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間違いなくトップシークレットです
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「大げさなんかじゃない」
「課長?」
「大げさなんかじゃないよ、ハルミ」
「え?」
彼は、私をギュッと抱きしめてきた。それだけでも心臓が止まりそうになるほどドキドキしているのに、さらに彼は私をキュン死させてくる。
「幸せだ」
「課長」
「ハルミと恋人になれてよかった」
噛みしめるように囁いてくる彼に、涙が零れそうになってしまった。
私との出会いを幸せに感じてくれている。それが、とても嬉しい。
私も負けじと彼の背中に手を回して、ギュッと抱きつく。
「私も課長と恋人になれてよかったです」
「ハルミ」
「で、でも……あの、課長わかっていますよね?」
「ん?」
身体を起こした課長は首を傾げる。何のことを言っているのか、わかっていない様子だ。
できれば、言葉にしなくてもわかってほしかった。だが、それはこちらの勝手な都合か。
なんでも自分の気持ちが伝わるなんて思うのは、おこがましいだろう。
恥ずかしさを噛みしめながら、小声で呟く。
「……私。未経験……です。それでも、満足してもらえますか?」
相手は百戦錬磨のイケメン完璧上司。それを聞いただけでも、私みたいな平凡なOLでは釣り合いが取れないだろう。
それだけならまだしも、彼にはトップシークレットが存在する。
万年発情期になるという性質があるのに、恋愛超初心者であり処女の私では役不足だろう。こんな私で、彼は満足できるのだろうか。
心臓がバクバク嫌な音を立てている。課長は、そのことについてどう思っているのか。
目を瞑って固唾を呑み彼の言葉を待っていると、おでこに柔らかな感触がした。驚いて目を開くとそこには私が大好きな課長の笑顔があった。
愛おしい、そんな感情が漏れ出ているように見えるのは……私の気のせいじゃないはずだ。
「当たり前だ。ハルミ以外はいらない」
「課長」
「ありがとう、ハルミ」
本当に嬉しそうに笑う課長を見ていたら、私も彼が愛おしくて仕方がなくなった。
彼に触れたい。触れてほしい。そんな欲求が湧き上がってくるのがわかる。
身体がなぜか熱を持ち、彼に触れてもらうのを待ちわびているようだ。
少し前までは未知の行為をすることに恐れをなして、緊張で心臓が壊れそうだった。
それなのに、今は早く抱いてほしい。そんなことを思うだなんて……。
――心の準備ができたってことなのかな……?
とはいえ、緊張するものは緊張する。それも、発情を我慢している課長と処女の私ではうまくいくのか。あれこれ考えてしまえば、心配しかない。
それでも、彼にハジメテをもらってほしいという気持ちは、ずっとずっと変わらずにある。
ほほ笑み合っていた私たちだが、急に課長の表情が変わる。
真剣な面持ちで私を見つめる視線には、どこか情欲を漂わせている気がした。
一気に雰囲気が一変。先程までの緊迫していた空気はどこかにいってしまった。
その代わりにベッドルームに漂うのは、甘い空気だ。
とにかく課長の目が、蕩けてしまいそうなほどに甘く感じる。
ドキドキと胸を高鳴らせていると、課長は私のおでこに触れてきた。そして、目にかかっていた前髪を払ってくれる。
ただ、それだけだ。課長は少し私に触れただけ。
それなのに、どうして身体が何かを期待しているように甘く震えてしまうのだろう。
自然と目に熱を持ち、視界が潤んでしまう。それは、これから起きるであろうことに身体が期待しているからだろうか。
何も言えず、ただ彼を見つめている私に、腰にくるような甘く低い声で囁いてくる。
「ハルミ、覚悟をしてほしい」
「か、覚悟……ですか?」
それはもう、これだけ色々なことをカミングアウトされたあとだ。
気持ちがなかなか追いつかないでいるとはいえ、ある程度の覚悟はできていると思う。
初回からトップギアで抱かれては堪らないが、徐々に難易度を上げてくれればなんとかなるような気がしている。
いや、なんとかしたいのだ。その努力なら惜しまない。
私はグッと両手で拳を作って、彼に見せた。
「はい、初心者なりに頑張ります!」
やる気に満ちている私を見て、最初こそ驚いた様子の彼だったが、表情を柔らかくして小さく笑う。
「ああ、そちらも頑張ってもらいたいけど……。そうじゃないよ」
「え?」
目を細め、課長は甘くほほ笑んでくる。ウットリするほどセクシーで、私の心臓は壊れてしまいそうなほどにドクドクと音を立てた。
そんな私の内心を知っているのか、知らないのか。
課長は妖しく口角を上げた。その様は、心臓が止まってしまいそうなほどに蠱惑的だ。
――先程までの、しおらしい課長はどこに行ってしまったのよぉぉぉぉ!
