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第13話 ミッション6:二人で一緒に…
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「来ないな……」
毎朝6時きっかりに俺の部屋へとやってきていた蒼乃が、今日は20分経ってもやって来ない。風邪でもひいて調子を悪くして寝ているのかとも思ったが、蒼乃の部屋からは壁を叩く様な音が聞こえてくるため、既に起きて元気が有り余っている事は間違いない。
……仕方がない、こっちから呼びに行くか。
俺はスマホを手に、空色の寝巻きのまま部屋を出ると、すぐ隣のドアをコンコンとノックした。
「蒼乃、いつものするぞ」
それまでずっとゴソゴソいっていた物音がぱたりと止む。
大丈夫かな? と思い始める程度の時間が経ってからようやく、
「分かってる!」
なんて怒鳴り声が返って来た。
……昨日の引きずってんだろうなぁ。
蒼乃は寝顔を見られるのが死んでも嫌だと言っていた。何がそこまで嫌なのかは分からないが、相応のショックを受けたのだろう。
「顔合わせたくないなら画面タップするだけでいいから」
俺はそう言うとスマホを弄り始めた。
「行くからいい」
俺がタップした後スマホを置いて自分の部屋に帰るなりドアの隙間から蒼乃に渡すなりしようと考えていたのだが、どうやら必要ないらしい。
俺は早くしろよ、とだけ言い残して自分の部屋に入ろうとすると……。
『ダブルアップちゃ~んすっ!!』
「おわっ」
スマホから突然声が飛び出してくる。
予期せぬ現象に俺は慌て、思わずスマホを取り落としそうになってしまった。
『ちょっとだけミッションが難しくなるけど、サイコロが二つになるよ! これを期に、相手のあの娘と仲良くなって一気にゴールインしちゃおうっ!!』
そのままマシンガンの様にアニメ声で解説されるが、母親に聞かれてしまっては拙いという心理が働いている俺は、慌ててスマホの音量を下げていく。
下げ終わった時には既に説明が終わってしまっており、同じ文言が画面に浮かんでいたのだが。
「まったく……。なんだってんだよ」
俺は頭を掻きながら文章を読み進めていると、
「なに、今の」
蒼乃が興味を持ったのか、ドア越しに尋ねてくる。
俺はスマホの文言を読み上げて教えてやると、ガチャッと勢いよく目の前のドアが開いて蒼乃が顔を出した。
「する。絶対する」
「もっとよく考えろって。難しくなるって言ってんだぞ?」
「それでもするのっ。私はこのゲームを一秒でも早く終わらせたいのっ!」
昨日の事が原因なのだろうか。蒼乃はずいぶんと感情的になっている様だ。
そんなに俺に寝顔を見られたくなかったのかとちょっと凹む。
「そんなに難しくない今のミッションを続けた方がいいと思うんだがなぁ」
それに、だ。俺は少しだけこのゲーム感謝している所もあるのだ。
このゲームを始めて六日間。俺と蒼乃は以前の様な、本気で嫌い合う喧嘩を一度もしていない。これは間違いなくこのゲームのお陰である。
もしこのゲームが終わってしまったら、またあの様な喧嘩をする日々に戻ってしまうのではないかと、少しだけ恐怖を抱いていた。
「とにかく私は嫌なのっ!」
感情に任せて声を荒らげる蒼乃の口を押さえ、しーっと静かにする様に注意する。
静かにできるか? と目で問いかけると、蒼乃はやや不満そうな目ではあったものの、コクンと頷いてくれた。
「分かったから。とりあえずだな……」
俺は手を離して、視線を下に下げる。
蒼乃はいつもと違ってまだ制服に着替えておらず、ピンク色の柔らかそうな生地で、沢山フリルの付いた可愛らしい寝巻き姿のままであった。
蒼乃によく似あっていて、どこを見ていいのか少し困っていたのは内緒だ。
「お互い着替えようぜ」
その言葉で蒼乃は自分が寝間着姿をさらしている事に気付いたのか、両手で胸の前を掻き抱き、何とかして寝巻きを両手で隠そうと無駄な努力をする。
