15 / 72
前略、銃と拳と
しおりを挟む
「動くな、手をあげろ」
女の子がいた、強い言葉を使っても、なんだか優しげで、お嬢様を感じさせる雰囲気がある。
ただその赤く、勝ち気な瞳が、彼女に強い意志を感じさせる。
緩やかな坂道を登りきり。開けた道へとでてきたあたしたちの前に、指で銃を作って、唐突な強盗宣言。
これまたありきたりなセリフだなぁ。
「お断りします」
ブレないなぁ……
「あなたが黒い悪魔ね!数々の悪行、知ってるだから!」
女の子はビシッ、とリリアンを指差す、おっと、リリアンのお客さんだったか。
実際悪魔みたいなものだけど、なにも知らずに悪行とか言われるのは気分よくないね。
仕方ない、誤解を解くためにここはあたしが………
「全てにおいて特に否定はしませんが、これはいささか失礼では?まずはそちらが名乗るべきかと」
「あ、ごめんなさい。あたしはリッカ。悪人退治専門の冒険者!賞金稼ぎ!」
否定しないんだ!?まぁ、リリアンのお客さんならあたしが口出すことではない。
素直に謝るなんていい人だなぁ、感心感心。
でも強そうな人には関わらないでおこう。
「あいむ、じゃすてぃすうぉんでっとはんたー!」
…多分、アホの人だ関わらないでおこう。
「私を倒したいのはわかりました。では先に私の生徒が相手になりましょう」
リリアンとアホの人を置いて街でも見てこようかな?と先に行こうとしてたところを呼び止められる。
え、生徒?
「う~ん……いくら生徒だとしても関係ない人と戦うのは正しくない気がするような?」
お、意外と話しがわかるじゃないか。うんうん穏便にすまそうよ。
あたしは久しぶりの常識人に、思わず首を縦に振る。
「悪魔の生徒を先に倒しておくのも、正義の賞金稼ぎの仕事だと思いますよ」
「戦いましょう、悪魔の生徒!」
「乗せられるのはやぁーい!」
自分を持とうよ!しっかりと!
仕方ない、とイヤイヤながら剣を抜き、カゴを降ろす。人とまともに戦うのは初めてかも…
「いっくわよー!」
掛け声と共に2丁の銃を取り出すリッカ……なるほど賞金稼ぎなんだから銃だよね。
「………て、銃!?」
「え?そんなに珍しいかな?」
キョトン、とした顔のリッカ、くるくると銃を回してあたしに問う。
「珍しいってか死ぬでしょ!一発で!」
「あなたの世界の銃が、どんなものかは知りませんが。この世界では飛び道具であり打撃武器です。」
「その心は……?」
「あたってもめちゃくちゃ痛いだけだよ!」
朗らかなリッカの声に地団駄、ちくしょう!それがいやなんだ!
「私の弟子を名乗っておいて、銃を持ち出されたから負けましたは通りませんよ」
あれ?さっきは生徒とか言ってなかった?
いや、どちらにせよ名乗った覚えはないのだけど……
「それに銃を想定した訓練もしたでしょう。思い出して下さい」
「そんなのやったっけ……」
えーっと………もしかしてリリアンの投げた石からひたすら逃げ続けたあの理不尽の事を言ってるのだろうか。
……あれは特訓ではない、ただの暴力である。
繰り返す、特訓ではない暴力である。
だいたい、いつまであたしは、石の入ったカゴを背負うなんていう時代錯誤な特訓をさせられるのか。それ+特訓(暴力)である。たまったものではない。
「思い出せたようですね。それに加えて弾が一発当たるごとに……」
「はいはい、どうせ石を増やすんでしょ…」
「岩を増やしましょう」
負けられない戦いがそこにあった。
「「先手必勝!!」」
あたしとリッカの声が重なる。あたしは駆け出し、リッカは構える。
ちぃ!お互い考える事は同じか!
放たれるリッカの弾丸。ええいままよ!
頑張れ反射神経。踏ん張れ運動神経。死ぬ気で振り払う!
片手剣から伝わる衝撃、それでも耐えれる!装備変更、双剣へ!
「あれ!?増えた!」
お、初めての反応、ならもっと驚かせてあげる!
片手剣、両手剣、双剣、大剣と次々に武器を変えていく。
「面白ーい!まるでピエロみたい!」
ピエロ……ピエロか……悪くないかな!
悪くない、ピエロは誰かを笑顔にするイメージがある。それでも手は緩めない。
もしも緩めたら岩がカゴに放り込まれるだろう。
「スキあり!」
しばらく打ち合ってようやく見つけたチャンス。
装備変更、大剣へ!ここ1番の大振りで!
捉えた!………んん?
ゆっくりと流れる時間、なんだか前にもこんなことあったような?
「あたしのホントーの武器は!」
リッカが銃を投げ捨て叫ぶ、あ、これって…
「実はこの拳!」
腹部に炸裂するリッカの拳、決着。
あたしの負け。リッカはなんだか考え込みながら近づいてきて。
「う~ん?戦ってみて思ったけど、あなたたちは悪人じゃなさそう」
戦い方がまっすぐだもの、だから、ごめんなさい!と頭を下げる。
「なに、いいってことよ」
「倒れながらでは滑稽なだけですね」
手を振り替えすあたしにリリアンが茶々を入れる
うるさい、誰のせいだと。
「あなたのお名前は?」
リッカの問いかけ、そういえば名乗ってなかった。
「セツナだよ、よろしくね」
握手と共に別れる。負けたけど爽やかな風が吹いたような出会いだった。
「勝てばいろいろはぎ取れたものを」
後ろの悪魔は相変わらずだった。
女の子がいた、強い言葉を使っても、なんだか優しげで、お嬢様を感じさせる雰囲気がある。
ただその赤く、勝ち気な瞳が、彼女に強い意志を感じさせる。
緩やかな坂道を登りきり。開けた道へとでてきたあたしたちの前に、指で銃を作って、唐突な強盗宣言。
これまたありきたりなセリフだなぁ。
「お断りします」
ブレないなぁ……
「あなたが黒い悪魔ね!数々の悪行、知ってるだから!」
女の子はビシッ、とリリアンを指差す、おっと、リリアンのお客さんだったか。
実際悪魔みたいなものだけど、なにも知らずに悪行とか言われるのは気分よくないね。
仕方ない、誤解を解くためにここはあたしが………
「全てにおいて特に否定はしませんが、これはいささか失礼では?まずはそちらが名乗るべきかと」
「あ、ごめんなさい。あたしはリッカ。悪人退治専門の冒険者!賞金稼ぎ!」
否定しないんだ!?まぁ、リリアンのお客さんならあたしが口出すことではない。
素直に謝るなんていい人だなぁ、感心感心。
でも強そうな人には関わらないでおこう。
「あいむ、じゃすてぃすうぉんでっとはんたー!」
…多分、アホの人だ関わらないでおこう。
「私を倒したいのはわかりました。では先に私の生徒が相手になりましょう」
リリアンとアホの人を置いて街でも見てこようかな?と先に行こうとしてたところを呼び止められる。
え、生徒?
「う~ん……いくら生徒だとしても関係ない人と戦うのは正しくない気がするような?」
お、意外と話しがわかるじゃないか。うんうん穏便にすまそうよ。
あたしは久しぶりの常識人に、思わず首を縦に振る。
「悪魔の生徒を先に倒しておくのも、正義の賞金稼ぎの仕事だと思いますよ」
「戦いましょう、悪魔の生徒!」
「乗せられるのはやぁーい!」
自分を持とうよ!しっかりと!