いつの間にか私の腰を跨いでマウントを取っている課長。どう頑張っても逃げることはできそうにもない。
それでも何か打開策を! そんな気持ちでキョロキョロしていたのだが、それを課長に止められる。
両頬を彼の大きな手で包まれ、至近距離には見目麗しいイケメン。
それだけでも完璧なのに、どうして性欲過多なんてとんでもないオプションを付けたんだろうか。
慌てふためいていると、彼は淫欲溢れる声で言う。
「覚悟を決めてくれ、ハルミ」
「か、課長!?」
声が上擦り顔を引き攣らせると、彼は唇に笑みを浮かべる。
「俺に、骨の髄まで愛される覚悟を――」
「っ!」
これは終わったかもしれない。先程までの処女アピールなんて聞き流されてしまったのだろうか。
だが、残念なことに、そんな彼を退けようとは思えなかった。
惚れた弱み。まさにそれに尽きるのだろう。
「愛している、ハルミ」
「課長」
「ハルミのハジメテ。俺にちょうだい」
「課長?」
「大げさなんかじゃないよ、ハルミ」
「え?」
彼は、私をギュッと抱きしめてきた。それだけでも心臓が止まりそうになるほどドキドキしているのに、さらに彼は私をキュン死させてくる。
「幸せだ」
「課長」
「ハルミと恋人になれてよかった」
噛みしめるように囁いてくる彼に、涙が零れそうになってしまった。
私との出会いを幸せに感じてくれている。それが、とても嬉しい。
私も負けじと彼の背中に手を回して、ギュッと抱きつく。
「私も課長と恋人になれてよかったです」
「ハルミ」
「で、でも……あの、課長わかっていますよね?」
「ん?」
身体を起こした課長は首を傾げる。何のことを言っているのか、わかっていない様子だ。
できれば、言葉にしなくてもわかってほしかった。だが、それはこちらの勝手な都合か。
なんでも自分の気持ちが伝わるなんて思うのは、おこがましいだろう。
恥ずかしさを噛みしめながら、小声で呟く。
「……私。未経験……です。それでも、満足してもらえますか?」
相手は百戦錬磨のイケメン完璧上司。それを聞いただけでも、私みたいな平凡なOLでは釣り合いが取れないだろう。
それだけならまだしも、彼にはトップシークレットが存在する。
万年発情期になるという性質があるのに、恋愛超初心者であり処女の私では役不足だろう。こんな私で、彼は満足できるのだろうか。
心臓がバクバク嫌な音を立てている。課長は、そのことについてどう思っているのか。
目を瞑って固唾を呑み彼の言葉を待っていると、おでこに柔らかな感触がした。驚いて目を開くとそこには私が大好きな課長の笑顔があった。
愛おしい、そんな感情が漏れ出ているように見えるのは……私の気のせいじゃないはずだ。
「当たり前だ。ハルミ以外はいらない」
「課長」
「ありがとう、ハルミ」
本当に嬉しそうに笑う課長を見ていたら、私も彼が愛おしくて仕方がなくなった。
彼に触れたい。触れてほしい。そんな欲求が湧き上がってくるのがわかる。
身体がなぜか熱を持ち、彼に触れてもらうのを待ちわびているようだ。
少し前までは未知の行為をすることに恐れをなして、緊張で心臓が壊れそうだった。
それなのに、今は早く抱いてほしい。そんなことを思うだなんて……。
――心の準備ができたってことなのかな……?
