68 / 140
第68話 拝謁が叶う時
しおりを挟む
私達がグラジオスから注意を受けて四日という時間が流れていた。
「本日十二時、グラジオス殿下の拝謁が叶います事をお伝えいたします」
グラジオスの私室にやってきたカシミールの遣いはそれだけ言うと、一礼して出て行ってしまう。
たったそれだけの事なのに、部屋の中には一気に緊張が走った。
私とハイネは目配せをして意互いの意思を確認する。
「十二時って……あと一時間じゃん。なんでこんなギリギリに……」
私達にあまり準備をさせないための措置だろうかと勘繰ってしまいそうになる。いや、実際そうなのだろう。
こちらも向こうの尻尾を掴むことは出来ないでいたが、向こうもグラジオスに害を加える事が出来なかったからこそ、こんな直接的な手段に出て来たのかもしれなかった。
「雲母。まだ変な事を考えているのか? やめろと言っただろう……」
「だから何もしてないって。あれからずっと一緒に居たでしょ?」
私はとにかく色んな理由を付けてグラジオスと同じ場所に居る様にしていた。
それはグラジオスを守る為でもあったし、私のアリバイを確保してハイネやエマが動きやすいようにするためでもあった。
「ハイネ。充電切れそうだから充電しといて」
私は先ほどまで楽譜作りのために使用していたICレコーダーをハイネに投げて渡す。
もちろん充電が切れそうだというのは嘘だ。
ハイネに逃亡の準備をさせるための建て前であったし、もしもの為に記録を残せる様、電池を満タンにしときたかったのだ。
「うっす。姉御の部屋っすか?」
「え~っと……。エマの部屋に置いて来たかも」
「…………」
「何にやけてんのよ」
こんな場合だというのに下心を覗かせるハイネに半ば呆れつつ、部屋から叩き出す。
私とグラジオス、二人きりになった部屋で私は彼の方へと向き直ると、腰に手を当て胸を張る。
「じゃ、グラジオスの身支度手伝ってあげるから」
「俺は子どもじゃない、一人でも出来る」
「じゃあ私の身支度手伝って?」
「…………」
マジ顔にならないでよ。どう反応すればいいのか分かんないじゃん。
冗談だからね?
「と、とにかくだ。俺は一人で……」
「私も行く」
私の答えはグラジオスも予想していたのだろう。彼は少し憂鬱そうに頭を掻くと、
私の目をまっすぐ見据える。
「雲母がどんな事を想像しているのかは知らん。だがそうはならん」
「そうなの? お父さんよくなればいいなって思ってたけどグラジオス案外薄情なんだね」
「混ぜっ返すな」
グラジオスは真剣な眼差しのまま、私の方へと歩いてきて……。
「え?」
ポンッと私の頭の上に手を置いた。
子供扱いすんなとかなんで急にとか、色々な思いが私の頭の中を駆け巡る。
でもそんな事などお構いなしに、グラジオスは私の頭を撫でた。
「お前たちが俺の事を考えてくれているのは、分かる」
肯定すれば私達がカシミールをどう思っているか言ってしまうのと同義だし、否定するのも違う。結局私はどういえばいいのか分からず、ただ黙ってグラジオスのされるがままになっていた。
「でもな、それは間違いだ。俺は……違うな。カシミールに理由がないから、カシミールは何もしないし何も考えていないよ」
もしかして、だけど。グラジオスも何か感じ取っていたのだろうか。
その上でグラジオスは何も起きなかったという様に納めたくて……?
じゃあもしかして私達のやったことは、グラジオスの足を引っ張って?
「ね、ねえ。それってどういう意味なの?」
「……全ては俺が父上に会ってから、だ」
グラジオスが何を考えているのかは私にはさっぱり分からない。
私が何度グラジオスを問いかけても、彼は薄い笑みを湛えるだけで何も答えてはくれなかった。
私とグラジオス、それにハイネはヴォルフラム四世王の寝所近くにまでやってきていた。
ヴォルフラム四世王の寝所は、縦長の廊下の一番奥にあり、そこより手前には兵士の詰め所や客人《・・》を待たせる部屋がある。
私達はその廊下の手前辺りで待たされることとなった。
寝所の扉が開き、中からカシミールが姿を現す。
カシミールは勿体ぶった感じでゆっくりこちらに歩いてくると、グラジオスに軽く頭を下げた。
「それでは、兄上以外の者はここで待っていてください」
「分かった」
予想通り、カシミールはグラジオスだけを切り離してヴォルフラム四世王と三人になるつもりらしかった。
私はハイネに目配せを送る。
ハイネはそれに小さく頷いて答えると、勢いよく立ち上がった。
「自分も陛下にご挨拶をしたいのですが」
いつもと違う喋り方で私としてはちょっと違和感があるのだが、ハイネは真面目腐った感じでカシミールに話しかける。
案の定、カシミールは怪訝な面持ちでハイネを眺めた後、
「従者如きが何を言って……」
明らかにハイネを見下した様子で冷笑した。
だがハイネは屈することなく姿勢を正すと、首元に付けられた徽章をカシミールが見えやすいように軽く指先で押さえる。
「自分は確かにグラジオス殿下の従者兼楽団員をやらさせていただいておりましたが、これでも貴族であります」
カシミールはハイネの徽章を確認しようと目を細め……その徽章の持つ意味を知って思わず息を飲んだ。
「自分の名はハイネ・モンターギュ。現モンターギュ家当主、アルベルト・モンターギュ侯爵の孫であります。一年半以上も国のために任務をこなして来た私が、陛下の容貌《おもばせ》を伺うこともさせていただけないのですか?」
「それ……は……」
意外過ぎる伏兵に、さすがのカシミールも持て余している様だった。
とはいえこれが現段階の私達が持っている最強の手札で、これ以上はない。何が何でも通すしかなかった。
「自分は一兵卒として砦を守り、命をかけて戦ったこともあります。国のため、王のためと仕えてまいりました。それでも自分がグラジオス殿下のお傍に控えておくことすらできないのですか?」
ハイネ自身は未だ爵位も持っていない一貴族でしかない。しかしその後ろには侯爵という、上にはザルバトル公爵しかいない大貴族が備えているのだ。
めったな扱いが出来るはずもなかった。
……考えてみればとんでもないのを舎弟にしちゃってるんだなぁ、私。
まあいいや。ハイネはハイネだし。
平民の女の子であるエマに鼻の下伸ばしながらドラム叩いてる気のいい青年だし。
本人も特別扱いなんて望んでないでしょ。
「ハイネ。すまないが俺からも頼む。少々遠慮してくれるか」
何言ってんのー!? アンタ守ろうとしてんのに、その壁を自分で排除してどうすんの? 馬鹿なの?
「殿下、少しだけでいいのです。自分が陛下のお役に立てた事を父と祖父に自慢するためにも……」
ハイネは味方からの誤射に焦りを隠せない様子だったが、それでもなんとか取り繕う。
ほんの少しでいいのだ。せめて入って中がどういう様子か窺うだけでも、本当にヴォルフラム四世王が生きているのかを知るだけでもだいぶ違うのだ。
今私達が一番危惧しているのは、あの部屋でヴォルフラム四世王が既に死んでおり、あそこにグラジオスが足を踏み入れた瞬間に犯人だと騒がれてその場で殺されてしまう事なのだから。
「……いいでしょう。ただし父上は衰弱しておりますので、会話などは出来ないとご理解いただきたい」
「ありがとうございます」
カシミールは苦々しそうにそう言うと、一人寝所に向かって歩き出した。
ハイネがチラリと私の方に視線を向けた後、グラジオスと共にその後を追う。
私は何も起こりませんようにと必死に心の中で祈りながら彼らの背中を見つめていた。
「本日十二時、グラジオス殿下の拝謁が叶います事をお伝えいたします」
グラジオスの私室にやってきたカシミールの遣いはそれだけ言うと、一礼して出て行ってしまう。
たったそれだけの事なのに、部屋の中には一気に緊張が走った。
私とハイネは目配せをして意互いの意思を確認する。
「十二時って……あと一時間じゃん。なんでこんなギリギリに……」
私達にあまり準備をさせないための措置だろうかと勘繰ってしまいそうになる。いや、実際そうなのだろう。
こちらも向こうの尻尾を掴むことは出来ないでいたが、向こうもグラジオスに害を加える事が出来なかったからこそ、こんな直接的な手段に出て来たのかもしれなかった。
「雲母。まだ変な事を考えているのか? やめろと言っただろう……」
「だから何もしてないって。あれからずっと一緒に居たでしょ?」
私はとにかく色んな理由を付けてグラジオスと同じ場所に居る様にしていた。
それはグラジオスを守る為でもあったし、私のアリバイを確保してハイネやエマが動きやすいようにするためでもあった。
「ハイネ。充電切れそうだから充電しといて」
私は先ほどまで楽譜作りのために使用していたICレコーダーをハイネに投げて渡す。
もちろん充電が切れそうだというのは嘘だ。
ハイネに逃亡の準備をさせるための建て前であったし、もしもの為に記録を残せる様、電池を満タンにしときたかったのだ。
「うっす。姉御の部屋っすか?」
「え~っと……。エマの部屋に置いて来たかも」
「…………」
「何にやけてんのよ」
こんな場合だというのに下心を覗かせるハイネに半ば呆れつつ、部屋から叩き出す。
私とグラジオス、二人きりになった部屋で私は彼の方へと向き直ると、腰に手を当て胸を張る。
「じゃ、グラジオスの身支度手伝ってあげるから」
「俺は子どもじゃない、一人でも出来る」
「じゃあ私の身支度手伝って?」
「…………」
マジ顔にならないでよ。どう反応すればいいのか分かんないじゃん。
冗談だからね?
