2 / 140
第2話 奇跡の歌い手
しおりを挟む
こんな混乱しきり、恐怖で摩耗した状況。
ならあの歌しかない。
作中では死の恐怖に怯え、パニックに陥った民衆を歌で止め、沈めた歌。
楽器も何もない状況で、アカペラで歌って人の心を喜びで満たした歌だ。
――真空のダイヤモンドクレバス――
そして私は歌い始めた。
突然歌い始めた私に、周りの騎士たちは言い合いを止め、静まり返る。
巌の様な騎士も、若い騎士も同様に。
どの顔にも驚きというか、唖然とした表情が浮かんでいた。
でも知るもんか。もう私は止められないし、止まらない。そういう風に、私は出来ているから。
私は必死に切なさを込めて歌を紡いでいく。この人たちに日本語が通じるかは分からない。もしかしたら全然通じないのかもしれないけど、構うものか。
歌は全国共通語で、いい歌は国境も人種も超えるんだ。
段々と騎士たちの表情が和らいでいく。中には目を瞑って私の歌に身を任せる騎士だっている。
だが、巌の様な騎士だけは違った。我を取り戻すと、一歩踏み込んでくる。
そんなに台本が大事か。
でも私は立ち上がると更に声を張り上げる。ちょうどサビのところだし、高音で畳みかけるところだ。
そんな私に圧倒されたのか、一歩、その騎士は後退った。
巌の騎士の肩を、壮年の騎士が叩く。巌の騎士が振り向き、壮年の騎士は諭す様に首を横に振った。
それで、論争に決着はついた。
それから五分間。その世界を私の歌声が支配した。
透き通るような細い私の声が大気に混じって消える。
それでも歌の残滓は残り、騎士さんたちの心を満たしていた。
「……ふぅ……」
歌い終わった私は、ひとつ大きな吐息を漏らした。
それで私の歌が終わったことを理解したのか、騎士さん達から拍手が沸き起こった。あの巌の様な騎士も手を叩いていた。みんな、あれほど厳しかった顔が、今は喜びに満ちている。
ただ一人、若い騎士だけが穴が開きそうなほど私の顔を凝視していて……。
「なに?」
こんなに上手いと思わなかった? なんてちょっと自画自賛すぎかな。
「…………」
騎士は、何故か不満そうな顔でこちらを見ると、ふいっと顔を背けてしまった。ああ、そうか。助ける役目を潰されてしまったからご機嫌斜めなのか。
ごめんね。女性が強いのは最近の流行りなんだ。
ただ助けられるお姫様な存在じゃないの。自分で銃をぶっ放していくんだ。まあ、私がぶっ放したのは歌声だけど。
さて、そろそろドッキリ! みたいな事書いた看板を持った人が出てくるタイミングかな?
企画壊しちゃってごめんね? 反省してないけど。
せめて、怖かったです~くらいは言っておこう。
なんて思っていたんだけど……。
騎士さん達はそれぞれ地面に座り直し、ちょっと興味深そうな視線を私に向けるだけだった。
ちなみに私を拘束していた騎士さんは、ドアを背に座り込んでいて、私を逃がすつもりはなさそうだ。
「……あれ? ドッキリじゃないの?」
そう聞いてみても、騎士さん達は不思議そうな顔をして肩をすくめるだけだった。
というか日本語自体通じている気配がしない。
もしかしたらまだ続くのかもしれないなぁ……。それか、私が壊しちゃった台本を作り直してるとか。
仕方ないか。とりあえず待とう。
私はそういう結論に至ったので、壁際までよちよちよ歩いて行って座り込んだ。
「いったぁ……」
足裏はちょっと皮膚が破れてしまっており、血も出てしまっていた。
ぺしぺしと泥を払って見ても、消毒薬すらないのだからどうしようもなかい。
傷口をフーフーふいてみるが、焼け石に水。痛いものは痛かった。
私が困っているのを見かねたのか、先ほど最後に庇ってくれた壮年の騎士が水か何かが入った革袋と布切れを手に近づいてくる。
「あ、えっと、なんでしょう?」
言ってみても会話が通じるはずもなかった。
しかし、壮年の騎士は自分の事を指さし、
「ダール、ダール」
そう教えてくれる。
もしかして、この人の名前がダールってことかな? じゃあ私も……。えっと、名前の方がいいよね。
「雲母(きらら)。あいむキララ」
井伊谷(いいのや)雲母(きらら)。私の名前だ。
最近流行りのキラキラネームと思いきや、江戸時代からある由緒正しい名前だそうだ。つまり江戸時代の人もキラキラネームが好きだったということかもしれない。
人間の感性ってそう変わるもんじゃないよね。
「キララ」
ダールさんは笑って私に片手を差し出した。
わぁ、何このダンディなおじさま。ちょっと私のタイプかも。ぜひあのイケメンの若い騎士と絡んで欲しいな。……じゃない。またいけない方向に思考が飛んじゃった。
はい、握手ね。うん、握手は友好の証。
オジ様……じゃなくてダールさんは私とにこやかに握手を交わした後、足を指さして革袋を掲げて見せた。
どうやら傷口の治療をしてくれるらしかった。
「ありがとうございます」
見栄を張っても仕方ない。私は素直にお礼を言って頭を下げた。
あ、頭を下げるのって日本とかアジア側のお礼で、欧米の人にはあんまり理解されないんだっけ? まあいいや。きっと雰囲気で分かってくれるはず。
ダールさんは何か分からない言葉で私に話しかけてくる。きっと急かされているんだろうな。
そう考えた私は、素直にニーソックスを脱ぎ、怪我している方の足を、逆側の足の上に乗せて、傷口を見せた。
ちょっと行儀が悪いかもしれないけど、そうしないとショーツが見えちゃうし……。
ああもう、こんなことならパンツ履いとけばよかった。
でもお洒落にミニスカとか履きたいし……悩ましいところ。
「つっ」
なんて悩んでいるうちに、ダールさんは傷口に何か琥珀色の液体をかけていた。匂いからしてお酒か何かだろう。確かに消毒薬の代わりになるかもしれなかった。
私が声を上げたからか、ダールさんが心配そうな顔で手を止めている。
「すみません、お願いします」
しばらく経った後、雰囲気を察したダールさんは治療を再開してくれた。
「~~~~っ」
今度は私も歯を食いしばって、声を上げないようにする。
でも……いったいよぉ……。
そうして我慢しているうちに、治療は終わってくれた。
「ありがとうございますっ」
私はぴょこんっと立ち上がって何度も頭を下げたのだが、ダールさんは何でもないよと言う風に手を振って、道具を懐に仕舞った。
なんて器の大きい人だろう。
ダールさんはその後も私に何事か話しかけてくれたのだけど……ごめんなさい、その言葉何語かさっぱり理解できません。
う~ん、どうしよ。とりあえず、ここどこだろう。
「ダールさん」
えっと……。
私はここ、と言いながら何度も地面を指さし、外人のよくやるワァイッ? みたいな両手のひらを肩と水平に持ち上げてみる。ついでに首も傾げて見せた。
これで伝わるかな? お願い!
ダールさんはしばらく考え込んでいたが、やがてうんうんと大きく頷くと、そこら辺に転がっていた石を拾ってきて、床にガリガリと何か地図らしき絵を描いていった。
「……オーストラリア?」
その形は細部はだいぶ違うけど、地図でよく知るオーストラリア大陸みたいな形をしていた。
というかオーストラリアじゃないか。テレビの企画だとしたら、オーストラリアに西洋風の騎士が居るなんてめちゃくちゃミスマッチだ。
あ、いや。もしかしたらダールさんの故郷がオーストラリアなのかも?