とはいえ、緊張するものは緊張する。それも、発情を我慢している課長と処女の私ではうまくいくのか。あれこれ考えてしまえば、心配しかない。
それでも、彼にハジメテをもらってほしいという気持ちは、ずっとずっと変わらずにある。
ほほ笑み合っていた私たちだが、急に課長の表情が変わる。
真剣な面持ちで私を見つめる視線には、どこか情欲を漂わせている気がした。
一気に雰囲気が一変。先程までの緊迫していた空気はどこかにいってしまった。
その代わりにベッドルームに漂うのは、甘い空気だ。
とにかく課長の目が、蕩けてしまいそうなほどに甘く感じる。
ドキドキと胸を高鳴らせていると、課長は私のおでこに触れてきた。そして、目にかかっていた前髪を払ってくれる。
ただ、それだけだ。課長は少し私に触れただけ。
それなのに、どうして身体が何かを期待しているように甘く震えてしまうのだろう。
自然と目に熱を持ち、視界が潤んでしまう。それは、これから起きるであろうことに身体が期待しているからだろうか。
何も言えず、ただ彼を見つめている私に、腰にくるような甘く低い声で囁いてくる。
「ハルミ、覚悟をしてほしい」
「か、覚悟……ですか?」
それはもう、これだけ色々なことをカミングアウトされたあとだ。
気持ちがなかなか追いつかないでいるとはいえ、ある程度の覚悟はできていると思う。
初回からトップギアで抱かれては堪らないが、徐々に難易度を上げてくれればなんとかなるような気がしている。
いや、なんとかしたいのだ。その努力なら惜しまない。
私はグッと両手で拳を作って、彼に見せた。
「はい、初心者なりに頑張ります!」
やる気に満ちている私を見て、最初こそ驚いた様子の彼だったが、表情を柔らかくして小さく笑う。
「ああ、そちらも頑張ってもらいたいけど……。そうじゃないよ」
「え?」
目を細め、課長は甘くほほ笑んでくる。ウットリするほどセクシーで、私の心臓は壊れてしまいそうなほどにドクドクと音を立てた。
そんな私の内心を知っているのか、知らないのか。
課長は妖しく口角を上げた。その様は、心臓が止まってしまいそうなほどに蠱惑的だ。
――先程までの、しおらしい課長はどこに行ってしまったのよぉぉぉぉ!
いつの間にか私の腰を跨いでマウントを取っている課長。どう頑張っても逃げることはできそうにもない。
それでも何か打開策を! そんな気持ちでキョロキョロしていたのだが、それを課長に止められる。
両頬を彼の大きな手で包まれ、至近距離には見目麗しいイケメン。
それだけでも完璧なのに、どうして性欲過多なんてとんでもないオプションを付けたんだろうか。
慌てふためいていると、彼は淫欲溢れる声で言う。
「覚悟を決めてくれ、ハルミ」
「か、課長!?」
声が上擦り顔を引き攣らせると、彼は唇に笑みを浮かべる。
「俺に、骨の髄まで愛される覚悟を――」
「っ!」
これは終わったかもしれない。先程までの処女アピールなんて聞き流されてしまったのだろうか。
だが、残念なことに、そんな彼を退けようとは思えなかった。
惚れた弱み。まさにそれに尽きるのだろう。
「愛している、ハルミ」
「課長」
「ハルミのハジメテ。俺にちょうだい」
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