仕方ない、とイヤイヤながら剣を抜き、カゴを降ろす。人とまともに戦うのは初めてかも…
「いっくわよー!」
掛け声と共に2丁の銃を取り出すリッカ……なるほど賞金稼ぎなんだから銃だよね。
「………て、銃!?」
「え?そんなに珍しいかな?」
キョトン、とした顔のリッカ、くるくると銃を回してあたしに問う。
「珍しいってか死ぬでしょ!一発で!」
「あなたの世界の銃が、どんなものかは知りませんが。この世界では飛び道具であり打撃武器です。」
「その心は……?」
「あたってもめちゃくちゃ痛いだけだよ!」
朗らかなリッカの声に地団駄、ちくしょう!それがいやなんだ!
「私の弟子を名乗っておいて、銃を持ち出されたから負けましたは通りませんよ」
あれ?さっきは生徒とか言ってなかった?
いや、どちらにせよ名乗った覚えはないのだけど……
「それに銃を想定した訓練もしたでしょう。思い出して下さい」
「そんなのやったっけ……」
えーっと………もしかしてリリアンの投げた石からひたすら逃げ続けたあの理不尽の事を言ってるのだろうか。
……あれは特訓ではない、ただの暴力である。
繰り返す、特訓ではない暴力である。
だいたい、いつまであたしは、石の入ったカゴを背負うなんていう時代錯誤な特訓をさせられるのか。それ+特訓(暴力)である。たまったものではない。
「思い出せたようですね。それに加えて弾が一発当たるごとに……」
「はいはい、どうせ石を増やすんでしょ…」
「岩を増やしましょう」
負けられない戦いがそこにあった。
「「先手必勝!!」」
あたしとリッカの声が重なる。あたしは駆け出し、リッカは構える。
ちぃ!お互い考える事は同じか!
放たれるリッカの弾丸。ええいままよ!
頑張れ反射神経。踏ん張れ運動神経。死ぬ気で振り払う!
片手剣から伝わる衝撃、それでも耐えれる!装備変更、双剣へ!
「あれ!?増えた!」
お、初めての反応、ならもっと驚かせてあげる!
片手剣、両手剣、双剣、大剣と次々に武器を変えていく。
「面白ーい!まるでピエロみたい!」
ピエロ……ピエロか……悪くないかな!
悪くない、ピエロは誰かを笑顔にするイメージがある。それでも手は緩めない。
もしも緩めたら岩がカゴに放り込まれるだろう。
「スキあり!」
しばらく打ち合ってようやく見つけたチャンス。
装備変更、大剣へ!ここ1番の大振りで!
捉えた!………んん?
ゆっくりと流れる時間、なんだか前にもこんなことあったような?
「あたしのホントーの武器は!」
リッカが銃を投げ捨て叫ぶ、あ、これって…
「実はこの拳!」
腹部に炸裂するリッカの拳、決着。
あたしの負け。リッカはなんだか考え込みながら近づいてきて。
「う~ん?戦ってみて思ったけど、あなたたちは悪人じゃなさそう」
戦い方がまっすぐだもの、だから、ごめんなさい!と頭を下げる。
「なに、いいってことよ」
「倒れながらでは滑稽なだけですね」
手を振り替えすあたしにリリアンが茶々を入れる
うるさい、誰のせいだと。
「あなたのお名前は?」
リッカの問いかけ、そういえば名乗ってなかった。
「セツナだよ、よろしくね」
握手と共に別れる。負けたけど爽やかな風が吹いたような出会いだった。
「勝てばいろいろはぎ取れたものを」
後ろの悪魔は相変わらずだった。
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで
ひーにゃん
ファンタジー
誰もが魔力をもち魔法が使える世界で、アンナリーナはその力を持たず皆に厭われていた。
運命の【ギフト授与式】がやってきて、これでまともな暮らしが出来るかと思ったのだが……
与えられたギフトは【ギフト】というよくわからないもの。
だが、そのとき思い出した前世の記憶で【ギフト】の使い方を閃いて。
これは少し歪んだ考え方の持ち主、アンナリーナの一風変わった仲間たちとの日常のお話。
冒険を始めるに至って、第1章はアンナリーナのこれからを書くのに外せません。
よろしくお願いします。
この作品は小説家になろう様にも掲載しています。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる