くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず

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終業式

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「それでそれで?どこが好きなの?」

「うぅ……そ、それは…………はぅ……」

僕達は寮に戻って夕食を食べてるんだけど……帰って早々優依に質問攻めにされたノインの顔は真っ赤になってるよ!

「一目惚れだよね。私達の5歳の誕生日パーティーの時に会って一目惚れしたんだよ。ね?ノイン?」

「もう!カ、カイン!言わないでよ!」

5歳の時に!?初恋早くない!?

「ロイも婚約者はいないし、侯爵令息だからいいと思うけどね。早くしないと別の人にとられるよ?」

「イヤだ!」

「ならアタックしたらいいのに…」

「それは恥ずかしいの!」

カインはノインとロイ様が結婚するのに賛成みたいだね!まぁ、ロイ様がノインのことをどう思ってるかは分からないけど……

基本的にテンバーナ王国では恋愛結婚で、政略結婚はほとんどないよ!だから平民が貴族になったり貴族が平民になったりもあるんだよね。結婚が自由なのはいいよね!

「ユイは!?ユイはどうなの!?好きな人いないの?」

ノインがごまかすように優依に話を振った。でも確かに……優依はいるのかな?ハッキリ言って興味なさそう……

「え?いるよ?」

「えぇ!?いるの!?」

意外な返事でつい大声が出ちゃった……

「うん、いるよー♪前世から変わってないの。」

え!?そうなの!?

「あー…なるほどね…」

よく分からないけどノインは何か納得したみたい……カインも頷いてるし……

「誰だと思う?ルークが当てれたら教えてあげる!」

優依がいたずらっ子みたいな笑みを見せる。

う~ん…優依の好きな人かぁ……前世から変わってないって……クラスメイトかな?

「…………蒼汰そうた君?」

蒼汰君は小学校の時からの同級生で、イタズラ好きだったんだよね。優依はイタズラされたらいつも追いかけ回してたんだ!なんだかんだで仲良かったと思う!優依も蒼汰君が風邪で休んだ時にお見舞いにリンゴ持って行ってたし!

「ざーんねーん!不正解!」

「えぇ…仲良さそうだったのに……」

不正解なんだ……分かんないよ……

「と、いうことでルークには教えてあげませーん!」

「えー……」

うぅ……残念……

「ま、恋ばなはこれくらいにして明日は終業式だから早めに休もうか。」

「そうだね。」

夕食の片付けと寝る準備をして今日はいつもより早めに寝ることにした。



翌日……

僕達は朝の支度をして教室に集まった。

「おはよう!いい天気だな!」

『おはようございます。』

……相変わらず学長さんは元気だなぁ……

「今日は終業式が終われば解散だ!では早速講堂に向かおう!」

……ということで、僕達は全生徒が集まる講堂にやって来た。この講堂は入学式の時に集まったのと同じだね!

「では、これより終業式を始めます。」

舞台袖から司会の人が出てきた。

「まずは学長からの挨拶です。学長、よろしくお願いします。」

司会の人が言うと、司会さんは舞台袖に戻って、学長さんが出てきた。台本かな?学長さんの手には一枚の紙がある。舞台の真ん中まで来た学長さんは紙を見ながら話し始めた。

「……皆さん、今日は夏期休暇に入る前の節目の…………うむ!面倒だ!」

学長さんは台本をビリビリッと破いて投げ捨てた。……なんというか……他の先生達が頭を抱えてるのが分かるよ……

「こういうことはオレには向かん!よし!諸君!明日からは夏期休暇だ!存分にはしゃげ!まぁ、はしゃぎ過ぎるのも良くないがな!ガハハハハッ!オレからの話しは終わりだ!では諸君!また休暇明けに会おう!全員解散だ!」

学長さんのこの一言で上級生達は教室に帰り始めた。

……え?今ので終わったの……?終業式だよ……?これでいいの……?もっと話すことがあるような……まぁ、学長さんだからね……まいっか!

教室に帰り始めた上級生を見て一年生も教室に帰り始めた。なんか……もう先輩達は慣れてるんだね……


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