「と、とにかくだ。俺は一人で……」
「私も行く」
私の答えはグラジオスも予想していたのだろう。彼は少し憂鬱そうに頭を掻くと、
私の目をまっすぐ見据える。
「雲母がどんな事を想像しているのかは知らん。だがそうはならん」
「そうなの? お父さんよくなればいいなって思ってたけどグラジオス案外薄情なんだね」
「混ぜっ返すな」
グラジオスは真剣な眼差しのまま、私の方へと歩いてきて……。
「え?」
ポンッと私の頭の上に手を置いた。
子供扱いすんなとかなんで急にとか、色々な思いが私の頭の中を駆け巡る。
でもそんな事などお構いなしに、グラジオスは私の頭を撫でた。
「お前たちが俺の事を考えてくれているのは、分かる」
肯定すれば私達がカシミールをどう思っているか言ってしまうのと同義だし、否定するのも違う。結局私はどういえばいいのか分からず、ただ黙ってグラジオスのされるがままになっていた。
「でもな、それは間違いだ。俺は……違うな。カシミールに理由がないから、カシミールは何もしないし何も考えていないよ」
もしかして、だけど。グラジオスも何か感じ取っていたのだろうか。
その上でグラジオスは何も起きなかったという様に納めたくて……?
じゃあもしかして私達のやったことは、グラジオスの足を引っ張って?
「ね、ねえ。それってどういう意味なの?」
「……全ては俺が父上に会ってから、だ」
グラジオスが何を考えているのかは私にはさっぱり分からない。
私が何度グラジオスを問いかけても、彼は薄い笑みを湛えるだけで何も答えてはくれなかった。
私とグラジオス、それにハイネはヴォルフラム四世王の寝所近くにまでやってきていた。
ヴォルフラム四世王の寝所は、縦長の廊下の一番奥にあり、そこより手前には兵士の詰め所や客人《・・》を待たせる部屋がある。
私達はその廊下の手前辺りで待たされることとなった。
寝所の扉が開き、中からカシミールが姿を現す。
カシミールは勿体ぶった感じでゆっくりこちらに歩いてくると、グラジオスに軽く頭を下げた。
「それでは、兄上以外の者はここで待っていてください」
「分かった」
予想通り、カシミールはグラジオスだけを切り離してヴォルフラム四世王と三人になるつもりらしかった。
私はハイネに目配せを送る。
ハイネはそれに小さく頷いて答えると、勢いよく立ち上がった。
「自分も陛下にご挨拶をしたいのですが」
いつもと違う喋り方で私としてはちょっと違和感があるのだが、ハイネは真面目腐った感じでカシミールに話しかける。
案の定、カシミールは怪訝な面持ちでハイネを眺めた後、
「従者如きが何を言って……」
明らかにハイネを見下した様子で冷笑した。
だがハイネは屈することなく姿勢を正すと、首元に付けられた徽章をカシミールが見えやすいように軽く指先で押さえる。
「自分は確かにグラジオス殿下の従者兼楽団員をやらさせていただいておりましたが、これでも貴族であります」
カシミールはハイネの徽章を確認しようと目を細め……その徽章の持つ意味を知って思わず息を飲んだ。
「自分の名はハイネ・モンターギュ。現モンターギュ家当主、アルベルト・モンターギュ侯爵の孫であります。一年半以上も国のために任務をこなして来た私が、陛下の容貌《おもばせ》を伺うこともさせていただけないのですか?」
「それ……は……」
意外過ぎる伏兵に、さすがのカシミールも持て余している様だった。
とはいえこれが現段階の私達が持っている最強の手札で、これ以上はない。何が何でも通すしかなかった。
「自分は一兵卒として砦を守り、命をかけて戦ったこともあります。国のため、王のためと仕えてまいりました。それでも自分がグラジオス殿下のお傍に控えておくことすらできないのですか?」
ハイネ自身は未だ爵位も持っていない一貴族でしかない。しかしその後ろには侯爵という、上にはザルバトル公爵しかいない大貴族が備えているのだ。
めったな扱いが出来るはずもなかった。
……考えてみればとんでもないのを舎弟にしちゃってるんだなぁ、私。
まあいいや。ハイネはハイネだし。
平民の女の子であるエマに鼻の下伸ばしながらドラム叩いてる気のいい青年だし。
本人も特別扱いなんて望んでないでしょ。
「ハイネ。すまないが俺からも頼む。少々遠慮してくれるか」
何言ってんのー!? アンタ守ろうとしてんのに、その壁を自分で排除してどうすんの? 馬鹿なの?
「殿下、少しだけでいいのです。自分が陛下のお役に立てた事を父と祖父に自慢するためにも……」
ハイネは味方からの誤射に焦りを隠せない様子だったが、それでもなんとか取り繕う。
ほんの少しでいいのだ。せめて入って中がどういう様子か窺うだけでも、本当にヴォルフラム四世王が生きているのかを知るだけでもだいぶ違うのだ。
今私達が一番危惧しているのは、あの部屋でヴォルフラム四世王が既に死んでおり、あそこにグラジオスが足を踏み入れた瞬間に犯人だと騒がれてその場で殺されてしまう事なのだから。
「……いいでしょう。ただし父上は衰弱しておりますので、会話などは出来ないとご理解いただきたい」
「ありがとうございます」
カシミールは苦々しそうにそう言うと、一人寝所に向かって歩き出した。
ハイネがチラリと私の方に視線を向けた後、グラジオスと共にその後を追う。
私は何も起こりませんようにと必死に心の中で祈りながら彼らの背中を見つめていた。
1
あなたにおすすめの小説
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結】身分を隠して恋文相談屋をしていたら、子犬系騎士様が毎日通ってくるんですが?
エス
恋愛
前世で日本の文房具好き書店員だった記憶を持つ伯爵令嬢ミリアンヌは、父との約束で、絶対に身分を明かさないことを条件に、変装してオリジナル文具を扱うお店《ことのは堂》を開店することに。
文具の販売はもちろん、手紙の代筆や添削を通して、ささやかながら誰かの想いを届ける手助けをしていた。
そんなある日、イケメン騎士レイが突然来店し、ミリアンヌにいきなり愛の告白!? 聞けば、以前ミリアンヌが代筆したラブレターに感動し、本当の筆者である彼女を探して、告白しに来たのだとか。
もちろんキッパリ断りましたが、それ以来、彼は毎日ミリアンヌ宛ての恋文を抱えてやって来るようになりまして。
「あなた宛の恋文の、添削お願いします!」
......って言われましても、ねぇ?
レイの一途なアプローチに振り回されつつも、大好きな文房具に囲まれ、店主としての仕事を楽しむ日々。
お客様の相談にのったり、前世の知識を活かして、この世界にはない文房具を開発したり。
気づけば店は、騎士達から、果ては王城の使者までが買いに来る人気店に。お願いだから、身バレだけは勘弁してほしい!!
しかしついに、ミリアンヌの正体を知る者が、店にやって来て......!?
恋文から始まる、秘密だらけの恋とお仕事。果たしてその結末は!?
※ほかサイトで投稿していたものを、少し修正して投稿しています。
ブラック企業に勤めていた私、深夜帰宅途中にトラックにはねられ異世界転生、転生先がホワイト貴族すぎて困惑しております
さくら
恋愛
ブラック企業で心身をすり減らしていた私。
深夜残業の帰り道、トラックにはねられて目覚めた先は――まさかの異世界。
しかも転生先は「ホワイト貴族の領地」!?
毎日が定時退社、三食昼寝つき、村人たちは優しく、領主様はとんでもなくイケメンで……。
「働きすぎて倒れる世界」しか知らなかった私には、甘すぎる環境にただただ困惑するばかり。
けれど、領主レオンハルトはまっすぐに告げる。
「あなたを守りたい。隣に立ってほしい」
血筋も財産もない庶民の私が、彼に選ばれるなんてあり得ない――そう思っていたのに。
やがて王都の舞踏会、王や王妃との対面、数々の試練を経て、私たちは互いの覚悟を誓う。
社畜人生から一転、異世界で見つけたのは「愛されて生きる喜び」。
――これは、ブラックからホワイトへ、過労死寸前OLが掴む異世界恋愛譚。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる