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一瞬心臓が止まるほどの冷水をかけられて、私の意識は現実へと引き戻されました。
…嗚呼、そういえば捕まってしまったのでしたわね。
両手足を手錠で繋がれ、ドレスもズタズタになって…とても淑女らしくありませんわ。
目の前で下卑た笑みを浮かべるのは…嗚呼、麻薬に手を出した悪徳商人でしたわね。名前は忘れてしまいましたけれど。
どうやら私が…いいえ公爵家が近々仕掛けてくるのは分かっていたようです。
一体どこから情報が漏れてしまったのでしょうね。
この部屋…密室のようですけれど、明らかに拷問部屋とでも言うような、殺風景な部屋ですわ。
手錠も手を切り落とさなければ取れないほど頑丈なものでは無いようですし、早く屋敷に帰ってお父様に報告しなければいけませんね。
「このようなお見苦しい姿で申し訳ないのですが、ここは何処なのか教えて頂けませんか?」
目の前にいるのは二人の中年男性。1人の体格はふくよかな肉付きで、もう1人は中肉中背。
「ここは下町で俺が借りてる倉庫だ。住宅街からも離れてるから、お嬢ちゃんが泣き叫んだところで外のヤツらには聞こえねぇよ。」
なるほど…おおよそ屋敷までは歩いて5.6時間と言った所でしょうか。良い情報を頂きました。
「態々お答え頂きありがとうございます。ではお礼と言ってはなんですが…私の初めてを貰っては頂けませんか?」
あざと過ぎず少し官能的な声に、少し涙腺を刺激して眉を下げて涙目で男性達を見上げますの。
経験の少ない男ならばこれだけで十分だと、先生やローズお姉様からは教わっていますわ。
「フヒッ。お嬢ちゃん、よく分かってんじゃねぇか…。」
「おい、罠かもしれないから気をつけろよ!」
ふくよかな男性は見た目の通り欲望に忠実なようですが、中肉中背の男性は少し疑り深いようです。
「罠だなんてそんなッ…!一体この状態の私に何が出来るというのです…?」
儚げに、まるで恥辱に耐える健気な女の子のように上目遣いで説得すれば、男性はうっ、と苦しそうな表情で固まりました。
そう。きっと彼には私が何か仕掛けていると分かっているのでしょう。だって私はあのブラックロペス公爵家の娘なのですから。
なんの策も講じず、まるで馬鹿の一つ覚えのようにナイフを持って特攻し、そう簡単に捕まるわけがないのです。
けれど彼はそこまで分かっていながら、この私の計算し尽くされた言動によって掻き立てられた欲に抗えないのです。
だって人間は自己中心的で欲に素直な生き物なのですから。
「その通りだ!大丈夫。俺が優しくお嬢ちゃんの初めてを奪ってやるからよ。」
「ではどうか…接物から…。私、男性と接物をしたことがありませんの…。」
花も恥じらう乙女のようにそうお願いすれば、男性はまるで餌を貪る豚のように食いついて来ましたわ。
嗚呼、なんて臭くて汚くて下品なのでしょう。
私は自分の唾液を男性の口の中にねじ込むと、まるで初めての接物に苦しむ乙女のように顔を逸らしました。
以前ならば吐き気を催す程の嫌悪感を抱いていましたが、慣れというものは恐ろしいですわね。
「んっ…舌が切れてしまいましたわ。」
本当は自分で切ったのですけれどね。
勿論お二人はそんなことには気付かずに、私の舌から滴り落ちる血を情欲を含んだ瞳で見ていました。
さぁほら、早く舐めたいのでしょう?
