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あのあと、暁乃の部屋に連れていかれた僕は自らセーラー服を脱ぎ捨てた彼女に制服を脱がされて、ベッドに座らされた。
彼女の両親は共働きで、今日も夜まで帰ってこない。
何度か一緒に彼女の部屋で勉強したりゲームしたりすることはあったが、こんな風に彼女がいきなり服を脱ぐところなど、見たこともなかったし、ましてや彼女が僕の服を必死になって脱がす姿など、想像したこともなかった。
それだけ彼女も、追い詰められていたのかもしれない。
「目が見えなくなる前に、泰介が欲しい……! キスだけじゃ足りないの。あたし、泰介のぜんぶが見たい」
そんな風に迫られるとは思いもしなかった。
真摯な表情ではだかになった彼女は僕に手を伸ばし、身体のパーツをゆっくりと確かめていく。髪、顔、瞳、鼻、唇、顎、首、肩、胸、腕、臍……暁乃に愛おしそうに見つめられて、僕の下半身はすでに重たくなっていた。
「ふふ。勃ってる」
「……仕方ないだろ」
「あたしにふれられて、興奮してる?」
「ああ。してるよ」
たどたどしく下腹部に手を伸ばし、叢からそそり勃つ分身に指を絡ませた暁乃は、先走りのぬめりに目をまるくしながら、僕にキスをする。
「キスよりも先のことをしたいんだろう? もっと、挑発するように舌を出して」
「こ……こう?」
「あ、あ。上手だよ、暁乃」
「んっ」
舌を絡ませて、ぴちゃぴちゃと音を立てながら、僕は恥ずかしそうに分身を擦りながら頬を真っ赤にしている彼女の無防備な肩を抱く。そのままベッドに押し倒せば、暁乃がびくっと身体を震わせる。
「暁乃ばっかりずるい。暁乃も、僕が愛する姿を見ろよ」
「あっ……んっ」
「ずっと生でさわりたいと思っていたんだ。暁乃の胸。やわらかくて、美味しそう」
「ひぁあ」
「ほら、よく見て。赤ちゃんみたいにおっぱいに吸いついてるでしょう? どんな気持ち?」
「は、恥ずかしい、よぉ」
「でも、気持ちいいんだね。かわいいよ、暁乃」
「はうん」
よく見てほしい。目の前の男が自分の身体を暴いていくところを。
僕の手と口で気持ちよくなってほしい。光を失いつつある瞳を含めて五感で感じてほしい。
ぜんぶ見たいと言ってくれた暁乃に応えたい。
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