「キララ」
なんてことを考えていた私を他所に、ダールさんは地図の一か所を指さしてくれた。
「それがココなんですか?」
私も同じ場所を右手で指し、左手で大袈裟に地面を指す。
ダールさんは大きく頷いて肯定してくれる。どうやらマジでこの場所はオーストラリアみたいな場所にあるらしい。
「えっと……もしかしてもしかするんだけど……」
私の中に嫌な考えが一つ浮かんだ。
アニメや漫画好きならもっと早くに気付くべきだったのかもしれない。でも……。
「え、言葉通じないしチート能力とかもらってないよ? どうするの? え? すっごいハードモードじゃない? ハード通り越してナイトメアっぽくない!?」
もしかしたら私は異世界に転移したのかもしれなかった。
「嘘でしょ? テレビじゃないの? え、じゃあさっき私本当に殺され……」
パニックに陥った私が、先ほどの巌の様な老騎士へと視線を向けた瞬間。
――ドンドンドンッ。
家のドアが激しい勢いで叩かれた。
ならあの歌しかない。
作中では死の恐怖に怯え、パニックに陥った民衆を歌で止め、沈めた歌。
楽器も何もない状況で、アカペラで歌って人の心を喜びで満たした歌だ。
――真空のダイヤモンドクレバス――
そして私は歌い始めた。
突然歌い始めた私に、周りの騎士たちは言い合いを止め、静まり返る。
巌の様な騎士も、若い騎士も同様に。
どの顔にも驚きというか、唖然とした表情が浮かんでいた。
でも知るもんか。もう私は止められないし、止まらない。そういう風に、私は出来ているから。
私は必死に切なさを込めて歌を紡いでいく。この人たちに日本語が通じるかは分からない。もしかしたら全然通じないのかもしれないけど、構うものか。
歌は全国共通語で、いい歌は国境も人種も超えるんだ。
段々と騎士たちの表情が和らいでいく。中には目を瞑って私の歌に身を任せる騎士だっている。
だが、巌の様な騎士だけは違った。我を取り戻すと、一歩踏み込んでくる。
そんなに台本が大事か。
でも私は立ち上がると更に声を張り上げる。ちょうどサビのところだし、高音で畳みかけるところだ。
そんな私に圧倒されたのか、一歩、その騎士は後退った。
巌の騎士の肩を、壮年の騎士が叩く。巌の騎士が振り向き、壮年の騎士は諭す様に首を横に振った。
それで、論争に決着はついた。
それから五分間。その世界を私の歌声が支配した。
透き通るような細い私の声が大気に混じって消える。
それでも歌の残滓は残り、騎士さんたちの心を満たしていた。
「……ふぅ……」
歌い終わった私は、ひとつ大きな吐息を漏らした。
それで私の歌が終わったことを理解したのか、騎士さん達から拍手が沸き起こった。あの巌の様な騎士も手を叩いていた。みんな、あれほど厳しかった顔が、今は喜びに満ちている。
ただ一人、若い騎士だけが穴が開きそうなほど私の顔を凝視していて……。
「なに?」
こんなに上手いと思わなかった? なんてちょっと自画自賛すぎかな。
「…………」
騎士は、何故か不満そうな顔でこちらを見ると、ふいっと顔を背けてしまった。ああ、そうか。助ける役目を潰されてしまったからご機嫌斜めなのか。
ごめんね。女性が強いのは最近の流行りなんだ。
ただ助けられるお姫様な存在じゃないの。自分で銃をぶっ放していくんだ。まあ、私がぶっ放したのは歌声だけど。
さて、そろそろドッキリ! みたいな事書いた看板を持った人が出てくるタイミングかな?
