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12.上司のこと
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※エミリオサイド
俺の直属の上官は、カイル・ラ・ヴァング大佐で、幼い頃からの友人でもある。
名門ヴァング家出身。それだけではなく、頭も顔も見た目、さらに剣の腕も上官としての能力も完璧。若くして大佐にまで登りつめたのは、決して家柄だけではない。そんなバケモノみたいな男。
性格も真面目で堅物だ。バカみたいに強いのに訓練や鍛錬を欠かない。厳しい分恐れられつつも、部下からの信頼も憧れも一心に集めている。
この国では割合は多くはないが、同性婚も認められている。彼は男女問わず人を惹きつける、最高級の黒い狼だ。
そんなカイルが、俺を伴い謁見の間で王への報告を行なっている。
傍らには彫りの深いダンディな初老の男性。カイルの父親でもあり王国軍のヴァング将軍もちょっと驚いた顔をした。
迷い人は王宮ではなく、カイルがもっともらしい理由を並べて、引き続き自分が保護したい旨を告げたからだ。
「そうだね、王宮だと自由もなくその迷い人も窮屈だらろうね。大佐なら安心して任せられるからお願いしようか。
落ち着いたら謁見しよう。それでいいよね、将軍?」
そう柔和な表情で王に言われてしまえば、将軍も反対する理由もない。
迷い人はカイル預りに決定した。
そのかわいこちゃんをかなり気に入ったのかもしれないけど、これ、職権乱用じゃないの?
夕方置いていかれないためにも、書類関係の仕事をバリバリ片付た。午後からは集合訓練だったが、いつも通り厳しかった。
部下を鍛えあげているカイルは相変わらず怖い。指導しながら同じ訓練をこなし、さらに。模擬刀で個別に実践形式の打ち合いを行うバケモノみたいな姿も普段と変わらない。
俺は美人のメイドさんマリアにも会えるし、その迷い人とやらの興味でウキウキ過ごした。
カイルの変化は勘ぐりすぎかなと思ったが、それはやはり大きな間違いだったと気づいたのは、一緒にカイルの屋敷に帰った時だった。
俺の直属の上官は、カイル・ラ・ヴァング大佐で、幼い頃からの友人でもある。
名門ヴァング家出身。それだけではなく、頭も顔も見た目、さらに剣の腕も上官としての能力も完璧。若くして大佐にまで登りつめたのは、決して家柄だけではない。そんなバケモノみたいな男。
性格も真面目で堅物だ。バカみたいに強いのに訓練や鍛錬を欠かない。厳しい分恐れられつつも、部下からの信頼も憧れも一心に集めている。
この国では割合は多くはないが、同性婚も認められている。彼は男女問わず人を惹きつける、最高級の黒い狼だ。
そんなカイルが、俺を伴い謁見の間で王への報告を行なっている。
傍らには彫りの深いダンディな初老の男性。カイルの父親でもあり王国軍のヴァング将軍もちょっと驚いた顔をした。
迷い人は王宮ではなく、カイルがもっともらしい理由を並べて、引き続き自分が保護したい旨を告げたからだ。
「そうだね、王宮だと自由もなくその迷い人も窮屈だらろうね。大佐なら安心して任せられるからお願いしようか。
落ち着いたら謁見しよう。それでいいよね、将軍?」
そう柔和な表情で王に言われてしまえば、将軍も反対する理由もない。
迷い人はカイル預りに決定した。
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