はしないんだ…

「優依がそれでいいならいいけど…」

いつも通り二人で学校に行く。

「ねえ、悠真。この前出たラノベの最新刊読んだ？」

「うん。読んだよ。」

ここで話はオタクの方に向かっていった。

「あの展開は予想外だったよねぇ」

「だよね？…優依はどんな魔法使いたい？」

「う～ん…そうだなぁ……私は雷の魔法とか使ってみたいかな。ほら、RPGの勇者限定の雷スキルを再現してみたい！」

「なら頑張らないとね。確か優依は雷の適性低かったよね？」

「よね？って言われても…なんのこと？」

「あ、あれ？なんで僕あんなこと言ったんだろう？」

……何故かは分からないけど優依が雷の魔法を使いたいって言ったら適性が低いのにって思っちゃった…なんでだろう？………何か、大切な事を忘れてるような…

「悠真？どうしたの？」

「え？ううん、なんでもない。早く行こう？」

「うん！」

そして学校でテストを受けて家に帰って『いつも通り』夕飯を食べた。

「う～ん…」

「あら、悠真？何か悩み事？」

お母さんが僕に問う。

「ううん。悩み事っていうわけじゃないけど……なんだか大切な事を忘れてる気がして…」

「そうなの？」

「うん…」

本当に何なんだろう？今日朝起きてからずっと何が胸につっかえてる。なんだかモヤモヤするよ…

「ふーん…けど、思いだせないなら仕方ないだろ？もう夜も遅いし今日はもう寝たらどうだ？明日になったら思い出すかもしれないしな。」

お父さんが言う。

「…うん、そうだね。今日はもう寝るよ。おやすみ！」

「「「「おやすみ」」」」

そうして僕は部屋に行ってベッドに入った。

「……あれ？ここはどこだろう？」

気が付けば僕は真っ暗な空間にいた。

ズキンッ！

「うっ……なにこれ…」

いきなり、ものすごい頭痛が僕を襲う。
思わず膝をつくとある映像が僕の頭に流れた。

金髪碧眼の双子と思われる二人組と優依、そして多分姿は見えないけど僕の四人で雑談してる。

『いや、私はそういう分野には疎いからね。ノインはどうだい？』

『カイン～こういう時だけ私に話振らないでよ～…ユイはどう思う？』

『いや、ノインも同じことしてるから…う～ん…私は分からない！ねぇ、□□はどう思う？』

『…優依も同じことしてるよ？僕は……』

次に見えたのは白銀の髪に青い瞳の女性と紺色の髪に薄紫の瞳の男性だった。

『まあ！□□ちゃん！可愛いわ！流石私の子だわ！』

『マリア、□□は私の子でもあるんだ。独り占めはしないでくれ。』

『ヴィント様、いくらヴィント様でも□□ちゃんは渡しませんわ。』

『…少しくらい譲ってくれても…』

『…父様…母様…僕は物じゃありませんよ？取り合わないで下さい。』

次に映るのは白い毛をした子狼と優依、それから紺色の髪に紫の瞳をした男の子と黒い髪に青い瞳の男の子だった。

『エルは可愛いなぁ～』

『エヘヘ…ユイ！もっと撫でて！』

『アニマルセラピーだね！』

『□□？そのアニマルセラピー？って何なんだい？』

『あっ！言いたい事をイクル兄上に先を越された！』

『あははっ！カーズさんってそういうのよくあるよね～』

『ふふ、アニマルセラピーっていうのは……』

その他にもたくさんの映像が流れた。

「……これは…？誰かの、記憶？……僕の…？」

……！……！…悠真！

優依の声が聞こえた気がした。

僕はどこからその声がしてるのか分からなかった。でも、『前に』走り出した。優依がこっちだよ！と教えてくれてる気がした。

走っていると黒い空間に白い光が見えた。走っている間にもいくつか映像…いや、僕の忘れていた記憶が流れ込んできた。何故かあの映像は僕の記憶だと、そう確信できた。『お父さん』の言った通りに寝たら全部思い出しちゃったよ。今の僕は『ルーク』。ずっとつっかえていた何かも今はなくなった。

白い光の前に立ち、深呼吸をした。

…よし！

僕は白い光に足を踏み入れた。

すると、そこは僕の…『悠真』の自室だった。

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