好きにして良いのですよ。今は、貴方達が私の命を握っているのですから。
案の定街中から離れたこの倉庫には、あの男性が他の貴族から買い取った麻薬が大量に保管してありました。
全てに火がついたのを確認すると、私は屋敷へと歩みを進めます。今頃はあの方達も美味しく焼きあがっていることでしょう。
嗚呼、少しばかり麻薬を頂戴して、ローズお姉様の婚約祝いにお渡しすれば良かったわ。
お姉様は新しいものを好むから、きっと喜んでくれたでしょうに。
勿体ないことをしましたわね。
…まぁそれよりも今は夜が開ける前に家に帰って、この穢れた体を清潔にするのが1番ですわ。
私だって純潔ではありませんけれど、あの様な下卑た人間に接物をされるのはなかなか耐え難いものがあります。
まぁ毒の効きが思ったりも早くて良かったですわ。
もしあのまま接物以上の行為に…なんて、考えただけでも鳥肌が立ちますもの。
けれどこれでこの毒の効果も分かりましたし、また改良が見込めそうですわね。
予想通り5時間程かかって屋敷に着いた頃にはもう日が昇り始めていたので、私はメイドに命じて直ぐに湯浴みをすると自室のベッドへと入りました。
…嗚呼、そういえば捕まってしまったのでしたわね。
両手足を手錠で繋がれ、ドレスもズタズタになって…とても淑女らしくありませんわ。
目の前で下卑た笑みを浮かべるのは…嗚呼、麻薬に手を出した悪徳商人でしたわね。名前は忘れてしまいましたけれど。
どうやら私が…いいえ公爵家が近々仕掛けてくるのは分かっていたようです。
一体どこから情報が漏れてしまったのでしょうね。
この部屋…密室のようですけれど、明らかに拷問部屋とでも言うような、殺風景な部屋ですわ。
手錠も手を切り落とさなければ取れないほど頑丈なものでは無いようですし、早く屋敷に帰ってお父様に報告しなければいけませんね。
「このようなお見苦しい姿で申し訳ないのですが、ここは何処なのか教えて頂けませんか?」
目の前にいるのは二人の中年男性。1人の体格はふくよかな肉付きで、もう1人は中肉中背。
「ここは下町で俺が借りてる倉庫だ。住宅街からも離れてるから、お嬢ちゃんが泣き叫んだところで外のヤツらには聞こえねぇよ。」
なるほど…おおよそ屋敷までは歩いて5.6時間と言った所でしょうか。良い情報を頂きました。
「態々お答え頂きありがとうございます。ではお礼と言ってはなんですが…私の初めてを貰っては頂けませんか?」
あざと過ぎず少し官能的な声に、少し涙腺を刺激して眉を下げて涙目で男性達を見上げますの。
経験の少ない男ならばこれだけで十分だと、先生やローズお姉様からは教わっていますわ。
「フヒッ。お嬢ちゃん、よく分かってんじゃねぇか…。」
「おい、罠かもしれないから気をつけろよ!」
ふくよかな男性は見た目の通り欲望に忠実なようですが、中肉中背の男性は少し疑り深いようです。
「罠だなんてそんなッ…!一体この状態の私に何が出来るというのです…?」
儚げに、まるで恥辱に耐える健気な女の子のように上目遣いで説得すれば、男性はうっ、と苦しそうな表情で固まりました。
そう。きっと彼には私が何か仕掛けていると分かっているのでしょう。だって私はあのブラックロペス公爵家の娘なのですから。
なんの策も講じず、まるで馬鹿の一つ覚えのようにナイフを持って特攻し、そう簡単に捕まるわけがないのです。
けれど彼はそこまで分かっていながら、この私の計算し尽くされた言動によって掻き立てられた欲に抗えないのです。
だって人間は自己中心的で欲に素直な生き物なのですから。
「その通りだ!大丈夫。俺が優しくお嬢ちゃんの初めてを奪ってやるからよ。」
「ではどうか…接物から…。私、男性と接物をしたことがありませんの…。」
花も恥じらう乙女のようにそうお願いすれば、男性はまるで餌を貪る豚のように食いついて来ましたわ。
嗚呼、なんて臭くて汚くて下品なのでしょう。
私は自分の唾液を男性の口の中にねじ込むと、まるで初めての接物に苦しむ乙女のように顔を逸らしました。
以前ならば吐き気を催す程の嫌悪感を抱いていましたが、慣れというものは恐ろしいですわね。
「んっ…舌が切れてしまいましたわ。」
本当は自分で切ったのですけれどね。
勿論お二人はそんなことには気付かずに、私の舌から滴り落ちる血を情欲を含んだ瞳で見ていました。
さぁほら、早く舐めたいのでしょう?
好きにして良いのですよ。今は、貴方達が私の命を握っているのですから。
案の定街中から離れたこの倉庫には、あの男性が他の貴族から買い取った麻薬が大量に保管してありました。
全てに火がついたのを確認すると、私は屋敷へと歩みを進めます。今頃はあの方達も美味しく焼きあがっていることでしょう。
嗚呼、少しばかり麻薬を頂戴して、ローズお姉様の婚約祝いにお渡しすれば良かったわ。
お姉様は新しいものを好むから、きっと喜んでくれたでしょうに。
勿体ないことをしましたわね。
…まぁそれよりも今は夜が開ける前に家に帰って、この穢れた体を清潔にするのが1番ですわ。
私だって純潔ではありませんけれど、あの様な下卑た人間に接物をされるのはなかなか耐え難いものがあります。
まぁ毒の効きが思ったりも早くて良かったですわ。
もしあのまま接物以上の行為に…なんて、考えただけでも鳥肌が立ちますもの。
けれどこれでこの毒の効果も分かりましたし、また改良が見込めそうですわね。
予想通り5時間程かかって屋敷に着いた頃にはもう日が昇り始めていたので、私はメイドに命じて直ぐに湯浴みをすると自室のベッドへと入りました。
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