その顔は相変わらず羞恥の色に染まっており、よくもまあ朝からこれだけ元気だよなぁと感心してしまう位だ。
「だっ、だから私は早く終わらせたいのっ」
「いいじゃんか、可愛いパジャマだと思うぜ? よく似あってるし。なんも恥ずかしいことないだろ」
「ばかっ!」
蒼乃は俺の目の前でバタンッと音を立ててドアを閉める。
フォローしたつもりだったのだが、余計に起こらせてしまった様だった。
「それで、本当にするんだよな?」
「もちろん、当たり前でしょ」
俺の手元にあるスマホの画面には、する、しない、と丸文字で選択肢が表示されている。
ダブルアップしてミッションを難しくするが、代わりに二倍の速度で進むか、今までと同じ程度のミッションを続けるか。俺は蒼乃の言葉に押される形で、すると書かれた方をタップした。
『ダブルアップ適用~。サイコロが二つになるよ』
ゲームキャラがそう言うと、画面にサイコロが二つ表れた後、いつもと同じようにタップを要求される。
俺、蒼乃の順でタップしてサイコロを転がすと……。
『今日のミッションはこちらっ! 離れていいのは1メートルっ。二人で一時間、一緒に過ごしてね』
「……いち……メートル?」
「しかも一時間かよ……」
これはちょっとどころの話ではない。かなり難しくなっている。
これをクリアできるのなんて、確実に恋人とかそのぐらいの関係でなければ不可能ではないだろうか。
「……壁を挟んで座ってたら大丈夫なんじゃない?」
「そりゃ一緒って言わねえだろ」
スマホの画面には60:00と表示されている。試しにドアを挟んで立ってみたのだが、表示は小動もしなかった。
「つまり、かなり近い距離で一緒に居なきゃダメってことか……」
となると、一緒にやっていて不自然じゃない事をすればクリアは出来るはずだよな。
ゲームをソファにでも座って一緒にやれば、不自然ではないと思うが……問題は一緒にゲームをした事なんて、今まで一度もないってことだな。
同じ部屋に一時間一緒に居るのも、結構不自然だし……なにより母さんに見つかったらなんて言えばいいんだよ。
「まあ、テレビでも一緒に見るのが一番自然だよな」
「そう……ね」
それでいて近くに居ても変だと思われないもの……やっぱりあれしか思いつかねえな。
「なんかホラー映画でも借りて来るよ。ちょうど金曜だし言い訳も付くだろ」
なんて何の気なしに提案してみたら……蒼乃が固まってしまった。
感情のまったく乗らない瞳で、じっと俺を見つめている。
「な、なんだよ。これならお前が演技で、きゃーこわい。なんて言って俺に近づいてもなんもおかしくないだろ?」
「…………」
なんだ蒼乃。ちょっと怖いぞ。
一応背後に何か居るのかと思い、振り返って確認してみるが、当然の様に誰も居ない。良く晴れた青空が窓から見えるくらいである。
「ホラー苦手なら別のにしようか?」
一番俺たちが近づいても不自然じゃないジャンルだと思うんだが……。
「なんか蒼乃が見たいのでもいいぞ? 旧作限定だけど」
おーい、蒼乃~。
目の前でパタパタと手を振って反応を確かめてみるが……まだ固まったままだ。
そんなにホラー嫌いだったのか。
「じゃあなんか有名な恋愛え……」
「ホラーで大丈夫だから」
お、再起動したか。
「いや、無理すんなって」
「この科学全盛の時代にお化けみたいな非科学的な存在居るわけないって分かってるんだから、そんなもの怖いわけないでしょ」
お化け怖いんだな。じゃあ、ザ・わっかとか避けるか。
鯖子とか好きだったんだけどなぁ。まああれは最近ギャグ化してきてるけど。
「ホントにホラーでいいんだな?」
「つまんないホラー映画は嫌。だってつまらなかったら寝ちゃうかもしれないでしょ? そうなったらせっかく借りた映画が可哀そうじゃない? できればきちんと最後まで楽しめる映画がいいかな」
……急に饒舌になるとか怖いですって白状してるようなもんじゃん。
まったく、素直じゃねえんだから。
……キラートメイトォでも借りるか。多分楽しめないけど怖くもないだろ。
「もし怖かったとしても絶対私に抱き着いたりしないでね? そんなの気持ち悪いだけだし」
よ~し、ハロウィーン第一作目にするか。ちょうど最新作が公開されるとかで見たかったんだよな。蒼乃? 知ったこっちゃないね。怖くないって言ってるしいいだろ。
毎朝6時きっかりに俺の部屋へとやってきていた蒼乃が、今日は20分経ってもやって来ない。風邪でもひいて調子を悪くして寝ているのかとも思ったが、蒼乃の部屋からは壁を叩く様な音が聞こえてくるため、既に起きて元気が有り余っている事は間違いない。
……仕方がない、こっちから呼びに行くか。
俺はスマホを手に、空色の寝巻きのまま部屋を出ると、すぐ隣のドアをコンコンとノックした。
「蒼乃、いつものするぞ」
それまでずっとゴソゴソいっていた物音がぱたりと止む。
大丈夫かな? と思い始める程度の時間が経ってからようやく、
「分かってる!」
なんて怒鳴り声が返って来た。
……昨日の引きずってんだろうなぁ。
蒼乃は寝顔を見られるのが死んでも嫌だと言っていた。何がそこまで嫌なのかは分からないが、相応のショックを受けたのだろう。
「顔合わせたくないなら画面タップするだけでいいから」
俺はそう言うとスマホを弄り始めた。
「行くからいい」
俺がタップした後スマホを置いて自分の部屋に帰るなりドアの隙間から蒼乃に渡すなりしようと考えていたのだが、どうやら必要ないらしい。
俺は早くしろよ、とだけ言い残して自分の部屋に入ろうとすると……。
『ダブルアップちゃ~んすっ!!』
「おわっ」
スマホから突然声が飛び出してくる。
予期せぬ現象に俺は慌て、思わずスマホを取り落としそうになってしまった。
『ちょっとだけミッションが難しくなるけど、サイコロが二つになるよ! これを期に、相手のあの娘と仲良くなって一気にゴールインしちゃおうっ!!』
そのままマシンガンの様にアニメ声で解説されるが、母親に聞かれてしまっては拙いという心理が働いている俺は、慌ててスマホの音量を下げていく。
下げ終わった時には既に説明が終わってしまっており、同じ文言が画面に浮かんでいたのだが。
「まったく……。なんだってんだよ」
俺は頭を掻きながら文章を読み進めていると、
「なに、今の」
蒼乃が興味を持ったのか、ドア越しに尋ねてくる。
俺はスマホの文言を読み上げて教えてやると、ガチャッと勢いよく目の前のドアが開いて蒼乃が顔を出した。
「する。絶対する」
「もっとよく考えろって。難しくなるって言ってんだぞ?」
「それでもするのっ。私はこのゲームを一秒でも早く終わらせたいのっ!」
昨日の事が原因なのだろうか。蒼乃はずいぶんと感情的になっている様だ。
そんなに俺に寝顔を見られたくなかったのかとちょっと凹む。
「そんなに難しくない今のミッションを続けた方がいいと思うんだがなぁ」
それに、だ。俺は少しだけこのゲーム感謝している所もあるのだ。
このゲームを始めて六日間。俺と蒼乃は以前の様な、本気で嫌い合う喧嘩を一度もしていない。これは間違いなくこのゲームのお陰である。
もしこのゲームが終わってしまったら、またあの様な喧嘩をする日々に戻ってしまうのではないかと、少しだけ恐怖を抱いていた。
「とにかく私は嫌なのっ!」
感情に任せて声を荒らげる蒼乃の口を押さえ、しーっと静かにする様に注意する。
静かにできるか? と目で問いかけると、蒼乃はやや不満そうな目ではあったものの、コクンと頷いてくれた。
「分かったから。とりあえずだな……」
俺は手を離して、視線を下に下げる。
蒼乃はいつもと違ってまだ制服に着替えておらず、ピンク色の柔らかそうな生地で、沢山フリルの付いた可愛らしい寝巻き姿のままであった。
蒼乃によく似あっていて、どこを見ていいのか少し困っていたのは内緒だ。
「お互い着替えようぜ」
その言葉で蒼乃は自分が寝間着姿をさらしている事に気付いたのか、両手で胸の前を掻き抱き、何とかして寝巻きを両手で隠そうと無駄な努力をする。
その顔は相変わらず羞恥の色に染まっており、よくもまあ朝からこれだけ元気だよなぁと感心してしまう位だ。
「だっ、だから私は早く終わらせたいのっ」
「いいじゃんか、可愛いパジャマだと思うぜ? よく似あってるし。なんも恥ずかしいことないだろ」
「ばかっ!」
蒼乃は俺の目の前でバタンッと音を立ててドアを閉める。
フォローしたつもりだったのだが、余計に起こらせてしまった様だった。
「それで、本当にするんだよな?」
「もちろん、当たり前でしょ」
俺の手元にあるスマホの画面には、する、しない、と丸文字で選択肢が表示されている。
ダブルアップしてミッションを難しくするが、代わりに二倍の速度で進むか、今までと同じ程度のミッションを続けるか。俺は蒼乃の言葉に押される形で、すると書かれた方をタップした。
『ダブルアップ適用~。サイコロが二つになるよ』
ゲームキャラがそう言うと、画面にサイコロが二つ表れた後、いつもと同じようにタップを要求される。
俺、蒼乃の順でタップしてサイコロを転がすと……。
『今日のミッションはこちらっ! 離れていいのは1メートルっ。二人で一時間、一緒に過ごしてね』
「……いち……メートル?」
「しかも一時間かよ……」
これはちょっとどころの話ではない。かなり難しくなっている。
これをクリアできるのなんて、確実に恋人とかそのぐらいの関係でなければ不可能ではないだろうか。
「……壁を挟んで座ってたら大丈夫なんじゃない?」
「そりゃ一緒って言わねえだろ」
スマホの画面には60:00と表示されている。試しにドアを挟んで立ってみたのだが、表示は小動もしなかった。
「つまり、かなり近い距離で一緒に居なきゃダメってことか……」
となると、一緒にやっていて不自然じゃない事をすればクリアは出来るはずだよな。
ゲームをソファにでも座って一緒にやれば、不自然ではないと思うが……問題は一緒にゲームをした事なんて、今まで一度もないってことだな。
同じ部屋に一時間一緒に居るのも、結構不自然だし……なにより母さんに見つかったらなんて言えばいいんだよ。
「まあ、テレビでも一緒に見るのが一番自然だよな」
「そう……ね」
それでいて近くに居ても変だと思われないもの……やっぱりあれしか思いつかねえな。
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「な、なんだよ。これならお前が演技で、きゃーこわい。なんて言って俺に近づいてもなんもおかしくないだろ?」
「…………」
なんだ蒼乃。ちょっと怖いぞ。
一応背後に何か居るのかと思い、振り返って確認してみるが、当然の様に誰も居ない。良く晴れた青空が窓から見えるくらいである。
「ホラー苦手なら別のにしようか?」
一番俺たちが近づいても不自然じゃないジャンルだと思うんだが……。
「なんか蒼乃が見たいのでもいいぞ? 旧作限定だけど」
おーい、蒼乃~。
目の前でパタパタと手を振って反応を確かめてみるが……まだ固まったままだ。
そんなにホラー嫌いだったのか。
「じゃあなんか有名な恋愛え……」
「ホラーで大丈夫だから」
お、再起動したか。
「いや、無理すんなって」
「この科学全盛の時代にお化けみたいな非科学的な存在居るわけないって分かってるんだから、そんなもの怖いわけないでしょ」
お化け怖いんだな。じゃあ、ザ・わっかとか避けるか。
鯖子とか好きだったんだけどなぁ。まああれは最近ギャグ化してきてるけど。
「ホントにホラーでいいんだな?」
「つまんないホラー映画は嫌。だってつまらなかったら寝ちゃうかもしれないでしょ? そうなったらせっかく借りた映画が可哀そうじゃない? できればきちんと最後まで楽しめる映画がいいかな」
……急に饒舌になるとか怖いですって白状してるようなもんじゃん。
まったく、素直じゃねえんだから。
……キラートメイトォでも借りるか。多分楽しめないけど怖くもないだろ。
「もし怖かったとしても絶対私に抱き着いたりしないでね? そんなの気持ち悪いだけだし」
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