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お茶会
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夏休みまで後一週間……
「ニーヴェ侯爵から手紙が届いたよ~」
と、優依がニコニコしながら手紙を持ってきてくれた。
「お茶会の誘いかな?」
カインが紅茶を飲みながら言う。
「開けてみよっか。」
優依が手紙を開けて僕達にも見せてくれた。内容は……明日、前に話したお茶会を開催しませんか?いきなりの誘いだから来れなくても大丈夫ですっていう内容だね。
「明日だけど……明日って何かあったっけ?」
「ないと思うよ!行きたい!」
僕が問いかけるとノインが食い気味に手を上げた。
「じゃあ、行こうか。行かない理由もないもんね!」
ノインが凄く行きたがってる理由も知りたいし……
「いよっし!」
ノインがガッツポーズをした。
……少なくとも王女様の行動じゃないよね……
翌日……
僕達はニーヴェ侯爵の屋敷にやって来た。
「こんにちは、皆様。お待ちしておりました。ようこそいらっしゃいました。」
屋敷に着くと、侯爵様が直々にお出迎えしてくれた。
「こんにちは、侯爵様。今日は招待してくださりありがとうございます。」
「手紙が来た時から楽しみにしてたんだ~♪」
「ちょっ…優依…口調!」
「あ……忘れてた……」
一緒に出迎えてくれた使用人さん達が驚いてチラチラ見てるよ……
「ふふふ、私は構いませんよ。」
「じゃ、オッケーだね!」
そういう問題じゃないんだけど……まぁ、いっか……辺境伯家と仲がいいっていう示しにはなるよね。
「お誘いありがとう、ニーヴェ侯爵。前に話した時から楽しみにしていたんだ。ね?ノイン?」
「すぅ……はぁ……」
……なんか昨日、侯爵様から手紙が届いてからノインの様子がおかしいんだよね……なんか……緊張してる?
「………今はこんな感じだけど、楽しみにしてるのは事実だから気にしないでくれるとありがたいよ。」
ノインを見て苦笑いを浮かべながらカインが言った。
「ふふふ。もちろんですよ、殿下。では、ご案内致します。」
侯爵様に連れられて、僕達は屋敷のテラスに来た。そこにいた茶色の髪と緑色の瞳の女性が微笑んで綺麗なカーテシーをした。
「王子殿下、王女殿下、ルークさん、ユイさん、本日はお越し下さりありがとうございます。私はニーヴェ侯爵の妻、ネイフェ ニーヴェと申しますわ。」
「お誘いありがとう、夫人。今日はよろしくね。」
「よ…よろしくお願いします。」
…ノイン、やっぱりめちゃくちゃ緊張してる?
「お初にお目にかかります、夫人。僕はウィルター辺境伯の三男、ルーク ウィルターです。本日はお誘い、ありがとうございます。」
「ルークの妹のユイです。とても楽しみにしていました!今日はよろしくお願いします!」
「ふふふ、こちらこそよろしくお願い致します。どうぞお座り下さいな。」
僕達が席に着くと使用人さん達が紅茶とお菓子を出してくれた。
「我が家の専属シェフが腕によりをかけて作ったお菓子です。是非ご賞味下さい。」
「じゃあ、早速いただこうかな?ね?ノイン?」
「ふぇ?カイン?あ…うん。」
……やっぱりノインの様子がおかしいと思う……
近くにいた使用人さんが全員のお菓子を取り分けてくれた。……あれ?カインがなんか使用人さんからお皿を受け取って自分で皿に盛り付けしてる……なんでだろう?
「はい、ユイ。好きそうなのを集めてみたんだ。どうかな?」
「わあ!ありがとう!よく知ってるね?」
「でしょう?どうしてかは聞かないでね?」
「うん、そうしとくね。」
ニッコリと満足気に笑ったカインは自分の席に戻った。
それからは雑談したりして、楽しい時間を過ごしている。そして、どうしてノインがあんなに緊張していたのか、その理由が分かったんだ!
「旦那様、奥様。ロイ様が戻られました。」
「連れて来てくれるかしら?」
「畏まりました。」
そう言って使用人さんが屋敷の中へ入って行った。ロイ……確か侯爵家の長男だったはず……僕達より四歳年上なんだよね。学校の帰りかな?
そんなことを考えているとロイ様が来た。顔立ちは夫人に似てる感じかな。
「お久しぶりです、王子殿下、王女殿下。」
ロイ様はふんわり微笑んでお辞儀をした。……今日、侯爵家に来て思ったけど、侯爵様一家は笑顔がいいんだよね。……本当にどうしてクオンはああなっちゃったんだろ……
「久しぶりだね、ロイ。学園の帰りかい?」
「はい、殿下方がいらっしゃると聞き、参りました。我が家のテラスは心地いいでしょう?」
「そうだね、お菓子も美味しかったよ。」
「ふふ、それはよかったです。是非、ゆっくりして下さい。」
ここまでカインと話していたロイ様が僕と優依の顔を見た。
「お初にお目にかかります、ロイ様。ウィルター辺境伯の三男、ルーク ウィルターです。」
「はじめまして、ロイ様。ルークの妹のユイです。」
「はじめまして、ルークさん、ユイさん。私はニーヴェ侯爵家の長男、ロイ ニーヴェです。お会いできて嬉しいです。……私に協力できることがありましたらなんでも言ってください。お手伝い致します。」
と、後半は僕達の耳の近くで小声で言ってくれた。ロイ様も知ってるみたいだね!
「「ありがとうございます。」」
僕達が声を揃えて言うと、ロイ様はふんわり微笑んでノインの前に立った。
「お久しぶりですね、殿下。」
「は、はい…久しぶりですね、ロイさん。」
ノインはロイ様に話しかけられて、少し下を向き、もじもじしてる。……あ…そういうことか。だからあんなに緊張してたんだ。
「お気に召さないことでもございましたか?」
「い、いえ!な、ないです!」
「ふふふ、そうですか。先程声をかけた時に返事がなかったものですから、てっきりお気に召さないことがあったのかと思ってしまいました。」
冗談ぽくロイ様が言った。
「ないです!」
「それはよかったです。……本当はもう少し話していたいのですが……学園の宿題が残っていますのでこれで失礼します。またお会いしましょう、王女殿下。」
最後にノインの手を取り、ロイ様はそっと手に口づけをした。ノインの顔は真っ赤になってて耳まで赤くなってるよ!
「では、失礼します。」
そう言って去っていったロイ様をノインは見えなくなるまで目で追っていたのだった……
「ニーヴェ侯爵から手紙が届いたよ~」
と、優依がニコニコしながら手紙を持ってきてくれた。
「お茶会の誘いかな?」
カインが紅茶を飲みながら言う。
「開けてみよっか。」
優依が手紙を開けて僕達にも見せてくれた。内容は……明日、前に話したお茶会を開催しませんか?いきなりの誘いだから来れなくても大丈夫ですっていう内容だね。
「明日だけど……明日って何かあったっけ?」
「ないと思うよ!行きたい!」
僕が問いかけるとノインが食い気味に手を上げた。
「じゃあ、行こうか。行かない理由もないもんね!」
ノインが凄く行きたがってる理由も知りたいし……
「いよっし!」
ノインがガッツポーズをした。
……少なくとも王女様の行動じゃないよね……
翌日……
僕達はニーヴェ侯爵の屋敷にやって来た。
「こんにちは、皆様。お待ちしておりました。ようこそいらっしゃいました。」
屋敷に着くと、侯爵様が直々にお出迎えしてくれた。
「こんにちは、侯爵様。今日は招待してくださりありがとうございます。」
「手紙が来た時から楽しみにしてたんだ~♪」
「ちょっ…優依…口調!」
「あ……忘れてた……」
一緒に出迎えてくれた使用人さん達が驚いてチラチラ見てるよ……
「ふふふ、私は構いませんよ。」
「じゃ、オッケーだね!」
そういう問題じゃないんだけど……まぁ、いっか……辺境伯家と仲がいいっていう示しにはなるよね。
「お誘いありがとう、ニーヴェ侯爵。前に話した時から楽しみにしていたんだ。ね?ノイン?」
「すぅ……はぁ……」
……なんか昨日、侯爵様から手紙が届いてからノインの様子がおかしいんだよね……なんか……緊張してる?
「………今はこんな感じだけど、楽しみにしてるのは事実だから気にしないでくれるとありがたいよ。」
ノインを見て苦笑いを浮かべながらカインが言った。
「ふふふ。もちろんですよ、殿下。では、ご案内致します。」
侯爵様に連れられて、僕達は屋敷のテラスに来た。そこにいた茶色の髪と緑色の瞳の女性が微笑んで綺麗なカーテシーをした。
「王子殿下、王女殿下、ルークさん、ユイさん、本日はお越し下さりありがとうございます。私はニーヴェ侯爵の妻、ネイフェ ニーヴェと申しますわ。」
「お誘いありがとう、夫人。今日はよろしくね。」
「よ…よろしくお願いします。」
…ノイン、やっぱりめちゃくちゃ緊張してる?
「お初にお目にかかります、夫人。僕はウィルター辺境伯の三男、ルーク ウィルターです。本日はお誘い、ありがとうございます。」
「ルークの妹のユイです。とても楽しみにしていました!今日はよろしくお願いします!」
「ふふふ、こちらこそよろしくお願い致します。どうぞお座り下さいな。」
僕達が席に着くと使用人さん達が紅茶とお菓子を出してくれた。
「我が家の専属シェフが腕によりをかけて作ったお菓子です。是非ご賞味下さい。」
「じゃあ、早速いただこうかな?ね?ノイン?」
「ふぇ?カイン?あ…うん。」
……やっぱりノインの様子がおかしいと思う……
近くにいた使用人さんが全員のお菓子を取り分けてくれた。……あれ?カインがなんか使用人さんからお皿を受け取って自分で皿に盛り付けしてる……なんでだろう?
「はい、ユイ。好きそうなのを集めてみたんだ。どうかな?」
「わあ!ありがとう!よく知ってるね?」
「でしょう?どうしてかは聞かないでね?」
「うん、そうしとくね。」
ニッコリと満足気に笑ったカインは自分の席に戻った。
それからは雑談したりして、楽しい時間を過ごしている。そして、どうしてノインがあんなに緊張していたのか、その理由が分かったんだ!
「旦那様、奥様。ロイ様が戻られました。」
「連れて来てくれるかしら?」
「畏まりました。」
そう言って使用人さんが屋敷の中へ入って行った。ロイ……確か侯爵家の長男だったはず……僕達より四歳年上なんだよね。学校の帰りかな?
そんなことを考えているとロイ様が来た。顔立ちは夫人に似てる感じかな。
「お久しぶりです、王子殿下、王女殿下。」
ロイ様はふんわり微笑んでお辞儀をした。……今日、侯爵家に来て思ったけど、侯爵様一家は笑顔がいいんだよね。……本当にどうしてクオンはああなっちゃったんだろ……
「久しぶりだね、ロイ。学園の帰りかい?」
「はい、殿下方がいらっしゃると聞き、参りました。我が家のテラスは心地いいでしょう?」
「そうだね、お菓子も美味しかったよ。」
「ふふ、それはよかったです。是非、ゆっくりして下さい。」
ここまでカインと話していたロイ様が僕と優依の顔を見た。
「お初にお目にかかります、ロイ様。ウィルター辺境伯の三男、ルーク ウィルターです。」
「はじめまして、ロイ様。ルークの妹のユイです。」
「はじめまして、ルークさん、ユイさん。私はニーヴェ侯爵家の長男、ロイ ニーヴェです。お会いできて嬉しいです。……私に協力できることがありましたらなんでも言ってください。お手伝い致します。」
と、後半は僕達の耳の近くで小声で言ってくれた。ロイ様も知ってるみたいだね!
「「ありがとうございます。」」
僕達が声を揃えて言うと、ロイ様はふんわり微笑んでノインの前に立った。
「お久しぶりですね、殿下。」
「は、はい…久しぶりですね、ロイさん。」
ノインはロイ様に話しかけられて、少し下を向き、もじもじしてる。……あ…そういうことか。だからあんなに緊張してたんだ。
「お気に召さないことでもございましたか?」
「い、いえ!な、ないです!」
「ふふふ、そうですか。先程声をかけた時に返事がなかったものですから、てっきりお気に召さないことがあったのかと思ってしまいました。」
冗談ぽくロイ様が言った。
「ないです!」
「それはよかったです。……本当はもう少し話していたいのですが……学園の宿題が残っていますのでこれで失礼します。またお会いしましょう、王女殿下。」
最後にノインの手を取り、ロイ様はそっと手に口づけをした。ノインの顔は真っ赤になってて耳まで赤くなってるよ!
「では、失礼します。」
そう言って去っていったロイ様をノインは見えなくなるまで目で追っていたのだった……
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