企画壊しちゃってごめんね? 反省してないけど。
せめて、怖かったです~くらいは言っておこう。
なんて思っていたんだけど……。
騎士さん達はそれぞれ地面に座り直し、ちょっと興味深そうな視線を私に向けるだけだった。
ちなみに私を拘束していた騎士さんは、ドアを背に座り込んでいて、私を逃がすつもりはなさそうだ。
「……あれ? ドッキリじゃないの?」
そう聞いてみても、騎士さん達は不思議そうな顔をして肩をすくめるだけだった。
というか日本語自体通じている気配がしない。
もしかしたらまだ続くのかもしれないなぁ……。それか、私が壊しちゃった台本を作り直してるとか。
仕方ないか。とりあえず待とう。
私はそういう結論に至ったので、壁際までよちよちよ歩いて行って座り込んだ。
「いったぁ……」
足裏はちょっと皮膚が破れてしまっており、血も出てしまっていた。
ぺしぺしと泥を払って見ても、消毒薬すらないのだからどうしようもなかい。
傷口をフーフーふいてみるが、焼け石に水。痛いものは痛かった。
私が困っているのを見かねたのか、先ほど最後に庇ってくれた壮年の騎士が水か何かが入った革袋と布切れを手に近づいてくる。
「あ、えっと、なんでしょう?」
言ってみても会話が通じるはずもなかった。
しかし、壮年の騎士は自分の事を指さし、
「ダール、ダール」
そう教えてくれる。
もしかして、この人の名前がダールってことかな? じゃあ私も……。えっと、名前の方がいいよね。
「雲母(きらら)。あいむキララ」
井伊谷(いいのや)雲母(きらら)。私の名前だ。
最近流行りのキラキラネームと思いきや、江戸時代からある由緒正しい名前だそうだ。つまり江戸時代の人もキラキラネームが好きだったということかもしれない。
人間の感性ってそう変わるもんじゃないよね。
「キララ」
ダールさんは笑って私に片手を差し出した。
わぁ、何このダンディなおじさま。ちょっと私のタイプかも。ぜひあのイケメンの若い騎士と絡んで欲しいな。……じゃない。またいけない方向に思考が飛んじゃった。
はい、握手ね。うん、握手は友好の証。
オジ様……じゃなくてダールさんは私とにこやかに握手を交わした後、足を指さして革袋を掲げて見せた。
どうやら傷口の治療をしてくれるらしかった。
「ありがとうございます」
見栄を張っても仕方ない。私は素直にお礼を言って頭を下げた。
あ、頭を下げるのって日本とかアジア側のお礼で、欧米の人にはあんまり理解されないんだっけ? まあいいや。きっと雰囲気で分かってくれるはず。
ダールさんは何か分からない言葉で私に話しかけてくる。きっと急かされているんだろうな。
そう考えた私は、素直にニーソックスを脱ぎ、怪我している方の足を、逆側の足の上に乗せて、傷口を見せた。
ちょっと行儀が悪いかもしれないけど、そうしないとショーツが見えちゃうし……。
ああもう、こんなことならパンツ履いとけばよかった。
でもお洒落にミニスカとか履きたいし……悩ましいところ。
「つっ」
なんて悩んでいるうちに、ダールさんは傷口に何か琥珀色の液体をかけていた。匂いからしてお酒か何かだろう。確かに消毒薬の代わりになるかもしれなかった。
私が声を上げたからか、ダールさんが心配そうな顔で手を止めている。
「すみません、お願いします」
しばらく経った後、雰囲気を察したダールさんは治療を再開してくれた。
「~~~~っ」
今度は私も歯を食いしばって、声を上げないようにする。
でも……いったいよぉ……。
そうして我慢しているうちに、治療は終わってくれた。
「ありがとうございますっ」
私はぴょこんっと立ち上がって何度も頭を下げたのだが、ダールさんは何でもないよと言う風に手を振って、道具を懐に仕舞った。
なんて器の大きい人だろう。
ダールさんはその後も私に何事か話しかけてくれたのだけど……ごめんなさい、その言葉何語かさっぱり理解できません。
う~ん、どうしよ。とりあえず、ここどこだろう。
「ダールさん」
えっと……。
私はここ、と言いながら何度も地面を指さし、外人のよくやるワァイッ? みたいな両手のひらを肩と水平に持ち上げてみる。ついでに首も傾げて見せた。
これで伝わるかな? お願い!
ダールさんはしばらく考え込んでいたが、やがてうんうんと大きく頷くと、そこら辺に転がっていた石を拾ってきて、床にガリガリと何か地図らしき絵を描いていった。
「……オーストラリア?」
その形は細部はだいぶ違うけど、地図でよく知るオーストラリア大陸みたいな形をしていた。
というかオーストラリアじゃないか。テレビの企画だとしたら、オーストラリアに西洋風の騎士が居るなんてめちゃくちゃミスマッチだ。
あ、いや。もしかしたらダールさんの故郷がオーストラリアなのかも?
「キララ」
なんてことを考えていた私を他所に、ダールさんは地図の一か所を指さしてくれた。
「それがココなんですか?」
私も同じ場所を右手で指し、左手で大袈裟に地面を指す。
ダールさんは大きく頷いて肯定してくれる。どうやらマジでこの場所はオーストラリアみたいな場所にあるらしい。
「えっと……もしかしてもしかするんだけど……」
私の中に嫌な考えが一つ浮かんだ。
アニメや漫画好きならもっと早くに気付くべきだったのかもしれない。でも……。
「え、言葉通じないしチート能力とかもらってないよ? どうするの? え? すっごいハードモードじゃない? ハード通り越してナイトメアっぽくない!?」
もしかしたら私は異世界に転移したのかもしれなかった。
「嘘でしょ? テレビじゃないの? え、じゃあさっき私本当に殺され……」
パニックに陥った私が、先ほどの巌の様な老騎士へと視線を向けた瞬間。
――ドンドンドンッ。
家のドアが激しい勢いで叩かれた。
1
あなたにおすすめの小説
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結】身分を隠して恋文相談屋をしていたら、子犬系騎士様が毎日通ってくるんですが?
エス
恋愛
前世で日本の文房具好き書店員だった記憶を持つ伯爵令嬢ミリアンヌは、父との約束で、絶対に身分を明かさないことを条件に、変装してオリジナル文具を扱うお店《ことのは堂》を開店することに。
文具の販売はもちろん、手紙の代筆や添削を通して、ささやかながら誰かの想いを届ける手助けをしていた。
そんなある日、イケメン騎士レイが突然来店し、ミリアンヌにいきなり愛の告白!? 聞けば、以前ミリアンヌが代筆したラブレターに感動し、本当の筆者である彼女を探して、告白しに来たのだとか。
もちろんキッパリ断りましたが、それ以来、彼は毎日ミリアンヌ宛ての恋文を抱えてやって来るようになりまして。
「あなた宛の恋文の、添削お願いします!」
......って言われましても、ねぇ?
レイの一途なアプローチに振り回されつつも、大好きな文房具に囲まれ、店主としての仕事を楽しむ日々。
お客様の相談にのったり、前世の知識を活かして、この世界にはない文房具を開発したり。
気づけば店は、騎士達から、果ては王城の使者までが買いに来る人気店に。お願いだから、身バレだけは勘弁してほしい!!
しかしついに、ミリアンヌの正体を知る者が、店にやって来て......!?
恋文から始まる、秘密だらけの恋とお仕事。果たしてその結末は!?
※ほかサイトで投稿していたものを、少し修正して投稿しています。
ブラック企業に勤めていた私、深夜帰宅途中にトラックにはねられ異世界転生、転生先がホワイト貴族すぎて困惑しております
さくら
恋愛
ブラック企業で心身をすり減らしていた私。
深夜残業の帰り道、トラックにはねられて目覚めた先は――まさかの異世界。
しかも転生先は「ホワイト貴族の領地」!?
毎日が定時退社、三食昼寝つき、村人たちは優しく、領主様はとんでもなくイケメンで……。
「働きすぎて倒れる世界」しか知らなかった私には、甘すぎる環境にただただ困惑するばかり。
けれど、領主レオンハルトはまっすぐに告げる。
「あなたを守りたい。隣に立ってほしい」
血筋も財産もない庶民の私が、彼に選ばれるなんてあり得ない――そう思っていたのに。
やがて王都の舞踏会、王や王妃との対面、数々の試練を経て、私たちは互いの覚悟を誓う。
社畜人生から一転、異世界で見つけたのは「愛されて生きる喜び」。
――これは、ブラックからホワイトへ、過労死寸前OLが掴む異世界恋愛譚。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる